At
13:08 99/12/27 +0900, JA7AO wrote:
>
CQ誌1月号の松田さんの記事、大変興味深く、何回も読みました。
>
この様な詳細な解説書があればビバレージを正確に理解でき、応用への
> アプローチも起こしやすいと思います。
de JA5DQH 奈木です。
(Beverage
の発音の件は、和製英語という事で以下、ビバレージで統一します。)
私も松田さん、藤田さんの記事、興味深く読ませて頂きました。また、松本さんの20年前のCQ誌の記事も懐かしく読みました。当時ビバレージを使用していた局は、松本さんと私以外にはほとんどいなかったのではないかと思います。(今ほどメディアが発達していませんでしたので、誰がどんなアンテナを使用していたか詳しい事は分かりませんが、当時の160mマンはDXが聞こえない時間は、のべつ和文でラグっていましたので、今以上に横のつながりはありました)
当時私は小高い50m程の丘の下の団地に住んでいまして、同軸ケーブルを130m程のばして丘の頂上からヨーロッパ方向に120m位、W方向に150m位のビバレージを張っていました。マッチングはなく、10D-2Vに直接給電していました。それでも、送信アンテナとのS/N比はくらべものにならないくらい良く、たくさんのニューカントリーをゲット出来ました。
松田さん、藤田さん、松本さんの記事に具体的な補足をしてみたいと思います。
1980年頃まではビバレージアンテナに関した記事がほとんどなく、何となく手探り状態でやっていましたが、QST等のアンテナ記事やON4UN
Johnによるローバンドに関する本が次々と発行され、またアンテナ解析ソフトなども出回り身近になってきました。
私の手元にある本では、
1) 80METER DXING by ON4UN (1976年発行)
2) THE BEVERAGE ANTENNA HANDBOOK by W1WCR (1977年発行)
3) LOW-BAND DXING by ON4UN (1987年発行)
4) ANTENNA AND TECHNIQUES FOR LOW-BAND DXING by ON4UN
(1994年発行)
4)の日本語版 by Five Nine (1999年発行)
5) DXing on the Edge by K1ZM (1997年発行)
6) LOW-BAND DXING by ON4UN (1999年発行)
7) ANTENNA BOOK by ARRL
等にビバレージアンテナの事が詳しく書かれています。最新版のJohnのLOW-BAND
DXINGには、今まで以上に詳しくビバレージについて書かれています。
また、アメリカの Top Band Reflector にはビバレージに関係する事が始終ポストされており、主に
W8JI Tom, KM1H Carl, K6SE Earlたちが質問に答える事が多いようです。もし、Top
Band の MLに参加されていない方は過去の投稿をttp://www.contesting.com/_topband/
で見ることが出来ますから、参考にされて下さい。
またWebで KB1GW のページ"KB1GW's collection of BeverageAntenna Information
"
はビバレージに関することがたくさん載っており、その中に KB1GW's "Beverage
Notes"や K4VXとの話、その他ビバレージに関係したページとのリンクも張られています。
http://www.geocities.com/CapeCanaveral/1138/bev-page.html
特にW3LPL Frankのページは読んでみると良いでしょう。
メンテナンスがされておらず、リンク先がつながらないものも中にはありますが、興味深い記事がたくさんあります。
ビバレージアンテナは構造もシンプルで、使用部品の点数も少なく簡単に張ることが出来ます。(広い土地のあるなしは別として)しかし、その少ない使用部品でもいろいろな考えがあり論議されています。特に9:1のマッチングトランスが論議の焦点になることが多いようです。以下、誰もが疑問に思う事柄をまとめてみます。
1) 9:1(450オーム:50オーム)のマッチングトランスはどうするか?
・どんなコアを使うか?
・コイルの巻き方はどうするか?
2) ビバレージアンテナの長さは?
3) アンテナの高さは?
4) 終端抵抗の抵抗値は? ワット数は? 抵抗の種類は?
5) アンテナに使用する線材は?
6) 近くに障害物やタワーがあるが・・・?
7) プリアンプは必要か?
8) 給電に使用する同軸ケーブルは?
