| ★予防接種って、なに? 予防接種は、ふつうの薬とは、ちょっと違います。薬はふつう病気になってから使うものですよね。しかし、予防接種は、その名の通り、病気になるまえに使うものです。 「病気にかかるまえに、ワクチンで免疫力をつけて、病気にならないように、またかかっても、軽く済むようにする」のが、予防接種です。 だから、本物の病気の症状が、比較的、軽いものであれば、受ける必要はあまりないのではないかと思います。 また、薬に副作用があるように、予防接種にも、副反応というやっかいなものが、でることがあります。 その病気になった時の症状と、予防接種の副反応の出やすさを考えて、自分の子供にあった予防接種の種類や、受ける時期を、医者ではなく、"親"が選択しなければなりません。 それなのに、わかりやすい情報が少なすぎますよね...。 そんなあなたのために、この「普通の医学」が、少しでも選択の手助けになれば、うれしいかぎりです。 たとえ話ですが、病気が道路で、予防接種が歩道橋だと思ってください。高速道路をそのまま渡ったとしても、たまたま車が少なくて、すっごくまれな確率で事故にあわないかもしれない。でも渡るときは、たいてい歩道橋を渡りますよね。じゃあ、田舎の田んぼのあぜ道はどうでしょうか。わざわざお金をかけて歩道橋を作りますか? このたとえでいうと、高速道路が麻疹(はしか)で、あぜ道が風疹です。歩道橋が予防接種。でも、たまたま歩道橋でコケて、けがをしたのが副反応です。大きいけがをするか、小さいけがをするか、けがしないかは、歩道橋を渡りきるまで、つまり予防接種を受けてみるまで、わかりません。 |
|
★予防接種の正しい受け方 予防接種は、軽い病気状態にするのですから、体調のいいときに受けましょう。 ワクチンを接種することによって、からだを無症状か、軽い病気状態にして、免疫力をつけさせるのです。 一般に、夏の暑い時期は、夏バテなどで体力が落ちていたり、汗などで、接種部位が不潔になりやすく、副反応がでやすいので、なるべく避けた方がいいでしょう。 |
|
☆ポリオ 春と秋に集団接種があります。子供にとってラッキーなことに、注射ではなく、あまい液体を口から飲みこんで接種します。 この病気にかかると、神経マヒが残るので、きちんと受けた方がいいと思います。 副反応は、ほとんど心配ないといっていいと思います。しかし、ごくまれではありますが(四百万分の一くらいの確率)、予防接種のワクチンウイルスが、からだの中で、毒性を持つように変異してしまい、まひが起こることがあります。(注参照) 接種は、2回受けないと効果が低くなります。 接種後、1ヶ月間は、他の予防接種は受けられません。 また、下痢をしているときは受けられませんので、受け損ねたときは、半年後の次の機会に必ず受けに行きましょう。 なお、昭和50〜52年生まれの方は、その当時のワクチンの効力が薄く、免疫がつきにくかったことがわかっています。子供がうけた予防接種のウイルスが、からだの中で、毒性を持つように変異し、便を通じて、親に感染し、発病に至ったケースがあります。その年代の方は、できれば、親になる前、なってる方は早めに、ワクチンを受け直しておいた方がいいかと思います。お近くの保健所に、問い合わせて見てください。 注)また、平成11年秋に、ポリオ接種後に、脳症になった子供が数名が出たため、平成12年春の予防接種が、見合わされました。その後の調べで、予防接種との因果関係はないと判断されたため、平成12年秋の分から、再開されました。 |
|
☆BCG 結核の予防接種です。 まずツベルクリン反応(ツ反)を受けます。すでに結核の免疫を持ってないか、また現在、結核感染していないかを調べる検査です。 その後、ツ反が陰性なら、BCGを接種します。 結核は、昔のように不治の病ではなくなりましたが、幼児でかかると、治るまでが長く、まれに結核性脳炎になることもあるので、予防接種は受けた方がいいと思います。 副反応は、腕が腫れたり膿んだりすることが、よくありますが、清潔にしていれば治ります。 なかには、治りが悪く、1年くらい膿んだりする子もいますが、あまりに治りが悪いと感じたら、医者に相談して見てください。 腫れ・膿みは、小学校で受ける2回目以降のほうが、強いことが多いです。 また、高齢のお年寄りは、昔、感染し、体に結核菌をもっておられることがあるので、お年寄りと、同居している幼児は、自然感染していることもありますが、これも、ツ反でわかります。 |
