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絞り

露出を決める要素のひとつに「絞り値(=Fナンバー=F値)」があります。「絞り」というのは、誤解を恐れずに言えば「レンズの直径」のことです。レンズが大きいと入ってくる光の量が多くなりますから明るく写ります。露出を調節するときにレンズの直径を調節するわけにはいきませんから、ドーナツ状に穴が開き、その穴の直径を可変できる「絞り機構」をレンズの中にもたせることによって、入ってくる光の量を調節するのです。

「絞り値」とは、「焦点距離÷絞り径」で算出される数値のことで、絞りを通過してフィルムに到達する光の量を表す指標になります。例えば焦点距離50mmのレンズで絞り径を25mmにしたとき、「絞り値」は50mm÷25mm=F2ということになります。数値が小さいほど通過する光の量が多いということになります。絞りをレンズ口径まで開ききったときの絞り値を「開放絞り値」と呼び、そのレンズの性能を示す指標のひとつになります。一般に開放絞り値が小さい(=明るい)レンズほど良いレンズのように思われますが、必ずしも描写性能が良いということではありません。

絞りの外観
絞り開放 F8くらい 最小絞り
開放の絞りの状態 F8くらいの絞りの状態 最小絞りの絞りの状態

絞りを通過する光の量は、開口面積に比例します。面積は寸法の2乗に比例しますから、光の量は絞り値の2乗に比例します。F2.8とF5.6では、F値は2倍ですが2乗に比例しますからF2.8と較べてF5.6は4倍暗い?ということになります。絞り値の系列が F1.4 1.7 2.8 4 5.6 8 11・・・ と中途半端なのはこのためです。

フィルムを感光させる光の量(露出量)はシャッタースピード(SS)と絞り値で決まりますが(フィルターなどは除きます)、以上の説明から SS=1/250・F2.8 とSS=1/60・F5.6 が同じ露出量であることがわかりますね。

絞りには露出を調節する役割の他に、「ボケ具合を調節する機能」があります。「背景をぼかしておねえさんを引き立たせる」というのはポートレート撮影の基本ですが、この「背景のぼけ方」が絞りで変わるわけです。絞りを開くほどよくボケるようになります。逆に絞るとボケにくくなりますから、ピントのズレが目立たなくなります。

ボケには絞り値の他に撮影距離や被写体と背景との距離差もかかわります。マクロ撮影では非常にボケやすくなりますから、少し絞り込み気味にしてやってボケを抑えた方が良い場合が多いです。

絞りによる前景・背景のボケの変化(100MACRO 1/2倍付近)
F2.8 F5.6 F11
F2.8で撮影した画像 F5.6で撮影した画像 F11で撮影した画像

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