「 節水データ 」

 頭だけで、または、感情だけで、
エコだ節約だ、と叫んでいても、
実情は変えられないと思う。
 ここは、ひとつ、冷静に、
データを分析して、
科学的に建設的に
節水してみよう。

 我が家の水道使用量は、
水道局の請求書によると、
2ヶ月で平均36立方メートルほどだ。
 そう言われてもピンと来ないので、
1日の使用量を出してみた。、

 36立方メートル/60日=600リットル/日

 つまり、1日、600リットル使っている。

 えっ!

 1日、1リットルを600杯!
 2リットルペットボトルで1日300本!

 多くない?
 多すぎない?
 うちだけで1日600リットルって、
じゃあ、世界中では一体1日どれだけ水使ってんのよ!

 やばいじゃん!
 馬鹿じゃないの!
 全然ダメ!

 水道局は、こんな異常事態を
【2ヶ月使用量36立方メートル】なんて、
淡々と記してる場合じゃないよ!
 【ちょっと! あんたんとこ、
1日600リットル使ってるけど、どういうこと?!】
っていう請求書を出すべきだって!

 うちは、風呂の容積が

幅88p× 奥行き60p× 深さ60p で、

 満タンから10pほど下まで
お湯を張っているから、

88×60×50=264000立方センチメートル、
つまり、264リットルを水道から風呂に入れている。

 と、いうことは、600リットル−264リットル=336リットルで、
336リットルもの水を、その他のことで使っているということだ。

 トイレのタンクの容積は三角柱なので、
(対角線40p× 奥行き30p ×深さ30p)÷2で、
18000立方センチメートル。
 つまり、18リットル。
 1回「大便モード」を流すと、18リットルの水が流れ去る。
 つまり、2リットルのペットボトルで9本分の「飲料水」が
1回の排泄ごとに捨てられる。

 もったいないなあ!
 変じゃない?

 私は以前テレビで見た
「トイレのタンクに水を入れたペットボトルを入れる」
というのをやってみた。
 タンクの中には、
いろいろな器具が入っているので、
思ったほど入らなかったが、
それでも2リットルと1.5リットルのペットボトルを1本づつ入れた。
 入れ方を間違うと、
底の栓の部分にかかってしまって、
栓が閉まりきらず、
ずっとチョロチョロ水が出続けてしまうから、
ペットボトルの入れ方は気をつけないといけない。

 これにより、我が家の1回の「排泄物流し」には、
18リットル−3.5リットル=14.5リットル。
 タンクの中の浮き球の金属棒を
若干下側に押し曲げて、
給水レベルを少し下げてやったので、
およそ14リットルになった。

 それでも1回につきペットボトル7本なんだから、
極力無駄使いはしたくない。
 とは言え、よく節約特集で紹介されているような
「ウンコ以外は流さない」
というようなことは、したくない。
 不潔は病気の元だし、
常におしっこくさいのはイヤなので、
私は流したい。
 ただし、「飲料水」を7本も9本も流すのはおかしい。
 風呂の残り湯や、皿洗い後の排水を
バケツにとっておいて流すことにした。

 と、いう訳で、ここ一ヶ月、
風呂水をトイレに流すことを続けて
気がついたことがある。
 ウンコはともかく、おしっこはすぐ流れる。
 少量の水で事足りる。
 が、流れないのは「トイレットペーパー」だ。
 便器の奥の、水がたまっている部分に
拭いた紙を落としてやれば、
そこをねらって洗面器一杯の水をぶつけてやることで
サッと流れてくれるが、
前のほうの平らな部分に紙があると、
何倍もバケツの水を掛けないと流れない。
 この辺が、ひとつ、ポイントだと思う。
 節水のためには、
トイレットペーパーは、拭いたら水の中に放る。
 ・・・・・・拭いた紙を使用済みナプキンの要領で
ビニールなどに入れて別途ゴミ箱に捨てようか、
とも考えたが、そこまでやったら面倒すぎるし
不衛生になりそうなのでやめておく。
 でも、気合のある人は
ぜひ試してみて欲しい。

 まあ、そんなことで、
夜の風呂のお湯張りまでは、
トイレの水をほとんど使わずに済むことが多くなった。

 なぜ「完全に」ではなく「ほとんど」かというと、
子供や夫は、無意識に流しているからだ。
 下手したら、私も無意識に流してしまうこともある。
 まあ、これは、習慣だから仕方ない。
 徐々に新ルールに慣れていこう、
ということで、オトガメなしにする。

 さて、次に、
庭の水撒きだが、
いつも外水道でザーザーやっていたが、
1回、風呂の残り湯で撒いてみたら、
意外にも大量の水を使うことがわかった。
 風呂水の減り方からざっと概算して、
およそ53リットル。
 ペットボトルで26本分。
 夏場は朝晩2回撒くので、
1日52〜53本、
100リットル以上撒いていることになる。

 ペットボトル100本の「飲料水」を
庭に撒き倒してるのって・・・・・・
うちの狭い庭の、しょぼい植木や木などに
1日100リットル!

