| ★「アトピー」ってなに? 「アトピー」って「奇妙な」という意味です。 じゃあ、「アトピー」と診断された子供は、奇妙な病気にかかっているんでしょうか? 私は、決してそうは思いません。 今、アトピーと言われているもののほとんどが、乾燥肌をこじらせた過敏性皮膚炎や、接触性皮膚炎、乳児湿疹だと、私は思っています。 皮膚炎の多くは、医者にかかっても、すぐには完治しないので、民間療法に、はしってしまわれる人も多いと思います。しかし、民間療法の中には、治るまで遠回りをしてしまうものや、かえって症状を悪化させてしまうものもあります。 残念ながら、今のところ、皮膚炎には、どんな人でも良く効いて、すぐに治る最適な治療法が、まだありません。 しかし、これらの病気をきちんと理解し、正しいケアをすることが、回復への第一歩だと、私は思っています。 皆さんが、治療法を選択する際の、参考になればうれしいです。 ※「アトピー」という言葉 今、「アトピー」いう言葉は、本来の意味とは別に、いろんな意味で、使われているようです。 世間一般では、「アトピー」とは、子供にできる、かゆい湿疹の総称のことを指すようです。 医者も、ボツボツには、とりあえずアトピーだって言っておけば、親は納得するし、長々と説明しなくていいから、しょっちゅう使われるようです。 確かに、どうしても、なかなか治らない、原因もわからない、本物のアトピーと言っていいものも、あると思いますが、そういうのは、数も少ないはずですから、アトピーなんて言われたら医者が説明をサボっているんだ〜、くらいに私は思いたいのですが...。 |
| ★皮膚「炎」→「炎症」って? ヒトのからだの表面は、皮膚が覆っています。その皮膚からは、皮脂が分泌されています。 皮脂は、皮膚の表面を覆い、弱酸性にして、その下にある皮膚角質層とともに、ほこりや細菌などの異物が、からだの中に入らないように、バリアーの役目をしています。 もし、そのバリアーが破られて、異物が、からだの中に入ってしまうと、免疫担当の細胞がはたらいて、異物をやっつけます。 やっつけ方にもいろいろあって、
異物が入ってきたところは、戦争状態ですから、当然、まわりの正常な組織も、若干、まきぞえで犠牲になります。 これが炎症です。 ふつうは、異物がなくなると、免疫細胞は撤退して、戦争も終わり、やがて、壊れた組織も復旧していきます。 炎症は、異物からからだを守る、大事な反応なのです。 異物をやっつける免疫反応がおきなかったら、からだは異物にやられ放題で、死んでしまいます。 |
| ★皮脂とスキンバリアー 生まれたての赤ちゃんは、胎脂(あぶらです)に覆われています。 お母さんのお腹のなかにいたときに、胎盤から入ってきたお母さんのホルモンなどの作用が、生まれてからも、しばらく続くので、皮脂の分泌も盛んです。 だから、「沐浴時に、お顔もせっけんできれいにね〜」なんて言われます。 分泌が盛んすぎて、にきびや脂漏性湿疹ができてしまう子もいます。 でもこれは生後1ヶ月から3ヶ月のことです(かなり、個人差があります)。 その時期をすぎると、思春期になって、性ホルモンがたくさん出てくるようになるまで、皮脂の分泌はぐっと少なくなります。 子供は大人にくらべて、異物から、からだを守る、大事なスキンバリアーが、薄いのです。 秋や冬になると、更に皮脂は少なくなります。 それでも、たいていの子供は、なんとか薄いバリアーなりに、異物を防いでいるので、なんともないのですが、生まれつき皮脂が出にくい子がいて、ドライスキン(乾燥肌ですね)と言われます。 おふろで、ゴシゴシこすると、さらに皮脂がとれて、バリアーはもっと薄くなってしまいます。 こんな場合、薄くなったバリアーをケアしてあげればいいだけです。 「皮膚がカサカサだなー」と思ったら、皮脂の代わりになる保湿クリームで、バリアーを強化すればいいのです。肌にあうものなら、なんでもいいと思います。 余分な成分が、異物となることがあるので、なるべく無香料・無着色のものを。 軽いカサカサだけなら、かゆみどめ成分の入っていないものがよい。カサつきによる軽いかゆみがある場合、かゆみがおさまるまでは、かゆみ止め成分配合のものが良い。 (保湿クリームについて) |
