第546回 4月せいび歩こう会

彦  根  城

江戸時代初期、現在の滋賀県彦根市金亀町にある彦根山に、鎮西を担う井伊氏の拠点として置かれた平山城(標高50m)である。
山は「金亀山(こんきやま)」との異名を持つため、城は金亀城(こんきじょう)ともいう。
多くの大老を輩出した譜代大名である井伊氏 14代の居城であった。 明治 初期の 廃城令 に伴う破却を免れ、天守が現存する。
天守 と附櫓(つけやぐら)及び 多聞櫓 (たもんやぐら)の 2 棟 は国宝に指定、中でも 馬屋 は重要文化財物件として全国的に稀少である。 希少である。

埋木舎と井伊直弼

彦根藩主の十四男として生まれた井伊直弼は 5歳のとき母を失い、 17-歳のとき隠居していた父 井伊直中 (11代藩主)が亡くなり、弟の 井伊直恭 とともにこの控え屋敷に入った。

部屋住み時代の直弼は、のちに腹心となる 長野主膳 に 国学 を、さらに 曹洞禅 、 儒学 、 洋学 を学んだ。禅では「有髪の名僧」と呼ばれるほどであったという。書、絵、 和歌 のほか、 剣術 ・ 居合 ・ 槍術 ・ 弓術 ・ 砲術 ・ 柔術 などの 武術 、 乗馬 、 茶の湯 などの多数の趣味に没頭した。

半面「余は一日 4時間眠れば足りる」として文武両道の修行に励んでおり、苦悩と屈託の多い青春であったことがうかがえる。なお、 愛人「村山タカ」と青春を語り合ったところでもある。