[7887] 浅草8月上 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/08/16(Sat) 14:30



敬称略です。



1.加瀬あゆむ

 ワーグナー風のフル・オーケストラで荘厳に。低音のパートで弦楽をたっぷり響かせた後、ハッピ姿4人衆が和太鼓3重奏。揺らぐ音と音の合間を縫うように、硬質なリズムがスリリングに走ります。
 暴れ太鼓で嬉々として舞う最中、メインがセパレートに朱の襦袢を掛けて、袖もちぎれよとバチ捌き、肩から吊り下げる太鼓を叩いて狂乱の舞。
 ベッドは静と動の2曲を対比させます。
短い主題を変奏しながら、けだるくつま弾く三味線に、しなやかに包み込むように歌うチェロの旋律が掛け合います。一方、舞台では、盆に横たわるメインに対峙して、花道半ばでサブの踊り手が影のようにつき従います。ゆるやかな動きが重なり合いすれ違い、草葉が宿す露をすくう身振をしたあたりから加速して、感極まるようにむせび泣く。ほの暗い新月の晩、月と日が忍びあう…
 終曲は「動」で、威勢よく噴出するように。シースルーに金の縫取り飾る襦袢を肩にかけたまま、強く体を反らして、しなやかに腕を上げ、伸ばした先で掌を返します。



2.かんな

 心浮き立たせる軽いテイストで、1景と対置させます。
 親しみやすい旋律を凝ったアレンジで、中国器楽合奏で聞かせます。
 チマチョゴリの5人が手にした10の扇子、紫、黄、赤と、よりどりみどり。パッと振り下ろして、サッと開き、景気よく風切音を鳴らします。
 棒の先に帯を結んで垂らし、たなびかせて宙を舞わせると、その軌跡は鳥のよう。ベッド着はチャイナでバーミリオン、レース地の下が透けて見えますが、照明を浴びるとヴィヴィッドに発色します。
 花道はほろ酔いで、グラスを手に千鳥足。よろめいて手にした扇子もするりと抜けそうな。
と、突然、檻に閉ざされたように、鉄格子に囲まれるパントマイムを演じます。筋と関係のないシチュエーションを作り出す荒業で、畏れ、おびえ、悲しみを湛えた、迫真の演技で支えます。
 ゆったりと花道戻りは扇子を手にしておおらかなポーズで。背景はエメラルド・グリーンに染め上げるなか、バーミリオンの衣装が鮮やかに燃え上がります。のけぞりながら開いた扇子の上で、鳳凰と龍とがにらみ合いました。



3.外人

2人が小道具に椅子2脚を使い、踏み台がわりや障害物がわりに。離す、近づける、向き合わせると、舞台を広く使うごくシンプルなダンスです。
 2人色違いのセパレート、単色でスパンコールぶら下げて、大きな動きにウェーブするような動きを交えてセクシーに。曲の持ち味からくるコミカルな感じも拾います。
 互いに胸をまさぐる振りをしてトップレスに、移動台と、盆とに分かれて、ベッドを演じて入れ替わります。
 スリムで黒髪の一人目は、盆を低く這い、横たえた体を絞るように、あるいは伸ばすように動き回ります。なめらかに関節を操り柔軟性を発揮して、ストレッチを見せられるような印象に。
 明るい髪を波打たせたもうひとりは、甘えた声で歌う情緒的な日本語の曲に対し、口ずさみながらヴィヴィッドに反応します。身振大きく、ときに激しく、立ち上がりに向けてドラマティックな演出を自らこなして、剛直に仕立てます。



4.成瀬美穂

 花笠、白足袋、カラフルな色使いの紅型の琉球衣装で、掌を返してこねてと、優雅な舞。男衆4人は、打掛、脚絆でエイサーでしょうか、手踊りに大仰な身振りでユーモラス。オクターブ抜けるような歌声は、底抜けに明るく陽気。エキゾチックなムードに包んで、なごませます。
 粘りのある独特なリズムでしたが、1曲目中間部でスッと抜いて、どうやら海の底に変わったのでしょうか、おさかなのようにゆらゆら気ままに流されます。
 ストイックなドラミングで花道を往き、癒し系の流麗なメロディで魂吸われるように盆に横たわります。
 背景の幕を開けミラーボール回して、ドラマティックなロック・バラードへ。遠雷、半音づつせり上げる三線、単調な波を模したベースラインに、しみじみと詞を重ねます。
 ‘寄せ来る波ほどあまたの悲しみに、かくも人は翻弄されるものか… せめて思いを届けておくれ…’
 凛々しい表情でポーズ、ダンス、またブリッジへ。立ち上がりで、このままとわに夕凪を、とフレーズをくちずさんだように見えました。
 髪に垂らす鉢巻が、てぃんさぐの紫にでいごの紅と、夏らしい色の取り合わせでした。



