「 なあとねえ 」
「なあ」と、「ねえ」
について、最近、よく考える。

自分の感情に、
「なあ」を、つける。

「いいなあ」
「いやだなあ」

「なあ」は、感情をひとりで噛み締める。

続いて、自分の感情に、
「ねえ」をつけてみる。

「いいねえ」
「いやだねえ」

「ねえ」は、ひとと、感情を共有する。

噛み締める「なあ」と、共有する「ねえ」。

 私は、生まれてこの方、ずっと「なあ」だった。
噛み締めて噛み締めて、噛み締めまくっていたから、
なんだか、最近、ひとりぼっちで淋しいのだ。

 もうそろそろ、人生も中盤戦になるから、
「ねえ」も言ってみようかな、と思っている。
 
「いやだなあ」だと、いつまでも、いやなままなのだ。
「いやだねえ」と言うと、何だか、それでもう、「いや」をちょっと解消している。

「いいなあ」だと、しみじみしていいけれど、
「いいねえ」の方が盛り上がりそうだ。

「なあ」の人がガンクビ揃えて噛み締めてても、
ちょっと淋しい。
ちょっと、「ねえ」って言ってみよう。

ねえ。


                                2002.02.06 作:あかじそ