観劇レポ隊の掲示板

[トップにもどる] [掲示板の使い方] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]
(シょウにンこーどノらンに、あルふァべッとノ「アールいーぴーおー」ヲ、ハんカくノオおモじデにュうリょクしテくダさイ。)
承認コード
おなまえ
Eメール
居住地
題  名
コメント
URL
削除キー (記事削除時に使用。英数字で8文字以内)
クッキーを無効にする
[ 最新の情報に更新 ]
[7895] 浅草6月 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2009/06/21(Sun) 08:38 

敬称略です。


1部

1.加瀬あゆむ

 和服は黒地に草花をあしらったあやな色。お三味鳴らしてちゃんちきさ、太鼓たたいてトンツクツ。
 お嬢様、遠慮は要らぬぞえ、サアサ、どうぞと、固辞もかなわず気晴らしに、エイヤのバチ捌きをごろうじろ。
 芸事の源流は、芸者のお座敷芸。裸電球を覆って襖を閉めて… 故事になぞらう世俗的牧歌。余興のついでか酔狂か、はらり、お腰の紐を解くこともあったとな…
 観る者を無我の境地に遊ばせます。

 ついぞ先の赤いべべ着たお嬢様は、金色の透かしを浮かした白い紗の襦袢1枚に。
 いとおしげにこちらを見つめられて、なにか夢幻のごとく思えます。
 口に差す紅の色合いがやけにリアル。網膜に焼き付いて離れません。



2.月川ひとみ

 深く抉れたスリットが心をくすぐるチャイナ服。
 手にした扇でゆったり煽ぎ、扇と体のバランスを活かしながら優雅な振り。シンメトリーを崩さず離合集散。
 黒いタイツの網目がチラリ、さわやかにエロスを主張します。

 花道からは、がらりとアダルトに。
 ナイトラウンジへ辿る足元を照らすように、しゃれた模様の照明踏みながら。
 深いコバルトブルーの照明の色が、夜のとばりに融け込みます。
 ガーターなしの下着、タイツ、ハイヒールが黒光りしています。
 なまめかしい肢体をさらして猫のようにしならせて、流れに乗せてポーズ。
 しどけなく奔放に寝乱れていく勢いのままに、ゆらぎをはらみます。



3.光矢れん

 きつねとヒトの双の面を、交互に向け、2種6台の太鼓を二人がかりで叩きます。3人目のメインは小刻みなステップにコンパクトなターン、クィックな動作で独楽のように跳ね回ります。
 粒立ちのよいピアノの硬質な響き、音と音の隙間を縫う太鼓の響き。
 小気味よいテンポの後に、情熱のアルゼンチン・タンゴ。
 闘牛士のマント替わりのベールを剥いで、凛々しい姿ですっと盆に立ちました。

 小太鼓、カスタネット、手拍子足拍子、輪唱するようにパートを重ね合わせて、神秘的かつ官能的な響き。
 体内でたぎる血潮が沸騰して衝動を抑えきれなくなる瞬間、晴れ間が広がるように南国的な光を浴び、晴れがましい音楽を浴びました。曲に似つかわしく堂々と、Y字バランスで勝ち誇ります。



4.沙羅

 風雲急を告げる切迫したサントラ風の音。
 ドラマティックな剣劇芝居、長モノ振り回して丁々発止、ばったばったとなで斬りに、太刀筋カッコよく運びます。夕陽が燃え盛るような照明が、取り澄ましたヒロイックなムードをいっそう引き立てます。
 天幕のような布をたなびかせて波立たせ、フラッシュ浴びせて視覚効果に訴えます。

 ベッドは羽衣のような薄手の紗の襦袢、体を泳がせ腰を浮かせ、首筋反らせば、頭上のかんざしから飾り細工がちろちろと震えます。
 オペラの間奏曲風な優美な旋律、オーボエやクラのソロを朗々と響かせ、序々に高まりを迎え、気を放つようにシンバル一閃。
 よどみなく流れるような動きのなか、ふいを打って華麗なポーズ。水を打ったような静けさが広がります。





5.伊沢千夏

 和太鼓の皮をぴんと張り、バチ持つ腕をしなやかに振り出せば、スローモーションのように残像が目に飛び込み、遅れて届く低音が腹にズシンと響きます。
 饒舌にまくし立てる琵琶の音色に、和太鼓の響きが割り込みます。はかま姿四人衆による連弾へ。

 舞台前面では人形師と操り人形とが「独り芝居」。精魂こめた人形が、あまりの出来に蘇生して生体反応を示します。神をも畏れぬなんという業でしょう、怖ろしさが愛着を振り切り、置き去りに。

 盆へ。生身の人形は、「一人称」の世界にこもります。
 ほんの1曲舞うなかで、ぎこちない指先はしなやかさを得て、頬に朱を差し、目を潤ませ、初々しい思春期の娘の表情を獲得します。
 たおやかな成熟の跡をのぞかせて。



2部 小向美奈子


 夢を見るなら甘みな夢を。ノスタルジーを感じさせる悦楽が好ましい…
 そんな夢へのいざないを、コスチュームと舞台転換、寸劇で演じてみせて、ミュージカルの説明口調の歌に替え、体を張ってのセクシャル・パーフォーマンス。
 バックダンサーのアクロバティックな動きは、コミカルかつユーモラスな演技とあいまって、サーカスのピエロのように場内を沸かせます。

 ガールズ・トークに枕投げ、ベッドのスプリングを活かしてトランポリン。
 誰にでもある思春期の記憶領域を掘り起こします。

 次のシーンは性的な好奇心の目覚め。うかうかと小悪魔の誘いにのったが最後…、すんでのところで美人教師に救われて、と、ほほえましいエピソード。

場面替わって、生意気盛りの盛り場デビュー。バーカウンターに疲れた肘をのせてほろ酔い、「オトナ」の気分。甘味なカクテルに添える、レゲエやカリブのダンサブルなミュージック。
 このクラブのダンシング・クィーン登場で注目を奪われて、ウォッカベースのグラスをあおります。
 おっと、脚がもつれたようですぜ、お嬢さん。

 「オトナ」の世界への階段は、地下に通じる階段でした。
 ダウナー系の阿鼻叫喚から、爽快、ハイな気分へ突き抜けます。
 ふかふかなベッドは羊水代わり、メインが身を沈めて、身も心も開放してのぼりつめるまで(花道往復)。そして夢落ちでまとめます。
 ムーラン・ルージュ幻想曲を効果的に使って、めくるめく世界に巻き込みます。



 そのストーリーに埋め込むかたちで、おふたかたのダンス・ベッドのシーンがありました。



1.桜庭彩

 パジャマ姿で浅い眠りから覚めて、夢遊病者の足取りで花道、盆へ。
 横たえた体を入れ替えながら、しなやか若鮎のようにイキのよい動きではね回れば、やがて着衣も邪魔になってきます。
 魂を切り苛むハードロックの大音量、豪雨が去った後に晴れやかに。
 アップライトピアノのひなびた響き、ゆりかごを揺らしてあやすような歌。しゃがれた(黒人)女性の歌いぶりが粋で、背を押されるように花道を戻る姿にほろりときます。



2.空まこと

 活発なレゲエにのせて、メインとダンスバトルを繰り広げた後、熱く乾いたカリブの風を感じさせる曲にのって、白のビキニ姿になる過程をのんびり見せつけながら、盆へ。
 パンプスにつながる、すらりと伸びた脚のライン。銀色の帽子を小粋にちょこんとかぶり、小道具として玩びます。
 深々と息をつけるような伸びやかなボーカルにのせて、大胆なポーズを繰り出します。
 ほがらかさの中に、はにかみも憂いも含んだナイーブな表情で、ひきつけます。





[7894] 浅草4月結 +5月  それにSNA 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2009/06/01(Mon) 23:26 
敬称略です。
 (前後半の出演した方々の名を、〜ではさんで連ねます)



1.草凪純 〜 仙葉由季

 狂おしいベース、雷鳴のようなドラミング、フュージョン系の派手な伴奏に、暴れ太鼓はピック替わりの華麗なバチ捌き、三味線の太い響きがオーバーラップします。
 青や赤の照明を背に、黄と黒とのツ−トンカラーの和風のデザイン衣装で袂を翻し、ダイナミックな群舞から。乱れ太鼓も勇ましく7人は場の興奮をかき立てて、左右対称の配置を崩さずきびきびと、動きに一体感を求めます。
 メインが手際よく引きちぎるように和服を脱ぐ間、6人は奔流にのまれるようにめまぐるしく動いて加速します。メインが白い大きな羽根扇を手に、花道をこちらに一歩一歩すすむ姿を見送りながら、6人は幕間に消えていきました。
 寂寥感を助長する神秘的なベッド。力強い立ち上がりから、不死鳥舞うように華麗に羽ばたきます。



2.HIRO 〜 夏目りょう

 カスタネットの乱打が似合うラテンのリズムにのせて、舞台狭しと5人を散らし、一気呵成にスパニッシュ・ダンス。 軽快な足元をかろうじて見せる長めのスカートを、夏向きの色と柄とで染め上げて、真夏のように強い日差しを思わせる逆光の中を、めまぐるしくポジションを繰り返してみせます。
 燃焼しつくしたところで花道を、メインはモデル張りにしゃなりしゃなり、インド旋法の音楽にのって練り歩きます。
 悩ましくくねらす裸身、重力から解き放されたポール・ダンス。
 アコースティックなジプシースタイルの奏法で、心地よいリズムを場内いっぱいに轟かせ、ヒロイックなエンディング。音の勢いを殺さぬまま、次景にトップスピードで突入します。



3.月川ひとみ 〜 かんな

 ざわつくシンバル、五月雨のようなスティック捌き、ジャズアレンジをライブ感覚で堪能します。喧騒、かぐわしいアルコホル、紫の煙が目に沁みる…
 かすんで見えるステージの上では、ヒップとヒールでカウントしてみせて、1920年代のフラッパーが、トップスピードで駆け抜けます。
 息をあげずに、水色のワンピース、ステッキ代わりに雨傘を手に。あじさいもほころび始め、手毬のような花の蕾がちらほらと開いて…、そんな情景を思わせます。
 翳りのある3曲目、しなやかな終曲。
 おや、晴れ間が覗きましたか、ほがらかに締めくくります。



4.聖京香 〜 大友輝

 ギターなかせて歌詞にほろり、ウェットでメランコリックな世界を築いて夫婦芝居調、手に手を取って睦まじく。女官3人が内掛を、羽衣のように翻して舞台を横切れば、手垢にまみれぬ清涼な印象につかります。
 おのこに燃やされた心の芯が、熾火をかきたてるようでやるせなく。しみじみとしたボーカルがいい按配に時を支配して、体を預けるようにのびのびとポーズを切りました。


4-2.白沢きらり

 最後の10日間に新演出で大胆な、いかにも楽しげなダンスができました。
 5人がゴム毬のように掌にのせるミラーボール、大事そうに抱えて上げ下げを繰り返して、右往左往。かくれんぼのように袖を出入りして散漫な印象を与えるかと思うと、規律正しいところ見てくれとばかり、花道に縦列して足踏みしたり、いわゆるドタバタです。
 リスムボックスに引きずられるようにして、ベッドの入りへ。闇に溶け出すような音からやがて立ち上がりへ、ゴスペル調の甘く心地よい響きに包まれて、間合いを十分はかったポーズ、正攻法でまとめます。



5.小川りか+安藤アゲハ 〜 川崎明穂+桃瀬れな

 ブレザーでビシッとキメた男装2人、エスコートするうら若き女2人。平和な4人の間に割って入ったなまめかしき女、気まぐれな神様が悪魔でさえたくらまないような、恋の試練を授けます。
 男女の心の距離を近づけたり遠ざけたり…
 2組のカップルの絆はたやすくほどけなかったようで、深いペダルのジャズ・ピアノにのせて、次は夢のなかのシーン。ランプシェードから洩れる光に頼る、インチメートな世界が、回想の1シーンのように繰り広げられます。
 ひとり目はアコースティックな音色でシンプルに力強く、立ち上がりで明るくなごやかに振舞います。捨てないで、捨てないでね、と、嘆願する声が祈りに転じ、いつしか相手の心を動かします。
 ふたり目は、清浄なボーイソプラノの合唱のような、幻想的な響きに包まれて花道へ。やがて豊潤な音に祝福されて、バイタリティ溢れて突き抜けるようなポーズへと繋ぎます。



6.小沢マリア 〜 加瀬あゆむ 〜 松嶋れいな

 神々しいオーラを放つ着物姿の女性が、袖を払えば、あら不思議、邪気ども4匹を操って、遊ばせ、鼓舞して、くたばり損ないめを蘇生させます。
 和太鼓、雅楽、得体の知れない未開の地の土俗的なリズムに合わせ、トランス状態へ真っさかさま、痴れ者のように力の限り踊りまくります。
 デジャブで見たようでいて、あり得ないこのシチュエーションにはいったい何でしょう? 一種異様な印象を受けて、ただ呆然と見とれるばかりです。
 苦悩、煩悶、悩ましげに盆に倒れこんで、憑き物を払うかのように突っ伏します。
 目で訴え、口元で語りかけ、しなやかに体全体で歌わせて…
 やがて仰ぎ見るようなピークを築きます。



7.フィナーレ

 ファルセットのハーモニー、柔らかな花びらに触れるかのような薄手のドレスに包まれ、フィナーレへ。
 勢ぞろいしたメンバーが、繊細な身のこなしで上手から下手へ、あるいは両翼からセンターへと、ドミノが折り重なるように、華麗な振付けを移して伝えます。
 淡い桜色の衣装が、花道を覆い尽くしたかと見るや、さざなみのように寄せて返して、潮が引くように舞台奥に戻り、はかない夢から醒めるように終わります。





