「 あら? 」 |
平日の朝のこと。 5時30分に携帯のアラームで起床し、 子供部屋の三男の枕元に大音量でビービー鳴っている携帯を置く。 「朝練の時間だよ!」 と、三男を揺さぶり起こし、階下に降りる。 ファンヒーターとテレビのスイッチを入れ、茶の間の雨戸を開ける。 洗面所に行き、爆発した髪を束ね、新しいタオルを一本持ってトイレに。 トイレで用を済ませ、トイレのタオルを取り替え、また洗面所へ。 洗濯物を3種類に分別。(1回分=約9キロ) (しまうとき楽なので、しまう場所ごとに干す場所を分けて、その場所ごとに洗う。) @2階にタンスのある者の服 A1階にタンスのある者の服 B野球のユニフォーム類や学校のジャージ類上下 そのうち@のみを洗濯機に入れ、回す。 昨晩のおかずの残りを電子レンジで順々に温め、 これまた昨夜の残りのみそ汁をガスにかける。 (夕飯のおかずや汁は、夕・翌朝と、2回分の量を作ってある) 高校生の長男次男のお弁当を詰める。 長男は、「【茶色い手作り】じゃなくて、【色味豊富な冷凍食品】にして!」と言うし、 次男は、「自分で作ってみたい」と言いつつもギリギリまで寝ているので、結局私が作ることに。 冷凍食品指定の長男に合わせ、冷凍食品詰め合わせを2セット。 弁当箱が大きいので、結構な量が入り、何種類も入れることになり、かなり費用もかかる。 今春幼稚園に入った長女は、重症の食物アレルギーなので、 他の園児は、「週のうち2日弁当・3日給食」なのだが、ひとりだけ「週5日弁当」。 市販の冷凍食品は、乳製品や卵が入っていることが多いので、 こちらは、チンして詰めるだけ、というわけにはいかない。 おまけに、この幼稚園、 「子供は手間ひまかけて育てましょう」という教育方針なので、 お弁当のおかずがワンパターンだったり、栄養が偏っていると、 先生から電話が掛かってきて注意されるのだ。 若い独身の先生から再三献立を注意される情けなさと言ったら、もう・・・・・。 上の4人のお兄ちゃんたちのときも、 家に乳幼児がウジャウジャいて弁当に手を掛けられず、 ミートボール弁当ばかりだったので、 恥ずかしながら、しょっちゅう電話が掛かってきたものだ。 ああ、長女は、アレルギーで食べられる素材自体が少ないのに、 物凄く小食で偏食なので、結果、食べられるおかずの数は、本当に本当に少ない。 この状態で週5回弁当、 しかも、お友達はみな給食なのに、ひとりだけ弁当だから、必然的に目立つではないか。 先生からの電話は、もちろん掛かってくるだろうし、 「○○ちゃんのお弁当、毎日同じなんだよ〜」 と、同じ組の友達が自分のお母さんに報告することは確実じゃないか! やばいやばい! とりあえず、小さいおにぎりを3個と、 かぼちゃの煮物と枝豆と、イシイのミートボール(またミートボール!)を詰める。 「最初のうちは、好きなものだけを少なめに入れてください」 と言われているので、今日のところは、これでいいだろう。 本当は、おかずとおかずの間に レタスやキャベツの千切りなど入れ、隙間を埋めれば、 「野菜入ってます感」と「おかずの少なさフォロ」ーになるのに、 この手が使えない可能性がある。 長女は、葉っぱ類がおかずに少しでも触れていると、 いつも「いらない」と言い、 他の好きな物も一切手を付けなくなってしまうので、困ったものだ。 まあ、家では、わがままを言っていても、幼稚園でお友達に 「好き嫌いしたらいけないんだ〜!」 などと言われれば、外面のいい長女は、 無理をしてでも全部平らげてくるだろうから、 返って、嫌いなものも入れてみて、好きにさせるチャンスかもしれない。 何にせよ、長女の弁当は、ひと苦労だ。 ・・・・・・と言っている間に、三男は朝食を食べ終わり、 支度をして、野球部の朝練に出掛けて行った。 6時半。 さっきから私の携帯がビンビン鳴っているはずなのに、 他の子供たちは、全然起きてこない。 2階に駆け上がり、ひとりひとり乱暴に揺り起して、無理やり起床させる。 子供たちの朝食を配ぜんし、「早く食べろ」と急かす。 1回目の洗濯物を洗濯機から取り出し、2回目の洗濯物を回す。 1回目の洗濯物を速攻でべランダに干し、 急いで洗面所に走り込み、化粧をする。 食事を終えた子供たちが、 茶の間のそこここでゴロゴロしているのを蹴散らし蹴散らし、 床に散らばった物を片付け、更に、昨日部屋干しした洗濯物をたたみ、 1階のタンスのあちこちにしまう。 部屋干しの中には、2階にタンスがある長男の服もある。 長男は、しゃれにならないほどひどい花粉症なので、 この時期、茶の間で部屋干しするしかないのだ。 (ここの家がまた、恐ろしく古い家であるため、絶えずすきま風が入り、 花粉もがんがんスルーしてきているのだが、一応、気休めで部屋干しにしている) やがて時間が来て、 四男が、今年度からの新しい登校班の集合場所に向かい、 次男の自転車通学仲間が迎えに来て、 長男も毎朝のことながら「やばい遅刻遅刻」と言いながら、走り出ていく。 幼稚園の長女の身支度を手伝い、トイレやら歯磨きやらも付き合ってやり、 持ち物を揃えて、外へ。 もうすぐ幼稚園の送迎バスが来る時間だ。 幼稚園バスが長女を連れて行った後、 ちゃぶ台の上を片付けながら、5分くらいで自分もちゃちゃっと朝食をとる。 そうこうしているうちに、本日配達する分の荷物が家に届く。 ドライバーさんから荷物を受け取って、 すぐに居間のちゃぶ台の上で荷物の選別を始める。 2回目の洗濯が終わったことを知らせる電子音が鳴り、 いったん、仕事の手を止め、Aの洗濯物を茶の間に部屋干しする。 Bの洗濯物は、泥汚れ等がひどいので、 風呂場にて手で下洗いをしてから洗濯機へ。洗濯機、3回目を回す。 再び仕事に戻り、荷物の選別。 雨の日は、水濡れ防止のため、封筒一通一通、ビニール袋に入れ、テープで留める。 荷物を、地図を見ながら配達する順路順に並べ、袋詰めしていく。 それを終えると、3回目の洗濯物をベランダに干し、風呂場を洗う。 配達の服装に着替え、鍵を持って出発。 たいてい1時間〜2時間ほどで配達が終わり、帰宅。 持ちもどりの荷物に伝票を貼ったり、連絡事項を書類に記入する。 そして、コンテナに入れて玄関前に出し、ドライバーさんに電話で引きとりを依頼する。 は〜〜〜っ。 長女の送迎バスが帰ってくるまで、まだ時間がある。 ホッと一息つこうか。 そう言えば、おなかも空いた。 もう昼か。 ・・・・・・・・・・・・・ ん? ・・・・・・・・・・・・・ あら? ・・・・・・・・・・・・・ 静かだな・・・・・・ 家には、私しかいないのか? いつも子供たちが騒いでうるさくて仕方ないのに、 いざ誰もいない時間があると、もう、静かすぎて、落ち着かない。 ここで、ゆっくり一服すればいいじゃないか? しかし、貧乏性なのか、なぜか、全然じっとしていられない。 自分から仕事を探して、すぐ立ち上がり、 ちゃかちゃか動いてしまって、ちっとも休まらない。 あれれ? あらららら? やっとひとりになれたのだから、 思いきりリラックスすればいいというのに、 なぜ、ひとりぼっちだと、 余計にそわそわと忙しい気がするのか? くつろげない。 おいおい、ちっともくつろげないよ! これって、これって・・・・・・ 「くつろげない症候群」じゃないの?! 今、思いつきで言ってるけど、 私、「くつろげない症候群」じゃないのかな〜?! あっら〜〜〜?! (了) |
(子だくさん)2010.4.13.あかじそ作 |