「 長き休みは 」 | |||||||
ああ、春休みも残すところあと一週間となった。 夏休みや春休みなどの長い休みは、 何が困るって、昼飯がものすごく大変なのだ。 自分ひとりなら、朝の残りや有り合わせで ちょこちょこっと済ませられるのに、 食べ盛りの男子が、4人も、 ひがな一日家に居られた日にゃあ、 もう、一日中おさんどんに終始してしまう。 一日中、腹減った腹減った、言っているし、 今日のご飯何、今日のご飯何、ばっかり言っているので、 こっちも、四六時中、常に、 「ああ、次のご飯どうしよう」 ということばかり考えてしまう。 ある年は、子供の言うままに、 インスタントラーメンを箱買いし、 連日ラーメン三昧だったが、 自分がインスタント嫌いのため、 完全に嫌になって、もうやめた。 ある年は、パンに懲り、 毎昼、6枚切り食パンを2斤買って、 ひとり2枚づつ、トーストしたり、コロッケをはさんだり、 チーズやいろいろな具を乗せてピザ風にしたり、 ジャムをぬったりしていたが、 ものすごく高くつくので、今回はやめた。 そこで、今回の春休みは、乾麺にした。 @ うどん七変化の巻 3月末に、200グラム×20袋入りの乾麺を 「箱買い」で680円にて購入し、 連日、あの手この手で、昼ご飯を工夫してしのいでいる。 まずは、普通にゆでて、冷たい水にさらし、 冷たいつゆのもとにチュンチュンつけながら食べる。 これを我が家では、「ちゅんちゅんうどん」という。 そして、次は、普通にゆでて、 水にさらさずに、熱々の鍋ごとちゃぶ台に置き、 これを各自つゆのもとにちゅんちゅんする、 「かまあげちゅんちゅん」。 しょうがチューブや長ネギを散らすと旨い。 さらに、朝のうちにゆでておいて、 つゆのもとで作ったたっぷりのカケ汁に入れ、よく煮込む。 昼には、汁をたっぷり吸い込んで、煮込みうどんになっている。 これに、ねぎやひき肉少々、乾燥わかめなどをぶち込む。 また、さらに、 あらかじめゆでた麺と、キャベツやツナ缶などを炒め、 しょうがチューブ、にんにくチューブ、つゆのもとを投入し、 いためあわせ、焼きうどんの完成。 またあるときは、 豆板醤チューブとにんにくチューブ、 塩コショウで味付けした残り野菜とひき肉などに、 ゆでたての麺をぶち込み、 オレガノやバジルなどの調味料を振りかけて、 かき混ぜたら、ぺペロンチーノ風うどん「ぺぺろんうどん」。 ああ〜〜〜〜〜! どんだけ使うの! つゆのもと! どんだけ多用するの! チューブの調味料! だしは、昆布やおかかから取った方がいいし、 薬味は、ちゃんとその場ですった方が断然旨いと、 わかっては、いるのだ。 添加物がよくないのだって、じゅうじゅう承知なのだが、 でも、こう毎日大量に昼ごはんを作るとなると、 もう、しょうがないので、使うことにしている。 何から何まで手間隙かけて、忙しくなりすぎて、 頭おかしくなっちゃうより幾分マシだからだ。 我が家は、子供たちがアレルギー体質のため、 今までは、「無添加無着色無農薬!!!」という、 安全だが異常に高価な素材や調味料で ずっっっっとやってきたのだが、 ここのところの我が家の経済状況では、 そうこだわったことも言っていられなくなってきて、 さらに、消費する量も半端じゃなくなってきたので、 不本意ながら、市販のものを使っている。 しかし、そのおかげで、 何とか、インスタント食品寸前のところで踏ん張っている。 アカンボがもうちょっと大きくなって、 離乳食を食べるようになったら、 また、健康なものにもどすことにしよう。 完璧な家事育児を目指して、 育児ノイローゼになった失敗を生かし、 長い休みは、意識的にズルをさせてもらう。 0点か100点か、で、その中間は、無し、 というのは、不自然な生き方だ。 子供は、本来、自然な生き物なのだから、 不自然なことをしていたら、 いつか破綻をきたしてしまうだろう。 大変なときは、うまく手を抜く。 いやんなって全部投げ出さないために、少しだけ投げ出す。 で、そこを切り抜けたら、また手をかければいいんだ。 はい、これ、プチ教訓。 A オヤツの巻 一日何べん 「腹減った、なんか無い?」 と言われなくっちゃいけないのだろう? ひとり5回×4人。 一日中台所で立ちっぱなしで、 やっとなんとかご飯が済んだと思ったら、 速攻また「なんか無い?」と聞かれるのだ。 一日20回以上も「なんか無い?」