「 リラックマに救われる 」




 小3の娘がリラックマにドハマりで、
小遣いでリラックマグッズを着実に買い揃えている。

 頼みこまれてキャラクターショップに連れていくのだが、
連日通い詰めるうちに、いつの間にか、
私のハートにもリラックマが住みついていた。

 仕事に、子供の世話に、学校の役員の集まりに、町内会の会合に、と、
心の余裕を失くして毎日働きまくっているとき、
ふと、娘の机の上を見ると、
リラックマのカレンダーに、こう書いてあった。


 【たまには、「正しい」より「たのしい」優先で】


 「・・・・・・・・・だよね〜〜〜〜〜っ!!!」


 突然、猛烈に副交感神経優勢になり、リラックスしちまった。

 「相田みつを」より、ピンとくる!


 ハマってんじゃん!

 子供ハマって、親までハマる、の、パターンじゃん!

 子供差し置いて、親の方がどっぷりハマるヤツじゃんか!


 娘も、私に似て、
ちょっと気を抜くと、すぐに頑張りすぎて、
身も心もボロボロになって、
結果、自暴自棄になり、ヤサグレちゃうタイプなのだ。

 娘は、自衛本能で、リラックマの世界に身を置いているのだろう。

 私は、20年以上、常に忙殺されていて、
そういう自衛本能すら失いかけていた。

 まだ幼い、どちらかというと人間より神様に近い娘に、言われた気がする。

 「このままじゃ、こわれちゃうよ、おかあさん」と。


 注意欠陥多動性障害で、 
ストレスから、ポリープだ子宮筋腫だ良性線種だが、できちゃって、
それでも、自分を殺して息詰めて、
真面目真面目で、必死に家事育児仕事をしていたら、
ついに更年期が来て、ドッカ〜〜〜〜〜ン! だぞ、バカヤロ〜〜〜っ!

 なのだ。


 リラックスします。
 はい。



 (了)


(子だくさん)2014.11.4.あかじそ作