「 心配性には、キツイっす 」


 かつて子供5人を連れて歩けば、
「カルガモの親子」と呼ばれていたけれど、
今や、7人家族のうち、社会人4人、
バイトを入れれば5人が働いている。

 高校生になった四男も、
入学後、すぐにバイトを始めると言っているので、
そのうちすぐに7人中6人が働くことになる。

 末っ子長女も、
いつの間にか小学4年生。

 もうすでに、グズな両親よりもクリアな頭を持っている。

 大変だ、大変だ、と常に青息吐息だったけれど、
ふと気付けば、みんな大きくなっていて、
みんな働いていて、
みんなしっかりしてきている。

 なにこれなにこれ!!

 これって、子育てが峠を越えたということなのか?

 人生の大きな山場を無事乗り越えたってこと?

 子供子供と言っているけれど、
お兄ちゃん4人は、みな両親を見下ろすほど背が伸びている。

 心は、まだまだお子ちゃまだけれど、
私がふらふらしていると、いつの間にか的確なフォローをしてくれるし、
ふわふわしていると、知らぬ間にいい具合に事を運んでくれている。

 ああ、なにこれ?

 肩の荷、いつの間にか勝手に降りてくれているじゃないですか?!

 親の責任ってやつを、果たせたんじゃないですか?


 そう思ったら、急に体がふわふわしてきて、
子供の頃の、夢見るような気持ちや、
形のない希望のようなものが湧いてくるではないですか?!

 なにこれ!
 ああ、なにこれなにこれ?

 楽だぞ!

 気が楽だぞ!

 30年ぶりくらいに、気が楽になってるぞ!!

 うわ〜〜〜〜〜!!
 うわ〜〜〜〜〜〜〜!!!



  (了)

(子だくさん)2015.4.7.あかじそ作