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[7987]3結SNA チーム・プリティ
=八卦(関東)
=19/04/05(Fri)22:01


敬称略です。



1.川菜ひかる

残業規制が稀薄だった頃のジャパニーズ・ビジネスマン。
戦士たちのイメージを、観客像に重ねあわせ、叱咤激励してくれる・・・
そんな癒されるステージです。



5人全員でダークグレーのスーツ姿。
ネクタイは、酒場で酒にまみれる頃には首から頭へ移動しています。
スカのリズムに合わせて元気よく。
コミカルながら悲哀たっぷりに演出します。



4人の戦士はバーの止まり木で羽やすめ。
ジャズのピアノ・トリオがムーン・リバーを奏で、やさしげな旋律に浸ります。



入れ替わり現れたメインは、元祖国民的な人気アイドルグループのテーマ曲で、シンプルかつ力強くダンス。
ベッドでも、くすぐる歌詞が泣かせます。
曲のテーマにちなんだ『花』は、やわらかくスワンであげた頭上の掌を、ぽっかり咲かせて蓮の花のよう。



終曲は威勢よくノリノリで、客先の手拍子を煽ります。
へこたれない強い心の持ち主には、きっと勇気を分け与えてくれるはず。
    ♪さぁ、なんでもやってみよー!♪



2.須王愛

隠微なバーレスクで始め、スタジアムでのライブのように派手なエンディングで締めくくります。



鈍い赤に重い青のライティング、単調でちょっと退屈するリズムで、抑制のきいたバーレスク。
その場足踏みから、三歩下手に寄って腰をクネクネ、三歩上手にもどってお尻をフリフリ。
フラフープを大鏡に見立てて、キス、キス、キッス!ブチュッブチュ。
リップの跡を残します。


短い間奏をはさんで、電話越しのヴォイスが聞きとれます。
サブのふたりの女性といっしょに、紙コップを口にあてて『もしもし、もしもし・・・』
ふたりがはけて、メインがトップレスで登場。
悩ましげなキャラクターにのめり込んで、艶っぽく演じます。



テンポが揺れる中をかいくぐるようにしてベッドへ。
往年のアメリカンハードロックの雄がバラードを熱唱すれば、スタジアムがわきたちます。
タイトなドラムに合わせ、花火を打ち上げるように、ズドン、ズドンとポーズを放ちます。
立ち上がりから本舞台戻りで、フラッシュ一閃、一瞬浮かび上がった姿が、再び闇に沈みます。



3.夜白小梅

渋いジャズ・サウンドで、まどろみから揺り起こされます。
朦朧とした意識の先に、薄明が。
寝そべるメインの前に、パートナー・ダンサーが現れます。
黒いランジェリーにガーター、仮面舞踏会用アイマスク。
レースの網目の隙から白い肌が浮かび上がります。



メインはワインレッドの薄布を絞ってふわりとたらしたコスチューム。
その姿で『黒』のパートナーと対峙します。
つかず離れず踊って、フィアンセでもレズビアンでもない関係。
しめやかに進行する死の舞踊。
相手に寄って差し込んでは、返されていなされてと、ちょっとだけ古流の合気道を思わせます。



『黒』のパートナーがはけると、ひとりトップレスで盆へ。
フォークっぽいさわやかな曲に合わせベッド。
腕をつっぱらないでたわませたままスワン。
しゃちほこは、上げた脚の膝をゆるめて曲げる、スコーピオン
に崩します。
視線からぞっとするほどの色気を浴びせます。



4.雨宮衣織

おもちゃ箱をひっくり返したよう、ファンシーでワクワクするミラクルワールドに誘います。



全曲エレクトロニック・ロックのような感じで、1曲目はアコーディオンが旋律をつむぐなか、芝居風の演出をなごやかに4人で演じます。
ギクシャクとロボットダンスしているふたりを、着ぐるみのくまさんのキャラクターが乱入してきて、先のふたりをつまみだします。
メインはゴスロリ風のコスチューム、あどけなく思わせぶりな表情で愛くるしく。



2曲目はアイドル歌謡風のシンプルな振付けで、媚びを売ります。
軽いノリで楽しそうですが、明るいにもほどがある、度を越してはいませんか!?



