「 やっとやっとスマホに替える 」


 出先で調べ物をしなければならないとき、
ネットがあればなあ、と思うことが何度かあり、
ガラケーにこだわっていた私も、
いよいよスマホに機種変更することにした。

 息子たちに送っていたCメールも、めっきり気付かれにくくなり、
「お母さんもラインで連絡してほしいな〜!」
と、再三提案されていた。

 実家の父の携帯(もちろんガラケー厚み3センチ!)も、
7〜8年使っていたものが、とうとう壊れてしまい、
「おれもお前んとこの家族割に入れてもらおうかなあ」
と言うので、一緒に機種変をしに行ってきた。

 私は、「はじめてスマホ」なるものを買い、
父は、ガラケー&タブレット端末のセットを買った。

 帰宅してから息子たちに寄ってたかってラインの設定をされると、
あれよあれよといろんなハプニングが始まった。

 名簿を消去せずに残っていた、もう全然お付き合いの無い人たちに、
夜中の11時過ぎに、どんどんラインでつながってしまい、
片っぱしから必死に息子に消してもらう。

 更に、中学時代の友人が
「あかじそちゃん?」
と反応してきたので、
遅い時間に呼び掛けてしまったことを必死でわびる。

 半狂乱で「どうしようどうしよう」と慌てる私に、
次男と四男は、
「呼びかけてきても、開いて既読マークを出さなければ、
翌日にゆっくり返事してもいいんだよ」
と言うが、私としては、
夜中に急に呼びかけたのはこっちなのに、
返事が来たら無視なんて、絶対ダメダメ!!・・・・・・なのである。

 また、息子たちは、
アプリをいくつもダウンロードしてくれたが、
頭の古い私は、
「これ、お金掛からないの?」
「いきなり数十万円請求されない?!」
と、大パニックになった。

 スマホを使いなれている今どきの息子たちには、
私の慌てようは、こっけいに映っただろう。
 自分たちには、「便利で楽しいおもちゃ箱」なのに、
母は、まるで「恐怖の玉手箱」のように怯えているのだから。

 ガラケーに固執した時間が長かったため、
すっかり時代に置いていかれていたようだ。

 ガラケーでは、とても便利だったアラーム機能が、
スマホだといちいち設定が面倒な手順になるし、
スケジュールも、ごたいそうで使いづらい。

 何をするにもいちいちアプリアプリで、
それがいいんだか悪いんだかもわからない。

 何ギガだとか、アカウントだとか、
何だかわからん!!  

 ネットの闇が怖い!

 知らんうちの課金が怖い!!

 ああ、いつになったら、スマホに振り回されず、
使いこなせるようになるんだ?

 いつになったら、これ、
楽しい道具に変わるんだ?!

 おばちゃんだもの!
 だって私、超アナログのおばちゃんだもの!!

 順応遅いんだよ〜〜〜い!!!


 (了)

(しその草いきれ)2015.4.20.あかじそ作