ツーリング日記
 
 
2000.4.16
奈良県 奈良市街(暗越奈良街道経由)
 
東大阪〜暗峠編
 
暗越奈良街道(くらがりごえならかいどう)。大阪と奈良を結ぶ、いにしえの街道です。今では大阪−奈良間には、いくつかの整備された道路が幾つか存在しますが、昔の人は、この道で、大阪と奈良を行き来したり、お伊勢参りでも使われていたようです。暗峠(くらがりとうげ)は当時、宿場として栄え、現在では峠にある石畳の道に名残りを残しています。このように書くと、観光地のように思われるかと思いますが、実際は、国道にもかかわらず、とんでもなく旧勾配で、しかも道幅が狭く、自動車ではかなり通行困難な(っていうか、初心者には無理な)道路です。
 
今回のツーリングは、資料的に使えるものとするため、できるだけ細かく調べました。というのも、私はこの道は今回で4回目になるのですが、未だに迷ってしまうからです。バイクはもちろん、ハイキングにも”ある意味”面白い道(?)なので、みなさんにも体験していただきたいという気持ちと、逆になにかの間違いで自動車でこの道を利用しようとして酷い目にあわないために、この道の苛酷さをお伝えできればと考えています。1回目東大阪〜砂茶屋交差点、2回目砂茶屋交差点〜奈良市街と、2回に分けて調査しました。では、東大阪市側から解説していきます。
 
まず、勘違いしやすいのは、大阪市内の中央大通り(国道308号)をそのまま東へ走っても、暗越奈良街道(国道308号)へつながりません。そのまま行くと、第二阪奈道路(国道308号)へつながります。どこでズレているのか分かりませんが、暗越奈良街道は、それより1km弱南に行ったところにあります。暗越奈良街道へつながるのは大阪平岡奈良線(府道169号〜府道15号)です。
 

地図1
 
中央環状線(府道2号)からは、意岐部東交差点を東へ。外環状線(国道170号)からは、新町交差点を東へ。旧外環(国道170号)からは、箱殿交差点を東へ進みます。外環状線からの場合注意しないといけないのは、新町交差点は外環状線が高架になっているので、側道へ入らないと、大阪平岡奈良線を越えてしまいます。直前に一応案内標識が出ますが、注意して下さい。中央環状線の場合は、南下している場合は、あらかじめ側道に入っておく必要があります。
 
地図1をご覧になれば分かりますが、箱殿交差点を東へ進むとすぐ、5さ路にたどり着きます。国道308号は直進ではなく、右前方の道になります。
 

写真1 解説:葵京ビル(ききょうびる:写真中央)の右側の道が国道308号です。
 
しばらく道なりにまっすぐ進みます。近鉄東大阪線の高架をくぐります。暗越奈良街道は、ここを直進なのですが、一方通行の標識があり、車両(自転車を除く)は直進できません。一応、その交差点には、迂回方法の案内板が書いてあります。指示にしたがい、そこを左折、すぐを右折します。しばらく進むと、枚岡公園への誘導する警備員が2人立っていました。ちなみに、今回は丁度お花見シーズンだったからかもしれないので常時いないかもしれません。そこを右折。突き当たりが暗越奈良街道です。そこを左折すれば、暗峠方面に向きます。
 

地図2 解説:入口の短い区間だけ、一方通行。奈良側から降りてきた場合は、ストレートに進むことができます。
 
さあ、ついにやってきました。峠までの魔の急勾配!!ここからは、ただひたすら、ほぼ一直線に登り坂です。暗峠まではコンクリート舗装の1車線道路。傾斜は20度から30度はありそうです。スキー場だと、中級〜上級者向けのコースのような勾配です。自動車同士のすれ違いは、かなり困難。自動車とバイクのすれ違いも、登りがバイクであってもバイクのほうが止まってあげたほうがよさそうです。自動車は時々通ります。そのつもりで、あまりスピードを出さず、ゆっくり走りましょう。
登りはじめは民家がありますが、あっという間に森の中へと入っていきます。
 

写真2 解説:暗峠へ向かう登り坂。近鉄の高架から100mも進んでいないところですが、すでにこんなに急勾配です。
 
登山道のような道をただひたすら登っていきます。道を間違うことはないでしょう。とにかくこの急勾配がいつまで続くか不安になりつつ、標高642mの生駒山を登っていきます。とにかく不安・・・愛車CRM250ARは3速を主に使い登ることが可能ですが(4速以上では、スピードが出過ぎると思う)車種によっては2速じゃないときついかもしれません。自動車だと、かなり苦しいと思います。
 
頂上附近から、少しずつ、民家が現れます。ジュースの自動販売機がありますので、休憩するのもよいでしょう。そして、もうあとちょっと。石畳の道が見えてきます。そこが暗峠です。石畳は、見る分にはなかなか情緒があってよいのですが、かなりデコボコしていて、バイクでは走りにくく、場合によってはパンクするかもしれないので、慎重に走りましょう。県境なので、大阪府と奈良県の看板が立っています。石碑などもあり、この道が歴史的に重要な道路であったことが分かります。
 

写真3 解説:奈良県側から西を向いて暗峠を撮影。「大阪府」「東大阪市」の看板の後ろは、「奈良県」「生駒市」となっています。
 
石畳の両脇には民家があり、そのお家の一部をお店にした「お休み処 すえひろ」があります(土日祝のみ営業)。抹茶セットやすいとん、ねぎ焼きなど、あります。話のタネに、立ち寄ることにしました。抹茶セットを注文。こんな感じです(写真4)。
 

写真4 解説:抹茶セット(400円)。味は・・・よく分かりません。抹茶なんてあんまり飲まないので。
 
後日調査で、新たに喫茶店がオープンしたことが分かりました。暗峠を南生駒側へ。信貴生駒スカイラインの下のトンネルをくぐってすぐのお宅です。2000年4月1日オープン。一応看板は出ていますが、そこには普通の住宅しかないし、暗峠からいきなりの急勾配のため、見落としやすいかもしれません。そこのお家の、お庭と1部屋を解放して喫茶店を営業しています。
喫茶「峠」:土日月祝営業。平日も、ときどき営業しているそうです。メニューは、コーヒー、紅茶、チャイ、焼き菓子、ケーキ(セットメニュー有り)。コーヒーが320円と、とてもリーズナブル。もちろん他のメニューもです。私はお部屋に上がらせてもらい、ケーキセット(480円)をいただきました。窓の外から見える山の景色がとても綺麗。お庭のテーブルにお花などを飾ってあって、とても開放的で明るくいい雰囲気のお店です。気さくでやさしい雰囲気のおばさんが営業されてて、すごく和むお店です。オススメ!
 

写真4−2 解説:喫茶「峠」を撮影。ご覧の通り、普通の住宅なので、見落としやすいかもしれません。窓からの景色は、すごく綺麗でした。
 
しばしの休憩の後、奈良県側へ下っていきましょう。

 
 
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