などが、悩み出したら次々と出てくる疑問ではないでしょうか。
1) の9:1のマッチングトランスは自分で簡単に巻くことが出来ます。しかし、コアの材質、大きさ、コイルの巻き方を決めなくてはなりません。日本で通常入手出来るトロイダルコアの材質は、#43,#61,
#63, #77あたりでしょう。またコアの大きさは FT82, FT114,FT140などが考えられます。
ビバレージは受信に使用しますから、耐電力は考慮する必要がありません。ですから、
FT82などの小さいコアでも十分ですが、実際には自分の送信電力のピックアップや空電などへの対策
、またコイルの巻き易さから考えても FT140くらいのコアの大きさが一番実用的だと思います。
参考までに、アミドンのトロイダルコアの寸法は
コア 内径 外形 厚さ (単位はセンチ)
FT82 2.1 1.3 0.64
FT114 2.9 1.9
0.75
FT140 3.5 2.3
1.27
さて、コアの材質ですが、透磁率(Permeability)は #43が850, #61は125,
#63は40, #77は2000です。
ON4UNやW1WCRがマッチングトランスに使用するコアはIndianaGeneral製のBBR7731やMN-60,
MN-8-CXなどの透磁率が10,000もあるものです。しかし、W8JIやKM1H, K6SEなどは160mで使用するならそんな透磁率の高いものを使うべきではない、透磁率が10,000もあるコアは100KHz程度のVLFに使用するべきものだと反論しています。実際彼らのマッチングトランスには#43,
#61などの中程度の透磁率のコアが使用されています。
トロイダルコアを製造しているメーカーはいくつかあり、IndianaGeneral社、Fair Rite社、Ferroxcube社、Amidon社などが有名ですが日本ではアミドンのコアが一般的でしょう。
アミドン社の URL は、
http://www.bytemark.com/amidon/index.htm です。コアに関するいろいろな情報がありますので、ご覧下さい。
次にコイルの巻き方ですが、以下リフレクターに載ったり、直接本人から聞いた、巻き方(及びコアの種類)を紹介します。
一番シンプルな方法としてシングル巻きがあります。
K6SE は、FT140-43のコアにシングル巻きでオートトランス式として約30回程エナメル線を巻き、コールド・エンド側から1/3のところにタップを出して、9:1のマッチングトランスとしています。
ホット・エンドにビバレージアンテナを接続し、出したタップとコールド・エンドの間に同軸ケーブルを接続します。
また K6SEは、一次側(プライマリー)と二次側(セカンダリー)に分けて巻くタイプも使用しています。
FT140-43のコアに一次側に10回、二次側に30回のコイルを巻くものです。
W8JIは Fair-rite Productsの 2873000202 コアに同様に一次/二次側と分けて巻くタイプのマッチングトランスを使用していますが、このコアの透磁率は私の手元には資料がありません。
彼のトランスのデータは、50オームの給電用で一次が2回、二次が9回、また75オームの給電用で一次が3回、二次が10回との事です。
次に3重巻き(trifilar)。これはビバレージの9:1のマッチングトランスとしてはポピュラーな巻き方です。3本のエナメル線をあらかじめ少しよじっておき、それをまとめてコアに必要な回数巻きます。
文章では説明がちょっと難しいですが、各エナメル線をシリーズに接続します。
松田さんが今回CQ誌に紹介した記事の中にある巻き方です。これもオートトランス式の変形です。
KM1Hが使っているマッチングトランスは、されにもう一本のエナメル線を一緒に巻く4重巻き(quadrifilar)です。4本のエナメル線をあらかじめ少しよじっておき、一緒に16回巻きます。
(FT114-61コア使用時)そして、その1本は一次側とし同軸ケーブルに接続し、二次側として残りの3本をシリーズにしてビバレージとアースに接続します。
また、使用する線材はエナメル線の0.6ミリから0.8ミリくらいまでが巻きやすくて良いと思います。
さて、自作は面倒だ、部品が手に入らないという方はビバレージ用マッチングトランスとしていくつかのガレージメーカーから完成品がでています。最近の一番人気は
K1FZのトランスです。
KB-1からKB-4まで用途によって種類がありますが、シンプルなシングルワイヤーのビバレージ用としては、KB-1を使用します。このトランスは私も持っていますので、中をあけてみたところ
