「 また腫瘍発見! 」 |
数年前、右腕の皮膚にできた良性腫瘍を切除し、 昨年は、5ミリの子宮筋腫が発見され、 そして、なんと、今度は、やっかいなところにまた、 線腫らしきものが発見された。 今度は、内臓の奥の、 結構大事なところに出来たものだけに、 「やばいっしょマジで」と、 東幹久のものまねでつぶやいてしまった。 話せば長くなるので、 思いっきりかいつまんで説明すると、 夏ごろから、10数年ぶりにひどい便秘になってしまい、 左側のお腹が、ちくちく痛んでいたので、 「さては大腸ポリープか?」 と、疑っていた。 そういえば、昨年夏ごろ、 三男のクラスメイトのモンスターペアレントから 電話で夜中に7時間以上からまれて以来、 ストレスでずっと気が重く、ふさぎこんだりイライラしたりしていた。 こんなに悩んでいるのだから、 ポリープのひとつも出来ていて当然だと思ったのだった。 で、先日、大腸の内視鏡検査を受けてきた。 2年前にもやったが、その病院の人がめちゃめちゃ雑な人で、 検査中、痛くて死にそうになったので、 今度は、近所で上手と評判の病院で検査したら、 少し痛みはしたものの、前より全然苦しくなかった。 今回は、大腸内視鏡だけでなく、 血液に造影剤を入れて腹部のCTを撮ることになり、 同じ日に検査してみたのだが、 なんと、大腸検査は異常なしだった代わりに、 こちらの検査で思いっきり引っかかってしまったのだった。 「左副腎に結節ができています」 若い医者が言った言葉を、 私は、ひとつも聞きとることができなかった。 普段、まったく使わない言葉ばかりだったからだ。 「はい? 今何て?」 「左副腎結節です」 「左の・・・・・・何ですって?」 「副腎です。ホルモンをつかさどる内臓で、腎臓の上に乗っかっている小さな内臓です」 「服? 服ジーンズ?」 「その服何とかに、何ができてるんですって?」 「結節です」 「けっせ? け、何ですって?」 「結節です。少し大きくなっているんです」 「少し大きいと、どうなるんですか?」 「高血圧になったり、糖尿病になりやすいんです」 「えっ! うちの血筋は、高血圧と糖尿病多いんです」 「まあ、内分泌科の先生に診察予約入れておきましょう」 「先生、今言われたこと、メモに取りたいんですけど、 一個も聞きとれなかったんです」 「ああ、はい。診断内容をプリントアウトしてお渡ししますから」 「あ、すみません」 「何か、よくないものですか?」 「いや、まだ何とも。内分泌科で検査してみてもらってください。 腸のことなら、僕、何でも相談にのりますから、 いつでも言ってきてください」 「あ、はい・・・・・・どうもありがとうございます・・・・・・」 こうして、何が何やらわからないまま帰宅し、 家に帰ってから、その診断内容のプリントアウトしたものを読んでみると、 これは、結構衝撃だった。 「左副腎に2.1×1.6ミリの結節。線腫の疑いあり」 「線腫? って、腫瘍? ・・・・・・やばいっしょ、まじで」 そこで、【家庭の医学】をひも解いてみると、 副腎の線腫が原因の病気が何種類か載っていた。 【クッシング症候群】 副腎皮質から分泌されるハイドロコーチゾンというホルモンが多すぎるために起こる、 比較的珍しい病気。 症状は、顔が満月のように丸く、また赤くなり、胴体や首の付け根のあたりに脂肪がたまる。 急に太るため、下腹部の皮下脂肪が裂けて、赤紫色の筋が透けて見える。 女性では、月経不順や無月経になったり、毛深くなったりする。 血圧が高くなり、しばしば糖尿病がみられ、骨がもろくなる。 治療としては、下垂体あるいは副腎にできた腫瘍を手術で摘出する。 下垂体の腫瘍によるときは、放射線治療の方がいい場合がある。 う〜〜〜ん。 確かに太ってるけど、胴体や首の付け根には脂肪は溜まってないなあ。 お腹のひび割れも、5回の妊娠でできた妊娠線で、白いし。 毛深いのは生まれつきだし・・・・・、 でも、うちの家系は高血圧とか糖尿病いっぱいいるぞ。 みんなこれなんじゃないの? 遺伝とかで?! 次々! 【原発性アルドステイン症】 副腎皮質の腫瘍、または肥大増殖により、 アルドステインが大量に分泌されるために起こる病気で、 普通の高血圧として治療されていることが珍しくない。 主な症状は、高血圧だが、しばしば血中カリウムの減少があり、 その他尿量の増加、のどの渇き、ときに発作的に数時間手足が動かなくなったり、 テタ二ー発作を起こすこともある。 治療としては、高血圧が続いて体の各器官が悪くなる前に、 手術により副腎の腫瘍や増殖した組織を取り除くと完全に治る。 肥大増殖の場合は、トライロスタンをいう薬も有効。 う〜〜〜ん。 これも高血圧か。 若いうちに手術して、完治させておいた方が安心かもしれない! 【副腎性器症候群】 副腎皮質から男性ホルモン、あるいは女性ホルモンが大量に分泌されるため、 男性化または女性化が起こる病気(男性化の方が多い)。 先天性と後天性があり、後天性の場合、副腎皮質の線種やガンなどが原因で、 正常な副腎皮質の機能が低下して、皮質性男性ホルモンが過剰に分泌される。 