もう1箇所。

  SNA4結



1.矢島愛美

 シャンパン・ゴールドのきらびやかなドレス、周年にふさわしくエレガントに装う1曲目。のびやかな肢体でしなやかな動き、脚の付根から動きが始まるような、大きくゆったりとしたストロークは、水をかくフィンのようです。
後ずさりを交えて細かく小刻みにステップを切返すうちに、その場足踏みのようなコンパクトな動きになってゆき、上腕でバランスを取りながら踊ると、優雅で、ちっとも無理しているようには見えません。
 盆に椅子を持ち込んで、狭めたスペースをすり抜けて楽にポーズ。椅子を携えて本舞台に戻り、軽くからんでエンディング。まぶしいくらい豊かに金色の光を浴びて、長い脚を見せつけます。



2.島谷小百合

 青や紫を含んだ花柄のブラウス、スカートに、ゆったりと広がった裾を揺らして、手にした扇子で煽ぐように震わせます。その場に足を止めたまま、流麗な手の動き以外には特徴を出しにくい振付ではありますが、愛らしい表情が移ろうのに自ずと目がいきます。
 上手袖で無造作で自然に脱ぐ下着、豊かなバストにつられてボディを揺らし、ゆるやかに立ち上がるポーズは支えるのに精一杯。でも懸命な表情や、達成感を噛み締めた和やかな笑顔に、癒されるものがありました。



3.若葉さくら

 白いドレス、盆にうずくまってスタートして、花道、本舞台を縦横無尽に駆け巡り、バレエやジャズダンスの要素も交えてシャープなダンスで圧倒します。続いて激しいロック調の曲でつないで、赤いボンデージで緊縛へ。
 左右舞台の裾からはるか盆まで達する紐が、伸び縮みしながらよじれて裸体をからめとり、なにか、アーティスティックなパーフォーマンスを見るようです。



4.林泉水

 桃色のチャイナ服、いたいけな乙女が拉致され、嬲られ、身ぐるみ剥がれて辱めを受けます。(姿を見せない仮想敵は、コントローラーを握り締める貴方自身かもしれません)
 敵役のキャラクターを確立したところで、有無を言わせぬレイプ、嗚咽にむせぶと見せかけて、乙女は一撃のもと、レイパーを仕留めます。
 道具立てを少なくして、格闘の剣に象徴性をもたせ、観客に想像力を総動員させました。
 ベッドシーンでのランジェリー姿にフェティシズムを感じさせ、抗し難い魅力にとらわれます。



5.吉野サリー

 SAMURAIとNINJAの早替わりを八面六臂の活躍でこなします。
 袴、羽織の一匹侍、重厚なヘビメタの響きを背負って登場、振りかぶった太刀で一刀両断。袈裟懸け、返す刀で切っ先すくい上げ、臓物を奥深く抉ります。
 かたや忍者は変幻自在、闇に浮かぶ鎖帷子の鈍い輝き、素足でにじって、間合いをはかって機をみて瞬殺。逃走経路も残しません。
 生真面目にものものしく演じる表情が、かえってそこはかとないユーモアを感じさせます。
 3曲目からオーソドックスなパターンへ。赤いベッド着を羽織り、しめやかに花道をたどります。脱いだベッド着をたたみながら集中力を高め、伸びのあるボーカルに合わせて躍動感あふれるベッド。
 しぐさや表情だけでなく、アクロバティックな身のこなしが、うねりを起こして歌い上げます。



6.加瀬あゆむ

 閉ざされていたカーテンをおもむろに開け、教会オルガンのかわりにシンセの重厚な低音でロック。呪詛を唱えるようにボーカルがつぶやいて、「白」の持つ、社会的なステータスを含むイメージすべてに対し、甘味な憧憬を抱きつつ、反発と怨嗟とがないまぜに。
黒のジャケットと白のYシャツ、背景に据えた左右2面の白黒色違いの衝立、みな意味ありげに白と黒とでコントラストを作ります。
2曲目は衝立の向こうで瞬きしながら、3曲目は巫女のように白い着物をまとい、髪振り乱して狂気乱舞、のちに昇天。
4曲目、蟲惑的に求めて貪るベッド。5曲目、白いYシャツに袖を通し、キュートでコケティッシュ。
そして終曲には1曲目を繰り返し、厭世的な気分を執拗に歌い上げます。敬虔な祈りを裏返したように、邪悪な願望をさらりと無機質で、シャープに演じて締めくくります。


                        以上


[7893] 川崎 3中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2009/04/04(Sat) 20:15 
 川崎 3中


敬称略です。



1.瀬能優

 シックに男装で黒ずくめ、引き締まった体で猫足で。フラッシュ浴びながら、曲が轟音を奏でても臆することなく、目深に帽子をかぶったまま淡々と、軽みのなかにも緊張を感じさせます。
 厳かな曲、途中で盛り上がり、着衣をはいで舞台上の椅子に跨ったところで静まります。
 うつ伏せ、仰向け、浮遊感のあるベッドで、身悶えて昇華。パンプスのヒールの先で照明がきらりと反射したのが目にとまると、かかと、ふくらはぎ、ふとももの順に自然と視線は移行して、網目模様が食い込むさまに見とれます。



2.豊田せりか

 欧風お姫さまスタイルで出て、一転、蝶々の羽根を背負った姿へ。蜜に誘われ花々の合間を飛び交って、戯れるように気まぐれに右往左往。
 雷鳴、驟雨、羽根を濡らしたら一大事と、慌てふためいて身を隠します。
 場面転換すると、裸身にツタを這わせ、妖精かアニマか、輪廻転生を象徴する姿。ドスをきかせた渋い声で訴えかけるバラードに、素直に反応しながら歌うように軽快にダンス。
 立ち上がりの流麗な曲はオペラの間奏曲のよう、つややかなバイオリンにのせて大河に押し流されるよう、花道を蛇行して穏やかに引きました。



3.かんな

 雲の上を漂うようにふわふわと裸足で舞台を辿ります。チマチョゴリ姿、孔雀羽根の扇の根元は鮮やかな桃色の羽毛で覆いつくされます。
 囁く歌、穏やかな言葉、中国器楽合奏の溶け合う和音が耳に心地よく。ネイビー・ブルーのアオザイは、短いスリットに気をとられず、丁々発止の中国武術の動きを披露してみせます。
 ベッドは体で歌うよう。やわらかく反らせて収めた上体を、腰から起こして隆起するようにして、自在にポーズを運びます。



4.蒼井夏恋

 フラフープを伏せたサークルの内に、オルゴール人形がすっと立っています。身をよじり、肩から上を動かし、足抜けして、揺らぐように腕を動かして…
 大きな瞳に玲瓏な肌。口元をほころばせたり歪めたりはせず、愁眉と瞬きとで表情を一変させ、陶製人形になりきって感情の動きを隠します。
 舞台中央で着替えた白いベッドは、薄い生地が腰周りをバレリーナのようにふわりと包みます。
 七色の光を浴びてホログラムのように光り輝いて、幻想的な風景へと誘います。



5.杏野るり

 春の宵、にゃあごにゃあごと猫の雄叫びが。猫耳を最後まではずさずに、猫の動きを写します。形態模写とは違いますが、しなやかな筋肉、なめらかな股関節、軽やかに忍び足で、花道をたどります。
 やわらかな光に洗われる艶やかな肌。毛づくろい、おくび、のび等の仕種を緩慢に。あどけない表情は幼児のそれを思わせます。目を伏せて恥ずかしそうにじらされた体を悶えさせながら…
 天真爛漫に楽しむ春の宵、ほのぼのとのどかに過ごす気分です。



6.伊沢千夏

 この国で花といえば桜。散る刹那を麗しいと讃えます。
 和服の地は桜色、若緑と菫色とを散らして色鮮やかで、春を盛りと萌えあがります。
 帯にはさんだ扇子を持ち替え、開いて閉じて気をそそり、艶然と微笑んで男心を癒して候。
 明るく突き抜けるような2曲目はダンサブル。紅のベッド着は、波紋が流れてせせらぎが聞こえるよう。一音一音に耳をそばだてる静かなベッドで、からめた指と指が、しっかり握りしめる手と手に変わるまで、恋物語をたどります。





[7892] 浅草 2月 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2009/02/14(Sat) 18:38 
 浅草2月 


敬称略です。



1. 浜野蘭

 冷え切った外気をしのぐのに、マフラーに耳までかぶる毛糸帽子は欠かせません。それだけ装備を固めて、さぁとびだそう、街なかへ。
 お気にのTシャツをあいつに見せつけたくて、薄着もいとわず7人が思い思いの格好で。シンメトリーを保って離合集散、曲調に合わせて素早く小気味よく展開してから、ユーリズミックス風のけだるいアレンジを経て、盆へ。
 終曲は起爆剤にハードロックで切り出して、はりつめた空気にポーズで刻んでスリリング。



2. かんな

 赤をベースにしたきらびやかな衣装、デザインを違えて3人で、のっけからタイトでファンキーなリズムでノリまくります。
 振付自体は上品に抑えて、緩急を活かしていますが、猥雑さと汗くささが底流に渦巻きます。
 ガーター、ブラ、パンティと、触れれば火傷しそうな炎の赤で、一枚づつ剥ぐ過程をつとめて念入りに、嘗め回す隙を与えるくらいじっくり見せて、花道戻りを使いきり、じわり迫ります。



3. 月川ひとみ

 寒さに凍えながら、偲ぶ故郷のぬくもり… 里帰りを逡巡するうちに、懐かしさがこみ上げます。
 男装ふたりを従え可憐に和服、簪がきらり、奥に涼しい眼。3人で日舞を競えば、身振りと身振りで、せめぎあいに。
 相手の脚を踏みつけにして、白足袋をすーっと抜くのは、非日常的な演出で唸らせます。
 襦袢ひとつで夢幻の際をさまようベッド。立ち上がりから長い引きでは、一語一語噛み締めるような歌いぶりに、思わず居住まいを正します。



4. 矢崎茜

 鈍い色のコートの下に、ラフなカーキ色のTシャツを忍ばせて、傭兵のように神経をとぎすませてダンサー4人が踊ります。ターンで振り切り、メインに駆け寄って、支えて引いて、と、慣れれば戦場も自分の庭…
 整列して、背を向けて、ひとりづつ呼び出されるように退場。
 後に残されたメインは、沈痛な面持ちで盆へ。やるせない情念がこみ上げてきて胸を突き破り、噴き出すように雄渾なスローバラード。
素朴な筆跡で豪快に、ぐいぐい書き継ぐようなボーカルにギター、爽快に。



5. 友坂麗

 白をベースに衣装を揃え5人でサンバ、引き締まったボディ、スラリとした脚をぴったり包むコスチューム、華やかでいて、たおやかで。舞台の一体感をめざします。
 短くも烈しくエクスタシーを上りつめたあとは、落ち着きを取り戻して躁から鬱に。
 そして気分の殻を蹴破って、ポーズ、立ち上がり、ところ狭しと舞台を駆け抜けて、再びポーズで煽ります。息つく暇もなく見とれることを赦しません。
花道にとどまらず本舞台まで使い切り、調子のよい音楽でけしかけて、まどろむニューロンに覚醒を促します。



6. 西園寺瞳

軽いテイストのファンタジー。妖精やエンジェルがじゃれ合うように仲良く睦まじく。
瀟洒な音にフワフワ浮ついた振り付け。フリフリ揺れる腰つきがリアルに悩ましく。
ベッド2曲はアコースティックに根ざした、感性揺らす調べです。野の花が咲き誇るように、ポーズに立ち上がりにと、ナイーブに徹します。
終演間際はとりわけ感銘深く、天使の声が降臨して、フルオーケストラの咆哮が包み込み、しばし静寂を挟んでピアノソロ、ウクレレと、エンディングへ一歩ずつ退いて、かすかに余韻を残します。
 …そして、ドラマチックな7景へ…



7.伊沢千夏

 男装のファントム、のっぺりとした仮面の下は如何に…
 手馴れた浅草のフィナーレの様式を破ってまで、オペラ的な場面転換を使った劇中劇を持ち込みます。ミュージカルの演出を踏襲したものか、しつこく繰り返すメイン・テーマは何度となく変奏されて性格を変え、花道戻りで3人の声で3度歌い継がれる頃には、歌詞で呪文をかけるよう。
 序章から、ファントムの正体の暗示〜 仮面舞踏会の喧騒と惨劇〜 クリスティンの心境を吐露するような独り舞台(ベッド)〜 そして大団円へ。期待と不安を醸し出し、細部を語らないまま強引にエンディングへ、観客の気を引きつけます。
 …結末ですか、ナレーションさえありませんが、重苦しい演奏の果てに、教会で鐘…


[7891] 浅草1月 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2009/01/12(Mon) 07:41 


敬称略です。



1.沙羅

 三つ指ついて新年慶びの口上を。裃姿で凛として、緊張した肉声が妙に生々しく響きます。
 やおら5名が立ち上がり、袴を蹴破る勢いで早着替え、羽織るガウンは朱塗りの漆器のようにモダンな香りのする赤と黒。胸元には赤いエナメルボンデージが見え隠れ。
 ハード・ロックのうねりをからめて斬新に。
 そして終曲はアリアで愛の二重唱を朗々と。柔らかな歌いまわしに耳を奪われ、のびやかな肢体の展開に目を奪われます。
 花道を戻りきったところで、はらり、黒のシースルーが足元へ。



