知床に流氷を見に行く 2001

 午前3時、知床行きを決める。3時45分出発。何時ものように阿寒横断道路を通り、からまつの湯を経て羅臼入りを目指すが、途中 横断道の夜間閉鎖を知り、已む無く津別を経由して網走へ向かう。

女満別〜藻琴


 女満別からは藻琴に抜ける道を選択する。狭いながらも快適な道が続くが、突然深い吹き溜まりにタイヤを取られて蛇行し路外転落しそうになる。アクセルを踏みこみ、何とか切りぬける。思い出した・・。この道は網走の牧場にいた時、前を走っていたランクルが同じく吹き溜まりにタイヤを取られてクルリとこちらを向いたあの道だ・・。

 しばらく行くと真っ直ぐ続くはずの道がT字路になっている。そして藻琴に続く道は轍が一本もない!!おもしろいので写真を撮ってみる。(左の画像ではわからないと思うけど)雪の深さはタイヤの1/3、しかし この先はどうなってるのか分からない。電線のおかげで どの辺が道かは判断がついたけど、結構スリリングな数百メートルだった。

北浜〜止別

 流氷情報ではびっちり接岸しているはずだったが、ここ数時間のうちにまた離れてしまったのか 北浜には僅かに小さな氷が浮いているだけだった。止別では流氷の密度が増してはいたが、流氷本隊の帯は水平線のところにあった。
(下の写真はハマナスの実)

薫別〜崎無異

 
網走から石北峠を越えて、古多糠を経て国道335号線に出る。ここからは海沿いの道になる。薫別から崎無異にかけては道路から海(崖)までの距離が狭いところが多く、その間の樹にワシ類が留まっているのを見掛けられる。ワシは崖ギリギリの樹に留まっていることが多いが、それでも羅臼の町で見るより近くで見ることが出来る。ただ警戒心は強く、撮影しようとクルマから降りるとすぐ飛び立ってしまった。

羅臼

 オホーツク老人の像がある しおかぜ公園付近からワシの営巣地で知られるサシルイまでは市街地の中でオオワシやオジロワシの姿を見ることが出来る。ここ数年、その数はめっきり減って私を失望させていたが、今回は久しぶりに一本の樹に複数羽のワシが留まっているのを数ヶ所で確認できた。

 以前はサシルイより先の相泊に至る海岸線でもワシを見ることが出来たのだが、今日の左の写真のような状況では到底それは望めない。(怒)

羅臼ビジターセンター(増改築のため2000年11月より休館中)の冬のラウス観察マップ

セセキ温泉

 セセキ温泉には入ったことはないが、今回 潮がひいて湯船がどうなっているか確認出来そうなので海岸に下りてみた。ここは日本で唯一の流氷を見ながら入れる無料露天風呂なのである。






 左の写真手前の雪のない部分では、岩の裂け目からお湯が湧き出している。湯船は幾つもあって 手を入れてみると入浴するにはちょっとぬるい。茶色に濁って泡もたっていたが、それを掻き出して湯を溜めれば入ってもいいと思う。しかし それをする私ではない。(笑)夏なら快適な入浴は出来るだろう。但し個人が管理している露天風呂なので 上の住人の方にきっちり挨拶して入浴させてもらおう。

からまつの湯〜屈斜路湖

 何時もは行きがけに入るからまつの湯。今回は帰る途中にお邪魔する。相変わらずきれいな湯を湛えている。無料の露天風呂の中ではピカイチだろう。

 阿寒横断道路が閉まる時間が既に過ぎてしまっている(確か16時から9時までだったかな?)ので、美幌峠を越えて帰ることにする。弟子屈から屈斜路湖に抜ける途中、フロントガラス越しにキラキラ光るものがあるのに気がついた。ダイヤモンドダストだ。空気中の水蒸気が凍って降る現象である。今年は−20℃を越える日を何日も体験しているのに見るのはずいぶん久しぶりだ。屈斜路湖畔でジムニーを止め、一頻りダイヤモンドダストを見上げる。美幌峠を越えるまで小さな煌きを楽しむことが出来た。
 因みに屈斜路湖では北海道、そしてここならではの珍しい現象を見ることが出来る。氷のプレートがぶつかり合って出来る「お神渡り」然り、温泉の水蒸気と厳しい冷気で咲く霜の花「フロストフラワー」然り、そして春を告げるキャンドルアイス。初めて その音色を聞いたのも屈斜路湖だった。結氷していた湖の氷が解けるとき、どういうわけか知らないが、柱状摂理が出来たような状態になる。ちょうどローソクを束ねたようなものを想像していただければいい。それが気温や風や波の作用で一本一本きれいな澄んだ音をたてて崩れていく。もう1度体験したい現象の一つである。

寒いジムニー

 このところジムニーはオーバークール気味である。夏や、冬でも昼間の間は問題ないのだが、氷点下となる夜、しかもダイヤモンドダストが見られるようなシバれた日には水温計がピクリとも上がらない。当然、ヒーターも僅かに暖かい空気を送り出すのみで車内は一向に暖まらないのだ。からまつの湯で温まった身体もすぐに冷え、帰りは凍えるドライブとなった。何時もなら襲ってくる睡魔も訪れようもない。ここで睡魔が襲ってきたら凍死だし。(笑)そして まさに凍死寸前、命辛々22時間 780kmの旅は終わったのであった。ちょんちょん・・・
updata 2001.2.19

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