KM1Hの方式(4重巻き)でした。使用している部品、コアもしっかりしてお勧めです。URLは
http://www.qsl.net/k1fz/
面白いのは、最近発売されたKB-4で、これはM/SやM/Mのコンテスト局などで違うバンドを同じビバレージで同時に聞いたり、ニューマルチを探す目的で作られたもので、50オームの入力が一つ、50オームの出力が2つ付いています。(これはビバレージ用のマッチングトランスではありません。念のため) K2ZJの製作によるビバレージ・ボックスはttp://www.qth.com/zj/で見ることができます。
彼のビバレージ・ボックスはプリアンプ内蔵と、そうでないタイプがあり、BC帯のリジェクション・フィルターが内蔵されています。ホームページには、ビバレージやEWEアンテナの記事の紹介等がありますのでチェックされると良いでしょう。ただ、メンテナンスがされていません。
また、KD9SVとN8BYI (C&S Engineering)が作っているローンバンド用品は
http://home1.gte.net/crlewis/ で見ることが出来ます。彼らはビバレージを使用したときに不足するゲインを補うためのプリアンプやフロントエンドを守るFRONT-ENDSAVERも作っています。
ICEでも、数種類のトランスなどを製作して販売しています。
http://www.inducomm.net/pieces/reconly.html#Beverage
出来ることなら、自作や各メーカーのトランスを瞬時に切り替えて鳴き合わせが出来れば面白いのですが、ちょっと無理ですね。
2)
のビバレージアンテナの長さについてですが、満足出来る性能の長さと、実際に張れる事が出来る長さとでは現実に大きな差があると思います。しかし、私の経験から何とか100メーターのビバレージを張ることが出来ればかなりの成績を上げることが出来ると思います。特に送信に垂直系のアンテナを使用している場合は、ノイズに埋もれて確認出来ない信号が、QRK2〜4で聞こえることを再々経験すると思います。藤田さんが言われるようにやはり120〜130m位から、かなり実用的な長さと思います。もし、数十メーターしか張れない場合は最初からEWEなどを選択範囲に入れて実験するとよいでしょう。
現在の私のビバレージは、W向けが120m位、Eu向けが250m位、AF向けが120m位ですが、もう少し長くすることが可能ですのでエレメントを付け足す、マッチングトランスの工夫、同軸ケーブルの交換、プリアンプの付加などを考えています。
W3LPLの記事にある表から書き出すと、(メーターに直しています)
Amateur Band Option 1: Option 2: Option 3: Option 4:
160 meters: 88.5m 178.5m
268.4m 353.8m
80 meters: 45.7m 90m
134.2m 177m
40 meters: 22.9m 45.7m
68.6m 90m
上記のOption 1の長さでは半値角が180度、Option 2の長さでは半値角が110度、Option
3の長さでは80度、Option 4の長さでは50度ほど(FB比は17dB程度)と報告されています。
ですから上記のリストからすると、藤田さんや私が使用しているビバレージの長さ程度では、W方面とEU方面では半値角内に入ってしまい、切り替えても大差ないという事になってしまいます。
しかし、実際はかなりの差を実感できますし、実用になっています。
160mのDXの信号は、ホンの2〜3デシの差やFB比が数デシあるかないかで、聞こえるか聞こえないか、そんな世界なのではないかと思います。
3)
のアンテナの地上高ですが、これについても詳しくは ON4UNのLOW-BAND DXINGの記事や松田さんの解説の中のシュミレーションをご覧頂くとして、現実には人や動物が移動するのに邪魔にならない程度の高さで、かつエレメントを張りやすい高さということになるでしょう。ですから、ほとんどの局が2〜3メーター位の高さを勧めています。以前
Top Band Reflectorでビバレージの高さのアンケートがありましたが、2〜3メーター前後の局が多かったと思いますが中にはほとんど地面についているという局もあり、コメントには問題なくよく聞こえるとあったと記憶しています。
ビバレージの高さに関しては、その局に応じた張りやすい高さを張ればよいと思います。私のビバレージも低いところで、0.5メーター程、高いところで2.5メーターくらいです。
4)