2.南ももか

 騒然、沸騰のアイドルのコンサート会場へ、聴衆の欲望のエネルギーに呑み込まれないように、元気いっぱいで笑みを振りまきます。「ぃえ〜い!」の掛け声、高らかに。
 スクールメイツのお二人は、狛犬のように左右脇をがっちり固め、メインの気まぐれなアドリブを支えて助けます。客席に目線を配って、笑み振りまいて、会場との一体感が醸成されるころ、場内がぐんと広がったような気がします。
 軽快な曲になだらかな動きで、しばしポーズ。素肌にまとわるベッド着が肌をすべり落ちました。生地の感触を確かめて、いとおしそうに抱え上げます。



3.藤咲茉莉花

 もの悲しい曲調、魂揺さぶる演歌です。隣の大勝館で芝居の合間に演じていた、歌謡ショーにも似て、歌詞の力を借りたスピーディーなストーリー展開へ。
 愛の逃避行は北の果てへ。舞い雪を想わせる白の着物、蛍のあかりを想わせる赤の打掛、
思いを寄せる4人から1人が摘み取られると、ダンス・パートはしめやかに締めくくられます。
赤の襦袢ひとつでベッド、モノローグ的な告白調。百の言葉、千の思いを身振りひとつに託します。



4.葉山小姫

 胸を反らせ腰を伸ばしたままハイヒールで小刻みなステップ踏んで、社交ダンスのようにルンバ、優雅にしゃなりしゃなり。
 2曲目は伸びのある男性ボーカルで悠々と、時間をかけて着替え、黒いドレスがエレガント。
 3曲目は盆で、結構分厚い音。ここまでほとんど同じテンポの曲を並べ、ベッドもゆったりとタメをきかせて、憂い顔で思わせぶりに。
 終曲は翳りのある女性ボーカルで陰鬱に滑り出し、感情が揺さぶられる様子を表情に写します。立ち上がりから急がず慌てず、ゴスペル・コーラスを重ねて壮大に終わります。



5.空まこと

 イントロの取り違えを、機転利かせて3秒で入れ替えて、次の曲にすかさず付いていきます。そんな愉快な演出に、5人が5人とも何か吹っ切れたような表情みせて、ノリよくニューオリンズ風、マルディグラのようにはしゃぎます。
切れ目を入れてなびきやすい衣装で、ショウっぽくていかにも楽しそう。ゴツゴツしたリズムに遊びを持たせて、痛快に。
2曲目以降もノリを引きずって、プライベート・ダンス(アドリブ)色が強く、ありきたりのステップを削いで自在に奔放に、野趣溢れます。



6.清水愛

 アフリカの土俗的な音楽を思わせるリズム、時折息継ぎをするように間を置きながら、息の長いフレーズに独特なリズムを刻んで、2曲目以降も似通ったリズムを繰り返します。 気まぐれな3人のショウ・ガールが、キュートにコミカルに。メインは肌にYシャツ、ブーツ姿に着替えてベッド、粘るリズムに押し出されて盆へ。
 女友達の門出を祝福するウェディング・ベルに、サンドバッグに拳を叩き込むような擬音を重ねてエネルギッシュに、動きのあるベッドで大胆に。歓喜にむせぶように派手なピークを迎えて、爽快なエンディング。



7.灘ジュン

 ドラムが走り、ホーンセクションが押し寄せ、モダンなジャズを叩きつけます。
 精鋭6名が白いシャツとぴったりした黒いパンツで、運動量を厭わず激しく踊りまくります。
 髷に和服姿のメインはたったひとりで対峙、黒地に赤や黄の華を咲かせて艶やかに、舞台を左右に振られて小走りに駆け抜け、白足袋の足を素早く送ります。
 洋舞と日舞の磁場を張り合わせて、実にスリリング。融和するように扇子広げて舞い踊るうち、次第に息も合ってゆきます。
 さなぎを破るようにして、白の襦袢姿で花道をしずしずと。未練がましく見送る男役が花道の向こうに佇むのを、置き去りに。ベッドを挟んで、立ち上がりで再び顔を合わせたふたりの、しがみついて離れまいとする姿がいじましく。背中合わせで手を重ね、仲睦まじく引いてゆきました。



8.フィナーレ

 1景冒頭は和太鼓で始め、フィナーレは暴れ太鼓の乱れ打ち。小気味よい響きが変容して延々とリレーされていきます。
 白い着物の裾を割って、その下に重ねた赤い生地を覗かせ紅白で、寿いで… 総勢で舞台を占め、錯綜する動きから、いっせいに揃えた動きに移ったときが、また爽快。舞台からうねりを送り、圧倒します。




[7890] 浅草12月 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2009/01/03(Sat) 02:13 


敬称略です。



1.若葉さくら

 5人のコスプレ、試着室のようなカーテンの向こうでソリッドな衣装に着替えると、黒が細身のボディをさらに引き締めます。色彩をそぎ落としたようなスリムな音を低音で響かせて、気取って歩いて、派手な動きは封印へ。
 ベッドはわびしげな曲でいったん沈めて。浮上する立ち上がりはノリのよいリズム、キレよくポーズをはさみます。
 SF空間にSLの響きを重ね撮り、たなびく蒸気はミルキーウェイに溶け込みます。



2.木村彩

 ブロンド、アフロ、マッシュルーム、スタンド・マイク並べて3人でコーラスを。歌詞をたどれば、ちりばめられたギャグの数々に笑い転げます。
 それまでの宴会芸風のノリを、しっとりと落ち着いた曲で醒ましてベッド。アコースティックなハーモニーが心地よく。
暗い空間の広がりのなかで、盆周りのみラベンダー色に浮かび上がり、舞台背景から遠目のヘッドライトのようにサファイヤの灯が好対照。
肌にふわりと羽織るベッド着をするりとはだけさせ、優しげな静止ポーズへ。冒頭と対比させたのか、シンプルでナイーブに仕上げます。



3.夏目りょう

 郵政民営化後も、サンタの仕事は相変わらずハードワーク。うたたねサンタをこづいて起こします。夢うつつの境界で、重力のくびきから解き放たれたようにポールの美技へ。ポールにからんで回って、すべり落ちての他に、倒立、あん馬や吊り輪のように上腕筋や背筋を駆使して、ダイナミックに演じます。
 クリスマス・ソングの中には、うきうきと楽しげな曲調と、しっとりと落ち着いた敬虔な響きと、2パターンがありますね。前者で冒頭5人を楽しげに遊ばせて、後者はベッドの立ち上がりでゆったりと使います。
 慈愛に溢れて神妙な面持ちで、大きなポーズを捧げて終わります。



4.大空あすか

 目深に帽子をかぶってうつむいて男前の顔を隠し、キザに気取って構えます。ジャケットに銀糸の刺繍、サスペンダー、粋な3人が脱力したまま、軽い足捌きで靴底が床に吸い付くよう。隙間だらけの音に粗いリズム、わざと調子をはずしてサックスが吠え、ベースと対話してみせます。
 メインの衣装替えをせかすように早いテンポで間奏曲、今度は女らしく長いスカートで、裾をなびかせて、縦横無尽にバレエのターン。
続いて、陽が沈むように真っ赤な照明で染め上げて、ワークソングのように重く引きずるようなリズム、4拍子の3拍めにアクセントをのせて、スローとクイックが瞬時に入れ替わります。この長い曲に対抗するようにして、活発に盆を這い回り、最後は目立つポーズで華を添えます。



5.桜澤まみ

 引き戸を開けて、あでな着物姿のおねえさん、町娘4人に駄菓子を振舞います。気前のいい別嬪さんじゃぁありませんか。無邪気な歓声についほだされて、あれもこれもと、手袋、毛皮、シャンパンへエスカレート。いいねぇ、江戸っ子らしくって、パッパと…
 小唄とジャズがなれあって、景気のいいリズムを転がします。
 インスト2曲をはさんでラストはせつせつと、恋心を歌います。
 すべてを美化するように無垢な雪化粧、舞台背後ではミラーボールから幾条もの白い光を散乱させて、あたかも巨大な雪の結晶を仰ぎ見るような。
 自在に表情を操る夢芝居、さらりとした手触りを残し、するりと身を翻して引きました。



6.篠崎ひめ

 しごく単純な音階をたどる単調なテーマを、冒頭に出して変奏を繰り返す、クラシック音楽の語法で紡いだオーケストラ曲。昇って降りて、と、逡巡しながら、結局は出だしの音に戻って終わります。
 ぽきぽきと手折るようなリズムに流麗な振りで、ひとつひとつは手旗信号を発するようにして単純なのですが、4拍のなかで1拍づつズラして、メインから他へと順次、振りをリレーします。細かな息遣いを伝える精妙なアンサンブル。
 2曲目は、メインの独壇場、白く長いベッド着を振りちぎらんばかりに、跳躍・闊歩。リズム・ボックスが裏打ちします。
 ベッドは自在に、柔軟に。足の付け根を折りたたむ深いL。いったん立ち上がって、踊り足りない思いをぶつけるように、喜悦に満ちた表情で何度もターンを繰り返します。



7.相崎琴音

むせるような熱気を帯びて、いきりたつようにラテンのリズム。鳥が翼を広げてトサカを振り立てるように、7人が派手に動き回ります。
2曲目はバックダンサー4人が狂乱、カーニバル的な雰囲気で熱く盛り上げます。その白い群舞のなかに、メインが赤いベッド着で割って入り、しとやかな3曲目へとつなぎます。
すーっと花道をたどり、感情移入もほどほどに、姿勢の良さと目線の置き方ひとつで堂々と見せて、曲に依存して要所にポーズを繰り出します。



8.フィナーレ

 冬枯れの立ち木でも深く大地に根を張って、強い生命力を内部に宿します。シックに黒でまとめた衣装で勢揃い、立ち木のシルエットのように静止した群像が、雪解けのように活気を漲らせ、舞台全面に展開します。





[7889] 浅草11月 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/11/06(Thu) 21:41 
 


敬称略です。



1.優月遥花

 ひと粒ひと粒キラキラ輝くような音を重ね録りしたスペースオペラ風のロック、その根はストロベリー・フィールズ・フォーエバーの系譜に繋がります。
 ターン主体でマントを翼のように翻すと、光の三原色がキラキラとその表に反射します。6人が交錯すると、その輝きに目を奪われ、白い衣装のメインを引き立たせたり、呑み込んだり…
 花道を渡って盆で寝そべると、白い花をかたどった髪飾りが揺れて頬を撫でます。初々しい微笑みこぼして、おおらかにスワン、鮮やかで抜き身を放つようでした。



2.奥菜つばさ

 お金のない生活なんて考えられない! 平気でうそぶく女に振り回された日には、たまったもんじゃぁありません。でもグラマラスな彼女からはフェロモンぷんぷん、イイ男4人は振り回されてキリキリ舞い、それでも彼女はどこ吹く風…
 オレンジとラベンダーの二条の光の帯が、左右の天井付近から斜光で盆に注ぐと、あたりは一面、温かそうなピンクの海。
 Lにしゃちほこにと、小気味よくポーズを繰り出して、気持ちよい流れをつむぎます。



3.HIRO

 光沢を帯びたボディコンシャスな衣装で髪乱れるままに、腕振り上げて腰をくねらせ、スポットライトを一身に浴びようと目立ちたがりがひしめくダンスフロア。大音量のハウス系の音、猥雑に。
 ベッド入りは一転してドレッシーに、せつなげに迫ります。踊り疲れた脚を伸ばして休ませ、膝頭に頬を寄せると、瞳の奥が濡れて光るよう。疲れ果てた肉体とは裏腹に、神経は昂ぶり胸は熱く火照り、今宵も寝付けない夜になりそうです。



4.沙羅

 ほの暗く青い照明に、クールな黒人女性のボーカルで引き締めます。リズムボックスを引き気味に、ゴスペル歌唱が前面で、うねる波長を踊り手に送ります。
 パールホワイトに輝くサテンのドレスで踏み込むと、ターンするたびに、裾が水のように素直に脚にからんで解けて…
 互いの進路を遮りながら、ぴたりと周期を合わせて惑星の軌道を描いてみせて、冴え冴えとした情念の炎を揺らします。
 ベッドはのびのびと奔放に。しなやかに振る舞い、柔らかく脚を泳がせ、また収めてと、自在に遊びます。花道戻りですっくと立ち上がり、衣装を背負って白鳥の翼のように広げてはばたくよう。




5.蒼井夏恋

 セーラー服って、今でも人気の定番でしょうか? 無邪気さと淫靡さとが共存するコスチューム。
 元気はつらつとした3曲の後、ひねりを効かせたポップスで、わざわざ胸元のリボンを外させて破棄させます。多感な少女から情感豊かなおんなへの変容。
 ベッドでの日本語のバラードは心を打ちますが、チャイムを模してチェンバロ風に響くシンセサイザーの伴奏が特に美しく、心に沁みます。曲の息遣いに合わせてゆったりと静止ポーズ。しなやかな身のこなしで通します。



6.松嶋れいな

 半獣半人の獰猛な姿、本能を解放して狂喜乱舞。獲物と見れば寄ってたかってサディスティックな悪戯にふけり、ワイルドな群舞で、いや増すボルテージを煽ります。
 女王然としたメインは花道に仁王立ち、豹柄の下着をかなぐり捨てた後、盆に沈めば夜想曲に埋もれ、放縦さに倦んだようにして、しなだれます。
 無窮動に反復するリズム、サキソフォーンが甘く囁いて、にわかにセクシャルなイマジネーションが湧いたのか、豊満な肉体を駆使します。
 終曲は際どい歌詞で挑発して、リビドーが噴出するに任せます。



6.フィナーレ

 緩やかなイントロから加速してテーマがなだらかに滑り出します。単調そうに聞こえながら、細かくリズムを拾う振付が、凝っていて難しそう。
 息を切らしてカーテンコールに呼ばれて、花道先端まで隊列引き伸ばして、いったん途切れた音を呼び戻して、再び本舞台センターへ。
 記念写真に収まるように仲よく肩寄せあって、お別れです。




