このごろはよく、「左官さんて何する人なの」と聞かれる事が
あります。左官の由来は、むかし宮中などに出入りするため、
仮に木工寮の属(さかん)の官位を与えた事から、とされています
壁大工ともいわれていました。左官さんは 壁を塗る人、など
いろいろなイメージがおありでしょうが、その昔は、大工さんと
左官さんがいれば家が建つ、といわれたほど、いろいろな一面を
持っているのです。また入江長八を代表とする漆喰装飾のような
芸術性の一面もあります。吹き付けやタイル工事も、もともとは
左官工事の分類に入っていました。ですから、一言で説明するのは
とても難しく、答えに困ってしまいます。現場でも、「あそこは
塗装屋さんが出来ないから、左官さんにお願いします」そういった
ことは、結構あるそうで、他の職種ではできないことを、左官さん
が施工することは、多いのです。そういった面からすると、左官
さんは多能工であり、鏝をもって壁を塗っている人といった説明
では物足りないような気がします。現在の住宅工事では、下地工事
がほとんどで仕上面を見られる場所が少ないですが、先にも書いた
ようなディズニーランドなどのテーマパークや、いろいろな場所で
見かける事ができます。遊びに行ったついでに そんなところも
探してもらえれば、もっと左官さんが身近に感じられるはずです
また、左官さんというと、純和風建築を想像される方が多いよう
ですが、明治初期の洋風建築に見られるような、漆喰彫刻などを
はじめ、現在でも、いろいろな洋風建築に携わっています。
もともと施工面を選ばす、自由な発想が出来ることが特徴なので
和風、洋風を問わないのは当たり前なのです。
私は、現場へ配達に出かけると、時間があれば左官さんの仕事を
拝見させてもらってます。結構、意外性や感心する事があって
面白いですよ。また、左官工事は職人さんの感性によるものが
多いので、いろいろなアイデアが詰まっています。意外な材料を
意外な場所へ使ったりもします。左官さんの発想は、実用性と
遊び心を兼ねた発想も多いような気がします。
例えば、私の知っている職人さんは、内装の砂壁を塗るときに
玄関、廊下は、膝より下の部分に色の違う、外装用の砂壁を塗って
デザインをつけます。そうする事によって、見た目のよさは
もちろん、外装用の 強度の強い砂壁を使う事により、足などが
あたる壁の下の部分の強度を強くしています。このように、昔から
の経験と、新しい材料など、常に研究し応用されています。
私としては、本当は、大工さんと同じく、左官さんは住宅建築に
おいて重要な役割をしめていると思います。
丸山
