ちゃいるど・ぱにっく 3
大広間。日曜日だと言うのに守護聖全員がここに呼び出された。 普段なら確実に文句を言うような輩ばかりなのだが、事態が事態なだけにみな静かにしている。 否、みな面白がってロザリアを眺めている為に、静かだった。 当のロザリアは大勢の大人に囲まれて若干怯え気味であった。アンジェリークの傍を離れようとせず、彼女の服を強く握り締めていた。 (――――面白い) (――――珍しい) この場にいる殆どの者の感想は、このどちらかであっただろう。延々とジュリアスによるこれまでの経緯が綴られて行く中、他の守護聖たちは、ただただ穴のあくほどロザリアを見つめていた。 「と言う訳で、今のロザリアは、ロザリアであってロザリアでない」 何とも分かりにくい説明。しかし全員その意味は分かった。 見れば見るほど、目の前の女王候補は『ロザリアであってロザリアでない』のだ。 「で、今後のことだがエリューシオンとフェシリアの育成は当分の間アンジェリーク一人で行っていくそうだ。だから皆も今まで以上に助けてやって欲しい」 文句などあるはずなかった。クラヴィスを除く皆が皆、うんうんと頷いている。 守護聖たちの心遣いにアンジェリークは安堵の笑みを浮かべ、ぺこりとお辞儀をした。 「……では、わたしはこれで失礼致します」 ロザリアの手を引いて、アンジェリークはこの場を去っていった。 「アンジェこれから大変だね……」 その後姿にぽつんとマルセルが呟いた。誰もがその言葉に心の中で同意する。 ――――しかし、彼らはこの時まだ気付いていなかった。大変なのは、アンジェリークだけではないということを。 |
アンジェリークは密かに楽しんでいるに違いない。
だって、仲の悪かった(一方的に)ロザリアがアンジェにべったりなんだもの。