「 アウトインアウトイン 」

 明日は、四男の幼稚園の卒園式だ。
 そして、4月には、小学校入学。
 早いなあ、この間生まれたばかりだと思っていたのに。

 で、去年から始まっているのよね、「アウトイン攻撃」が。

 「アウトイン攻撃」とは、すなわち、卒業&入学ということなのだが、
去年、長男が小学校を卒業して、中学に入学してから、
この先9年間、我が家の卒業&入学は、毎年行われることになる。

 アウトイン年度は、卒業記念なんとか、とか、
新しい学校で使う用品や部活の道具の購入とかで、
とにかく、やたらと金がかかるのだ。

 去年は、長男入学に際して、
これだけのものを買わなければならなかった。

 学生服上下       約20,000円。
 体操服・ジャージ2組  約25,000円。
 スクールセーター    約4,000円。
 部活用ウィンドブレーカー約10,000円。
 部活用楽器備品等   約5,000円。
 半そでYシャツ 2枚  約4,000円。 
 長袖Yシャツ 1枚   約2,000円。
 学校指定スクールソックス 約1,000円。
 学校指定通学靴    約3,000円。
 ベルト           約1,800円。
 学校指定バッグ     約8,000円
 学校指定サブバッグ  約5,000円
 学校指定上履き    約1,500円
 学校指定体育館シューズ 約2,000円
 部費1年分        約12,000円
 その他学用品      約20,000円

 この「学校指定」ってのが、くせものなのだ。
 校則違反をさせまいと、
何かにつけて学校指定になっているのだが、
これが、高〜〜〜〜〜い!!!

 普通の上履きだったら、安売りで480円も出せば買えるのに、
ちょっと作りの特殊な上履きを2,000円で売りやがる。
 私は、別に上履きなんてなんだっていいじゃんか、と思う。
 不良っぽい上履きなんてあるんかい、とも思う。
 でも、ツッパリ盛りの中学生には、
やっぱり何でも「学校指定」にした方が、
先生たちも何かと生活指導がしやすいのかもしれない。

 学校指定品を購入するだけで、もうたくさんなのに、
更に、通学しているうちに、ジャージが破れた、
学生ズボンのひざが裂けた、とかで、
突然の数万円単位の出費。

 自転車も子供用マウンテンバイクからママチャリに買い換えて、
部活がらみの出費も、年間通すとすごい金額!

 ああ・・・・・・
 書き出すんじゃなかった!
 しかし、お金の全然ない我が家でも、
何とかなっちゃてるんだから、不思議だ。
 大体、うちは、収入に対して子供が多く、持ち家ということで、
市から援助金が受けられるので、
こういったものにかかる資金は、
結構プラマイゼロになっているようだ。

 子供には確かにお金がかかる。
 中途半端な金持ちは、子供に金がかかるのだ。
 しかし、5人も子供がいれば、
公的援助もいっぱい受けられるし、
下に行くほどお下がりがいっぱいあって節約できる。
 足りないものは、「お母ちゃんの愛情手作り」でカバーする。

 しかし、援助金がおりるのはたいてい8月下旬で、
それまでは、やはり一時的にも大金を支払うことになるので、
ストックだけはしておかなければならない。

 そのストックを貯めるのに数年かけるのが普通なのに、
こう毎年アウトイン、となると、
常に、現在の支払いと、
来年、再来年の積み立てに追われることになる。

 う〜ん、それなのに、なぜか一応、うちの経済は、
世間様から半回転くらいづつ遅れてはいるが、
回っているのだから、大したものじゃないか。

 子供は、無事育っているし、公的援助も受けられる。

 何とかなるのだ。

 子供は、金がかかろうと手がかかかろうと、
何とか育っちゃうのだ。
 あとは、国や県や市が、本気になって、
子供や、子供を育てることの重要さを知ろうとすれば、
公的援助だって、もっともっと充実してくるだろう。 

 それまでは、私たち平成の親は、
「金が無いから、産〜まない♪」
なんて、計算高いこと言わないで、
「これだけ産んだ」
「これだけかかる」
「この援助が必要」
と、データ出していこう!

 あきらめないで、
育児をもっと面白がって、
今の子供たちが大人になったとき、
3人でも5人でも産みたくなるほどの
「ひともうらやむ育児生活」をしよう。

 毎年毎年アウトインで、
確かに金は、かかるけど、
実は、プラマイゼロ。
 毎年毎年アウトインで、
確かに行事は多いけど、
春ごとに親子でビシッとスーツ着て、
晴れがましい気持ちで桜吹雪を浴びるのだ。

 ここまでよくぞ無事育ってくれた。
 よくぞいい子に育ってくれた。
 私もめちゃめちゃ頑張った。
 えらいぞ、子供!
 えらいぞ、私!

 おんおん泣いて、イベントを最大限楽しもう。
 この感動は、国家予算積まれても売らないよ!
 この瞬間は、貴重な人生の報われタイムだよ!

 それが毎年やってくる。
 それこそ、この世の春じゃんか!


      (了)

(子だくさん)2006.3.20.あかじそ作