と連呼されたら、あーた、 キレますって、誰だって! ただでさえ、一日中、 どたばたどたばた、ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー、 誰がぶった、誰が蹴った、誰がずるい、誰がひどい、 と、うるっっっっっっっっさくて、 神経がキリキリキリキリキリキリキリキリしているところに、 「なんか無い?」の連続攻撃。 怒っても、ヤツラの空腹は一向に満たせないので、 鼻息ふんがふんがさせながらオヤツを作る。 ここで経済力のある親なら、 「これでオヤツでも買ってらっしゃい」 と、お小遣いのひとつも渡すのだろうが、 そんなもな〜無い! 日々の米やらおかずを買うのもやっとなのに、 お菓子なんてどうしたら買えるのさ! (しかし自分用の菓子は、いくら困窮しても買う。 心の栄養!必須! ドンタコス。ドリトス。ポリコーン。グリーン豆。ムギムギ。 霧の浮き舟。マイクポップコーン。ミルキー。 う〜ん、たまらん! ジャンク最高!) 子供のオヤツ。 そこに要求されることは、 「体に良くて、素朴なもの」 (「言ってることと自分の食ってるもの、矛盾してねえか?」 という心の声を無視しつつ) 我が家のオヤツの定番には、 焼き芋、ふかしたとうもろこし、 手作りスコーンなどがある。 特に手作りスコーンは、 手っ取り早くて、お腹も満たせて、 そこそこ失敗なく作れるから、いいと思う。 小麦粉の中にマーガリンをボトッと入れて、 粉にまぶしながら指でつぶしていき、 重曹入れて、牛乳入れて、 蜂蜜などの甘みを加え、 あればレーズンやらくるみやらを入れ、 ただ混ぜて、ただ焼くだけ。 私の場合、分量なんて、適当。 ものすごく雑な性格なのだ。 オーブンなどは、使わずに、フライパンで焼く。 熱くしたフライパンに、スプーンでぽとぽと落として、 弱火でふたをして、た〜だ焼くだけ。 小麦粉の封を開けてから10分でできあがる。 早い、安い、旨い。 で、適当に作るものだから、合計何個できあがるか、 できあがるまでわからない。 だから、できあがったスコーンの数を、 6歳の四男に数えさせ、 9歳の三男に 「子供4人とお母さんひとりの、合計5人で食べると、ひとり何個か?」 と問題を出し、 答えさせ、わからない場合は、 11歳の次男が答える。 「○個づつ、あまり△個」 と言うと、 13歳の長男が 「正解」 とか 「違う、もう一回考えてみな」 と、答えあわせをする。 割り切れなかったあまりの分は、 「お父さんにとっておきます」とか言いながら、 夜中、子供が寝静まった後、 私がむさぼり食う、というシステムになっている。 こうして、みんなで計算して、 自分の食べられる数がわかったら、 「いただきます」だ。 うちは、いつもこの方式で食べ物などを分ける。 おかずの「ちくわの磯部揚げ」も、「鳥のから揚げ」も、 お菓子を分けるときも、 各自の学習進度に合わせた計算をさせてから、 いただきます、する。 これは教育の一環でも何でもなく、 はじめは、単なるクイズ大会だった。 70個くらい揚げ物を揚げたのだが、 私の九九は、実にあやしいので、 子供に計算させてごまかしているうちに、 いつの間にか、子供の算数の勉強になってしまっていた。 ともかく、こうやっていつも食べ物などを分ける。 それから、体にいいオヤツで外せないのは、ヨーグルトだ。 元ヤクルトレディの私としては、 家族全員にヤクルト製品を毎日たっぷり採らせてやりたいところだが、 いかんせん、やっぱり経済力が追いつかないので、 自分で培養している。 最初に市販のプレーンヨーグルトと牛乳を買い、 混ぜて、一晩風呂場で発酵させていたが、 そのうち、風呂場では衛生上どうかと思い、 思い切ってヨーグルトメーカーを買った。 単純に、牛乳とヨーグルトを混ぜて、 清潔でぬる〜い状態で置いておけばヨーグルトはできる。 残り少なくなってきたら、その残りを種にして、 また牛乳に入れ、ぬる〜くしておけば、 エンドレスでヨーグルトができ上がり続ける。 ただし、何度も作っていくうちに、 ばい菌が入ったりして、乳酸菌が減っていく場合があるので、 時々、新しくプレーンヨーグルトを足してやれば完璧だ。 我が家は、プレーンヨーグルトの他に、 ヤクルトの「大腸で効く菌が入ったドリンク」をブレンドして、 小腸、大腸の両方で善玉菌を増やすヨーグルトを作っている。 