[7888] 浅草9月 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/09/15(Mon) 05:38 


敬称略です。



1.杏野るり

 のぞき見させるようにわざわざ細く開けた幕の間から、キャバレーのコスチューム、しどけない姿で挑発します。ショッキング・ピンクに黒の紐飾りを下げて、プルプル震わせれば、飾りにつられて胸も揺れるよう。ぴっちり太ももまで包む黒のストッキングの切れ目より、白い肌が浮かび上がります。
 茶目っ気たっぷりのピアノにつられて、忍び足で大胆なステップ。ジャズやらデキシィーランドやらいろいろと引用してみせて、理屈抜きに楽しいショウが始まります。
 メインが黒いドレスに着替える間に、2曲目のスタンダード・ジャズのナンバーが颯爽と始まります。楽器のように緻密に運ぶボーカルに、気さくに話しかけるようなピアノとベース。インチメートな会話を聞かせうきうきさせながら、花道をたどります。上品なワインレッドからロゼへと背景の色を変え、やがて幕が引かれてすっかり暗闇に。
 ベッド着を肩にかけたまま盆に横たわり、豊満な体を柔軟に操ります。熱唱型のバラードで燃えつくした後は、薄明のように爽やかなポップスで癒します。低音で囁き、中音域でエコーをかけるようなミラクルボイス。
 花道戻りは椅子とともに運ばれて、覆いかぶさるなど、ポーズを工夫してみせます。喝采を浴びながらゆっくりと引きました。



2.南ももか

 50年代アメリカの風情、往時のオールディーズのメドレーをミュージカル仕立てに。
 他愛もないストーリーですが、青春の一コマを憧れこめて描きます。
 娘らはフリフリのスカートにピンクの水玉散らし、男の子たちはクラシカルなブルー・ジーンに刺繍入りのジャンパーで、グリースたっぷりでおめかしして。
 フラフープで遊ぶ娘2人が、3人目の娘に声をかけたらば、気障な男2人組が割り込んで、モーションかけて可愛いその娘を奪い合いに。こっち向いてよ、ジルバ踊ろうぜ、誘いを断る言葉も思いつかず、ええぃ、ゴーゴー・クラブへと繰り出します。
 強面でちょっとツッパリで、でも優しいみたいだから、打ち解けて仲良く向き合ってツイストを。手話を早回ししたような手振りのお遊戯も披露して、何だか楽しげで羨ましくなりました。
 遊び疲れて家路について、淡い桜色のコットンの下着でベッドへ向かいます。ちょうちん袖に細かいフリルがついて、可愛くも悩ましげ。自室でくつろぐようにのびやかな肢体をさらして、下着ズラして胸もあらわ。澄みきった女性ボーカルの響きに包まれて、癒されます。ここから落ち着き払ってポーズの連鎖へ。
 エンディングは、堂々とした立ち姿からキメポーズをゆったりと見せてくれました。



3.白沢きらり

 ちょっと開けた幕の間から、ミラーボールで散乱した真っ青な光の帯が伸びていきます。その中に埋もれるようにマーメイド姿のメインが現れます。ニンフのように戯れながら取り囲む魚たち、底抜けに明るい表情浮かべて牧歌的に。底深い海に広がるファンタジックな世界が、客席を包んで一挙に夢の境地へ連れ去ります。
 2曲目はとりわけ陽気に魚たちの大合唱のシーン、マーメイドの独り立ちをバックダンサー3人が盛り立てます。マリンバもスチール・ドラムも心地よく音を転がして、弦も金管も歯切れよく上機嫌。3人は腰を振り振り一列に蛇行して、むかで歩きもユーモラス。
 能天気に聞こえる旋律の底流からタイトなリズムを拾って、シンクロさせて膝を浮かせたり沈めたり、授かったばかりの脚の性能をいちいち確かめるように、メインは楽しげに盆へ進みます。
 舞台奥の幕を閉ざし、闇に静かなバラードが流れます。外は雨、窓を叩く風、回想めぐらし、オール・アローンと呟いて…
 優しい音に身を委ね、しっとりと盛り上がったところでナチュラルなポーズへ流れます。片膝ついてのけぞりながら伸び上がり、反らせた体がしなやかなアーチを築きます。



4.月川ひとみ

 無愛想な黒一色のシャツにパンツルック、にぶく輝くコートの裾をなびかせ、髪振り乱し、烈しいボディアクションへ。
 フラッシュ瞬きサーチライトが駆け巡るなか、ハードロックが轟きます。金属色のコート以外は闇の奥に沈み、必死の形相で踊る5人の識別さえ定かでありません。
 5人を左右に散らしてはセンターに戻し、小走りに渦巻きを描いて横一線。5人 →1人 →3人 →5人と、駒のように自在に配置を入れ替えて、ダイナミックな効果を求めます。
 4人がかりで大きな敷布を広げた陰で脱いで、メインは素肌を露出、コートにブーツが黒々とコントラスト。碁盤の目のように並ぶ背後の照明が、極彩色で点滅してめくらまし。
雄雄しく荒れ狂うパフォーマンスで、盆にたどり着いて突っ伏して、充電切れたロボットのように最後の痙攣も途絶えます。
 “デンジャラス……  ……デンジャラス…… ” 
とは、電気ショックの擬音の狭間から。うめき声に煽られて、のたうち身をよじり、魂を逃したように口を開きかけ、目もうつろ。生体反応を絶たれた気味悪い表現が、なまめかしい挑発的な肉体と同居します。
 そして立ち上がりは凄惨に。血糊浴びせたような真っ赤な祭壇で、叩きつけるビートにのせて、カタストロフィーの途を一挙に辿ります。



5.小野今日子 〜矢崎茜

 荘重なテーマにのせて、ひとりずつ紹介するように登場させました。大奥で繰り広げられる愛憎絵巻。逆光の中で群像が浮かび上がり、対立と心理的葛藤の始まりを予告します。
 殿の御前でなごやかなはずの宴、ささいなことも正室と側室の諍いに火をつけます。無表情を装って気の強いところを見せる側室の小野さん、乱した感情に振り回される正室の矢崎さん。舞台にしては緻密にして濃厚な演技に徹して、映画のカメラの長回しを見ているような印象です。
 妬みと猜疑が渦巻く胸のうち、モダン・バレーのような装束で、群舞の5人が場をかき乱すように踊ります。安心を得るには体のコンタクトから、心変わりのないことの証拠を求めて、男の体をむさぼります。

 ここで別のエピソードを挿入するように、誘惑を仕掛ける側室のダンス・ベッド。あられもない台詞を歌詞に取り込んだロック調の曲が、淫靡なムードを引き立てます。からむ相手は見えなくとも、四十八手を駆使して男を陥落させる濡れ場。悶え方ひとつをとっても、したたかな女の計算が透けて見えます。

 冒頭のテーマを再現すると、心理劇が活劇へ、思わぬ方向に展開します。策謀は、刺客を差し向けた暗殺へ、曲者だ、出あえ、出あえぇ…となって、抵抗むなしく殿はご冥福。
 嘆き悲しみ、後追い自殺も諦めたしるしに匕首を取り落とし、せめてもと、生前に抱かれた思い出に浸る感傷的なベッドを正室が。ピアノで入ってチェロで落ち着かせた後、美しい日本語の語り口で、静かな曲がしんみりとさせます。思い出のひとつひとつが蘇って、美化されて、走馬灯のように巡ります。
 思いを断ち切って、ふっと踏ん切りをつけた表情が、凛として惹かれます。



6.フィナーレ

 フレンチ・カンカンは、はしゃいで奇声を上げて、スカートまくりあげて大盤振る舞い。ジェットコースターのように突っ走り、興奮状態が頂点に達したところで幕となりました。


[7887] 浅草8月上 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/08/16(Sat) 14:30 


敬称略です。



1.加瀬あゆむ

 ワーグナー風のフル・オーケストラで荘厳に。低音のパートで弦楽をたっぷり響かせた後、ハッピ姿4人衆が和太鼓3重奏。揺らぐ音と音の合間を縫うように、硬質なリズムがスリリングに走ります。
 暴れ太鼓で嬉々として舞う最中、メインがセパレートに朱の襦袢を掛けて、袖もちぎれよとバチ捌き、肩から吊り下げる太鼓を叩いて狂乱の舞。
 ベッドは静と動の2曲を対比させます。
短い主題を変奏しながら、けだるくつま弾く三味線に、しなやかに包み込むように歌うチェロの旋律が掛け合います。一方、舞台では、盆に横たわるメインに対峙して、花道半ばでサブの踊り手が影のようにつき従います。ゆるやかな動きが重なり合いすれ違い、草葉が宿す露をすくう身振をしたあたりから加速して、感極まるようにむせび泣く。ほの暗い新月の晩、月と日が忍びあう…
 終曲は「動」で、威勢よく噴出するように。シースルーに金の縫取り飾る襦袢を肩にかけたまま、強く体を反らして、しなやかに腕を上げ、伸ばした先で掌を返します。



2.かんな

 心浮き立たせる軽いテイストで、1景と対置させます。
 親しみやすい旋律を凝ったアレンジで、中国器楽合奏で聞かせます。
 チマチョゴリの5人が手にした10の扇子、紫、黄、赤と、よりどりみどり。パッと振り下ろして、サッと開き、景気よく風切音を鳴らします。
 棒の先に帯を結んで垂らし、たなびかせて宙を舞わせると、その軌跡は鳥のよう。ベッド着はチャイナでバーミリオン、レース地の下が透けて見えますが、照明を浴びるとヴィヴィッドに発色します。
 花道はほろ酔いで、グラスを手に千鳥足。よろめいて手にした扇子もするりと抜けそうな。
と、突然、檻に閉ざされたように、鉄格子に囲まれるパントマイムを演じます。筋と関係のないシチュエーションを作り出す荒業で、畏れ、おびえ、悲しみを湛えた、迫真の演技で支えます。
 ゆったりと花道戻りは扇子を手にしておおらかなポーズで。背景はエメラルド・グリーンに染め上げるなか、バーミリオンの衣装が鮮やかに燃え上がります。のけぞりながら開いた扇子の上で、鳳凰と龍とがにらみ合いました。



3.外人

2人が小道具に椅子2脚を使い、踏み台がわりや障害物がわりに。離す、近づける、向き合わせると、舞台を広く使うごくシンプルなダンスです。
 2人色違いのセパレート、単色でスパンコールぶら下げて、大きな動きにウェーブするような動きを交えてセクシーに。曲の持ち味からくるコミカルな感じも拾います。
 互いに胸をまさぐる振りをしてトップレスに、移動台と、盆とに分かれて、ベッドを演じて入れ替わります。
 スリムで黒髪の一人目は、盆を低く這い、横たえた体を絞るように、あるいは伸ばすように動き回ります。なめらかに関節を操り柔軟性を発揮して、ストレッチを見せられるような印象に。
 明るい髪を波打たせたもうひとりは、甘えた声で歌う情緒的な日本語の曲に対し、口ずさみながらヴィヴィッドに反応します。身振大きく、ときに激しく、立ち上がりに向けてドラマティックな演出を自らこなして、剛直に仕立てます。



4.成瀬美穂

 花笠、白足袋、カラフルな色使いの紅型の琉球衣装で、掌を返してこねてと、優雅な舞。男衆4人は、打掛、脚絆でエイサーでしょうか、手踊りに大仰な身振りでユーモラス。オクターブ抜けるような歌声は、底抜けに明るく陽気。エキゾチックなムードに包んで、なごませます。
 粘りのある独特なリズムでしたが、1曲目中間部でスッと抜いて、どうやら海の底に変わったのでしょうか、おさかなのようにゆらゆら気ままに流されます。
 ストイックなドラミングで花道を往き、癒し系の流麗なメロディで魂吸われるように盆に横たわります。
 背景の幕を開けミラーボール回して、ドラマティックなロック・バラードへ。遠雷、半音づつせり上げる三線、単調な波を模したベースラインに、しみじみと詞を重ねます。
 ‘寄せ来る波ほどあまたの悲しみに、かくも人は翻弄されるものか… せめて思いを届けておくれ…’
 凛々しい表情でポーズ、ダンス、またブリッジへ。立ち上がりで、このままとわに夕凪を、とフレーズをくちずさんだように見えました。
 髪に垂らす鉢巻が、てぃんさぐの紫にでいごの紅と、夏らしい色の取り合わせでした。



5.沙羅

 ジプシー・スタイルのフラメンコ。情熱たぎらせシャープに踏み込んで、しかも5人を連動させます。振りかぶって腕を上げのけぞって、裾から脚を覗かせて。
 バックダンサーに舞台をよぎらせて、半裸になったメインを花道へ送ります。軽妙で乾いたラテンの響きで、ポップな原曲の感じが薄まります。そのまま、ウェットなバラードに流れ込んで、盆の上。
 薄手の生地の黒いマントを背負って、寝そべりのけぞり、乱れるベッド。ポーズを流しながら、じわじわ興奮を煽っていく手順は、半ば様式化されながらも、半ば混沌としたままで、ときに意表を突かれます。
 立ち上がりから戻りは、それまでのしんみりした感じを払拭して、雄大に。目線を上向けて、上へ、上へと次第に伸び上がってゆく様子を、身振に頼って象徴的に演じます。