|
☆三種混合ワクチン(百日咳・破傷風・ジフテリア;DPT) 百日咳・破傷風・ジフテリアのワクチンを、1度で接種できるように、混合したものです。 破傷風は、かかると重く、まれに生死にかかわることもある病気です。 百日咳は、2歳までにかかると重症化しやすいので、なるべく生後3ヶ月をすぎたら早めに受けはじめて、2歳までに1期を完了したいものです。 ジフテリアは、日本において、病気そのものが少ないので、あまり問題にはなりません。 予防接種は、生後3ヶ月目から受けられます。 1期として連続3回と1期追加で1回、さらに、小学校で2期があります。 回数が多いので、親にとっては、ちょっとめんどうな予防接種です。 1期は最短コース(3週間おき)をとった場合、1ヶ月半で終わります。 間隔は3週間から8週間おきですが、予定していた日に風邪をひいたり、また盛夏の時期になったりして、うまく受けられなくて、もし、8週間以上あいてしまっても大丈夫です。 また、最近の研究では、1期は2回+追加で充分との報告もあります。 副反応は、回数を受けるごとに出やすくなります。 腕が腫れたり、熱がでたり、ひどいときは髄膜炎になったりすることがあります(百日咳ワクチンの副反応であることが多い)。 ひどい副反応がでたときは、2回でやめるとか、三種を二種(破傷風・ジフテリア)に替えてもらうこともできますので、お医者さんに相談してみてください。 (たまに、なんの説明もせず、「決まりどおり受けておきゃいいんだ!」などと言う医者がいますが、私はそんな医者のところは二度と行きません)。 |
|
☆麻疹(はしか) これは、1歳すぎたら、絶対に、さっさと受けねばなりません(声を大にしていいたい!)。 おどかすわけじゃありませんが、はしかは、昔は、生死を分けるような病気で、今でも亡くなったりする子が、やっぱりいます。 そうでなくても、2歳までにかかると、3割の子は、入院だと思って下さい。 1歳になったのに、三種混合が、まだ途中だったりしても、三種混合は後回しにして、麻疹を接種して下さい(三種混合接種後、1週間は絶対あけないといけませんが...)。 麻疹接種後、1ヶ月で、三種混合の続きを、再開できます。 ただし、ポリオの接種日と重なる場合は、ポリオを優先し(ポリオの予防接種は、半年ごとしかないため)、1ヶ月たったら即、麻疹を接種したいものです。 ただし、7・8月は、麻疹接種は受けられません。 副反応ですが、接種1週間後ごろに発熱がみられる子が、半分くらいいます。(このワクチンは、軽〜い軽〜い病気状態にするため。) しかし、副反応よりも、本物の病気のほうが、よっぽど恐いので、受けた方が絶対いいでしょう。 |
|
☆風疹 風疹にかかっても、軽いことが多いので、予防接種も、幼児期に受ける必要は、あんまり感じません。 「3日ばしか」とも言われ、子供によっては、突発性発疹より軽いくらいです。うちの子では、夏かぜ+あせもだと思ってたくらいです。 また、風疹にかかっていても、発疹などの症状が、全く出ないで、気がつかずに、済んでしまう人もいます。病気になっても、見ためだけでの確定診断は難しいことがあり、その場合、風疹だとわかるには、血液検査が必要です。 でも、採血のため、大泣きさせてまで、血液検査をうけさせる意味は、あまりないように思います。 でも、子供の時にかかってない人が、「妊娠中にかかったら、いけないんじゃないの?」と心配されるかもしれません。まさにそのとおり。 でも、幼児期にワクチンをうったり、実際に風疹にかかったりして、免疫をもっていたとしても、20〜30年くらいしか、もたないことが多いのです。 つまり、妊娠するころには、免疫がなくなっている可能性もあるわけです。 だったら、女の子の場合、結婚するときに、病院で免疫が残っているか検査をして(風疹抗体値検査と言います)、免疫が残っていなかったら、そのときにあらためて、ワクチンを接種すれば、いいんじゃないでしょうか。 |
|
