「 リメイクにハマる 」

 ジーパンのひざに穴が開くと、
私は嬉々として穴から下の部分を裁ちばさみでばっさりと切る。

 そして、裾を縫えば、
この時期涼しいショートパンツの出来上がりだ。

 ひざから下の切り落とした部分は、
鍋つかみになったり、ペットボトルカバーとして再生させる。


 さらに、そのショートパンツの裾もほころびかければ、
腿の付け根部分から、また裁ちばさみでばっさり切り取り、
ショルダーバッグに仕立て直す。

 腰が入る部分は、バッグ本体に、
足の部分は、肩紐になる。

 同様に、人からもらったサイズの合わない服などは、
家事の合間に「今うちで必要なもの」として仕立て直す。

 その過程も楽しく、
使っているときも愛着があって楽しい。

 思えば、これは、
昔のお母さんやおばあちゃんが当たり前のようにやってきたことではあるが、
その実、貧乏くさいどころか、
創意工夫やいたずら心、
出たとこ勝負で臨機応変に対応する応用力、
多少の裁縫の技術などが必要で、
一から仕立てるよりも面白い。

 すぐ捨てては、もったいないから、というだけでなく、
「エコだから」とかいう立派なものでもなく、
面白いから、ぜひ、みんなやってみて、と思う。

 「誰かが作った完成品」を、
店まで行って高額で買う、
という「消費の楽しみ」とはまた違う醍醐味がある。

 子供が気に入っていて、
ボロボロになってもなかなか手放さない服を、
彼らが寝ている間に、
ペンケースや給食袋にこっそり仕立て直すときのワクワク感。
 朝、出来上がりを見て、飛び上がって喜ぶ子供の顔。

 「もういいよぉ」と言っても、
子供たちは、なかなか「お母さんありがとう!」を言い止まない。

 も〜〜〜う、やめられない〜〜〜。

 ホント、面白いんだから〜〜〜!
 素敵なんだからあ!
 マジで〜〜〜!



           (了)

(話の駄菓子屋)2008.8.12.あかじそ作