6.桜澤まみ

 浜辺を洗う波の音。
 国民的な歌謡曲を、みずみずしい感性で洗いあげ、ほの暗くアレンジして聞かせます。
 藤色の浴衣に梅紋のぼかし柄、簪からしだれ藤揺らして、髪に銀細工の蝶をとまらせます。2人並んで水べりに腰掛けて、華奢な素足を濡らして、一服の涼を求めます。ひんやりとした水の感触が、イメージを超えてリアルに伝わります。
うちわであおいで、さよならして、ひとり。星の瞬くような心地よいリズムに乗って、スキップするように花道抜けて、 下駄を揃えて腰巻ひとつで盆の中。
 起伏に富んだ表情浮かべ、肩のこらないお芝居をさらりと演じます。ひと夏の恋をテーマに、南部訛りのウェットなバラードを、日本語で。そして明るく希望に満ちた表情でうきうきと、爽やかな幕切れへ。開放的な気分で場内を満たします。



7.灘ジュン

 静動とりまぜて幻想的な群舞・ダンス部から、花道往きへ。メインにスポット浴びせてじっくり見せ、まるでノーカットでカメラを回し続けるような画でした。
 冒頭から、和傘開いて鉢巻巻いて、衣装も背景も燃えるような紅色に。めまぐるしく踊り手を入れ替えて、3→8→5→8と操って、ときに左右をクロスさせて、スリリングな位置取りの妙を見せました。
 ベッドは落ち着き払って沈んだ曲から入ります。面から表情消して瞳潤ませて、いったん落とした視線を徐々に上げ、客席をなめ回すように見据えて、その焦点を徐々に遠ざけてゆきます。
 姿勢を固めて内なる声に耳を傾けるうちに、生気溢れて、いつしかむせ返るような色気が立ちこめます。



8.フィナーレ

 夏にちなんでサンバ、生命力溢れて、音が波状に押し寄せます。
 バックダンサーも、外人も、わけへだてなくカーテンコールを浴びて、なごやかな情景で幕を閉じます。


[7886] 浅草6月頭・中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/06/16(Mon) 00:20 


敬称略です。



1.月川ひとみ

 幕を閉めたままで下手からひとりせり出して、羽根で覆われたショールを肩に、振り切るように鋭くターン。身を翻して幕の内側へ。
 サッと開けば遊女風情が勢ぞろい、うなじも胸元も覗くくらいに着崩して、おしろいの香りをかがせるように、上目遣いでしどけなく、ワシを選べとすがります。
 着物を脱げば黒のランジェリー。レース、フリル、ガーターつけて網タイツ、わざと破いた穴から肌がなま白く浮かびあがります。
 喧騒をすり抜けて花道へ、陽気な歌に軽やかなステップで。背後で幕を閉めて、周囲は深い闇に閉ざされます。
 ほの暗いバラードから、ハスキーなボーカルへ。ムードを盛り上げて、肌を覆うのはもはや網タイツに黒のヒールのみ。
 細身の体を折れんばかりにしならせて、やすやすとポーズをキメてみせます。屈託なく明るい表情が印象に残ります。



2.外人

 水着の3人を並べてディスコのアレンジで、気ままに踊りあかしてその場の気分に流されるような感じが、かえってあの頃への郷愁を誘います。
 黒人男性のボーカルは野太く渋い声、にやけた顔が目に浮かびそう。マッチョでしつこくて、でもとぼけた感じが消えません。下向きながらクスリと笑って、真っ白なロシア娘が両腕をアップ&ダウン、アップ&ダウンのストローク。
エクソサイズに励むようで、気恥ずかしいなかにも快感が、うーんなんだかやみつきになりそうな。
 スパンと断ち切って2曲目からは、ベッドを一人づつ、3人で分け持ちます。あいた2人はブラを投げ捨てて、巧妙なポールダンス。ポールに巻きつき、よどみなく回転して、日本人離れした長い手脚が目立ちます。
 1人目はよく見かけるポーズを反復し、2人目は軟体動物のように身をくねらせます。ここまではクールにまとめ、3人目は韓国語のバラードで、思い入れたっぷりに歌い上げます。カーテンコールをもらう、心温まる情景に、しっとりした曲調が似合います。
 3人が立ち位置を決めたうえで、ポーズや振りは自発性にまかせます。互いに我関せずの顔つきでもアイコンタクトを通し、歯車が回りだしました。



3.空まこと

 静かなイントロ、内掛け羽織って背を向けて、白い生地にはホログラムのように7色の光が射して、まじり合います。
 活発にリズムが動き出すと、たちまちスイムスーツのような水色のエナメル風の衣装できびきびと、ダンサブルに。パンツがキュッとヒップを締めつけ、生地がぴったりと吸いついてくびれたウエストを強調します。
 バックダンスの4人も衣装を揃えて横一線に、波に乗り派手なアクションで躍動的に。
 花道では、早くも水色の衣装を脱いで、真っ赤な下着姿に。ヒートダウンするようにスローな曲にのって、長い脚でモデル歩きしてみせて、引き締まった体を見せつけます。
 ベッドでは、歌詞がイメージ広げるアコースティックな2曲目で、腰を落ち着け、肘から指先までをしなやかに操って、手振りと表情で暗示をかけました。しみじみと思い募らせるなか、静寂を破って体ごとを転がって。ストイックな立ち上がりからサッと引き上げます。



4.沙羅

 荒唐無稽な和洋折衷ダンスバトル。ニヒルな怪盗のテーマと、さっさ、さっさとサノサのあっけらかんとした音頭とが、仲違いするかと思わせていつの間にやらねんごろに。
 たたみかけるリズムとリズムとがぶつかって、輪唱するように耳になじみます。まったく異質なダンスがせめぎ合うなかで、どちらの流儀にも肩入れしないで絶妙なバランスを保ちます。
 2曲目、緩やかなフレンチポップスで弛緩させておいて、3曲目、ベッドの入りはフラメンコ・ギター風に、神経質そうにせわしく弦をかきむしります。
 そしてほっと息をつくようにあたたかい二重唱へ。ねっとり舌をからめあうように、一体感のあるハーモニー。階段を上る足音のように、ゆっくり、ゆっくりとリズムボックス。
 しどけなく崩れゆく姿、膝立ち、肩を預けるようにしてのけぞりから反り身へ。リラックスして音の合間を自在に泳ぎ、高い空を仰ぎ見ながら音のイメージを膨らませます。



5.葉山小姫

 いきなり袖から跳びこんでターン、とんぼを切って目の前を横切ってと、アクロバティックな展開からアラビヤン。乾いた太鼓を打ち鳴らすように音を転がして、流れるような動きで遠目にも目立つ派手な振り。
 第3、第4の妾の味見をしてみようかと、スルタンはにやにや笑いで仁王立ち。あれほど息の合ったポーズを見せた3人でしたが、ご主人様に見限られては一貫の終わり、ひとり路頭をさまよって、あぁ拾う神はないものか…
 エピソードを閉じてリセット、新しい物語をつむぎにベッドへと向かいます。
 ベッド前半は、黒人男性のコーラスによるハーモニー。さきほどの現実から引き剥がされて夢見がちな表情のまま、けだるく、胸を震わせ、腰を浮かせ、リラックスして和ませます。
 アコースティック・ギターが鋭く入って、再び緊張を高めます。曲のツボを押さえてポーズを散らし、名残惜しそうに花道を行きつ戻りつした後で、明るい表情で別れます。



6.長谷川凛

 熱いハートをクールな声で包んでロカビリー。ところが踊り手のペアときたら、競技ダンス(社交)の衣装で思い切り気張っているではありませんか。シリアスなはずの状況で、楽しげな曲に染まってうきうきと。
 踝まで届く長いスカートで、裾を跳ね上げるように大胆に。顔見合わせては目配せ交わす、とぼけた味わいのコメディエンヌ、ふたりの掛け合いがそこはかとなくおかしみを感じさせて、客席の気を逸らしません。肩を支えて男役が女役を抱えあげるリフトこそ、鮮やかにキマらないのはご愛嬌。
 白のガーター、タイツに着替えて、羽根のショールをまとって、ヒップを見せつけながら、盆に一歩を踏み出します。
 翳りのある深い声が響く、落ち着いたバラード。心持ち伏せ目がち、横顔に憂いを浮かべ、頬にかかる髪を気にして手で払います。自然な振舞いから切返してスワンへ、天から吊り下げられたようにきれいに力を抜きました。



7.松嶋れいな

 短いダンス2曲の間に、せせらぎの音。その場の気分も洗い流して、引きずらずに次の曲へと進みます。
 素足の6人が音もなく優雅にバレエの振付で。ゆるやかなターンの向きを揃えて、二の腕から指先までをやわらかくしならせて、スカートの裾の流れ方までコントロール。
 続く2曲目は喜ばしく、メインが花に惹かれるミツバチのように、5人の間をすり抜けながら軽く触れていきます。
 冒頭は最後列で始めて、ダンス終盤では最前列に押し出されるように位置を変えます。
 移動台に揺られて花道へ。ティアラに銀のスカート、ブラは外して手ブラに替えて、スカートの下の純白の下着は凝ったデザインです。
 エキゾチックな顔立ちを活かしておだやかな表情を崩しません。体のラインを優美に見せるおたなしいポーズを、間合いを選んで作ります。
 幕を下ろす間際に折り目正しく一礼、奥ゆかしい印象でまとめます。



フィナーレ

 朝日を浴びる睡蓮の花、10人がビーチタオルを掲げて、花芯を取り囲みます。一陣の風が海辺を駆け抜けて怒涛のリズム、磯を洗う波のように押し寄せてきます。
 のびのある高音に、ドスのきいただみ声が低音のベースライン、うねりながら入り乱れて歯切れよいステップを挑発します。
 ビーチタオルの下は、カラフルなビキニ、水玉、ストライプにエキゾチックな花柄に、あれもこれもと見とれるうちに、大詰めへ。
 疲れも不安も吹きとばして、底抜けに明るい顔でさよならします。




[7885] SNA5結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/05/31(Sat) 01:32 


敬称略です。



1.小池まりえ

 艶な着物姿には、大仰なくらいの仕草がかえって似合います。江戸紫の地に明るい裏地をのぞかせ、きゅっと締めた黒い帯には波しぶき、岩を砕かんとして自らを砕く、潔さ。
 閉じた扇子は、キセルを扱う手振りで振って、閉じた和傘の中ほどを握り、立てて寝かして十字を切って、ついでに見栄を切る…
 勇壮で華麗な所作に婀娜な表情引っさげて、歯切れよいスカをかきわけかきわけ、花道を前後に動きます。
 殺伐としたペシミスティックなボーカルにとり巻かれて、黒い襦袢でベッドへ。激しい鼓動、押さえきれない衝動を抱えてギターが荒ぶるなか、突き放すようにポーズで盛り上げます。 
 ヒロイックな立ち上がりから、喝采浴びて本舞台に流れてなれたポーズ。役者のような存在感を見せつけて締めくくります。



2.れいか

 スパンコールをちりばめて、まんじゅしゃげのように赤いドレス、ふわりと浮かせたスカート。両手で抱えても揉みしだくように揺らします。ゆったりとしたストロークに、付け足すようにチャッチャと小刻みなステップをはさんで、どことなくチャールストンのように力みの抜けたダンスです。
 2曲目はほんのり桜色に染まる白っぽい衣装、心臓の鼓動を模したリズムが面白く、勢いを殺ぎながらそのリズムを崩さずになぞります。
 淡いクリーム色のベッド着は、裾をつまんで、正面から見て花弁のように広げます。
 着衣のままパンティを先に脱ぐ場面では、覚悟をきめて、きつめの表情でちょっと厳めしく。凛々しい面構えで、まなざしは刺すように遠くまで届かせます。
 ポーズを切る瞬間に、もの言いたげににっこり微笑んで、素に戻ったような笑顔を忘れがたく感じます。



3.友坂麗

 学園生活はパラダイスだね、と持ち上げておいて、このくびきからやっと卒業できるのか、と本音を吐く歌で締めくくります。
 過ぎてしまえばどちらも真実ですが、無我夢中の当事者を自叙伝的に扱えば、青臭い青春もので終わりそうでした。そこはひねって、セーラー服にチアガール、そして早変わりでバスケ部の選手まで、気軽なコスプレを盛り込むことで、息を抜ける作品に仕立てます。
 黒髪豊かな彼女は学級委員タイプのおませな娘、勉学にも真摯に向かい、性の悦びにも積極的。セーラー服の下のふくよかなふくらみ、白い木綿の生地の生温かい感触… フェチに描写して、照れくささは封印します。
 バスケのドリブルも、バトントワリングも、添え物にしてはお手並み鮮やかで、しごく単純な構成にイキイキとした表情を加えます。



4.浜野蘭

 白地に銀をあしらう男装の、きらびやかでいかにも、なステージ衣装。ハットを頭上に、腰振って、ジェームス・ブラウン並みに悪戯っぽくハッスル! 
 縄のれんのように紐を下げた水色の衣装では、一変してグッとしとやかに。つぶらな瞳に細おもてで、サッと振り乱した栗色の髪が軽く頬を撫で、CMのワンシーンのようで見とれます。
 見られる意識が研ぎ澄まされて、やがて快感に変わるのでしょうか。クールな表情を崩さず場内を支配して、白いブーツからパンティを抜くときは朴訥でナチュラルに。
 つきぬけたプログレ風の音に応えてけだるくポーズ。感情を消して、どこかあきらめを浮かべた表情で、さりげなく力みなく構えます。細身の体をしならせて、ブリッジで肩を一段と沈めます。



5.香月藍

 レオタード姿のキャッツ・アイの軽快なダンスも悪くはありませんが、それさえかすむくらい、翼を背負った天使で登場して、ダンスの後に裸で横たわった姿勢で再登場する構成は、実に魅力的です。
 1曲目で心揺るがせて、3曲目でいとおしそうに会いに行かなくちゃとしゃくりあげ、終曲は低いピアノのキーから始め、揺り籠を揺らすようにゆったりと語り始めます。徐々に盛り上げてファルセットまで駆け上がり、感情豊かな熱唱へ。手振りと表情とでせつなさを訴え、胸打つ立ち上がりまで一途さを全面に。丸木橋を渡るように、後ずさりできない一本道の作品ですが、ひるむことなく進みます。
 ポーズの後に静止時間を長く取れば、一語一語を噛みしめて自分に言い聞かせるよう。
 立ち上がり後に逡巡し、振り返りざま一挙に花道を引き下がるとき、背中を押すようにアコースティック・ギターがテーマとなるフレーズをつま弾きます。