の終端抵抗についても、リフレクターでいろいろ論議されていますが、一般的に450〜500オームの局が多いようです。この抵抗値は終端部の接地抵抗、アンテナを張る場所のグランドの状態によって変わります。(アンテナの高さによっても)グランドが非常に良好な場所では、抵抗値は600オームに近く、またグランドの状態が非常に悪い場所では、300オームに近い方向になります。
抵抗のワット数ですが、はやり受信用と言っても先に書いたように送信電力のピックアップや空電の関係から数ワット程度の大きさを使用する方が安心出来ると思います。2Kオーム、1/2ワット程度の抵抗を4〜5本パラにするか、もしくは100オーム程度を4〜5本シリーズに使用すると良いと思います。抵抗の種類については、W8JIは無誘導抵抗を使用しているとのことですが、通常のソリッド抵抗で十分です。金属被膜抵抗はソリッド抵抗に比べてノイズに関して良くない(高い周波数で)とのリポートもありますが、160メーターに関しては気にしなくてよいと思います。ただ、巻き線抵抗はL分があるので避けた方がいいでしょう。セメント抵抗は私は使ったことがありません。
5) のエレメントの線材は手持ちの適当な電線で問題ありません。
私の場合、1.6ミリや2.0ミリのIV線がたくさんありましたので、それを使用していますが、重くてビバレージのエレメントとしては不適です。基本的には軽くて強い線がベストです。重いとたくさんのエレメント支持柱(ポスト)が必要になります。出来るだけ軽くて強い線にある程度のテンションをかければ、支持柱は50メーター以上間隔をあけることが出来、架設が楽になります。
一般的に1ミリ程度のエナメル線が入手や価格の点で良いと思いますが、以前藤井さん(下記参照)が書かれていた、0.9ミリの銅バインド線もFBなようです。
At 06:09 98/12/01 +0900, JR6PGB you wrote:
>
シーズンに入り何か聞こえが悪いので、ビバレージをチェックしにいくと
>
途中で切られていました。どうりであまり聞こえなかったはずです。このため
>
土曜日は、朝から山に入り4方向すべて張り直しました。特にEU方向は
>
今回300m張ってみましたが、以前とあまり聞こえは変わらないようです。
>
使用した線は、0.9mの銅バインド線を使ってみましたが、一巻き300mで
>
3K円でした。強さも適当にあり、黒のビニル被覆ですから目立たないため
> ビバレージ用にはもってこいです。
私が今まで見た電線の中でビバレージに最適と思ったのは、2年前にH40AA テモツDXペディションの時に
OH1RY Pekkaがフィンランドから持ってきた電線です。1ミリの焼きの入ったアルミ線で(アルミ合金?)見た目にはステンレスのような光沢のある色です。純アルミに比べかなり固くピンと腰のある線で、テモツではダイポールのエレメントやバーチカルのラジアル等に使用しました。
一巻き300〜400メーター程で、極めて軽くて強く、尚かつ値段が安くペディションやビバレージに最高の線でした。日本に帰って探してみましたが見つけることが出来ませんでした。どなたかご存知の方がおられましたら、教えて下さい。
6) のビバレージの近くに障害物などがある場合ですが、日本の場合、そんなことは言っておられない状況ですね。ただ、出来るだけタワーなど(垂直なもの)から離して結合しないように努力する必要はありそうです。タワーなどから少なくとも15メーター以上は離した方が良い、近い場合はS/N比が悪化してノイジーなビバレージになってしまうとのリポートがあります。
また山の林の中を走るビバレージですが、私のビバレージもエレメントの半分以上が松や杉林の中を張っています。
7) プリアンプは基本的には必要ないと思います。ビバレージを使用した場合、送信アンテナより20〜25デシ(短い場合はもっと)信号が減衰すると思いますが、S/N比でみればそれ以上改善されていると思います。ただ、ビバレージが1方向しか張れなくて頻繁に送信アンテナとビバレージを切り替えて聞く必要がある場合は、レベル差が気になるでしょう。その場合は、軽いプリアンプを入れるとよいかも知れません。私は80年当時、真空管のプリアンプ(6BZ6)を使用していましたが近日中にFETのGGのプリアンプを組んで実験してみようと思っています。ガレージメーカーからも何種類か出ていますし、EWEやスモールループなどの受信アンテナではプリアンプが必要となる事が多いと思います。