成人女性の場合、ひげが生え、手足の気が濃く、陰核が大きくなり、 声変わり、月経不順、不妊、乳房の委縮などが起こる。 治療として、線腫やガンが原因の場合には、副腎腫瘍の手術が行われる。 んん? 確かに、だんだん「おっさん化」していることは否めない。 毛深いし! 乳房の委縮、とかも、すっごいぞ! 5人の子供全員母乳一本で育てたから、 もはや乳房は、スルメイカにしか見えないもんね! これも、線腫を手術で取るのね? 【性腺機能低下症】 性腺からのホルモンの分泌が不足することにより起こる。 原因には、先天的なものと後天的なことがあり、 後天的な場合は、炎症、腫瘍、外傷などにより障害を受け、 ホルモンの分泌が低下して起こる。 先天的な場合の代表的な病気は、 男性では類宦官症、女性ではターナー症候群。 私、これは違うだろう・・・・・・ でも、大学時代に、隣の学部にいたなあ。 背が高くて、声が甲高くて、おっぱいのある男の子が。 あの人、この病気だったのかもしれない。 周りの人たちは、みんな彼を変人扱いしていたみたいだけれど、 病気だったのか・・・・・・ 全然知らなかった。こんな病気があるということを。 本人は、病気だということ、知っていたのだろうか? いじめられやしなかっただろうか? マイナーな病気だから、みんな彼の病気を知らないで、 ずっと差別を受けてきたのではないか? こういう、病気による差別をなくすために、 もっとみんな、こういうことを勉強しなければいけないと思う。 【褐色細胞腫】 副腎髄質の細胞や、他の交感神経系のクロム親和性細胞から発生する腫瘍が原因で、 副腎の髄質などからアドレナリンが大量に分泌され、高血圧や糖尿病が起こる。 症状としては、高血圧が発作的に起こる場合と、持続的に血圧が高い場合で異なる。 発作的に起こる場合は、急に不安感や緊張感が起こり、強い動悸やズキンズキンという頭痛があり、 脈が速くなるほか、手足が震え、ひとみが大きくなる。 また、手足が冷たくなり、時には耳鳴りや吐き気、嘔吐を伴い、しばしば尿糖が出る。 発作は、数分から1〜2時間、ときには数日続くこともある。 また、はっきりした発作のないまま血圧がいつも高く、糖尿病になっていることもある。 治療としては、出来るだけ早く手術で腫瘍を取り除く。 あ・・・・・・ ああ・・・・・・ これだ・・・・・・ これだよ、きっと・・・・・・ 何年か前、夜中に急に下痢を起こして、 トイレで大下痢しているとき、 急に心臓がバクバクして息ができなくなって、 死にそうになったんだよ!!! で、心臓の検査何度やっても、「異常なし」なの! 副腎だったんだ! 副腎の腫瘍のせいで、急に高血圧の発作を起こしていたんだ! 思い当たる節がたくさんあったので、 今度は、ネットで副腎の腫瘍についていろいろ調べてみたら、 「精神的に強い緊張感と不安感がある」 と書いてある。 当たってる・・・・・・ で、時々、私のおしっこには、 何やら油みたいなものが浮いているけど、 あれって、尿糖なんじゃないの? いや〜〜〜ん! ビンゴでしょう?! これじゃない?! 今まで私の日常をめんどくさくしていた要因、 緊張しい、極度な心配症、すぐ怒る、イライラしやすい、 突然の呼吸困難、おしっこに浮く油みたいな物の正体、 ゆくゆくは親子代々続く高血圧や糖尿病になる、という不安などなど、 これらの全てが この病気の症状のところに書いてあるじゃんか〜!!! ヤッタ〜〜〜! 何だかしらないけど、ヤッタ〜〜〜〜〜〜〜〜!!! 結構大変な病気だということが判明したショックよりも、 40年以上、私を苦しめてきたものの、 【正体】をついに突き止めた、という達成感の方が強いんですけど〜〜〜! で、それが、全然関係無い大腸検査のついでに、 たまたま運良く見つけられた、というラッキーさに、 ガッツポーズなんですけど!!! 何だ? 何なんだ? この前向きな気持ちは?! 一生付き合わなければならないと思っていた、 やっかいな自分の特徴が、 外科的手術で摘出できる、という、 手品のような現実に、 イヤッホ〜〜〜、みたいな気持ちすら湧いてくるんですけど!!! 「腫瘍を摘出すれば完治する」って書いてある。 つまり、私の困ったところが、完治しちゃうてことでしょう? すっげ〜! すんげ〜〜! これ! 摘出しよう! 先生が「様子みましょう」って言ってきても、 「摘出しちゃいます」と言おう。 副腎は、背中の方にあり、 また、心臓のすぐ下にあるため、 開腹(開胸?)手術しかできないとされてきたけれど、 今は、内視鏡でも手術できるという。 体を切って開くとなると、 胸から脇に掛けて、物凄く大きな傷が残るというが、 私は、あまりその辺は気にならない。 見てくれの傷跡よりも、 今、毎日のように私を苦しめている日々の不快感の方が それ以上に堪えがたいからだ。 3月上旬、内分泌科受診。 その後、検査となるだろう。 不安もあるが、なぜか、ワクワクしてしまうのは、なぜだろう? どうして私は、ピンチになればなるほど、 こうもウキウキワクワクしてしまうのだろう? 「ドラゴンボール」の主題歌じゃないけど、 「トラブルと遊べ♪」という感じだ。 (了) |
(しその草いきれ)2011.2.8.あかじそ作 |