「   眠い!  」


 三男が中学生だった3年間、
野球部の朝練や遠征試合で、
親は、毎朝5時起き&弁当作りの日々が続き、
寝不足でフラフラになった。

 「ああ、早く卒業してくれないと、突然死しちゃいそうだ!」
と思っていたが、
卒業したらしたで、
今度は、次男が遠くの専門学校に通うため、
また3年間は、5時起きが続くことになった。

 なんだかんだで、
平日は、学校、土日は、試合で、
結局は5時起きなのだ。

 じゃあ、早く寝ればいいじゃないか、と思うのだが、
毎日、家事やちょっとした用事があり、
結局、寝るのは、12時前後になってしまう。

 毎日5時間も寝られれば充分じゃないか、
と思う人もいるだろうが、
この体は、毎晩7時間以上寝るようにできているようで、
ここのところ、いつもいつも、寝不足で疲れている。

 寝たい。

 眠い。

 思う存分眠って、寝足りて勝手に目が覚めるまで寝たい。

 自分の仕事の休みの日も、子供の学校があり、
子供の学校が休みの日には、自分の仕事がある。

 結局、1年365日、
早起きしなければいけない。

 盆も、正月も仕事で休めず、
連休なんて、夢のまた夢。

 寝る、という、アカンボにもできることが、
大人の自分の「夢」や「あこがれ」になっている現実。

 まあ・・・・・・
子供たちも巣立ち・・・・・・
仕事もできないくらい年老いて・・・・・・
一日中、寝たきりみたいになれば・・・・・・
「ああ、もうこれ以上、寝ていたくない」
と思う日が来るのだろうが・・・・・・

 そんな日が来るのすら待ち望んでしまうほどに・・・・・・

眠い!!!

 新生児のいた頃も、
夜中1〜2時間おきの授乳で、
常に朦朧とするくらい眠かったが、
そのころは、まだ若かった。

 育ち盛りだった中高生のころは、
寝ても寝ても寝足りなかったが、
やっぱり若さピチピチで、
もりもり食ってりゃあ、元気だった。
 
 さあ、働き盛りと言われる今この時、
ああ、眠気は、ピーク! 

 眠い!

 ああ、眠い眠い!

 ちょっと座れば、すぐ横になってしまい、
ちょっと横になれば、すぐ眠ってしまうほどの眠さ。

 いずれ、嫌でも永眠する日がくるというのに、
寝たくて寝たくて仕方ない、
どこに旅行に行きたいとか、
何を食べたいとかよりも、
ああ、心ゆくまで寝たい!

 ただ、寝たい!

 それが、夢!!!


 (了)

(子だくさん)2013.3.19.あかじそ作