Encrinurus kitakamiensis

K沢

【三葉虫】Encrinurus kitakamiensis   

      Otarion? sp.

岩手県大船渡市日頃市町【G沢】
シルル系川内統


【テーチス会】

 ホンの一時期であったが、当時気仙沼市図書館司書をしておられたA氏が主宰する化石研究会 
「テーチス会」というものが存在した。メンバーは小学生であった私達を含め、小〜高校生までの15名で
週一回、小学生を中心に勉強会など行っていた。(会自体は残念ながら当時主力だったO氏らの
高校卒業によって自然消滅してしまった。)

 「テーチス会」全員での、最初で最後の巡検が行われた場所が
大船渡市K沢である。


 K沢から三葉虫が産出することは知っていたが、相手は苦手な石灰岩。
沢に転がる石灰岩を叩いても化石を割り出せるとは思えず、友人らは見事な床板珊瑚を
見つけたりしていたが私は惨敗だった。

 産出する三葉虫はEncrinurus kitakamiensisである。杉山敏郎博士によれば、
若干の尾部が採集されたに過ぎないらしいが、一方でたくさん出たという話も聞いたような気がする。
また、近年ではOtarion? sp.が産出しているらしい。

 巡検以降、交通の便の悪さからG沢を訪れることは少なかった。
しかし私は後年、Encrinurusの尾部を石灰岩の転石の表面に見出している。
かなり変形し、磨滅もしていたが念願の三葉虫を手に入れたのである。

 最近、K沢の露頭は危機的な状況にあったようである。
どうやら回避はされたようだが・・・

【最新情報】

国立科学博物館技官の巡検の話を受けて、追検証してみた。
Spanish Johnnyさんは中軸正中線上に小さな突起が並ぶ尾部を見つけ
本産地のEncrinurus がキタカミエンシスだけではないことが判明した。

一方、G沢のEncrinurus は従来E. fimbriatus とされていたが
これは故小泉氏の私見であり、E. fimbriatus にあるべき
中軸正中線上に小さな突起が見られないため、別種とすべきと思われ
また、キタカミエンシスにも同定出来ないことから本HPでもEncrinurus sp. に訂正した。
なお、G沢のEncrinurus の記載は未だ成されていないようである。

次にOtarion? sp.だが、ボヘミやんは後日の巡検で
その頭鞍と思われるものと、頬棘が長いチークを採集した。
2005.9.27



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