「 消費税5%→8%へ 」

 連日ニュースで、
増税前に駆け込み買いだめをする人たちの姿を見た。

 それを見て、自分も、
いつもよりストック品を多めに買う傾向があったことも認める。

 でも、よく考えたら、
税抜き1万円のものが、10500円から10800円になり、
1万円なら300円の差なのだ。

 しかし、これが月単位、年単位の消費で累積されると、
ちりも積もれば山となる、で、結構な負担になるという。

 しかし、1万円で違いが300円、10万円で3千円、
100万円で3万円の違いなら、
あんまり気にならないような気もしている。

 数か月〜1年をかけて、
100万円の生活必需品の買い物をする間に、
累計3万円くらいの無駄遣いは、今までもしていた。

 買い物のたびに、必要のない物をひょい、と5〜6品、
買い物かごに入れていたのを合計したら、
3万円じゃきかないと思う。

 それなら、その、ひょい、の数をちょっと減らして、
その分、日本の福利厚生に寄付できたら、
それに越したことはないなあ、と思うのだ。

 「100万で、3万円」と考えたら、だ。

 しかし、
「100円玉で買えていた物が、買えなくなる」
と、少額な例えで考えると、急に怖くなる。

 買えていたものが、買えなくなること、
つまり、1が0になること、有が無になることが、怖い。

 万券にあまり縁のない私のような貧乏人には、
実感の湧かない「100万で3万の差」より、
肌身に沁みる「買えてた物が買えなくなること」
の方が、恐怖だったりする。

 今まで納めていた5%の消費税はもとより、
新たに増えた3%の税金を、
誰が聞いても大納得の使い方をしてくれたら、
みんな文句など言わないだろう。

 現に、物凄い高額な税額でも、
医療費や教育費が無料で、老後もがっつり保障してくれる国は、
個人的に貯金をする必要がないので、
みな安心して暮らしているというじゃないか。

 現場を知らない議員先生や生活感の無い役人が、
机上の理屈で、わけのわからん使い方をされたら、
庶民の生活は、不安と忍耐だけになってしまう。

 国民みんなが安心して心豊かに暮らすには、
やはり、安心して暮らせる内容の使い道じゃないと困る。


 私は、買いだめに走りはしないけれど、
走る人たちの心の底にある不安感をくみ取れる人が、
税金の使い道を決めてほしい。

 経済界のドンとかに相談するんじゃなくて、
商店街のおじちゃんや、幼子を抱えて働くママとか、
必死に生きる庶民たちに分け入って、
現場の実状を聞いて欲しい。


 みんなが、「わあ! やった!」と顔を上げて、
希望が持って生きていけるような使い道を打ち出す、
ヒーローみたいな人いないのかしら?

 みんな喜んで消費に励みたくなるような、
そんな「ヤッホ〜〜〜ッ!」と叫べる使い道を決めてくれれば、
放っておいても勝手に景気が良くなるっていうのに。

 みんな、ずっとずっと長い間、節約節約で、
我慢する生活を強いられ続けて、
もうとっくにケチることに飽きているんだから。

 使えるお金があれば、本当は、思いっきり使いたいんだから。

 買った分だけ安心が手に入れば、
そりゃあ〜〜〜買うって!!!

 そうでしょ?!



      (了)

(話の駄菓子屋)2014.4.1.あかじそ作