am5:30
54歳違いの「双子」、<じじじそ>と次男の語り合う声
二人は、顔も性格も酷似している。
(あかじそも2人に似ているが、彼らほど激似ではない。ばばじそ遺伝子もかなり混じっている)
「ゆんべ、ジイのイビキ、うるさかったか?」
「ぜんぜん、きこえなかった」
「眠れたか?」
「うん、バッチリ」
「そうか・・・・・・。ばあさん、だいじょぶかな? ユウジ」
「なにが?」
「死んでねえかな?」
「なんで?」
「ゆんべ、具合悪くて、寝こんじまったんだよ、ばあさん」
「だいじょぶでしょ」
「だいじょぶか。ほんとか?」
「うん、だいじょぶ、だいじょぶ。ジイ、安心しな」
「ありがとな、・・・・・・」
その後、2人は、別々の窓から、それぞれ、別々の方向の、
大阪の景色を、黙って見ていた。