hana 19600杯目キリ番特典 テーマ:空気
「空気の条件」 〜結婚一周年を祝って〜 |
配偶者を、「空気のような存在」と言う人がよくいるが、 「ホントか?」と、ちと疑う。 うちは結婚してたった12年だが、 今のところ、互いに、バリバリに異物感を覚えている。 しかし、ふと身近に、空気に成り合える夫婦がいることに気が付いたのだ。 いとこのhanaと、ダンナのよっちゃんだ。 ふたりが一緒にいるところを初めて見たとき、 「子猫2匹が寄り添ってる」と思った。 あれは、なる。多分、空気に。 私は、hanaを常々、特殊な育ちだと思っていた。 アカンボの頃からウチに預けられて、 私と弟の、その下の、【末っ子】として育てられた。 しかし、実際のhanaは、歳の離れた弟が生まれるまでは、 ずっと【ひとりっこ】だったのだ。 11歳違いの弟が生まれ、【上の子】となり、 これでhanaは、 【末っ子で、ひとりっこで、上の子】という、不思議なひとになった。 こういう境遇のひとは、まずいないだろうな、 と、思っていたら、ダンナのよっちゃんもまた、 【末っ子でひとりっこで、上の子】的な境遇なのだ。 よっちゃんは、【双子のうちの兄の方】で、 よっちゃんの親御さんとしては、よっちゃんは、 【一番下で、歳の違う兄弟はなく、一番上】でもあるわけだ。 そして、hanaは、弟がいて、よっちゃんも弟がいる。 この、共通するふたりの育ちの「特殊性」が、 ふたりを互いに空気たらしめるのではないか、と 私は、そう分析するわけだ。 第一子同士とか、下の子同士とか、ひとりっこ同士とかが 友人や夫婦になったときに、「理屈でない何か」という共通項によって 束ねられるということは、よくあることだ。 私と夫は、第一子同士だし、 私の友人は、大抵、不思議なことに第一子が多い。 ただ、そういう同パターン同士だと、 一旦ドツボにハマルと、ふたりで穴に落っこちてしまい、 共倒れになってしまう難点もある。 しかし、hana夫妻は、凄いツールボックスを持った夫婦なのだ。 フタを開くと、ドゥルルルル・・・と、ひな壇のように何段もの棚が現れ、 第一子の真面目さ、気遣い、ひとりっこの独創性やセンス、 末っ子の器用さなどが、どさどさどさっと入っている。 どちらかに、または、二人の身に何か困ったことが起こっても、 彼らは、そのツールボックスをおもむろに取り出し、 いろいろな心配りや、テクニックや、情熱や、粘り強さで、 問題をメンテナンスしてしまうだろう。 そして何より、ふたりは、愛された確かな記憶を持ち、 その多種多様な道具達を使いこなすことができるのだ。 空気になる能力を、ふたりともが持っているのだ。 さすが、11月22日、「いいふうふの日」に入籍しただけあって、 いい夫婦だと思う。 あらためて、結婚おめでとう。 これからも、末永く幸せにね。 ・・・・・・っていうか、うちの夫婦の方が、よっぽど危なっかしいのだ。 |
(続・お前を嫁にもらう前に) 2002.04.12 作 あかじそ |