「 この夏の出来事 ’13 」 |
晩夏恒例行事、「この夏」を振り返ってみよう。 夏休みに入ったと同時に、 四男が市の中学生親善大使として オーストラリアにホームステイに行った。 英語ができない四男が、 なんとなくのコミュニケーションで環境に馴染み、 ホストファミリーにめちゃくちゃ可愛がられて、 楽しく10日間を過ごしてきた。 コミュニケーションしようとする心が大事なんだと気づく。 理屈や技術ではなく、 自分の気持ちを伝えようとする心、 相手の気持ちを知ろうとする心こそが、 一番大事なのだと。 8月に入ってすぐに、 夫の故郷、石川県金沢市へ帰省した。 以前住んでいた家を売り、 夫の弟の名義で買い換えた家に住む義母と義妹。 実質的な主となっている弟夫婦と、 義母と義妹がうまくいっていないことを、 両サイドから愚痴られる。 真面目でキチキチしている「犬タイプ」の弟夫婦。 ノンベンダラリで、楽に生きてる「猫タイプ」の義母と義妹。 それがお互いに一切譲歩することなく、 一緒に生活して、上手くいくはずもない。 犬は、猫相手に「犬になれ」と言い、 猫は、犬相手に「犬が吠えて困る」と言う。 どちらも、自他の性質が見えていない。 とりあえず、私は、 犬側に「相手は猫だよ」と言い、 猫側に「猫は犬の目にどう映るかな」と言ってみた。 もちろん「猫」とか「犬」とかの言葉を使わずに。 さて、何か変わるかどうか。 老親と独身の妹を、弟夫婦に任せた長男夫婦は、 誰かに偉そうに説教できる立場に無いのだ。 さて、金沢では、レンタカーを借りて海へ行ったり、 有名な美術館へ行ったりしたが、 ちょいちょい身勝手な行動をする夫に終始振り回される家族。 何せ、夫は、何もしゃべらない。 まったく連絡無しで家族の予定を急に変更したりするので、 困惑しっぱなしだった。 夫にその「身勝手さ」の自覚が全くないため、 何度言っても、いつになっても直らない。 無駄口きかないのはいいけれど、 必要な連絡も、返事もあいさつもしない。 家族の前で気を許し、 楽になるのはいいけれど、 それは、「常にダンマリ」とは、まるで別物だ。 一番身近で、一番大事な家族を、 ないがしろにしていいとは、私は思わない。 誰かが居たら、話しかける。 話しかけられたら、返事をする。 そういう当たり前のことを怠けて、 声を掛けても無視したり、 目の前で家族が困っているのに黙殺したりする夫。 夫に、または、父親に、 そんな態度をとられる哀しい気持ちを、 少しは慮って欲しいと思う。 だから、私は、この夏、夫を教育している。 異常な過保護で母親にダメにされた男を、 ご丁寧に再教育している。 5人の子供のしつけは、大変だが、 やがてこちらの身にもなるけれど、 この頑ななジジイのしつけは、 ストレスしか伴わない。 この命を縮めるような、不毛な教育は、 私の為でも夫の為でもなく、 息子たちのためにやっているのだ。 息子たちが、将来、 むっつりした感じの悪い父親にならないために。 「将来の父親たち」の目の前に、 【悪しき手本】をこれ以上晒さないために。 お盆の間は、不気味なほど 配達の仕事が、暇だった。 配達を発注する会社が、みな休みなのだから、 当たり前と言えば当たり前だが、 問題は、その後だった。 お盆明け、地獄のような量の仕事が待っていた。 一個一個がバカみたいに重くてごついカタログが、 毎日数百冊づつ、どっさどさ届く。 毎日、「果たしてこれ全部配達しきれるのだろうか?」と、 泣きそうになりながら、 炎天下、朝から晩まで配達。 「今日は、多かったから、明日は、少ないだろうなあ」 と思えば、翌日もさらに多い。 翌々日は、さらにさらに多い。 そのまた翌日は、もっともっともっと多かった。 「もうダメ。もう死んじゃう・・・・・・」 口からは、弱音しか出てこなくなった。 痛めた肩は・・・・・・、 認めたくはないが、四十肩、五十肩ってところか。 中年の肉体に、容赦ない肉体的試練が連日続く。 もう、ここまでくると、 メンタルの強さだけが決め手となる。 父からの虐待。 母からの放置。 学校や職場でのいじめ。 5回の出産。 5人の喘息持ちの看病。 10人並のぐずり方だった息子たち。 一方、殻にこもって頼りにならぬ夫。 心を何度も病み、 体をあちこち壊しながらも、 これらを乗り越えてきた私だもの。 できる! できるにきまってる! 気がついたら、メンタルがスゲエ強くなってるっつーの! 乗り越えた後は、 必ず、いいことあったじゃない。 子供は、いい子に育ってきたし、 彼らの喘息も管理できてきた。 夫には、ストレスしか感じないけれど、 私自身も、自分が「犬」で夫が「猫」だと気付いて、 もうちょっとやり方考えなくちゃ。 【追記】 ほぼ同時期に【デビュー】しやがった長男と次男。 偶然、同じ日に、息子ふたりが変身した。 金髪になった長男。 就活前の悪あがきで、最初で最後の金髪に挑戦したらしい。 童顔なので、そこそこ似合ってカッコよくなっている。 三男は、「気に入らねえ」と言うけれど、 母親の私は、ビジュアル的に気に行った。 そして、次男。 美容師の学校に通う友人に頼んで、 ツーブロックに刈り込み、髪を赤く染めた。 これは、明らかに「うぷぷ」であった。 どう見てもまだらに頭皮が透けて「虎刈り」だし、 髪もバイト先で禁じられているレベルの赤さだ。 第一、顔や雰囲気に合っていない。 もっさりとした顔に、危険な香りのする髪型。 何だか、いろんな意味で、やばい人みたいだ。 親の欲目を総動員しても、とても似合っているとは、言えない。 夜、部活から帰った高3の三男は、 金髪とツーブロック赤髪の男がいきなり茶の間に居るので 「ひ〜〜〜〜〜っ!」 と、悲鳴を上げてしまった。 それにしても、蝉の鳴く真夏の昼下がり、 茶の間のちゃぶ台の上で、 金髪の兄ちゃんが度の強い眼鏡を掛けて、 真面目に設計図を描いているのは、 不思議な画だった。 もうすぐ2級建築士の試験があるのだ。 近い将来、 この金髪の長男が我が家を設計し、 真黒に日焼けした三男が大工となって家を建て、 オシャレ番長の長女がインテリアをデザインしたりして・・・・・・。 その家で、虎刈り赤髪の次男がデザインした雑貨や、 ニコニコの四男が作った、 ユニバーサルデザインの道具を使って暮らすとか? あ〜〜〜! 夢あるなあ〜! 叶わないかもしれないけれど、 叶うかも、って思うだけでも、 ほとんど叶っているのと同じくらい、 幸せな気分だ。 期待しないで、ただ夢見ているよ! あとは、建築資金となる、宝くじが当たるだけじゃん。 イイェア!! (了) |
(しその草いきれ)2013.8.27.あかじそ作 |