6.矢崎茜

 五月雨うつような琴の音を、バイオリンが奏でる弱音の透明な響きで包んで、静寂の深さを際立たせます。落ち着いた雰囲気の中で、静けさを破ってさざなみを立てるように、性格の異なる短い曲をエピソードのような感じではさみます。
 中国風宮廷舞曲、中近東風ベリーダンス。堰を切って止めてを繰り返し、余韻を残す終わり方が、俳諧連歌の世界を思わせます。
 そういえば一曲目から、すっと立ち姿でしなやかに腕を伸ばして鶴首をこさえ、親指・ひとさし指でつまむようにして鶴の嘴をかたどりましたっけ。
 つくりものの翼を煽ぎ、優雅におおらかに翻して、しまいには鮮明な鶯色のベールに身を包みます。胸をそらし肩をそびやかした姿勢をとれば、ベールを透かして裸体の起伏が、しなやかななかにも堂々として見えました。




[7884] SNA5頭 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/05/16(Fri) 01:52 

敬称略です。


1.桜澤まみ

 日曜の昼下がり、ひとけの途絶えた裏通り、地下の暗がりになれた頃、目に飛び込んできたのは、ルーク、レイヤ姫、ダース・ヴェイダー。
 ハリウッド製のスペース・ファンタジーが日の目を見た30年前、コックピットからデススターを狙い撃ちまくる戦闘シーンで、あの興奮は今も忘れられません。重厚なオーケストラの響き、レーザー光で輝くライト・セーバー、虚構を貫き通すのに十分な材料… 
 この人の手にかかると、衣装の1枚目を脱ぎにかかる瞬間まで、ストリップを見ていることを忘れてしまいます。シネマへの関心から一挙に別世界に引き込まれ…
 フル・オーケストラによる威勢のよいテーマがジャズにアレンジされて、なまめかしいストリップの世界に呼びさまされると、軽いフィーリングのまま気だるくベッド。
 自慰から交尾へと展開して、まぶしい肌を見せつけます。



2.森下陽子

 暗闇から後姿が浮かんで、お下げ髪に短めのスカートです。登場を紹介するアナウンスが響き、パッと照明が灯ると、ボリュームあふれるヒップが右に左にと揺れています。
 ヒット曲のメドレーがかかって陽気にのりまくり、さまざまなリズム・パターンがいっぺんに押し寄せてくるのを、変幻自在なステップでいなします。
 甘みな女性の歌声の2曲目には、フットワーク軽く、いい意味で肩の力の抜け切った、堅苦しさのないダンスで応じます。
 舞台中央で、Tバックを脱ぎ去って、丸いふくらみが剥き出しに。裾の長いベッド着を羽織って盆へ。黒い背景を宇宙の闇に見立てて、夜空に輝く星座になりきります。
 ゆるやかに体をそらせれば射手座に。前後に脚を裂いて白鳥座に。大柄で見栄えのする体を、無理なくしならせます。
 屈託なく人懐っこい笑みは最後まで色褪せません。



3.姫野さくら

 肩まで伸びた髪の先が、揺れて浴衣の襟をかすめます。寝そべれば胸元が押しつけられたせいで、胸元がちょっと開き加減。お酌する手元が誘うようで色っぽいねと、往年の和製フォーク・ソングに合わせます。
 すっと上手に佇めば、そこは部屋の片隅に思えてきて、つましい和風モードへ入ります。ふたつに裂くように腰紐を抜いて、素肌をあらわに。淡い桜色の襦袢に袖を通し、独り物思いにふけるベッドです。
 傷口を癒すように、右手を左胸元にあずけて、右に小首を傾げ、しばしじっとしたまま、目で殺す。紹介しなかった冒頭1曲目で何度も繰り返したポーズですが、今はさみしげに乳房のあたりをまさぐるよう。
 心の動きを見透かすような演技に、ぎくりとしつつ、見とれます。



4.かんな

 ノリのいいブラジル音楽で始めて、ラテンのパーカッションで締めくくります。
 ところが、その2曲にはさまれた中間は対照的。ヒップ・ホップ風な、糸を引くように粘っこいリズムにのって、黒いブーツ、黒い羽毛のモールに埋もれ、デニムのショート・パンツがはちきれそうに膨らんでいます。四股を踏むようにリンボー・ダンスの格好で、やわらかく膝を曲げ腰を沈め、バストを震わせながら猥雑に。
 ぴったりとボディに吸い付くような豹柄のベッド着に着替えて、椅子にまたがり盆の上に。ミュートにしたトランペットが暗い雰囲気を支配して、エコーに震えるギターがもやもやとエロチックな気分をかきたてます。
 そこで唐突に終曲のラテン音楽へ切り替わります。違和感を抱くのと紙一重、微妙なタイミングを狙って鮮やかな攻守交替劇。ホーンにパーカッションにピアノの早弾きで、一気に頂点に上り詰めるようにはじけます。
 椅子に上る、もたれる、脚を掛けてポーズを連ねる。熱狂の渦に巻き込みます。



5.さいとう真央

 アンデルセン童話の悲恋。深海の王国から地上の俗界の人間に、懸想してしまった皇女が泡となって消えるまでの物語です。
 サファイヤ・ブルーのドレスで寝そべって、ミュージカル風の説明的な歌詞が、場面の理解を促します。
 好奇心に満ちた若い娘の胸に、恋心が芽生えます。高揚する気持ちをしなやかで奔放なダンスに表します。スリムな体にアクア・ブルーの薄手の衣装がやわらかくまとわりつきます。踏み込むたびに大きく波のように翻って、まるで水の精を見るような。
 湘南の吟遊詩人が、うきたつ心をくすぐるようなラブソングを捧げます。渚で戯れる二人っきりの姿をありありと思い浮かべます。
 グランド・ピアノ独奏の重厚な響きで、シリアスな展開へ。
やっと手にいれた2本の脚をフルに駆使して、Lにしゃちほこにと、搾り出すようにポーズを切ります。渚を洗う水しぶきの音を聞かせて、昇華するように全てを洗い流して終わります。




6.灘ジュン

 生命力あふれる野獣の舞です。
 罠にかかった豹は網に絡めとられて、身悶えしながらもがきます。キャスター付の縦長の直方体の檻に閉ざされて、鉄棒替わりのネットに爪を立て、牙を剥いてみせます。飼い馴らされない野性そのものの、獰猛さを強調してみせて、苛立ちを隠しません。
 サファリ姿のハンターに扮して、切れ切れにボディアクションで踊ってみせて、暗転後の再登場では、黒豹姿で囚われの身。
 見つめると吸い寄せられるような黒い瞳で、赤いルージュがなまめかしくて、媚を含んだ笑みがコケティッシュ。つややかな毛並みを思わせる全身タイツで体を覆い、首から胸、下腹部にかけては、黒々とタイツの継ぎ目が走ります。股間から尾てい骨を経て、長いシッポへと続く黒いライン。もっとも、肝心なところまでは、覆っていませんが。
 少々強引ですが、ネットに脚を掛けるようにして、折の中でしなやかにポーズ。
 放心した表情、濡れた瞳でじっと見つめられたら、心穏やかではいられません。







[7883] 浅草4月頭・中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/04/22(Tue) 01:07 

敬称略です。



1.藤咲茉莉花

 春は桜。ほの暗い場内に、夜桜をいつくしむように見上げる着物姿が、ぼんやりと浮かびます。雅な序奏でゆったり始め、テンポを早めラップ調の早口で。総勢7人は、梅紋、松、鶴とめでたい絵柄を見せつけて、スリリングに前後左右に交錯します。手折った桜の枝ぶりに、負けじと着飾ったおんなぶり、美しさを競います。
 メインは、紅白まじりの襦袢をまとい、ベッドはじわりと色気をにじませます。瞳うるませて横たわり、流した脚をつがえた弓矢のように引きしぼり、その先を宙に向けます。桜色のあかりが肌を染め、花道のはるか上からの照明が、ビームとなって7色の光を盆に届けます。
 花道戻りは静かな曲で、女性の澄んだ声がしみわたります。背後に広がる舞台の闇に、ラベンダー色の淡い光が溶け出すように注がれます。やわらかく包み込むさまは春霞を思わせて、幻想的な光景です。
 ハミングから、一瞬の静寂をついてポーズ。壮麗な音が続いた後は、心地よい余韻に浸ります。



2.雨宮伊織

 楽しげな中国風の旋律を、変奏曲形式で流します。チャイナ服を隠すほど大きな羽根扇。背にしょい、胸にあて、小刻みに震わせて、羽毛をイキモノのように動かします。その場足踏み、90度づつの横旋回。
 メインのチャイナ服は白地に牡丹が花盛り、黄色の羽根扇を2枚持ち、バランスよく大胆に振るいます。バックの4人は薄桃色と淡い空色と、おとなしい色合いでメインの引き立て役に回ります。陽光が燦燦と降り注ぐような明るい光の下で、桃源郷に遊ぶ気分。
 メインは花道から盆へ。青を基調にしたすがすがしい色合いのベッド着を来たまま、盆に開脚した脚を差し渡し、身振り豊かに語りかけます。軽やかなピアノが高いパート、響きのよいベースが低音域、その間に挟まれて若々しい女性の声でせつせつと、遠く離れた身で思いを込める女心を歌います。うつろう表情に見とれて、次第にこちらも引き込まれます。
 次第にたかぶりゆく気持ちを醒ますように、静かで透明感あふれる曲でしっとりと仕上げます。



3.水月涼

 カナリヤ・イエローのドレスをまとった5人で息の合ったダンス。5人を散らしたり、片寄せたり、かと思えば横一線で順に動きを写したり。白いサテンの手袋をひらり優雅に返します。
 ボサノバ風のピアノにシンバルやコンガがかぶって、威勢良く管楽器がしゃしゃりでて、音楽が白熱する頃に、鮮やかなステップでソロパート。プロのダンサーが左右から寄り添ってサポートします。
 ベッドは弾き語りのバラードで。静かな語り口で始めて徐々に熱してきて、激しい鍵盤のタッチと呼応するように情熱こめて歌い上げるなか、表情豊かに演技して流れに乗りました。白いレースの下着の上から、ガーターがタイツを引っ張ります。ゆるやかにLで上げた足を指先でまさぐる仕草は、タイツの網目を数えるよう。
 終曲はつややかなバイオリンが切り込む、活気あふれるブラジル音楽。ポーズを整理してシンプルにまとめ、幕間に消えるまで、スカッとさせてくれます。



4.成瀬美穂

 へさきを叩く波の音、ダイナミックなリズムを刻みます。勇壮な歌に合わせて野郎ども総勢10名で、背筋伸ばして脚踏ん張って、四股踏んで。地響きのような和太鼓に、鼓も、横笛も、三味線も加わって、盛り上がりは祭囃子のようににぎやかに。
 せい、はぁつ、と掛け声勇ましく、手にした拍子木をしゃらしゃらと打ち鳴らします。
 1曲目から、こうもドラマティックですと、短い持ち時間のなか、続く曲は対照的で雰囲気の入れ替えがめまぐるしく、演技も自ずとメリハリがついてきます。
 花道のぼりから盆へ、そして立ち上がり前までを、激情的に身振り激しく耽溺的に。スカイブルーの襦袢のようなベッド着で、袖にコバルトブルーのアクセント、銀箔をちりばめた模様がきれいに浮き上がり、冴えた青の色の深みを引き立てます。
 立ち上がりからは、からりと晴れ渡った空のようなウエスト・コースト風のサウンドで。すすり泣くスライド・ギターに、耳に懐かしいキーボード、タイトなドラムにタンバリンも彩りを添えて、スローなバラードをラフに仕立てます。強引といえるほど、さっきまでの曲の流れを洗い流すように颯爽と。キラキラ輝くミラーボールの光を浴びて、思い切り機嫌よく花道を後にします。



5.外人

 舞台は深い闇に閉ざされ、キャンドルひとつ、床に置きます。
 光を守る精、これを阻もうとする魔物、光陰の、あるいは生死の対決を、秘儀めいた無言劇で演じます。
 凶器のようにみだらな肉体を黒いマントで包み、魔物2匹は光の精霊を蹂躙しますが、それも大詰めでは逆襲されて成敗されてしまいます。
 そして3人が交互に盆を占め、ベッド。精霊が流麗に動き回って盆を力で支配すれば、魔物2匹もこれに続き、闇の力を見せつけます。しなだれるようなブリッジ、腰を高く据えたまま脚上げのポーズ。
 終曲ではにわかに明るさを取り戻し、演劇ではおきまりの大団円。
 花道戻りはピンスポットではなく、天井の左右のサイドから直接に射した光が余裕をもって届き、なめらかな肌を黄金色のシャワーで包みます。
 朗々とした歌に合わせて、のびのびとポーズ、しなやかで繊細な動きが目をひきます。



6.大友輝  竹内順子

 ダブルの景は、露出さかんなレズものです。半透明のマントをむしり合ってビキニスタイルで1曲目を終え、互いの手を借りて全裸になってから腰みの替わりに布を巻いて、盆と花道とに分かれてスタンバイ。
 アップテンポな1曲目に急かされてどたばたとコミカルに演じ、アラビヤ風のゆったりとした旋律に合わせ、うねうねとボディをくねらせてユーモラスに。サーチライトのような光の軌跡が、もっと、もっとと、けしかけます。
 ベッドの所作は、2人が競ってそれぞれ思い思いに目を惹こうと工夫を凝らします。花道の広い幅を目いっぱい使い、身悶え、腰を浮かせて、足を蹴り上げて。アクの強いくらいでも、全体は程よく融和されてゆきます。
 せつない女性の歌声に、放電するようにギターが咆哮。音のうねりに合わせて、けだるく腰を揺らして、フェロモンを撒き散らします。



