あかじそ作品

 図画工作は好きだけど、ちまちました家庭科の裁縫は大嫌いだった。
 しかし、店に売ってるものがどれも気に入らなかったり、
気に入ったとしても、自分がその商品に感じる価値が、
その価格ほど高くないことが多かった。
 ある日、ふと、手芸屋を覗くと、面白い生地がいろいろ売っていて、
「この生地でこんな服を作ったら可愛いな」とか、
「こんな生地でできたバッグがあったら面白い!」とか考えているうちに、
あっという間に2時間経っていた。
 それから私の趣味のひとつに裁縫が(図画工作の延長として)加わったのだ。
 演劇部では衣装担当になって、
サンタクロースの服や遠山の金さんの裃などを作ったりした。
 舞台装置担当になって、
何十種類もの青い布を組み合わせて、舞台全体を海にもした。
 もはや私の裁縫は、「誰かが作った型紙に準じて作る」という
しおらしいものとはかけ離れていった。
 生地屋で惚れた生地を買い、
その生地をテーブルに広げてじっくり見つめ、
「これだ!」
と、思いついたら、いきなり、
しるしも付けずに裁ちばさみでドワ〜ッと切りまくり、
般若のような顔で一心不乱に縫いまくる。
 その際、ミシンは用いず、ほとんどが手縫い。
 ミシンもたまに使うが、
糸を機械に通したり、絡んだ下糸を直したりする作業が
ものすごくイライラするので、時間がかかるが手縫いをしてしまう。
 だから、失敗も多いが、魂のこもった「日常に即さない芸術作品」もできる。

 

 ここに紹介したものは、数少ない手元に残っているもの。
(みんな人にプレゼントしてしまったので)
全部思いつきで一気に縫い上げたものです。
 でき損ないばかりですが、どれも可愛い私の子供たちです。

 

 90p×90pのハワイアンキルト。
 真ん中は基本のパターンだが、
まわりの模様は自分で考えてみた。
 本来はフレームを付けるのだが、
作っている途中で飽きてきたので
(製作期間約1ヶ月)
とも布でバイアステープを作って囲んだ。
 タペストリーにして飾っているが、
その横を通るたび、
この縫い目が私を穏やかな気持ちにしてくれる。
 不思議だ。

 先週、いとこのhanaの娘・亜美に、
発作的に「なんちゃって着物」を縫ったが、
ヤツの成長が想像以上に早く、
きつくて入らなかったらしい。
 その着物は洋裁用の生地で作ったので、
今回は反対に、浴衣用の生地を
夏のワンピースにしてみた。
 ちなみに、生地は、30pのハギレで、
70円だった。
 これも【30p・70円】のハギレで作った。
 hanaの前掛けと亜美の前掛け。
 hanaは痩せているからちょうどいいと思うが、
(私の胴でも巻けるサイズなので)
 残り布で作った亜美前掛けは微妙〜(-_-;)
 また、ぽぽちゃん用になってしまうかもしれない。
 ワンピースと前掛け、着用したところは、
またhanaのホームページで見せてくれるでしょう。
 (今度こそ着用できますように!)

12年前くらいに作った真っ赤なジージャン。
 さすがにこれはミシンで縫ったが、
ミシンで作るからには、ステッチにかなりこだわった。
 真っ赤のデニムに銀のボタンという組み合わせが
気に入っていて、12年間愛用している。
 あるときは腰に巻き、
またあるときは出先でアカンボのおくるみにもなった。
 どんなにザブザブ洗っても、乱暴に扱っても、
一向に「壊れる」気配なし。
 タフでケナゲな赤い相棒だ。
 ちなみにこれも型紙なしで雰囲気で作った。