「 言葉の学習 」

 もうすぐ2歳の四男は、兄3人からことばを学ぶ。

 長男からは、

「いいよ〜」
「あんと」(ありがとう)

 次男からは、

「オチリ」(おしり)
「ウンチ」
「クチェ〜」(くせえ)

 を、学んだ。

 これだけ見ただけで、長男と次男のヒトトナリは、推して知るべし、だ。

 そこへもってきて、三男から学んだことばが、

「カエセー!」
「バター!!」(バカー!!)
「イテー!」
「ヤメティヨー!!」(やめてよー!)

 これで、三男が、兄たちから、どういう扱いをされているのかが、よくわかる。

 しかし、連日「中間管理職」に悩む三男も、
生まれ持った「しつこい」という性格を以ってして、
母の関心を得ようとしている。

 そして、母から言われる、

「この、ストーカーヤロウ!」
「あったま、わり〜ぞ」

を、幼稚園で連発し、親子共々、先生に叱られた。

 ことばって怖い。

 「言霊」ということばがあるけれど、
ことばの中に、自分の魂が削り節みたいになって入り込み、
ダシを効かせて、相手の精神と身体に浸透していってしまうのだ。

 いいことも、悪いことも、みんな、ことばのダシになっている。

やばいではないか。
私の育児は。

 鰹節や、昆布や、煮干なんかでいいダシとりたいところだが、
イライラしたり、キレたりするたび、
「おやじの3日履き続けた靴下」のような魂のダシを効かせている。

 まずいし、臭いし、病気になっちゃう。

 まず、私自身が、親からヤバイダシで育てられた、ということをよく自覚し
て、
強い意志で浄化していく作業をしないといけないのだ。

 それにしても、私が、親から言われ続けたことばの数々!

「バッカじゃないの!」
「モタ!」
「のろま!」
「出でいけ」
「おかしいんじゃないのっ?」
「ぶっとばされてえのか、コノヤロー」

 ああ、こうまで「ジャンク」だと、返って気持ちいい。(ホントか?)
.

 汚いことばには、汚い心が宿ってしまう。
気をつけよう。気を付けて、子供と話そう。

 そして、どうしても「ジャンク」なボキャブラリーを排出したくなったら、
夫にアタックだ。
夫には、

「妻の発する音声を聴覚までは伝達するが、その内容を脳まで伝えない」

という特殊機能がついているので、大丈夫だ。 

 そうだ、そうしよう。


2002.01.25 作:あかじそ