おとぎり草の成分:セレン(セレニウム)はガンを防ぐ
- 制ガン物質としても一番注目されるミネラル - |
「セレンの効用」
近年、ミネラルに関する研究の中で、もっとも注目されているものにセレニウムがあります。
ガン発生を抑え、転移も防ぐほかに、狭心症や心筋梗塞の予防に役立ち、若返り効果が抜群だということがわかってきたためです。
成人病の高血圧や動脈硬化に関するセレニウムの作用については、血圧をコントロールするホルモンの一種「プロスタグランディン」を体内で産生するのに欠かせないミネラルであり、血管を拡張させたり、血液が固まるのを防いで、動脈硬化や血栓症(心筋梗塞、脳血栓など)を防ぐ効果があると考えられています。
さらに、老化の原因になる過酸化脂質を取り除く抗酸化剤としての役割もあります。
これを詳しく解説すると、セレンはビタミンE(過酸化脂質を抑制)の作用を代替すると考えられていたのですが、その後の研究で同じような作用はもっていますが、作用のしかたはちがっていることが明らかになりました。つまり体内に過酸化脂質が大量にできると、動脈梗化、肝臓障害、
糖尿病、白内障などの成人病を発生させる誘因になりますが、セレンはこの過酸化脂質を分解する「グルタチオン・バーオキシダーゼ」と呼ばれる酵素の構成成分となり、この酵素が働くのに中心的な役割をもっています。したがってセレンは、老化防止の作用があるといえます。
セレンの生理作用のおもなものは、この作用であると考えてよいでしょう。
ビタミンEは過酸化脂質が生成するのを防止する作用があるので、過酸化脂質を減少させるということで結果的にはセレンと同じような役割をもっているのです。
−注目される発ガン抑制作用−
セレンが発ガン性を有するという研究結果がかなり古い時代に発表されています。
1943年にアメリカのネルソンらは、ネズミにセレンを多量に含有するエサを一年半から2年間(ほぼネズミの寿命)与えて飼育したところ、肝硬変が起こって53匹中11匹に腫瘍が発生したと報告しています。このほかにもセレンが発ガン性を有したとの報告がありますが、これらの初期の研究はエサの中のタンパク質の含有量が低かったり、またセレンの濃度がきわめて高かったりしており、実験計画に欠縮があったものと考えられるようになっています。
現在では、セレンはむしろガンを防ぐ作用を有する微量元素として認識されています。
セレンがガンを抑制する作用としては、前に述べたセレン酵素であるグルタチオン・バーオキシダーゼが発ガン物質を分解するのか、あるいはセレンが他の無機質の発ガン作用を不活性化するのではないかと考えられています。
「セレンの欠乏症」
動物をセレン欠乏にすると、成長が遅れ、筋肉萎縮症、肝臓障害、不妊症、免疫低下などビタミンE欠乏症とよく似た症状を呈するようになります。
人間では、開発途上国に見られる栄養失調者の血液中のセレン濃度が低く、セレンを与えることによって症状がよくなったことが報告されています。
「セレンの食品分布と必要量」
セレンは、いろいろな野菜に含まれていますが、その量は微々たるものです。
比較的多いとされるのはコウライ(高麗)ニンジン、ニンニク、タマネギなど。
ほかにバター、ニシンの薫製、ワカサギ、小麦胚芽、ブラジルナッツなどにも、割合に多く含まれています。主な摂取源となるのは魚介類と穀類で、魚介類・海草類にもっとも多く、米、麦、大豆などにも多く含まれています。
肉類のセレン量もかなり多いのですが、野菜、果物には少ないようです。
魚介類中のセレンは先に述べたように、水銀と強固に結合しているものがあるようで、
腸管から吸収される型になっているかどうか不明です。
セレンの吸収や利用率は、食品中のセレンの形態や同時に存在する物質などに影響されて、
かなりちがってくると考えられます。まだ詳細はわかっていません。 |
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