霧多布(琵琶瀬)湿原 

 「ワタスゲが見頃らしい。」カメラマンAさんが言った。「行きますか。」「行こう。」..ということで久しぶりに琵琶瀬湿原に行くことになった。「と、なるとカヌー持っていきたいですね。」「...ホントに持っていくの?」「うーん、(カヌーは)3年も外に出してないし、ジムニーで行くのもしんどいスね。」軟弱アウトドアズマンは果たしてとてもグータラである。
 (名誉?の為に言って置くが、琵琶瀬湿原は以前ちゃんと下ったことがある。基本的に私はソロだから、当時建設中だった湿原センターのそばからカヌーを出し、上陸してからはチャリンコで出発点に戻るというツァーをやってのけたのである。
 さて、例によって出発は午前2時40分。珍しく40分程度の遅刻で済んだ(笑)Aさん、20qほど運転したら「眠くなった。」といって私と交代。すぐに爆睡モードに入ってしまった。

  

  まずは「アヤメが原」へ。ヒオウギアヤメは...。あんまり咲いていない...。満開と聞いてきたのに。多くはつぼみで、それに混じって高山植物のハクサンチドリがちらほらと咲いていた。仕方ないので放牧されていた道産馬としばし戯れていた。

 続いて「琵琶瀬展望台」へ。琵琶瀬湿原を一望できるスポットだ。Aさんは撮影に、私は今度は挽馬と戯れに。

 琵琶瀬展望台でしばらく仮眠をとったあと、湿原センターへ。しゃれたきれいな施設である。図書室や喫茶室もありゆっくりと湿原を堪能できる。備え付けのスコープで湿原に丹頂鶴を探すことも可能だ。
 湿原の中には木道が設けられている。何処まで続いているのか。湿原を縦断しているのだろうか。それを確かめようとはしないのが我々である。MGロード(琵琶瀬湿原を縦断する車道・サイクリングロード)からワタスゲの群落を撮影した後、海側の木道に向かった。

 木道は途中で終わっているように見えので、それならチョットぐらい歩いてみるか、と言うことになった。だが草花を撮影しながら進んで行くと、まるで逃げ水のようにそこにたどり着かないではないか。気がつくと随分遠くまで歩いてきてしまった。こんなに健康的なアウトドアをしたのは久しぶりだ、なんて訳の分からない会話をしているうちに木道は琵琶瀬川の流れに出てようやく終わった。

 さあ、この日のメインは実は昼飯である。厚岸の道の駅「コンキリエ」では、牡蛎をメインとした海産物や肉類・野菜を自らの手で炭火で焼いて食べることが出来る。私は十数年前、網走の牧場でアルバイトしていたとき出された生牡蛎をたらふく喰って大当たりし一週間下痢と腹痛に苦しんだことがある。それで、牡蛎は食べられなくなっていたのだが、この日思い切ってチャレンジしたところ これが旨かったのだ。Aさんも今日の牡蛎は今までで一番旨いと絶賛した。それ以来、コトあるごとに「厚岸」行こうか、という話が出るようになった。
 また牡蛎が旨くなる季節がやってきた。Aさんが「アツケシ」をクチにし、私が間髪入れず拍手をする日は近い。

1998.6.18
update1998.9.16


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