サクラ大戦

Data

ゲーム・カテゴリー  SLG?
対応ハード SEGA Saturn
制 作 SEGA

全般的な感想

 この作品をプレイしたのは既にSEGAのプラットフォームはSaturnからDream Castへ移った後の事です。
 サクラ大戦は実は登場当時から存在は知っていたし、大ヒットしたのも聞いていましたが何故かプレイする意欲が湧きませんでした。やはりその最大の理由は、サクラ大戦=美少女ゲームという先入観があった為でしょうか。雑誌などに掲載されているゲーム画面から受ける印象も典型的な美少女ゲームのそれでしたし、人の話からもジャンルとしては美少女ゲームに含まれるという事で、プレイに二の足を踏んでいたのです。僕は別に美少女ゲームが嫌いとかそういうのはありません。ただ、プレイした事も無かったし、自分にとっては面白いと思えるジャンルでは無かっただけです。そういう理由で長い間サクラ大戦というゲームは気にはなっていたものの、僕のプレイ予定リストには入る事がありませんでした。 それがどうしてプレイする事になったのか・・・理由は単純で「とりあえずやりたいゲームも無いし・・・たまには変わったのもやろうかなあ」でした。丁度ゲームショップで中古のサクラ大戦の限定版(マウス付きのやつです)が安く売っていたので買ってみたのです。実際その時は大して期待もしていませんでした。つまらなくてもこれ位安ければいいかな?・・・そんな感じでした(今考えてみると全く不純な動機ですね(^^;))。でも、期待はしていましたよサターンのキラーソフトと言われる位の作品でしたから。

 そんな不純?な動機でプレイを始めたこのゲームですが、ものの1時間も掛からずにすっかりハマっている自分がいたのです。どんなゲームでも慣れるまでは簡単にハマる事のない筈なのに・・・それ程にこのソフトには楽しませる要素が詰まっていたのです。

 ストーリーはまあ良くあるものでしょう。「大正ロマン」といのは良い所を衝いてるな思いますね。大正という時代のはいろんな意味で憧れを抱かせますから。近代化されながらも古きものを多く残し、一番平和な時代とイメージ(本当にそうかどうかは別ですが)があります。そして個性豊かな女性隊員。ある部分では現代的ながら今の女性では時代遅れと言われそうな純情さもこの時代と上手くマッチしています。ゲームシステムとしては主人公である大神一郎になって様々な事件を解決しながら隊員らの信頼を得て帝都を守り抜くといったものなのですが、むしろメインは隊員達との会話やイベントにあるのでしょう。この部分の出来が素晴らしい事がこのゲームの最大の魅力だと思います。ゲーム前編に無駄だと思わせるような場面も殆ど無いし、何しろ彼女達との会話がとても楽しいのです。彼女達からの好感度といった要素も変に数値化したりせず、妙な努力(好感度を上げるために自分の意志とは別の答えを返すとか)をする必要もありません。まあ、隊員全員のエンディングイベントを見たければ多少その必要はあるのかもしれませんが。ちなみに僕が見たエンディングは今のところマリア、さくら、すみれだけです。ところで無駄といえば、人によってはバトルイベントは必要が無いという意見もあるようです。でも、僕にとってはバトルイベントがあるからこそこのゲームが単なる恋愛シミュレーションとは違って見せているのだと思えるのです。バトルイベントは一般的なシミュレーションのターン制というやつですが、難易度はかなり低めで普通ならばまず負ける事はありません。ただ、このゲームでは大切な隊員達が戦っているのですから誰一人戦線離脱させる訳にはいきません。また、それぞれが固有の技を持っていてそれを上手く使いこなすのがバトルイベントの楽しみです。「ここはやっぱりマリアに最後の一撃を出させてあげたいなあ」そんな想いを巡らしながら戦うのが楽しいのです。ただ、バトルシステムはあんまり洗練されていないので人によってはストレスが溜まるかもしれないですね。

 このゲームで誰を好きになるのかも楽しみの一つですね。個人的にはさくら(王道ですね)、それからすみれかなあ。特にすみれは高ビーなんだけど、間が抜けたときの表情に可愛らしさを感じます。でも、みんな好きですよ。さすがにアイリスは好きというよりは、可愛い妹(娘?)というものですけど(^^;)。

 この「サクラ大戦」というゲーム、何というジャンルに属するのでしょうか。いわゆる美少女ゲームとは違うだろうし、シュミレーションとも違う。上手い表現が見当たりません。やはり僕としては「サクラ大戦」という一つのジャンルを確立しているのではないかと思うのです。だからこそこの作品がこれだけの支持を受けたのではないのでしょうか。恋愛・育成・シュミレーション、そうした要素単体で見ればこの作品と同レベルのゲームは数多くあると思いますが、そういったゲームの持つ魅力を高い次元で巧く一つの作品に盛り込んだのがこのサクラ大戦というゲームではないかと思います。