8) ビバレージアンテナの給電に使用する同軸ケーブルですが、一般的なポリエチレン絶縁の8D-2Vや10D-2Vで良いと思いますが、出来れば8D-2Wなどの二重編組タイプやメーカーも一流のケーブルメーカーをお勧めします。(例えばフジクラや日立電線)折角
S/Nの良いビバレージアンテナを無理をして張っても、粗悪な同軸ケーブルでノイズを拾ってしまっては意味がありません。
ビバレージの給電としてもっとも適当なのは、ケーブルTVの伝送に使用する、俗にハードラインと呼ばれるケーブルではないでしょうか。(編み線部分がアルミや銅のパイプのもの)Wの局はかなりの局がこのCATV用のハードラインを使用しています。ケーブルTVが一般的なアメリカではこのハードラインは簡単に手に入ります。CATVの工事業者に頼めば、工事の余りを無料でもらう事が出来ます。よく工事業者のパーキングの横には50〜100メーター程度の切り端が山積みされています。
日本のCATV局でも幹線は光を使用しているところがありますが、そこからはアナログで12Cとか17Cと呼ばれるハードラインで伝送されており、やはり工事業者に頼めばもらえると思います。
私も地元のケーブル局でフジクラの 12C-5AFという高発砲低損失のハードラインを400〜500メーターほどもらってきました。
短いので50メーター位、長いので200メーター位のを数本、バンに積めるだけ積んで帰ってきました。(トラックで来て全部持って帰えればよいのにと言われましたが・・・。)短かい余ったケーブルは、産業廃棄物として処理代を出して、処分するので、欲しい人が持って帰って有効利用してくれるとありがたいと言っていました。興味ある方は近くのケーブル局やその工事業者に尋ねてみると良いでしょう。インピーダンスが75オームですので、マッチングトランスを入れるかプリアンプで75オームで受けて、50オームで出力するか、もしくはそのまま使用しても問題ないでしょう。
ビバレージアンテナについて長々と書きましたが、受信アンテナは何もビバレージばかりではありません。一つ確実に言えることはその時、その時の伝搬によって入射角や方向が異なりますのでどんなアンテナでも良いからいろいろと長さや方向の違うものをいくつか用意し、それらを切り替えて使用できるように、工夫(SWBOX)するのが大切だと思います。ビバレージアンテナを張れない局はEWEやスモール・ループ、そしてロングワイヤーなど数方向にはったり、違う周波数のアンテナを受信アンテナにしてみる(3.5MHzのダイポールは160mの受信アンテナとして、S/N比が良好で以外に良く聞こえる事が多い)というのも価値があるのはと思います。受信アンテナを使用し始めた当初は、Sがほとんど振れずに何だか「聞こえない」と思いがちですが、信号強度は全く気にする必要はありません。
S/N比がどれだけとれて目的の信号が了解出来るか、それだけを考えればいいのです。(当然
AFゲインは通常よりかなり上がり気味になると思います)。
最後になりますがもう一つ、これはビバレージアンテナを使用する時だけに限った事ではありませんが、受信アンテナを用意した時に忘れてはならないことがあります。
送信時には必ず受信アンテナを切り離す細工をしましょう。最近のトランシーバーには、受信アンテナ端子が付いており、ビバレージアンテナなどが簡単に接続出来るようになっています。また、送信時には受信アンテナを切り離すリレーが内蔵されています。
これは、ローバンダーにとってうれしい配慮ですが、このリレーは極めて小さく、接点間隔も狭くアイソレーションもとれていません。
ATTの抵抗を焼く、BPFのコイルが焼き切れる、BPFのコンデンサーがパンクする、RF AMPの石を飛ばす・・・という事があります。私自身、不注意で何度かこの事故を経験していますし、知り合いのローバンダーやコンテスト局でも多数この事故を経験しています。ですから、受信アンテナ端子の付いているトランシーバーでも(内部に受信アンテナを切り離すリレーが付いているリグでも)外部にリレーを増設する事をお勧めします。私はV/UHF帯で使用する、アイソレーションのFBな同軸リレーをビバレージアンテナとトランシーバーの受信アンテナ端子の間に設けて、送信時に受信アンテナを完全に切り離し、同時にトランシーバー(受信側)は、50オームで終端しています。
また、市販品では KD9SV(C&S Engineering)のFRONT-ENDSAVERなどを使用し、対策することも出来ます。
皆様の使用の受信アンテナや実験結果をお聞かせ頂ければ幸いです。
73, Aki JA5DQH 奈木 昭人
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