5.沙羅

 ジプシー・スタイルのフラメンコ。情熱たぎらせシャープに踏み込んで、しかも5人を連動させます。振りかぶって腕を上げのけぞって、裾から脚を覗かせて。
 バックダンサーに舞台をよぎらせて、半裸になったメインを花道へ送ります。軽妙で乾いたラテンの響きで、ポップな原曲の感じが薄まります。そのまま、ウェットなバラードに流れ込んで、盆の上。
 薄手の生地の黒いマントを背負って、寝そべりのけぞり、乱れるベッド。ポーズを流しながら、じわじわ興奮を煽っていく手順は、半ば様式化されながらも、半ば混沌としたままで、ときに意表を突かれます。
 立ち上がりから戻りは、それまでのしんみりした感じを払拭して、雄大に。目線を上向けて、上へ、上へと次第に伸び上がってゆく様子を、身振に頼って象徴的に演じます。



6.桜澤まみ

 浜辺を洗う波の音。
 国民的な歌謡曲を、みずみずしい感性で洗いあげ、ほの暗くアレンジして聞かせます。
 藤色の浴衣に梅紋のぼかし柄、簪からしだれ藤揺らして、髪に銀細工の蝶をとまらせます。2人並んで水べりに腰掛けて、華奢な素足を濡らして、一服の涼を求めます。ひんやりとした水の感触が、イメージを超えてリアルに伝わります。
うちわであおいで、さよならして、ひとり。星の瞬くような心地よいリズムに乗って、スキップするように花道抜けて、 下駄を揃えて腰巻ひとつで盆の中。
 起伏に富んだ表情浮かべ、肩のこらないお芝居をさらりと演じます。ひと夏の恋をテーマに、南部訛りのウェットなバラードを、日本語で。そして明るく希望に満ちた表情でうきうきと、爽やかな幕切れへ。開放的な気分で場内を満たします。



7.灘ジュン

 静動とりまぜて幻想的な群舞・ダンス部から、花道往きへ。メインにスポット浴びせてじっくり見せ、まるでノーカットでカメラを回し続けるような画でした。
 冒頭から、和傘開いて鉢巻巻いて、衣装も背景も燃えるような紅色に。めまぐるしく踊り手を入れ替えて、3→8→5→8と操って、ときに左右をクロスさせて、スリリングな位置取りの妙を見せました。
 ベッドは落ち着き払って沈んだ曲から入ります。面から表情消して瞳潤ませて、いったん落とした視線を徐々に上げ、客席をなめ回すように見据えて、その焦点を徐々に遠ざけてゆきます。
 姿勢を固めて内なる声に耳を傾けるうちに、生気溢れて、いつしかむせ返るような色気が立ちこめます。



8.フィナーレ

 夏にちなんでサンバ、生命力溢れて、音が波状に押し寄せます。
 バックダンサーも、外人も、わけへだてなくカーテンコールを浴びて、なごやかな情景で幕を閉じます。


[7886] 浅草6月頭・中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/06/16(Mon) 00:20



敬称略です。



1.月川ひとみ

 幕を閉めたままで下手からひとりせり出して、羽根で覆われたショールを肩に、振り切るように鋭くターン。身を翻して幕の内側へ。
 サッと開けば遊女風情が勢ぞろい、うなじも胸元も覗くくらいに着崩して、おしろいの香りをかがせるように、上目遣いでしどけなく、ワシを選べとすがります。
 着物を脱げば黒のランジェリー。レース、フリル、ガーターつけて網タイツ、わざと破いた穴から肌がなま白く浮かびあがります。
 喧騒をすり抜けて花道へ、陽気な歌に軽やかなステップで。背後で幕を閉めて、周囲は深い闇に閉ざされます。
 ほの暗いバラードから、ハスキーなボーカルへ。ムードを盛り上げて、肌を覆うのはもはや網タイツに黒のヒールのみ。
 細身の体を折れんばかりにしならせて、やすやすとポーズをキメてみせます。屈託なく明るい表情が印象に残ります。



2.外人

 水着の3人を並べてディスコのアレンジで、気ままに踊りあかしてその場の気分に流されるような感じが、かえってあの頃への郷愁を誘います。
 黒人男性のボーカルは野太く渋い声、にやけた顔が目に浮かびそう。マッチョでしつこくて、でもとぼけた感じが消えません。下向きながらクスリと笑って、真っ白なロシア娘が両腕をアップ&ダウン、アップ&ダウンのストローク。
エクソサイズに励むようで、気恥ずかしいなかにも快感が、うーんなんだかやみつきになりそうな。
 スパンと断ち切って2曲目からは、ベッドを一人づつ、3人で分け持ちます。あいた2人はブラを投げ捨てて、巧妙なポールダンス。ポールに巻きつき、よどみなく回転して、日本人離れした長い手脚が目立ちます。
 1人目はよく見かけるポーズを反復し、2人目は軟体動物のように身をくねらせます。ここまではクールにまとめ、3人目は韓国語のバラードで、思い入れたっぷりに歌い上げます。カーテンコールをもらう、心温まる情景に、しっとりした曲調が似合います。
 3人が立ち位置を決めたうえで、ポーズや振りは自発性にまかせます。互いに我関せずの顔つきでもアイコンタクトを通し、歯車が回りだしました。