| ★どうして皮膚炎になるの? カサカサ肌をきちんとケアしているつもりでも、ちょっと、保湿クリームを塗るのを忘れたり、こすれて、とれてしまったりすると、バリアーが破られて、異物が入り込み、炎症が起こってしまいます。 また、かゆいので掻いてしまうと、さらに皮膚が傷つき、バリアーが決定的にこわれてしまい(異物入り放題ですね)、さらにひどい炎症がおきます。 炎症で、皮膚が戦場になると、免疫細胞が出したり、壊れた細胞から出る化学物質で、さらに、きょーれつにかゆくなります。 で、また掻く(→ふりだしへ戻る)。悪循環なのがわかりますね。 ここで、きちんとケアをして、悪循環を断ち切れば、時間はかかりますが、少しづつ良くなり、やがて治っていきます。 しかし、生まれつき免疫細胞が、けんかっ早い体質(これをアレルギー体質といいます)の人の場合、やめときゃいいのに、ちょっとの異物で、バシバシ攻撃するので、まわりの正常な皮膚の巻き添え被害が、大きくなります。もっと困ったことに、免疫細胞は、はじめて出会った異物よりも、2回目・3回目と何度もであった異物のほうに、より攻撃をしかけるという性質があります(まるで、暴××の抗争!)。何度も繰り返すと、どんどん免疫細胞が暴走し、悪化の一途をたどります。 そのような人の場合、スキンケアだけで、けんかっ早い免疫細胞の暴走を止めるのは、難しいかもしれません。 (次項目「皮膚炎になってしまったら?」参照) |
| ★保湿クリームについて 保湿成分にはいろいろありますが、代表的な物といえば次のとおり。 まずは、容器に書いてある成分を見てみましょう。 主成分以外に、「抗ヒスタミン剤」とか、「ジフェンヒドラミン」、「○○酸クロルフェニラミン」などと書いてあったら、それはかゆみ止め成分入りのものです。 わかんない時は、薬剤師に相談してください。(親切に教えてくれないような薬剤師のいる店は、信用できないので、私は、二度と行きたくありません。)普段は、かゆみ止め成分なしのものを使いましょう。 また、クリームやローション、ゲルなど、いろんな種類がありますが、使いやすさや好みによって、選べばいいと思います。 保湿成分は、その人の症状によって、合う合わないがあるので、試しに、少量を塗って、様子をみる方がいいでしょう。異常を感じたり、悪化したら、即刻やめること!
他人がよく効いたから、自分にも合う・効くとは限らないので、必ず、試しに少しだけ塗ってチェックすること。 |
| ★食物アレルギーの話 ☆アトピーと皮膚炎の関係 「アトピー(正しくは、「皮膚炎」)って食事が関係するんじゃないの?」と思っている人も多いですよね。 からだにとって、異物となっているものが、食べ物の場合、「食物アレルギー」と言われます。 食物アレルギーは、異物が、じかに接している、口のまわりと消化管に、一番症状が強く出るので、まず下痢や嘔吐をしたり、口のまわりに発疹がでます。 それから、腸を通ってきた血液は、全身にまわるので、からだのあちこち(特に皮膚のやわらかいところ)で、発疹などがでます。 アレルギー体質の人の場合、ダニや動物の毛など皮膚から入ってくる異物以外に、腸管からの食べ物も異物と認識してしまい、食物アレルギーと皮膚炎が同時に起こることが多いので、このように言われるのです。 なお、実際は、食物にアレルギーはないのに、原因異物の血液検査をしたら、食物にもアレルギーがあるという結果が出る場合が、4割くらいあるそうです。 検査でひっかかったとしても、食べた時に、下痢・嘔吐・発疹などの症状が、全く出ない場合、親も子も、大変な努力のいる、食事制限をする必要はないんじゃないでしょうか。 ☆どうして食物アレルギーになるの? 食物アレルギーは、食べたものが消化しきれないまま吸収されて、血液の中に中に入ると、異物として認識されて、おこります。 赤ちゃんって、生まれたばかりでは、おっぱいやミルク、湯冷まし、お茶、ブドウ糖水くらいしかあげませんよね。 どうしてか、わかりますか? これらは、腸で吸収されるときに、かなり小さい分子量で、吸収されるものなのです。 赤ちゃんの腸は、まだしっかりと完成されたものではなく、未消化のもの(分子量の大きいもの)も、通してしまい、血中に吸収してしまいます。 分子量の大きい物質は、栄養としてではなく、異物として、免疫細胞から攻撃をうけます。 だから、腸の発達や消化酵素(大きい分子を、小さくカットする働きがあります)の分泌に合わせて、離乳食の量や種類をすすめなければいけないのです。 離乳食は、食べ方の上手さや、歯のはえ方で、すすめるだけではいけないのです。 生後4ヶ月で離乳食開始なんて、もっての他です。 早くから、大人と同じように、いろんなものが食べられたというのは、決して、自慢できることではありません。 たまたま、その子に食物アレルギーが出なかっただけで、からだにはすごい負担をかけているのです。 