「 センス オブ チョイス 」




 うちの子供たちは、暇さえあれば
「お菓子ある?」
と聞いてくるのだが、食事の直後にも、
「ああ、おなか減った。なんか、お菓子ある?」
と言う。

 「今、食べたばかりだろ!」

と、頭にくるが、
彼らに言わせれば、
食事の腹は満腹だけど、別腹の方がペコペコなのだと言う。

 そこで、買い物に行った時、
安売りしているお菓子を中心に、
「しょっぱいもの」と「甘いもの」を、それぞれ買っておく。

 そして、いつもの「何かない?」の声に、
「はい、これ」
と出すと、お菓子の種類によって、反応が全然違う。

 ポテトチップの【のり塩パンチ】や、【かりんとう】は、
ほぼ安全パイ。

 わさび味のお菓子は、末の娘と私が苦手。

 【カラムーチョ】は、辛すぎて娘が食べられず、
【ポリコーン】は、三男が食べない。

 ポテチ一般は、ダイエットに気を付けている次男が食べないし、
あんこものは、私自身、苦手。

 乳製品が入っているものは、ミルクアレルギーの娘は、食べられず、

 炭酸のジュースは、長男がダメ。

 カントリーマアムや、チョコパイや、堅揚げポテトは、
大好きだけど、特売の時でないと手が出ないし、
ロイズのチョコがけポテチは、
喉から手が出るほどみんな好きだが、
人から買ってもらわないと手に入らない。

 何せ、子供5人と、私が食べるのだ。

 6人で食べるということは、6等分するということで、
どんなお菓子でも、6等分もしたら、
物凄く少量になってしまう。

 だから、少量で高価で美味しいお菓子は、 
めったに食べられない、ということだ。

 食べざかりの子供たちが満足するほど嗜好品を採るには、
今の経済力においては、とにかく、
「多い! 安い! でも、結構うまい!」
というものを日々、選ぶ作業に追われるのであった。

 うまくいけば、
「お母さん! ナイスセンス!」
と、みんなから歓声が上がるし、
失敗すれば、
「お母さん、もう、これ、買わないで・・・・・・」
と、しんみりされる。

 3時のおやつ時と、夕飯後のだんらんタイムが、
楽しくなるか、静まり返るかは、
私のお菓子を選ぶセンスにかかっていると言っても過言ではない。

 今日買ったのは、
昔懐かし【ココナッツサブレ】と、【マイクポップコーンバターしょうゆ味】!

 結果は・・・・・・!

 成功!!!


 やっぱ、基本が大事だよな〜〜〜!


 ところで、個人的には、
ベビースターの細いヤツと甘栗が好きなんだけど・・・・・・

 これは、子供たちが学校に行っている間に、
ひとりでこそこそ食べる【秘密菓子】として、
台所の吊り戸棚の奥に隠してある。

 ここだけの話、
【じゃがりこ】や【コーヒービート】は、
独り占めして、一気食いしたい。

 肉まんの4個入りパックも、ひとりで全部食べちゃいたい!

 分けたくない!
 いっぱい食べたい!
 ひとりで、心ゆくまで、むさぼり食いたい!

 年の離れた二人きょうだいとして育った私には、
うちの子供たちのような
「みんなでちょっとづつ、平等に分けようね!」
の精神が、根づいていない。

 わが子たち、みんな、そういう意味では、本当にエライと思う!

 戦時中の子みたいだぞ!


  (了)

(子だくさん)2014.6.9.あかじそ作