hana初出産を祝って 

「誕生日の手紙」

 2002年、12月20日15時3分、
帝王切開により、3278グラムの女児出産。
 
 お母さんのhanaは、ひどいつわりに長い間苦しみ、
そのつわりが明けた途端に切迫流産の危険が日々迫り、
強い薬を飲んで寝て暮らす、という大変な妊娠生活でした。
 臨月あたりになると、育ての親のおばあちゃんが
倒れて入院。危険な状態が続いていました。
 おばあちゃん子のhanaは、
病院の集中治療室で人工呼吸器を付け、
息も絶え絶えのおばあちゃんに、自分のお腹を触らせて、
「もう少しで生まれるから、頑張ってね。きっと抱いてね」
と、励まし続けました。
 そして、出産の間際、小柄なhanaの骨盤より大きく育った赤ちゃんは、
帝王切開で産まれることになりました。
 hanaは、最後まで迷いました。
 できれば下から産んで、一刻も早く回復して退院し、
病床のおばあちゃんに赤ちゃんを見せたいと思っていたからです。
 大きな赤ちゃんが、
狭い骨盤で詰まり、少し曲がった背骨でつかえて、
相当苦しいお産になるのを覚悟で、
おばあちゃんのために頑張りたいと、
不安な気持ちを抱えて、覚悟していました。
 しかし、それは非常に危険すぎました。
 周囲に「無理しないで」と言われても、
頑なに「大丈夫」と言っていたhanaも、
「hanaが心配なんだ。安全な選択をして欲しい」
という夫のよっちゃんのことばに、
素直に心をほどき、帝王切開をすることになったのです。
 
 生まれた女の赤ちゃんは、
hanaやよっちゃんにとっては初めての子です。
 よっちゃんのご両親にとっても、
hanaのママにとっても初孫です。
 特別な想いを以って、彼女は誕生を歓迎され、
無条件にかけがいのない存在として、
みんなに迎えられました。

 まだ名もなき赤ちゃん、
あなたが大きくなって、悩み多き大人になったら、
この手紙を読んでください。
 あなたのお母さんは、あなたの誕生日に、
この手紙をきっとあなたに手渡すでしょう。
 毎日、悩んで、苦しんでいるあなたは、
ひとりぼっちで寒い寒い気持ちで生きているかもしれません。
 でも、あなたの誕生に、
あなたの周りの人々は、みな感激し、
我を忘れて右往左往して、
自分自身のことよりも、
あなたの健康と幸せを、心から祈っているのです。
 そして、それは今もこれからも、ずっと同じです。

 誕生日おめでとう。
 みんなあなたを見守っています。
 いろんなことに負けないで、
その、生まれながらに愛されているという力を武器に、
幸せを、自分の手でつかみ取ってください。 
 健闘を、心から祈っています。
 
  
 埼玉のおばちゃんより 

                      2002.12.24.作あかじそ