GUNPARADE MARCH
**parody**

朝の唄 【13】
 

 次々に人が消えていく。
 彼女たちはみんな自分への見せしめであったのだ。



◆◇◆




 相変わらず無機質な空間で、幾人かの男が『彼』を待ち構えていた。
 椅子に座っている男は、嬉しそうに身体を揺らす。
「ようやくトラップに気がついたようだな」
「ただいま連れて参ります」
 坂本の形をした男が彼を呼びに行った。程なくして一人の男を連れて戻ってくる。その客人を、彼は立ち上がって出迎えるのだった。



◆◇◆




 二度と来ないと思っていた場所に、男は足を踏み入れていた。
「久方振りだね」
「相談があって来た」
 普段の彼を知っている者が見たら驚くほど、愛想のない態度だった。
「……そろそろ来るんじゃないかなと思っていたよ」
「取引がしたい」
 短く言い放つ。会話は一方的に進められる。そう、待ち望んでいた予想通りの展開に。
 喜びに歪んでいく男の顔を、忌々しげに睨めつけた。
「聞こうじゃないか」
 承諾を得て、男は口を開きかけた。しかし、すぐに言葉にはならなかった。言うべきことは決まっているのに、何故手が震えるのだろう。
 無意識に左手は固く閉じる。そこに潜ませてある、何よりもご利益のある御守りに願いを託す。
 ――――どうか、あの娘だけは。
「さあ、取り敢えず座りなさい……瀬戸口くん」
 学生服でも白衣でもない、見知らぬ青い制服を纏った岩田が着席を促す。
 大切に握り締められたリボンは、皮肉にも彼らを象徴する色と同じものであった。
 しかしそこにはすでに、決して落ちない染みがついているのだった。



◆◇◆




 話し合う必要はほとんどないということを、瀬戸口は知っていた。自らが条件を飲めばいいだけのことだ。おそらく以前から彼らの計画の内で泳がされていたのだ。こうして、自分が再び訪ねてくることを見込んだ上でのことだろう。
(随分と手の込んだ細工だよな)
 それでいて、まったく気の長い奸計である。もしもののみと出会わなかったら、瀬戸口はまだここへは戻って来なかったであろうから。
「さて、貴方の言い分を聞きましょうか」
 この狸め、と瀬戸口は苦々しく思った。青のことだから、とっくの昔に調査済みであろう。聞かなくても分かることを敢えて言わせることに、瀬戸口の真意の程を計っているのだ。
 心はすでに決まっている。唇が微妙に歪む。
「俺の条件はただ一つだ」
 その顔は喜んでいるようにも、また泣いているようにも見えた。
「東原ののみの、完全なる安全確保を要求する」
 ――――彼女の為なら鬼にもなろう。


the end.

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最後もやっぱりへたれたかちゃん。
申し訳ございませんが、続きはオフライン(ガンパレ専用ページ)でのみとなっております。


update 10,May,2002
Nonomi’s birthday

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