☆おたふくかぜ(流行性耳下腺炎) おたふくかぜは、病気になっていても、耳の下が腫れたりしないで、「風邪だなぁ」と、思っているあいだに済んでしまう人が、約40パーセントもいます。そのくらい、軽く済むことが多いので、予防接種を受ける必要は、あまりないと思います。。 もし、病気になって、耳の下が腫れたとしても、わりと短期間で治ります。ただし、腫れているあいだは、かなり痛いので、子供は、めちゃくちゃ不機嫌になりますが...。 おたふくかぜのワクチンは、副反応(髄膜炎など)が、他のワクチンと比べて多く、ちょっとやばいかなーと思うので、その点でもおすすめできません。 ただ、男の子の場合、「不妊の原因になるんじゃないの?」と心配される人もいると思います。 思春期以降の感染がよくないのですが、実際、その時期に、おたふくかぜにかかったとしても、精巣(睾丸)炎になるのは1割ほどで、その1割のなかでも、精子が全くできなくなるようなものはわずかです。 ですから、男の子の場合、思春期直前に抗体検査して、免疫がないようなら、その時点で、ワクチンを受けても遅くはないのです。だって、知らない間に免疫ができていることも多いのです...。 |
|
☆水痘(みずぼうそう) 風疹と同様、ふつうは、かかっても、たいしたことがないことが多いです。 1週間ほど、熱と体中に、ボツボツがでて、かゆい思いはしますが...。 ワクチンを接種しても、効果が弱く、免疫ができないことがあります。 市町村によっても違いますが、たいてい料金は、1万円弱!これだけ、支払って、免疫ができないと、もったいないことです...。 ただし、皮膚の弱い子(いつも湿疹ができているとか、アトピーだとか、かぶれやすいとか)と、小児ガンなどの免疫不全の子は、みずぼうそうになったら、悪化しますので、予防接種を受けておいたほうがいいかと思います。 予防接種とは、話が脱線しますが、とっても大事なことをひとつ。 最近、ちょっと問題になっているのが、みずぼうそうの薬です。 みずぼうそうにかかって、医者に行くと、ゾビラックス(アシクロビル)という、飲み薬や塗り薬を、出されることがあります。 これ、飲み薬の方が、ちょっとやばいんです。 確かに、先に述べた免疫不全の子や皮膚の弱い子などには、必要な薬ですが、副作用も大きいんです。 まれにですが、全身の粘膜が、やけどしたみたいに、ただれることがあります。 他に病気を持っていない子で、重症でない程度のみずぼうそうなら、放っておいても、きれいに治るのに(多少、あとかたは残りますが、顔のものでも、1年しないうちに、気にならなくなります)、そんなきつい副作用が、起きるかもしれない薬をつかうのは、どうかなと思います。 もし、飲み薬を出されたら、「副作用きついみたいですけど、ぜーったいぜーったい、飲まんとだめですかぁ」などと、勇気をもって(子供を守るためです!)突っ込んだ質問をしてみて下さい。 きちんと説明してくれなかったり、「言われた通りに飲んどけばいいんだ!」みたいにいわれたら、その医者は、あまり信用しないほうがいいと思います。 きちんとわかりやすく説明してくれて、本当に必要な時は、きちんと処方通り飲みましょう。 塗り薬の方は、比較的、体内への吸収が少なく、ボツボツ周囲だけに作用するため、副作用は、出にくいので、それほど気にする必要はないかと思います。 この塗り薬は、くちびるの周りにできた、ある種類のぶつぶつ(口唇ヘルペスって言います、「熱のハナ」ってやつもコレ)の時にも、出されます。背中などにできる、帯状疱疹とよばれる病気には、どうしても飲み薬が必要な場合が多いです。 |
|
☆日本脳炎 昔は生死にかかわるような、恐い病気でしたが、現在は、病気自体が少なくなっており、また、かかったとしても、重症化するのは、お年寄りが殆どですので、予防接種は、あまり必要ないといっていいかもしれません。 この病気は、病原体をもった豚から、蚊を介して伝染しますので、近くに養豚場がないかぎり、まず大丈夫です(蚊は、遠くまで飛べない)。 また、これもワクチンが、あまり効かないので、受けたとしても、免疫ができないこともあります。 免疫の全くない人が、この病原体を大量にもった蚊に、何匹も刺されると、感染するのですが、ワクチンを打っていなくても、病気になるほどではない、わずかな量の病原体が体に入って、知らない間に、免疫ができている人も、結構多いのです。 |
Copyright(C) 2000 ふぁーじ