7.伊沢千夏

 細めに幕をあけ舞台を区切り、凝縮感のある空間を作ります。深紅の布で床を覆い、さざなみ寄せるように煽りながら、赤い衣装に赤い照明、強烈な印象を焼き付けます。
 オラトリオのように荘厳な混声合唱、ものものしく響く伴奏が押し寄せる波のよう。
薄手の赤いベッド着に替え、膝を揺らし裾を広げ、マヌカンのような立姿で盆まで運ばれます。
 力を抜いて横たわり、物憂げに視線を遠くにさまよわせるベッド。さびしげなボーカルが虚ろに響きます。自然と衣装をはだけさせながら、盆の中心から周縁へ、じりじりと体の位置をずらします。
 周縁は、頭上から射す光と、盆の周囲の闇とがせめぎあう境目となって、不安定な色あいを刻々と変化させてゆくところ。赤い衣装が薄い皮膜のように肌を覆い、その上を包むように紫色や白色の光が注ぎます。ほうずきの皮を、夕陽の色を、またあるときはルビーの深みを思わせる、さまざまな茜色のバリエーションで懐かしさを喚起します。
 気を入れるように、ミラーボールから銀色の光が射して、メインが立ち上がる姿を包みます。無表情から一変してやさしく微笑みかけながら、戻りの花道をゆっくりと引いてゆきます。






[7882] SNA2結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/03/01(Sat) 02:22 

敬称略です。



1.綾秦クレハ

 メランコリックな旋律響かせる序奏。続いて、ぎらつくギターに激しいドラムが、怒涛のように押し寄せます。
 うわずるボーカルにギターのフレーズがからむと、その息の長さにぴったりと合わせるように、手にしたスティックの先で長いリボンを新体操のように振り回します。
 美しい軌跡を描く、螺旋模様。
 舞台狭しと移動しながら、手首のスナップきかせてリボンを振り続けるのは、かなり過酷なこと。運動神経のよいところを見せて、バランスを崩さず、通します。
 ベッドのスワンは、赤い髪飾りを目指して手足の先が吸い寄せられて、手首に巻くリボンや、足首に巻くパンティが、赤いものどうしの絆を結びます。



2.若林ひかる

 のっけからニューオリンズを思わせる凝ったリズムに、かかとを浮かせてすべるようにスライドさせて、膝を柔らかく沈ませます。舞台をダンスフロアのように使い、軽やかに。
 社交ダンスほど優雅にとはまいりませんが、肩の力が抜け切れて、肘を浮かせて腕も邪魔にならず、スッと舞台に溶け込みます。
 2曲目はギクシャクして引っかかるような野卑なリズムで、グルーブ感を狙ったのでしょうか。あえて抑揚をつけずに流して、白いレース地のベッド着で盆へ。
 無理に表情をつくらずに、もの言いたげな目で訴えて、熱い視線を受けとめます。
 さりげない表情がうつろいゆくさまに、そそられます。



3.豊田せりか

 白いジャケット姿で入って、舞台を目一杯使う派手なダンス。
 楕円状ターンの重心を2軸に置いて、空間をからめとるようになめらかに。速い動きもせわしく見せません。
 ジャズでくだけて、スタンダード・ボーカルを熱唱して、アルトサックスを咆哮させたかと思えば、フォークソングのようにしっとりとしたバラードへ。選曲の妙味が効いています。
 V字バランスにのびやかなポーズ、抱擁するように両腕を広げてみせるジェスチャーもすんなりはまって、ナチュラルに。
 目の覚めるようなブルーの衣装で、すがすがしい演出を、あるがままに受け入れておおらかに演じます。



4.川村あいね

 アジアのどこかの宮廷風な衣装で手には鈴、スナップを効かせて振って心地よく響かせて、邪気を祓います。
 せっかく封印しておいたはずですが、御札がはがれて、鬼の面がこちらを睨みつけます。
いかずちとも地鳴りともとれる激しい音。厳しいリズムに反応して、腰低く土俗的な舞踊に酔いしれます。
 “好き、いとしい、会いたい…
 吐息まじりのつぶやきにまみれて、とろけそうなままベッドへ。
 愛の霊力で再び封印された鬼の面。白い襦袢姿で寄り添うように寝そべっったまま暗転へ。象徴的な気配を漂わせます。



5.成瀬美穂

 細身のスーツでぴしりとキメて、帽子を深くかぶって憂い顔。
 息もきらさずバリバリ踊った後、くわえ煙草に火をつけて、やってらんねぇぜ、と舞台を後にします。
 一人二役で淑女へ早替わり、マンボを情熱的にきびきびと。
 赤い羽根をショール替わりに首に巻きつけて、赤いベッド着で盆へ出れば、濃厚なお色気がたちこめます。
 冒頭のダイナミックな動きとはうって変わり、シルキーなタッチで繊細に、しなやかな肢体を揺らめかします。慣れたポーズを連ねると、なぜか、いつになく堂々と見えました。



6.水野美香

 ファンファーレ風に晴れがましく金管を鳴らすイントロへ。しなやかなコーラスが、勢いを得て走り出します。
 表情豊かな曲に気持ちをのせて、白の衣装を翻します。
 2曲目は、生真面目そうな素振りがユーモラスにとれる、マンハッタン・トランスファー風のスキャットコーラスのメドレーで。早送りをかけるように突然テンポをあげて早口になったりしますが、そこをうまくいなしてゆったり振ると、余裕しゃくしゃくで格好良く見えてきます。
 ベッド着は抜けるように明るいブルー、あっさり胸をはだけて、憩う姿でもって癒します。女性の澄んだボーカルが響くなか、余韻を残すように、印象に残るポーズを放ちます。




[7881] 浅草2月(頭・中) 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/02/21(Thu) 00:32 
  浅草2月


敬称略です。



1.(当初)月川ひとみ (代)彩星舞

 姫君を取り囲んで寝起きを襲撃する迷彩色の四名。かたやデニムの姫君は、助っ人の加勢を得て返り討ち。
 急襲、逃走、おとりに罠… 
 ふたつの部族は、滅亡の淵に立たされるまで、醜い戦いをやめません。
 メインの方はここから分かれて、ひとり旅へ。
 不規則で引っかかりのあるリズムにぎくしゃくした振りで応えて、胸を反らし腰を振る。デニム・ジャケットもパンツも脱ぎ捨てて、その手に吸いよせらるようにLの脚を上げました。
 花道戻りには女性ロッカーの雄叫びに応えて、きびしいポーズ。粗削りな面を残しながらも、精一杯がんばる姿がすがすがしく感じられます。



2.蒼井夏恋

 フリフリのスカートを纏って、お転婆3人娘がおおはしゃぎ。肩寄せ合ったまま、右に左にとはげしく振られ、せわしそう。ノリのいいリズムに任せて、ツイストにターン、フットワークは抜群です。
 ひとりひとり順にスポット浴びて、得意のステップをひとくさり。各人の個性が出ていて好対照で、いかにも楽しそうな気分が溢れます。
 ベッドは清楚に白いワンピースのよう。ファッションショーのようにすらりとした脚を見せつけて、花道を歩きます。姿勢よくモデル立ちで、手をかざして目線を伏せたところで、盆が回り始めます。
 アンニュイな甘えるような歌いぶりに身を任せて、伸びをして背を丸めて、無邪気なネコのように振舞います。ビロードの長いシッポの代わりに、細身な脚を立てました。親近感を感じさせ、舞台との距離が一挙に縮まります。身を横たえて長い脚を流して、ウエストから足先までなだらかなラインを堪能させました。
 すました顔で微笑む口元に、つい惹かれます。



3.(当初)清水愛+彩星舞 (代)清水愛

 二兎追うものは… …あぶ蜂取らず、とはよく言われます。
 そうは言ってもそのまま帰すには惜しい美女ふたり、この手におさめようと伊達男の血が騒ぎます。
 痴れ者の恋の騒動をスクリーンに映し出した、懐かしいシネマを題材に、ミュージカル風にも宝塚風にも見せる凝った演出。颯爽とコミカルに演じる男役は出色のできばえです。
 メインは誘惑されるご婦人役で、青のドレスを清楚な白へ替え、夢見がちな表情で盆にたどりつきます。
 調和した音の響きが耳に心地よい、きれいな曲に気持ちよさそうにのりました。掌を上向け宙をかき回すように大きな腕のストローク。抑揚、緩急をつけた動きで、狭い盆を広く見せます。
 終曲は追い立てるように、威勢良く。蹴り上げたつま先が頭の高さを越え、客席をかき回しながら、小柄な体を躍動させて踊りまくります。エネルギッシュな演出は、元は二人景であった名残を残しています。



4.小野今日子

 アコースティックで研ぎ澄まされたギターの音が、生々しいフラメンコ。
 赤と黒とがぶつかり合う衣装で、5人が競い合うよう。おおげさなくらい振りかぶって、メリハリのあるダンス。
速弾き、曲弾き、多彩にアレンジと、一気呵成に変奏曲形式でまとめあげます。ソロ、ふたりの掛合い、4人揃えての群舞へと順次展開していきます。
 感情豊かにジプシーが歌い上げるなか、花道をたどるときは堂々と。
哀愁を帯びた歌声に包まれて、体にまわしたショールをするりと抜いて、くつろぐように手足を伸ばしました。
 終曲はせつなくさせるスタンダートな曲で。ギターの胴をリズミカルにこつこつ叩く音が、メランコリックな旋律に溶け込んで、エンディングが近づいたことを予感させます。ふっと浮き上がるようにして蹴りだした脚の先が、まっすぐ天を指しました。
 花道をたどる長い引き。落ち着き払った表情でした。



5.仙葉由季

 白地に赤の格子模様に縞模様、モダンな柄の着物で、扇子を手にします。扇子に結わえた鈴がカラコロと転がすような音を立てます。
 芽吹いたばかりの若葉色の衣装で、童女4人が順に登場します。赤い花、白い花、咲き揃う花の枝を捧げ持ち、はにかんだ笑みを交わします。
 しめやかな儀式の始まりを思わせて、童女らは鈴を振り振り練り歩き、帰り道をふくらましながら名残惜しそうに去りました。
 いつしか幻想的で、この世のものとは思われない雰囲気が立ちこめます。時間の流れを押し戻すように音楽はとうとうと流れ、盆に足がかかる頃には、民謡風に語尾を引っ張る歌いぶりで、女性の声が朗々と流れます。
 ♪里のしずぅけ〜さぁ〜よぉ〜 
 ため息をつき途切れがちになるその声を、尺八がわびしげに追いかけます。
 肌をサッと桃色に染めて、背後の闇がいっそう深まります。お腰に襦袢、よく通る視線を武器に、動きの少ないおとなしめのベッドを演じます。膝をついてうつむき加減、地べたを眺めていた視線を上げて、徐々に上目遣いに。
 終曲はシンセサイザーで、精緻を極めた音のタペストリー。ゆったりとした曲想で、明るく突き抜ける印象を残して天上的。
 余分な動きをやめてひたすら静かに、肌脱ぎの姿で昇天してゆくように、まぶしい背景のなかに溶けていきます。



6.京本かえで

 バックダンサーたちは品のいいベージュに金糸の刺繍。メインは色違いの青。白い手袋が上品な、ちょっと古めかしいファッション・モードで、おっとり踊ってみせます。
 ダンスの途中でメインひとりがスッと抜けて、朱のドレスで戻ってきます。胸をそらして、腰を揺らして、ベティ・ブーブにも負けません。
 前あきのファスナーが引っかかるのか、はたまたバストが引っかかるのか、ようやく脱いで、ピンクのパラソルを手にして花道を上ります。
 曲は賑やかにロカビリー、ロコモーティブの汽笛やシリンダーのうなりを模倣した演奏で、音のお遊びがその後の曲にも増幅しながら引き継がれます。
 アンニュイな表情、濡れた瞳、下着を弄んで、男の視線を手玉にとってみせました。仰向いた姿でうつろな目をしてじっと見られると、一瞬ドキッとさせられます。
 四つ這いからおそるおそる離した片手片脚を、宙に浮かせてバランス整えれば、見事にポーズがきまります。



7.加瀬あゆむ

 ブーツに、タイトな黒のエナメル・ボンデージ、メタリックなチェーン、エグいメイキャップ。ヘビメタ・サウンドで煽ります。
 メインを赤で目立たせ7人を左右対称に、アクの強い振付ですが全体を揃えることも必要です。広げた両腕を引きおろして鳥が羽ばたくように、ヒンズースクワットのように膝を曲げ、爬虫類の動きに似せて威圧するように踊ります。
 盆に向かうとき、スカーフのように薄手の生地であつらえた大きなマントを羽織って、下着は黒。
 けだるく退廃的なロック・バラードにもまれるようにして、思いつめた表情で沈みます。終曲のボーカルがせつなさを増して、ギターがすすりあげ、ドラムが強く押し込んで、気分を高揚させてくれます。
 花道を引きながら、正面向いてのブリッジは大胆に。
 無愛想を装って熱唱するボーカルが耳になじんだころに、不思議と心を落ち着かせてくれることに気づきます。




[7880] 浅草1月全 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/01/31(Thu) 21:19 
  浅草1月全


