★IPアドレスを入れるのは大変なのでURLでアクセスしたい

 主たるソフトを入れ終わったら、次はアクセスを簡単にするためのダイナミックDNSサービスの設定をしましょう。ダイナミックDNSというのは、「64.233.187.99」という感じの数列からなるグローバルIPアドレスを「abc.co.jp」などの英数字の固定アドレスに変換するサービスです。ためしに確認くんを参照してみてください。現在接続している場所(現IP)と表示されているのがあなたのIPアドレスです。

 サーバを立てている場合、このアドレスをブラウザに打ち込むことによってインターネット側から自分の家に設置されたコンピュータアクセスすることが可能となります。たとえば「210.170.171.56」だった場合、アドレスバーに「http://210.170.171.56」と打ち込めば自宅のサーバにアクセスできるようになるわけです。

 しかし、このグローバルIPアドレスというものはプロバイダによって動的にアドレスが割り当てられているものですから、ルータやモデムを再起動したりすると変わってしまいますし、プロバイダ側の都合によっても変わってしまうのです。そのたびにいちいちアドレスを調べてブラウザやプロクシ設定を変えなくてはならないのは非常に面倒くさいものです。サーバを運用するのなら、ぜひともダイナミックDNSサービスは使用した方が良いと思います。


★ダイナミックDNSの導入

 独自ドメインを使用したダイナミックDNSサービスは基本的には有料ですが、サブドメインを使用したものには無料の物も数多く存在しています。日本語サイトで無料で提供しているサイトは以下のようなものがあります。

 私的DynamicDNS
 ieServerNet
 Dynamic DO!.jp
 instat
 Value Domain

 たとえばこの私的DynamicDNSというサイトでユーザー名「abc」で登録すれば、あなたの数字だらけのIPアドレスは「http://www.abc.mydns.jp/」というアドレスに変換され、このアドレスを携帯電話などのブラウザに入れるだけで常にアクセスできるようになります。プロクシサーバも同様です。つまりIPアドレスが変わるたびにいちいち設定をいじる必要がなくなるわけですね。


■ダイナミックDNSのユーザー登録とIPアドレスの登録
 まず各ダイナミックDNSサービスのユーザー登録については各ページの注意書きを読んで登録してください。有料サービスと無料サービスがありますので、ちゃんと無料を選択するように。もちろん独自ドメインなどのさらなる高機能を求めるということでしたら有料版を選択するのも悪くありません。登録が終わりましたら、自分のIPアドレスをダイナミックDNSサービスに登録する作業が必要ですが、先ほども書きましたようにアドレスはコロコロと変化してしまうものです。そのたびにサービスのページにいって登録するのは大変ですから、これも自動で登録できるように「Dice」というソフトを設定しましょう。


■Diceのインストールと設定
 Diceとは、ダイナミックDNSサービスに対して自分のIPを自動で登録してくれるソフトです。これを設定しておけば、ダイナミックDNSサービスのページに行く必要もなくなります。まずDiceのページに行ってソフトをダウンロードしてください。「Download Now!!」と書かれたところの、Freeware Virsionというものを使用します。ダウンロードしたらダブルクリックをして適当な場所にインストールして、起動しましょう。

 起動したらイベント→追加でサービスの追加をします。
 説明の部分に適当に判別できそうな名前を入れます。
 DNS更新とイベント有効のチェックが入っていることを確認。
 サービスの部分で登録したダイナミックDNSサービスを選択。
 あとは右下のInfoボタンを押しますと入力に必要・不必要な項目が表示されますので、その指示に従って入力してください。

 スケジュールの部分で頻度を「IPアドレス変化時」にします。「変化がない時」の部分は7日毎くらいがいいです。ダイナミックDNSサービス業者によっては一定期間の更新アクセスがなかったり、逆に頻繁に更新をしすぎてサービスに負荷をかけるような行為があるとアカウントが自動で消去されてしまう場合がありますので、各業者の利用規約を読んで取り消しを食らわない程度の更新設定をしてください。

 これでDiceの設定は終わりです。Windowsのスタートアップにでもショートカットを入れておき、常にDiceが起動している状態にしておいてください。なお、ルータによってはこういったダイナミックDNSアドレスの更新を自動でやってくれる機能を搭載している物もありますので、対応ルータを使用している場合にはそちらを利用した方が良いかもしれません。


■ルータの設定
 ルータは再起動する場合にはIPが変わってしまっても仕方がありませんが、自動接続断機能で切断してしまうことによって変わってしまうのは好ましくありません。ルータの接続設定で、タイムアウト(自動接続断)設定を無制限に変更し、繋ぎっぱなし状態にしておきましょう。