『家って、なに!』
  テーマ★家


 いろいろな人に、緊急アンケートをとってみた。

「あなたにとって家とは、何ですか?」

 この質問に対して、答えは、以下の通り。

1、寝るところ
2、ご飯を食べるところ
3、タダで(厳密にはタダではない)食事ができるところ
4、テレビやビデオを見たり、ゲームをするところ
5、ごろごろできる場所
6、自分の物を置いておく場所
7、家族のいる場所
8、わがままを言える場所
9、子供を育てるところ
10、夫婦の愛の巣
11、会社以外の居場所
12、生活の場

 その他、類似意見多数。

「もし、家がなかったら、どうなりますか?」

という質問には、下記のような答えが返ってきた。

1、落ち着かない
2、金がもたない(宿代と飯代が膨大)
3、住所不定になり、住民の把握が困難になる
4、冬は寒くて、夏は暑い。雨の日は濡れる
5、子供や年寄り、病人は、弱ってしまう
6、安全に眠る場所だけは、確保したい
7、物を最小限しか持たなくなる
8、不安が大きく、返って、家族が肩寄せ合って暮らすかも
9、街中に、焚き火する人がたくさん出てくる
10、人が屋根のある場所に集まって暮らす
11、ダンボールでもいいから、家らしきものを作り、そこで暮らす

 などなど。

 「衣」「食」「住」というけれど、「住」の中には、「衣」も「食」も入っていたりする。
 住むこと、暮らすこと、その入れ物が家ならば、
「まず家ありき」なのか、「まず入れるものありき」なのか。

 家族は帰らず(居らず)、三食外で摂り、物も持たず、
家でリラックスするということなく、家など要らぬ、という人だって、いくらでもいるはずだ。
 ホテル暮らしの方が、よっぽど楽だ、という人もいる。
そういう人は、自分自身の中に家があるのかもしれない。
入れ物は自分、なのだ。

 一度、1ヶ月ほど、人類全員、家を没収してみたらどうだろう。
暴動あり、略奪あり、強姦あり、人死に多数だろう。

 そして、家とは何ぞや、と、人類全員が、改めて考えるのだ。

 私を含めた、現状にただ甘んじて暮らす者たちは、
家族の意味や、物に囲まれて暮らすこと、安心とは何か、
安全についてや、大切な人の病気や死、心と体とのつながりなど、
いろいろなことを痛感するだろう。

 家族が変わり、街が変わり、制度が変わり、人が変わるだろう。

 築23年の半壊の家に住み、あと25年の住宅ローンを抱えて、
今日も、私は、遠い空を見て考える。
 
「家」ってなんなのさ、
私の家には、一体、何が入っているのさ、と・・・・・・。


                  (おわり)
2001.10.11 作:あかじそ