敬称略です。



1.沙羅

 帯をほどいて手繰れば、生き物のようにうねります。
 胸元をゆるめれば、うなじが覗いて、するりと肌があらわになります。
 三つ指ついて年始の口上、袴姿で暴れ太鼓の乱れ打ち、短いながらもスリリングな群舞の後は、和物には珍しいことですが、なよなよしたところのない闊達な振付に。
 ふるめかしさをかなぐり捨てるように、レース地のベッド着は目の覚めるようなアクアブルー、広い舞台を引き締めます。
 からだを横たえ低く構え、魚のように身をよじり尾ひれのように脚を伸ばします。振り向き加減の横顔を印象深く見せつけて、立ち上がりへ。
 ひとはけサッと掃いたように、爽やかな景にまとめます。



2.前半;南ももか  後半;青山香里奈

 今月は4人の職業ダンサーが群舞に加わり、要所要所を引き締めます。
 この景も3人の両脇をダンサー2人が固めて、ベースとなる振付に対し、躍動感や繊細さを添えて刺激してくれます。
 青いロングドレスの裾がくるぶしまで被い、その下からハイヒールの先っぽが、前後左右へスケートでもするように流れます。5人のスカートの裾が次々とゆらいで、渚を洗う波のよう。腕は自由に遊ばせず、踏み出すステップも隣どうしで揃えて、また優雅。
 メインは白くて透けたベッド着で、移動盆を取り払った長い花道を、折り目正しくじらすように歩みます。デビューしたての慎ましい振舞いが、かえって共感を誘います。
 おっとりした立ち上がりから終曲へ、走り出した音にせきたてられるように去りました。



3.前半;奥菜つばさ  後半;夏木りりか

 スパンコールかラメなのか、色鮮やかな身軽な衣装で、3人が自由きままに動き回ります。脚立、大きな四脚の台、下手にそそり立つポールと、道具立てを基点に3人が集まったり離れたり。
 毬でもつくようなゆったりしたリズムにのって、大胆に踏み込んでこちらに背を向けて、ヒップ! シェイク! ヒップ!
 照明は、夕暮れのように逆光にして押さえ気味で、やるせない気分に輪をかけます。
 けだるい女性ボーカルがからんで、どこか背徳的。花道をのぼる2曲目は、リズムボックスが無機質に響いて挑発的。
 ベッドは表情豊かに楷書で黒々と書くように。希望に満ちた未来を讃えるような終曲が流れると、背景の幕が開き、放水するように力強い光の帯で、闇を切り裂きます。しなやかに動いた後は花道戻りで立ちポーズを見せて、おおらかに、なごやかにまとめます。



4−1.水野美香

 銀ラメのミニスカにブラで、5人が横一列。スラリと長い股下に、自然と目が吸い寄せられます。
 小気味よく調子のよいカントリースタイルの演奏で、ロデオよろしく活きのいい荒れ馬を乗りこなします。勢いにまかせてユーモラスにあんなポーズ、こんな振り、はにかんで笑みをこぼします。
 花道から盆への入りで背を向けて、ヒップを突き出して魅惑します。横たわればからだをくねらせてせつなく悶え、終曲でやっとスカッと歯切れよくポーズを繰り出します。



4−2.松嶋れいな

 白い正装でまとめた紳士4人に取り囲まれて、ピンクのドレスをまとったお姫様。
 フルオーケストラの輝かしい音色が降り注いで、ミュージカルへの扉を開きます。
 翻弄するようにテンポを揺らすのはお約束、弦楽器が心地よい旋律を引き絞るようにして奏でます。おどけて、ハッとさせて、しまいには安堵させて予定調和へ、シャンパンを飲み干すような爽やかさ。
 姿勢を正して堂々と花道をたどります。モータウンの澄んだ歌声から、ねっとりとしたゴスペルの、翳りのあるボーカルへつなぎます。
 膝立ち、胸をはだけさせたところでを、いとおしげに熱唱するバラードが支えます。
 構えの大きなポーズをのびのびと、楔を打ち込むように放ちます。



5−1.小泉まな

 楚々とした和服姿、白い生地の表がちらちらと、パールのように七色に輝きます。
 雪をも溶かす情熱、ほだされて燃え上がる恋心、演歌のセリフにどっぷりつかります。
 趣向を変え、お三味がカラリと嘆き節、テンツク太鼓にベースがうなれば、小粋なフュージョンスタイルへ。いつもの和やかな笑みをここでこぼします。
 ベッドでは表情を引き締め、じっとりと見つめて、妖艶さに凄みが加わります。
 背景の幕を閉じ照明を絞り気味にして、障子の陰で繰り広げられる秘め事の、淫靡な世界を思わせます。スラリと伸ばした脚が印象的な、ポーズをキメてくれました。



5−2.平松ケイ

 清冽な演歌に、すっとした立ち姿も麗しく、ゴージャスな着物で日舞です。
 重そうな鬘に白塗りの顔、和傘をさして閉じて、露を払ってと、いかにも慣れた手つき。近くを見やって視線をさまよわせ、その目の先を追えば、小雪もちらついたような錯覚が。
 帯を引き抜くときはパッと手際よく、打ち水のような鮮やかに。襟元乱して物憂げに横たわれば、豪華ななかにも一抹の退廃の香り。
 整った目鼻立ちでクールに見下して、すまして突き放す感じで演じてみせます。アルトの声域で落ち着いた曲がかかり、気品をたたえたままサッと去りました。



6.前半;吉原ゆかり 後半;瀬能優

 口をすぼめた発音で女性が口ずさむこの歌は、あえぎにも似てコケティッシュ。
 3人が椅子を引いて登場し、尻を揺らし、スリットから脚を覗かせて。椅子の背もたれに腕を回して馬乗りに、なんだかみだらな感じがしたと思ったら、やはり誘っているのですね。クールな微笑を唇の端に浮かべて、思い切りモンローウォークへ、悪戯っぽいしぐさで男心を翻弄します。
 ベッド着ひとつで、バレエの足取りで、あるいはなまめかしいステップで、裾を乱したまま穏やかにベッド。雨に振り込まれる音を聞くと、盆に伏せて髪に顔をうずめます。
 きりきりと切り刻むようなハードロックが響いて、野性が目覚めましたか。しなやかな動きに大胆なポーズ、おふたりとも得意なパターンに次から次へと踏み込んで、戻りながら広い花道を征服します。



7.灘ジュン

 羽毛に包まれた白装束、白い髪。広大な敷布が舞台を覆いつくして、ゆらゆらうねり、雲海を越えて舞うのは天女か、鳳凰か、大空を飛翔するようなイメージです。
 6人のバックダンサーは風の精と化し、メインを取り囲んで、いとおしむようにまとわりつきます。
 一面白に塗りこめた舞台は、白地に青や黄のほのかな光を反射させて、ハレーションのように目をくらます光景です。
 しずしずと花道を進んで、手数を惜しむ簡潔な所作。表情を凍りつかせてミステリアス。
 指先で柔らかく揉むように空気をとらえて、懐に見えない糸を手繰るようにして、泳がせた視線をスッと戻すと、いきなり正気に返ったように目を見開きます。
 重々しく引きずる音楽に合わせて、静かな立ち上がり。潮がひくように一気に幕間へ。



8.フィナーレ

 やよいのそぉ〜らぁあわ♪
 みやびなはずの旋律が大胆にアレンジされて、歯切れのよい活発な群舞。
 あでやかな衣装、めまぐるしい動き、はればれとした表情を浮かべて、幕の向こうへ。


[7879] 飛びました 投稿者:権兵衛 [関東] 投稿日:2008/01/21(Mon) 14:16 
ニュー大宝にコウバン予定の小山 ゆうさんが飛びましたァ


[7878] 浅草11結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/11/26(Mon) 23:40 
  浅草11結


敬称略です。



1.沙羅

 口開けはミュージカル仕立てで華やかに。
 ダンディなスーツをピンクに染め抜いて、軽やかに駆け抜け、ノリのいい音に切れ込みます。ワット盛り上がるゴスペル調のフルコーラス、花道を7人がいっせいに押し寄せるところなど、迫力を感じさせます。
 ベッドは一転してシックな黒のランジェリー。
 横たえた体がねじれだし、パンティが股間を離れて膝の上、脛、踵へと、押しやられます。脚を泳がせ揺らめかし、甘みに歌い上げるような表現です。



2.恋詩なみだ

 サンタの衣装で3人景。裾を短く、胸元のVを深く切れ込ませ、アダルトな夢想をプレゼント。跳ね回るように踊れば、帽子の先に下がる房も揺れています。
 ベッドは、猫の魂が人間の肉体に宿り、馴れない肉体に、つい、猫らしい仕種で応じるというコンセプト。しなやかな身のこなし、おびえがちな表情で、なかなか打ち解けるそぶりを見せません。
 風にそよぐ花を見つけたのでしょうか、花びらの動きに反応してじゃれつきます。無心に遊ぶ所作が、いじましくて微笑ましくて、なごませて。不意打ちをかけてポーズを切ると、目を洗われるように感じられます。
 すぐにも口ずさみたくなる歌が、無邪気なこの情景を支えます。



3.白沢きらり、月川ひとみ

 舞台奥に平均台のように台を据え、仲睦まじく2匹、いえ、2人が跨って見つめ合うところから始めます。情熱的な乾いたラテンのリズムに合わせ、髪振り乱し、突き出した腰を揺らします。
 後半の2曲はリズムのはっきりした、ベッド用にしては動きのある曲です。衣装をめくりあげ、あけすけに見せつけて、手にしたきらびやかなモールをショールのように胸元に巻きつけてと、忙しそう。花道の両端で回転する二つの盆にそれぞれ陣取り、客席の視線を奪い合って、派手なポーズの応酬を仕掛けます。
 ベッドですから当然のごとく、しっとりと見せようとする白沢さん。抑えきれない熱情をストレートにぶつける月川さん。好対照なふたりです。



4.空まこと

 稚児を供に従えて和服着て、優雅な動きにスリリングなハードロックを差し挟みます。重たい着物を軸に据え、稚児をからくり人形のように左右に動かして、文楽の操り人形を見ているような、おっとりとした芝居を演じます。
 手際よく和服をかなぐり捨てて、赤い襦袢に頭上の赤い花、すっきりした姿で盆へ上がります。凍りついたようにひややかな表情で、精神一統、さざなみさえ立たぬ静かな心持ち。
 瞑目して伏せた姿勢に、メロディアスなバラードが待ち構えていたように、降り注ぎます。透き通る歌声に、澄み渡ったピアノの伴奏。選んだ曲の曲調と展開に、舞台の進行は深く依存しています。ストイックに盆から立ち上がり、ミラーボールの光に埋もれる頃に、ようやくLを放ちます。



5.外人

 沈んだ音が、物憂げに響きます。白衣がまぶしいナース4人は、すらっとした脚を白衣の裾より突き出します。
 張り出した腰、そらす胸、ぶるんと振ったら、お尻とお尻が鉢合わせてスパシーバ、もの言いたげに顔を見交わします。
 2組づつになって奥舞台と盆とに分かれると、奥舞台ではちょっと気のすすまなそうに、肩の力を抜いた感じでそのままポールにしがみつきます。
 奥舞台から距離を隔てた盆の上では、二人が睦まじく、いたわりあい尽くしあいます。静まり返った舞台に、スパンキングの音がぴしゃりっ。深みへ、さらに深みへとはまります。
 しおらしそうな表情を解いて、最後はマスゲーム風。移動盆で寄り添って乗り合わせ、裸体の花が咲き誇ります。



6.友坂麗

 3回続けてドアをノックするような特徴あるリズムを、勢いのあるダンスの中で活かし、巧みにこなします。タイトなリズムに、ヒールを床に押し込むくらいに強く踏み込んで、勢いに任せて踊りきれば、ふくらはぎ、ふとももと順に、ふるえが波のように伝わります。
 充実したバックダンサーに力を得て、鬱憤を晴らすかのように激しいダンスシーンを繰り広げます。
 2曲目のロックバラードは長めに使って、花道をたどる移動盆を目の前にして追いながら、舞台を広く動き回ります。
 盆にたどり着けば、腰を浮かせてアマチュアレスリング並みの激しいアクション。
 切り返して花道戻りでは、追い打ちをかけるようにダンサブル、エネルギッシュにこなします。



7.伊沢千夏

 赤い襦袢のような衣装に黒い帯がアクセント、その色は鮮やかな朱塗りの器を思わせます。鳴り物をけたたましく響かせ、エイサ、エイサァと勇ましや、かぶいてみせようか、江戸の粋。
 ひっきりなしに鉦や太鼓を叩くなか、7人が縦列で蛇行しながら練り歩きます。しごく単純な振付を、大真面目におおげさに、威圧するように演じます。
 嵐が去って、ぽつんと独り残されると、舞台が殺風景なほど広く感じられます。肩口見せて、歩幅を狭く、花道を2歩、3歩。
 横たわれば赤い襦袢の下で、白い肌が蠢きます。薄い肩、張りつめた臀部、折れそうに細くくびれた胴。まどろみから覚め、膝を割りストンと腰を落とし、仰向いて吐息をもらします。おりしも燦燦と照明が降りかかったところで、ふと思い出したような淡い笑みを、口元に浮かべます。


[7877] 東北八戸 投稿者:旅人 [関東] 投稿日:2007/11/19(Mon) 11:25 
先日、東北八戸の劇場に行ってきました。最近は劇場も少なくなり寂しいですね。踊り子さんも生き残る為には大変な努力があるみたいですね。初めて、その劇場に入ってびっくり!?ここは、両国!?相撲とりのような人が!夢も希望もなくなりました。


[7876] 訂正 東寺10中 ⇒ 11中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/11/15(Thu) 03:25 
失礼しました。訂正します。


以下のフォームから自分の投稿記事を削除できます
■記事No ■削除キー

- Light Board -