「 逃げ切れないこと 」


 ここ数日の暑さ!

 屋外作業員の私には、
命に関わるゆゆしき問題だ!

 暑い!
 暑過ぎる日々!

 長引く梅雨!
 急に襲うゲリラ豪雨!

 台風!
 水害!

 大雪!
 厳寒!

 地震!
 雷!

 それら自然災害は、
人類が科学の力をもって全力であらがっても、
たやすく我々の生活を押し倒してくる。

 逃げ切れないこと、それが神なる自然!

 悩んでも、憂いても、
決して逃げ切れないのなら、
冷静に頭で考えて最善の行動をした上で、
後は、もう、何も考えず、悩まず、憂えず、
淡々と生きてゆくしかないじゃないか!


 ここ数年の猛暑で、
毎日毎日、半分熱中症の状態で何時間も配達している私。

 初夏は、憂鬱で狂おしいほどだが、
盛夏ともなると、体が暑さに慣れてくるせいか、
あまりの暑さに頭がぶっ壊れてきているのか、
「バッチ来い!」
と攻めの姿勢になるから、不思議だ。

 どうせ逃げ切れないのなら、
もう、心は、あらがわない。

 暑さ、寒さ、悪天候に、心を支配されない。

 ただ、ただただ、心フラットに生きるのみ!


 老いること、
醜くしぼんでゆくこと、
病むこと、
死ぬこと。

 それらは、誰もが逃げ切れない、人生の一工程だ。

 飲食するように、排泄するように、
呼吸するように、眠ることのように、
生きてりゃあ、絶対、通る道なんだ。

 だから、もっと、淡々と捉える。

 悩んでも、焦っても、避けられないことには、
心を動かさない。

 心、フラット!!!


 はい、決まり!

 はい、夏に向けての憂鬱、捨てた!

 (嗚呼、捨てたい!!)



  (了)

(しその草いきれ)2014.6.3.あかじそ作