3曲目、メインがいったんはけて、上手から再登場したときは、フリルで埋めつくされた白のランジェリー姿。
軽く目を閉じ、面から表情を消し去り、気配までも消してみせて、自己陶酔するようなベッド。
横たわる途中で上向けた顔、脱色した明るい色の髪が、ちょうど口元にかかります。
2曲目までの活き活きした感じはどこへ?
精巧に作られたドール、シリコンの肌合い。
ソフトビニールのリカちゃん人形を懐かしみます。



計算づくの筋立てで、フェティッシュに心を弄びます。



5.徳永しおり

一貫性のある選曲で、上品なスペース・オペラです。
たおやかな旋律、瞬いて震える電子音。



メインは活発に踊ります。たのもしい4人がサポート。
メインは鮮やかなスカイブルーの制服姿、艦艇ヤマトの提督を思わせます。
4人はギリシャ神のような姿で、白い長手袋はめて、指の先に小型ペンライトを装着します。
指先の動きで星の軌跡を描いたり、互いに寄り添って北斗七星をかたどったり。
ほの暗い照明、悠久の音楽、広大無辺な広がり。
アルカイックな4人が『静』なら、メインは『動』で応えます。



1曲目は伸びのあるボカロっぽい歌もの、続いてリズムを前がかりに打つ颯爽としたアップテンポな曲へ。
4人がはけて、無窮動に響く3曲目、メインは全裸ではけていったん暗転。
レース地をフリルで飾るゴージャスな白のベッド着を羽織って盆へ。
ゆったりとしたテンポ、深い息づかいで歌唱力豊かな女声ボーカルに包まれ、身を捧げ、祈ります。
L字、スワン、差しのばした指先が天を指し、のびやかなポーズを連ねます。
プラネタリウムで満天の星を仰ぐよう、優雅なシルエットに見とれます。



6.特別公演   仙*葉*由*季

分厚い重低音が闇に響きます。
7年のブランクを経て、はぐれカラスが降臨します。
1曲目は和製ハードロック。
傷つけやすい繊細な心を隠し虚勢を張り、
 ♪俺は夢を(君を)信じてた♪
と、うそぶくヤツ。
 ♪俺は闇夜のカラス♪
と、自嘲します。



艶やかな白のお引きずり、両手に白の羽根扇、白い羽根を髪に飾って『かぶく』者。
曲調に合わせてダイナミックに動き回って、日舞の枠を、限界まで攻めまくります。
寅泰のカッティング、達也のドラミング、せめぎ合いながらたちまちトップスピードに持ってゆきます。ベースが狂おしく吠え、高揚感を煽ります。



2000年代後半、3〜4作に絞って繰り返し演じていた時期がありました。
今日の四曲構成のうち、1,4曲目がそこからの抜粋で、また1,3曲目は浅草での引退公演の再演になります。



2曲目は次のシーンへのつなぎで、本舞台で黒い衣装で静止。羽根扇を手に佇む姿は、気迫が漲ります。
暗転後、板付きで始まる3曲目は、椅子上で危ういバランスを保つベッド。
籠の小鳥をいとおしげに見守り、そっと解放してあげます。



再び暗転、椅子の上で膝を抱いた姿から始まる4曲目は、白い羽根扇を操り、時間をかけて花道を戻ります。
日本の映画音楽で、じらすようにゆっくりにじり歩きます。
本舞台へ遠ざかる姿を目で追えば、万感胸に迫ります。



仕舞いは舞台中央で、胎児のように丸まります。
裸身を白い羽根扇ですっぽり包み、卵の殻にとじこもったよう。
動きを止めて、消えてゆきました。




以上

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