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1975年、ハワイ・オアフ島で建造されたポリネシアの古代カヌー・ホクレア号は翌年ハワイを出航し、古来の航海術、“Way-Finding”によるタヒチへの航海に初めて成功。その後、ハワイのカヌーにはハワイロア号などが加わり、南太平洋への大きな航海を、さらに数回成功させてポリネシアの祖先が優れたカヌー作りの技術を持ち、星や波、風、渡り鳥の動きを読みながら太平洋の島々をカヌーで航海していたことを実証しました。 カヌーはポリネシア全体の文化的象徴です。はるか昔ポリネシアの人々は南十字星を目指してカヌーを操り、外洋移住のルートを築いてハワイ諸島など、さまざまな島に移民してきました。島では主な交通機関や時には戦いの道具として活用され、島の生活文化と深く密着しています。16世紀にヨーロッパの探検家たちが太平洋に進出するはるか以前に、ポリネシアンはすでに自分たちの方法で太平洋の島々を行き来していたほどです。 こうしたポリネシアのルーツを探るために1973年、ハワイを中心に有志が集まり設立された“Polynesian Voyaging Society”(PVS ポリネシア航海協会:本部/ハワイ・ホノルル)は、この伝統的なカヌーと星で船をナビゲートする“Star Navigation”(スターナビゲーション = 星の航海術)を次世代に継承する活動を推進している代表的な組織です。ボランティアを中心にカヌーの伝統的な建造技術を復活させ、古代カヌーを復刻、さらに計器類を使用しない航海方法“Way-Finding”を実践し、その正確性を証明しています。現在はハワイや地球の土地、海、自然を大切にする環境保全や子供たちの教育にも取り組み、ボランティアの多大な協力とともにその輪は世界各地へと広がっています。 “Japan Hawai'ian Canoe Association”(JHCA ジャパン・ハワイアン・カヌー・アソシエイション:本部/神奈川県鎌倉市)は PVS のメンバーでもあったサーフレジェンド、Tiger Espere(故タイガー・エスペリ)が発起人となり、1998年に設立されました。復元した古代カヌーを通じて、古来ポリネシアの価値ある優秀な技術や文化を広く日本に紹介すると同時に、いろいろな地方の文化を再発見し我々の次世代へと繋げることを目的とし、現在10名のボードメンバーで構成されています。広くボランティア参加者を募集するとともにこのプロジェクトの核となるカヌー“カマクラ号”の建造を企画推進するために活動しています。 “カマクラ号”(カマ・ク・ラ = Kama-ku-la は、ハワイ語で“Child of the rising sun”という意味になります。)は、全長約60フィート = 約18m、全幅約20フィート = 約6m、カタマランタイプのダブルハル = 双胴船で1本マストの遠洋航海型セーリングカヌー。FRPで成型されたハル = 船体に木材とロープでデッキ部分を組み、その上に10m以上の高さのマストと約500sqft のセールを装備します。停泊時には20人以上が乗船可能、航海時は10人程度のクルーが操船する巨大なカヌーで、日本では初の本格的ポリネシアン・ボエージング・カヌーになります。建造場所は神奈川県鎌倉周辺を予定。 このプロジェクトはすべてボランティアを主体に運営され、人々の奉仕と寄付を基に活動します。主な活動内容はハワイの航海カヌー専門家による指導のもとボランティア参加者と共に、ハワイの文化や伝統技術を学びながらカヌーを制作、運営して、Star Navigation による Way-Finding を実践しながら、北海道から本州、四国、九州、沖縄まで日本の全国各地を訪問、数多くの港に寄港してカヌーを紹介していくことです。 制作および運営にはハワイ、タヒチ、トンガなどの島々からも、カヌービルダーをはじめ多くの協力者が集まり、ボランティアとして“カマクラ号”をサポートします。プロジェクトのなかで参加者はカヌーの制作だけでなく、航海に不可欠な海洋、天体、気象などさまざまなことを太平洋の豊かな伝統文化に触れながら学びます。 JHCA はカヌーをつくるためにはまず、何事でもそうであるようにその心を知ることが大切だと考えます。みんなで木を担ぎ、ロープを引く。風を感じ、星を仰ぐ。カヌーを操り、仲間と集う。参加者全員で作り、海に出る。自然や人とふれあい親しむことは、まわりの人をケアし、自然を大切にする心を育てます。カヌーをとおして新しい文化を発見し自分たちの文化や環境を再認識する。そしてカヌーは子供たちに海や自然を体験する機会を提供し、健全な未来とよりよい自然との関係に向けて前進します。 21世紀を迎えた今、これまでより頻繁に環境問題が取りざたされるようになってきました。私達はこの島(日本であれ、ハワイであれ)で、より健全な生活をしながら、生物と地球を大切にすることの重要さに気付かなければならなくなってきているのです。その道標がカヌーの存在です。 このプロジェクトを現実のものにするためにはボランティアの協力が必要です。JHCA では多くの個人、団体の参加をお待ちしています。
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古代双胴船 ホクレア号 Hokule'a Polynesian Voyaging Society PVS ナイノア・トンプソン 星の航海術 Star Navigation Way Finding Nainoa Thompson |