しその草いきれ 「勤労感謝の日」
 
 勤労感謝の日、
小6の三男に「お母さんありがとう」と言われたのだが、
こちらこそありがとう、という気持ちだった。
 
 ここひと月ばかり、
「内職」そして「配達」という、
「これぞ労働」という仕事にありつけて、
しかも、仕事を斡旋してくれる人たちは、
みな、半端じゃなくいい人たちばかりなのだった。
 
 今まで、こんなに仕事に恵まれたことがあっただろうか?
 
 適職と思われる仕事内容でも、
上司が最悪だったり、
格好がよくて、体裁もよくて、
世間から尊敬されるような仕事に就けても、
虚しさに耐えられなくなってしまって、長くは続かなかった。
 
 それが、どうだ。
 今の私の生活は。
 
 個人事業主。
 零細も零細、ミクロ単位の零細だが、
それでも、上司は、いない。
 何者にも属していない。
 自分の裁量で仕事の量も質も選べる。
 
 拘束時間ゼロ。
 何時から何時まで、
この場所で、
このメンバーで、
この仕事をしていなさい、
と言われない。
 自分のタイミングで仕事を開始し、
自分のがんばり次第で早くも遅くも終われる。
 濃くも薄くもできる。
 
 完全出来高制。
 どれだけがんばったかが、数字に直に表れる。
 親会社に多少ピンハネされたってかまわない。
 私にとっては、
「今日一日よく働いた」
と、じみじみ感じること、
そのこと自体が、一番の報酬なのだ。
 
 それにしても、
ここのところの私は、
水を得た魚のように「ピッチピチ」だ。
 
 仕事の量も、いつもの生活に支障の出ない程度に抑えながらも、
どんどん増やしていっている。
 
 今まで、「仕事」というものは、
「お金を得るために仕方なく自分のプライベートを削るものだ」
と思っていたが、
さにあらず。
 
 向いている仕事に就くと、
全然そんなものではないのだった。
 ひとときでも空き時間があれば、
仕事にとりかかりたくて仕方ない。
 暇な時間ができると、もう、むずむずしてくる。
 
 仕事自体が、プライベートの一部になり、
趣味の一部となる。
 
 配達の順路組み立ての作業は、リアルパズル遊び。
 配達自体は、
晴天の日は、サイクリングで、
雨の日は、ストイックなロードワーク。
 配達中の頭の中のBGMは、
青空の下だと、カーペンターズの「トップ・オブ・ザ・ワールド」で、
曇天だと「あしたのジョー」のテーマ曲だったり。
 
 細かい内職の手仕事は、
頭が真っ白になって、
脳にアルファー波がビンビン流れる、
心地よいリフレッシュタイムだ。
 
 収入?
 え?
 収入って何?
 
 労働、それ自体が、報酬なんですけど、何か?
 
 えええ?
 こんなに楽しんでいる私に、
更に、お金くれるんですか?
 ホントにいいんですかあ〜〜〜?!
 
 ・・・・・・と、いう感じ。
 
 なんだ、この労働の悦び!
 なんだ、この湧き上がる感謝の想い!!
 
 これぞ勤労感謝の日!
 
 うおおお〜〜〜!!
 
 こんなに毎日勤労している私は、
相変わらず貧乏! 相当貧乏なのだけれど、
今までお金であれこれ購入して得ていた幸福感を、
お金を介さずに直に得ているではないか?!
 
 いやっほ〜〜〜う!
 
 何度も、何度でも、
しつこく言っちゃう!
 
 勤労、万歳〜!
 いやっほ〜〜〜う!!!
 
 
 
   (了)
 
 
 (しその草いきれ)2008.11.25.あかじそ作