こんなヤツがいた! 「怒鳴ルンです」
最近、私は、中高年の男性、
つまり、【じいさん】の生態に非常に興味を持っている。
ちょっと前は、
妻=【ばあさん】の絶対的な命令に従い、
スーパーの特売品を手に入れようと必死になるじいさんたちに目を奪われた。
平日昼間における、
街、スーパー、役所、病院などなど、
視界に入る景色の中に占める【じいさん率】の高いこと高いこと!
最近は、自転車にまつわるじいさんの、
並々ならぬパッションにおののき、
打ちのめされていたのだが、
その哀しいまでの一途さに、泣きそうにもなっていた。
基本的には、【いとしい】存在なのだが、
中には、いささか痛い類のじいさんもいることに気がついた。
【怒鳴るじいさん】である。
しかも、彼らは、「女こども」にばかり怒鳴る。
自転車ですれ違う間際に
「あぶねえな、ババア!」
と、中年女性に怒鳴るじいさん。
こういうじいさんを、
最近、ものすごく多く見掛ける。
私も、先日、車を運転中、
左折しようと少し歩道に進んで車の切れ目を待っていると、
歩道を自転車でやってきたじいさんに、
「ひっこめ、馬鹿! 女!」
と、車を蹴るようなしぐさとともに怒鳴られた。
女を怒鳴るじいさんは、遠目に見ても、すぐわかる。
ボロい格好で、いかにもイライラしていて、
自転車に乗ってのろのろ走っていて、
そして、近づく【女こども】がいれば、何かきっかけを見つけては、
「いざ」
と、ばかりに、大声で怒鳴る。
いやあ、やつら、怒鳴るんです。
【女怒鳴りオーラ】を発しながら生きてます。
女は怒鳴るのに、
だがしかし、
大人の男には、びくびくしている。
というか、大人の男に怒鳴られて、
そのうっぷんを、
女を怒鳴ることで晴らしている感がある。
街には、本当によくいる。
【女怒鳴りじじい】が。
ほら、あなたのそばにも、隣にも。
強い者にはオドオドし、
弱い者には、怒鳴り、口汚くののしる。
いやあ、哀しい存在だとは思いつつ、
でも、はっきりと、こう思う。
去れ! 【女怒鳴りじじい】。
誰にでも静かに諭せるようになってから、出直してこい!
威張る男は、好かん!
どんなに哀しい存在でも、そんなの知らん。
同情しない。
病院に入院中、看護師を怒鳴ったり、殴ったりする男が、
結構いると聞いたことがある。
何様なんだ、一体。
昨日は、スーパーのレジで、
バナナを袋に入れろ、入れ方が悪い、と、
レジのおばさんに凄い剣幕で延々怒鳴りつけているじいさんがいた。
周りにいた主婦たちは、みな、全員で凍りついてしまった。
じいさんが立ち去った後、
主婦一同、レジのおばさんをなぐさめたのだが、
誰一人、怖くてじいさんに直接立ち向かえなかった。
歩くのもやっとの、
よぼよぼの白髪じいさんだったというのに、
みんな怖くて、固まってしまっていたのだ。
女は、本能的に、攻撃的な男に対して、怯えるものだ。
怯えて、何もできなくなってしまう。
男が女を一方的に怒鳴る、ということは、
だから、卑怯極まりないことなのだ。
レジのおばさんは・・・・・・、震えながら泣いていた。
泣きながら、必死に仕事を続けていた。
嗚呼、もう一回、言う。
去れ! 【女怒鳴りじじい】!
ちなみに・・・・・・
年齢性別関係無く、
自分より弱い者に対して威張りまくり、
怒鳴り散らし、脅しつけ、
大きな声でガーガーしゃべり、威嚇するヤツ。
私は、予言しましょう。
来世では、
生まれてから死ぬまで、
ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと、
怒鳴られ、威嚇され、脅しつけられる人生を送るであろ〜う。
反対の立場の気持ちの分からない者は、
分かるようになるまで、
何度でも何度でも生まれ変わって、
何百回、何千回と、
自分が人にやってきたことを、人にやられることだろう!
あ、来世と言わずとも、
晩年でも充分味わえるか。
寂しくて、哀しくて、
ついつい怒鳴り、
怒鳴れば怒鳴るほど、
人が遠のき、
自分に向けられる笑顔が無くなってゆくこと。
そのことに、早く気づけばよかった、と、
薄らぐ意識の中、思うことになるのだよ。
ふんっ!
え?
私?
今、前世での傲慢さの矯正のため、
各方面より、散々怒鳴られ中でございます。
(了)
(こんなヤツがいた!)2009.3.31.あかじそ作