先に出てきたように(どうして皮膚炎になるの?)、免疫細胞は、はじめて出会った異物よりも、2回目・3回目と、何度も出会った異物のほうに、より攻撃を仕掛けるという性質があるので、ある食べ物を、最初にあげる時よりも、2回目のほうが、慎重に観察する必要があります。 ☆離乳食の与え方と食事制限 妊娠中や、母乳をあげているおかあさんが、食事制限しても、大人の腸は、分子量の大きいものは吸収しないので、全く意味がありません。 むしろ、偏食による影響の方が深刻です。 お母さんが、アレルギー体質の時のみ、その人にあった食事制限が、医師の指導で行われます。 それから、「3大アレルゲン」という言葉があります。 これは、超有名な言葉なので、知ってる人も多いと思います。 卵(特に卵白)・牛乳・大豆のことです。 これらは、とっても大きなタンパク質の分子から出来ており、消化酵素で小さな分子に消化されにくいものなのです。 だから、なるべく月齢が大きくなってから(最短でも生後8ヶ月以降)あげたほうが安心です。 ただし、これらを発酵させた食品(ヨーグルト・納豆など)は、乳酸菌や納豆菌などが、タンパク質の分子をある程度、小さく分解していますから、3大アレルゲンそのものよりは、少し早めに食べさせてもいいかもしれません。 しっかり加熱することも、大きい分子を変性させて、消化を助けます。 離乳初期の子供に、やわらかくて口当たりがいいからといって、豆腐やアイスクリーム、プリンにカスタードクリーム、ゼリーなどを、ついあげてしまいそうになります。 よく考えてみると、これらは、3大アレルゲンたっぷり!ですね。 ゼリーは、3大アレルゲンではありませんが、ゼラチンは、動物性タンパク質から出来ており、消化されにくく、からだにとって異物となりやすいものです。ゼラチンでアレルギーがおきていない乳児でも、よく食べるからといって、いつもたくさん食べさせていると、予防接種で、副反応をひきおこすことが、あるので注意が必要です。なぜなら、予防接種のなかには、安定剤として、ゼラチンが含まれているものがあり、注射で直接体内に入ると、急にアレルギー反応をおこすことがあるからです。 乳児期にうっかり油断したその一口で、食物アレルギーを引き起こす可能性があるのです。 ただし、こわがっていつまでも、これらの食品を与えないと、食物アレルギーよりも、もっと深刻な、成長障害を招きますので、正しい知識をもって接してあげましょう。 離乳食で、「これ、大丈夫かな?」と迷ったら、ちょっと遅めにあげるようにしたり、調理法を考えて見るほうが、betterです。 もし、食物でアレルギーをおこしていても、成長にしたがって、少しづつアレルギー反応が弱くなっていき、食べられる食品が増えることが多いので、あせらず、気長に様子を見守りましょう。 ※以前、アレルギー科のある病院に勤めていた、管理栄養士の友人から聞いた話ですが、「最近の母親の中には、アトピーが怖いといって、幼児期になってまで、勝手に3大アレルゲンを除去してしまい、かえって免疫がつかなくて、大きくなってから、反応してしまう人が多くて、困っているんだ。」と、そこの栄養士仲間が、嘆いていたそうです。 |
| ★金属アレルギーの話 からだにとって、異物となっているものが、金属の場合、「金属アレルギー」と言われます。 アクセサリーやお金などの金属は、そのままのカタマリでは、からだに入っていかないのですが、汗や皮脂で弱酸性になっている皮膚につくと、ごくわずかですが溶け出して、スキンバリアーの壊れたところから、入っていきます。ピアスは、常に金属が密着しているため、さらにからだに入っていきやすいのです。また、歯の詰め物として使われた場合、口の中に金属が2種類以上あると、だ液に溶けやすくなり、口の粘膜から、からだに入っていきます。 からだに入った金属は、異物として免疫細胞から攻撃をうけます。異物が、じかに接している皮膚に、一番症状が強く出るのですが、異物は、血液にのって、全身にまわるので、からだのあちこち(特に皮膚のやわらかいところ)で、発疹などがでます。口の中の場合、粘膜には発疹ができず、皮膚だけに出るということもあり、その場合、なかなか原因がわからないということになります。 発疹の原因として、金属が疑われた場合、検査で原因となっている金属の種類が、わかることも多いのです。原因金属がわかったら、なるべく直接触れないようにしましょう。 |
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