 ありえません!
 それはゼイタクすぎるってもんでしょ。

 野郎ばっかりの(私は女だが・・・垢はおっさん並に出る)
6人家族の体から出た、
物凄い有機物の数々が溶け込んだ水の方が、
植木にはいいと思う。
 いや、そうに決まっている。

 そうそう、とある通販で、
雨どいに取り付けて雨水をタンクに貯める装置を
売っていた。
 この間、近くのホームセンターでも売ってた。
 あれ、自分で作ってみようかな。
 雨どい途中で切って、
ドラム缶みたいのにつないで、
そこからあふれた分は
下水に流れるように加工して、と。

 それを、庭の水遣りに使えば、
だいぶ違うだろう。

 さて、
今まで、うちは、洗濯するとき、
ドバーッと洗剤を入れて
すすぎを2回回し、
大量の水を使ってきたせいで、
実際は、風呂の残り湯では足りず、
水道水に切り替えて
2回目、3回目の洗濯をしていた。
 が、大家族、しかも野郎ばっかりで
汚れ物の量が半端でないのだから、
洗剤を半分に減らして、
すすぎを1回づつにしてみた。
 すると、洗濯機を2回回しても
風呂水があまった。
 トイレに流す分や、
庭に撒く分もも残った。
 Yシャツの襟や袖口、
体操服や靴下など、
汚れが落ちないところは、
事前に部分洗いしておけばいい。

 ちょっとの手間で
何百リットルも節約できる。


 さあ、ここでまとめてみるが、
我が家では1日600リットル使い、
そのうち風呂に246リットル、
そこから一回目の洗濯に使って風呂は空になり、
更に洗濯で200リットル位の水を追加。
 トイレは、私だけで1日10回として、
夫と子供4人で合わせて20回、
合計30回。
 30×18リットル=540リットル。
 で、庭に100リットル。

 ん?

 246+200+540+100+[料理・皿洗い他]=約1100リットル?
 
 600リットルどころか、
その倍は使ってる計算ではないか。
 あ、そうか、
庭に水を遣り忘れることが多いし、
最近は洗濯も平日は一回で済ましていたっけ。
(その代わり洗えないくらい満タンに詰め込んで(-_-;))
 トイレも、子供らは流しゃあしないし・・・・・・。

 それらを差し引くと・・・・・・

 風呂246リットル + トイレ200リットル +庭100リットル + [炊事その他]
=600リットル。

 うん、やっぱりそんな感じか。

 で、節水作戦を決行すると、
どうなるのか?

 風呂246リットル + 庭0リットル + トイレ0リットル + [炊事]=300リットル。

 おお! 半分!

 300リットル。2リットルのペットボトル150本。
 
 今まで2ヶ月で7500円払っていた上下水道料金が、
一体いくらになりなさんのさ!

 1日300リットル×60日=18リットル

 手元にある水道料金表によると、
上水道は、
一般用メーター20ミリ口径水道、
2ヶ月で16立方メートルまでで1700円。
 超過分は、1立方メートルにつき(24立方メートルだと)120円。

 18−16=超過分は、2立方メートル。
 
 2立方メートル×120円=240円

 基本料金1700円+240円=1940円。
 上水道2ヶ月で1940円。

 同様に、下水道料金を計算すると、

 基本料金は、20立方メートルまでで1600円。
 超過分は無しだから0円。

 下水道2ヶ月で基本料金のみで1600円。

 よって、

 上水道1940円+下水道1600円=3540円。

 
 今まで何にもしないで当然のように
7500円払っていたものが、3540円になるの?

 7500円−3540円=約4000円

 ひと月4000円浮くのね・・・・・・

 (微妙だ・・・・・・ いや! 1年で48000円だぞ!)

  ま、ま、でも、電気代浮かした2000円と足して
およそ6000円(1年で72000円)を、
好きなことに使えばいいじゃないの・・・・・・
 自分のために、
何の後ろめたさも感じずに、
パ〜ッと。

 今まで、何年も、
自分の小遣いなしでやってきたんだから、
それくらいいいんじゃないの?
 内職だと思えば。

 な、内職か・・・・・・

 いや、違う違う!
 ココロザシは、
「地球の資源を守る」
でしょ。

 危ない危ない。
 危うくまた、金で全てを測る、みたいな、
エコノミックアニマっちゃうところだったわ。

 今現在も、炎天下を、
頭に巨大な水がめを乗せて、
何キロもある川まで
水を汲みに行っている
女たちや子供たちがいるのよ!

 バチが当たるよ!
 そんな人たちから見たら、
私たちのこのふやけた暮らしはなんだっつーの!

 浮かした水道代、
半分は自分のために使って、
もう半分は水道のない地域への援助金として
送るくらいのココロザシを持てっつーの! 私よ!

 この地球に生きる一員として、
水の無い場所で子育てしているお母さんに
おすそ分けするくらいの
粋なことしてみせろ、っつーの!
 おい、私よ!
 地球の裏側の子供の命を救えや! 
 (自分の子供もちゃんと育てた上で、だぞ)

 と、いうわけで、
さまざまな葛藤の中、
今日もまたバケツの往復を繰り返すのであった。
                           
                         (了)
(しその草いきれ) 2004.7.12. あかじそ作