今後の課題としては、 胃で効く(ピロリ菌を退治すると言われる)菌も ミックスしていこうと思っている。 それを食べるときは、 できれば砂糖ではなく、 善玉菌のエサとなり、善玉菌増殖を助ける オリゴ糖で甘みを付けるといい。 この、ヨーグルトを作っている私の姿は、 子供たちに言わせると、 魔女が釜で魔法の液体を 練り練りしている姿に似ている、ということだ。 B 持ち帰る物山の如し 中学生ひとり、小学生ふたり、幼稚園児ひとり、 計4人の持ち帰る学校用具の総量ったら、 半端じゃない。 鍵盤ハーモニカ3個、リコーダー3個、書道用具3個、 書初め用具3個、体操服4組、上履き4組、 ゆとり教育の授業で使うファイルなどの「調べ物セット」3組、 そのほかにも、体育館シューズやら、部活用ウインドブレーカーやら、 わんさか、わんさか、わんさか、わんさか! そして、春休みともなると、 一年分の絵やら工作やら、作文やら、 理科の実験工作だの、技術家庭科の作品だの、 わんさかわんさかわんさかわんさか、 わんさかわんさかわんさかわんさか、 えらいことになる。 はっきり言って、子供部屋の床が無くなる。 ただでさえ、もう使わなくなった算数セット3組やら、 過去の教科書数年分やら、かつての工作数十個だのが、 うずたかく積み上げられている子供部屋に、 これ以上の物質搬入は、ありえないっていうのに! そこで、私は、学校用具入れとして、 子供部屋に、学校みたいにロッカーを置いてみた。 よくあるカラーボックスのデカイやつだ。 普通の3段のカラーボックスを、 4個合わせたのと同じ状態のものである。 ああ、これで、床に学校用品が散らばるようなことはないな、 と思っていたら、それは甘かった。 親が死ぬ思いで購入した高価な学校用品の数々は、 無残にも床にどべどべと撒き散らされ、更に踏み荒らされ、 各自に割り当てられた収納場所には、 「ポケモンカード」やら「スターウォーズフィギュア」やら、 「ケロロ軍曹」などが美しく配置されていた。 だめだこりゃ。 C こうなりゃ一緒にやってやる! 散らかすのは、自分たちの部屋だけにして欲しいのだが、 茶の間にまでヤツラの手が回ってくるのが嫌だ。 工作好きなうちの子供たちは、 一日中、何か作っているので、 ちゃぶ台の上には、常に、 セロハンテープや、ノリや、はさみや、牛乳パックやらが ところせましと広がっていて、 食事の時に片付けさせるのが大変なのだ。 もう、こうなったら、 ガミガミばかりしていないで、 私自身も工作してしまおうと思い、 「保留の物入れ」を作ってみた。 牛乳パック16個を使い、 周りに紙袋や包装紙を貼り付け、 仕上げに、包装紙でハワイアンキルトのモチーフを切り抜いて、 周りに貼り付けた。 中は、4箇所に区分けされていて、 決断力の無い私の「保留物件」を入れておくもので、 整理整頓の味方となってくれるものだ。 一番手前は、買いに行こうかどうしようかと思っている、 スーパーの安売りチラシ。 次のところは、読みかけのパンフレットなど。 その隣は、裏の白いチラシ。 子供が絵を描いたり、計算用紙にする。 そして、一番奥は、自動車保険のチラシの切抜きや、 喘息の治療法などが書いてある新聞の切り抜きなど、 いずれスクラップするものを入れておく。 いつも、山積みになっている、 茶の間の棚の上が、なんとなくすっきりした気がする。 片付けろ片付けろ、と怒鳴ってばかりではストレスが溜まるが、 たまには、子供と一緒になって工作に没頭してみると、 案外、子供の気持ちがわかっていいかもしれない。 子供と遊んでやるのが苦手な私が、 自分自身夢中で遊んでいるだけなのだが、 子供は、母親と一緒に遊んでいるような気になっているようで、 なぜか嬉しそうだった。 そして、できあがった作品を、子供と一緒に眺めては、 「心から自己満足」し、 「お母さん、すごいね!」 と、子供にほめられて、ちょっと嬉しい気分にもなっている。 子供も私も嬉しいのだから、一石二鳥だ。 脱糞を気付かれるのが大いに遅れた生後4ヶ月の長女には、 非常に気の毒ではあったが。 そんなこんなで、春休みは、残り一週間! 頑張れ!私! 頑張れ!日本中のおかあちゃんたち! (了) |
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(子だくさん)2006.4.3.あかじそ作 |