「 ママ脱皮 」



 シルバーウィークに、一泊二日で、中学時代の友人宅へ泊まりに行くことになった。
  
 20年以上、子供抜きで夜を明かしたことが無かったので、
家のことも、小学生の娘のことも心配だが、親の介護生活になる前の、
ほんの一瞬の自由時間だと思って、思いきって出掛けることにした。

 近所に住む実家の母も、夫も、大きいお兄ちゃんたちも、
私の単独外泊の計画に驚き、戸惑っていたが、すぐに、
「たまのことだし、羽伸ばしてきたら?」と言ってくれた。
 
 どこへ行くにも、必ず小さい子どもを連れていたので、それが当たり前になっていて、
常に「親」として行動していたが、それが20年ともなると、
頭が親の思考で固まってしまい、知らないうちに柔軟性を失っていたのかもしれない。

 自分では、物わかりのいい母親のつもりでいたのに、
最近は、息子たちに母親特有の先回りした小言が増えて、うるさがられていた。

 よし、ここいらで頭をリセットして、クリアな思考力を回復しよう!

 私は、準備もそこそこに、身仕度して出発した。
 
 私がいないと、家がどうなるのか?

 めちゃくちゃになるか、案外、みんな、ちゃんとできるのか?

 何でもかんでも私が仕切っていたから、家族の生活する力を育めなかった、
という可能性も往々にしてある。

 よし、どうなるか、やってみよう。

 未来に向けた、前向きな「切り替え作業」だ!

 レッツゴー、だぜ!
 我が家の未来へ!

 (千葉へ向かう急行列車にて)

(子だくさん)2015.9.22.あかじそ作