3.空まこと

 静かなイントロ、内掛け羽織って背を向けて、白い生地にはホログラムのように7色の光が射して、まじり合います。
 活発にリズムが動き出すと、たちまちスイムスーツのような水色のエナメル風の衣装できびきびと、ダンサブルに。パンツがキュッとヒップを締めつけ、生地がぴったりと吸いついてくびれたウエストを強調します。
 バックダンスの4人も衣装を揃えて横一線に、波に乗り派手なアクションで躍動的に。
 花道では、早くも水色の衣装を脱いで、真っ赤な下着姿に。ヒートダウンするようにスローな曲にのって、長い脚でモデル歩きしてみせて、引き締まった体を見せつけます。
 ベッドでは、歌詞がイメージ広げるアコースティックな2曲目で、腰を落ち着け、肘から指先までをしなやかに操って、手振りと表情で暗示をかけました。しみじみと思い募らせるなか、静寂を破って体ごとを転がって。ストイックな立ち上がりからサッと引き上げます。



4.沙羅

 荒唐無稽な和洋折衷ダンスバトル。ニヒルな怪盗のテーマと、さっさ、さっさとサノサのあっけらかんとした音頭とが、仲違いするかと思わせていつの間にやらねんごろに。
 たたみかけるリズムとリズムとがぶつかって、輪唱するように耳になじみます。まったく異質なダンスがせめぎ合うなかで、どちらの流儀にも肩入れしないで絶妙なバランスを保ちます。
 2曲目、緩やかなフレンチポップスで弛緩させておいて、3曲目、ベッドの入りはフラメンコ・ギター風に、神経質そうにせわしく弦をかきむしります。
 そしてほっと息をつくようにあたたかい二重唱へ。ねっとり舌をからめあうように、一体感のあるハーモニー。階段を上る足音のように、ゆっくり、ゆっくりとリズムボックス。
 しどけなく崩れゆく姿、膝立ち、肩を預けるようにしてのけぞりから反り身へ。リラックスして音の合間を自在に泳ぎ、高い空を仰ぎ見ながら音のイメージを膨らませます。



5.葉山小姫

 いきなり袖から跳びこんでターン、とんぼを切って目の前を横切ってと、アクロバティックな展開からアラビヤン。乾いた太鼓を打ち鳴らすように音を転がして、流れるような動きで遠目にも目立つ派手な振り。
 第3、第4の妾の味見をしてみようかと、スルタンはにやにや笑いで仁王立ち。あれほど息の合ったポーズを見せた3人でしたが、ご主人様に見限られては一貫の終わり、ひとり路頭をさまよって、あぁ拾う神はないものか…
 エピソードを閉じてリセット、新しい物語をつむぎにベッドへと向かいます。
 ベッド前半は、黒人男性のコーラスによるハーモニー。さきほどの現実から引き剥がされて夢見がちな表情のまま、けだるく、胸を震わせ、腰を浮かせ、リラックスして和ませます。
 アコースティック・ギターが鋭く入って、再び緊張を高めます。曲のツボを押さえてポーズを散らし、名残惜しそうに花道を行きつ戻りつした後で、明るい表情で別れます。



6.長谷川凛

 熱いハートをクールな声で包んでロカビリー。ところが踊り手のペアときたら、競技ダンス(社交)の衣装で思い切り気張っているではありませんか。シリアスなはずの状況で、楽しげな曲に染まってうきうきと。
 踝まで届く長いスカートで、裾を跳ね上げるように大胆に。顔見合わせては目配せ交わす、とぼけた味わいのコメディエンヌ、ふたりの掛け合いがそこはかとなくおかしみを感じさせて、客席の気を逸らしません。肩を支えて男役が女役を抱えあげるリフトこそ、鮮やかにキマらないのはご愛嬌。
 白のガーター、タイツに着替えて、羽根のショールをまとって、ヒップを見せつけながら、盆に一歩を踏み出します。
 翳りのある深い声が響く、落ち着いたバラード。心持ち伏せ目がち、横顔に憂いを浮かべ、頬にかかる髪を気にして手で払います。自然な振舞いから切返してスワンへ、天から吊り下げられたようにきれいに力を抜きました。



7.松嶋れいな

 短いダンス2曲の間に、せせらぎの音。その場の気分も洗い流して、引きずらずに次の曲へと進みます。
 素足の6人が音もなく優雅にバレエの振付で。ゆるやかなターンの向きを揃えて、二の腕から指先までをやわらかくしならせて、スカートの裾の流れ方までコントロール。
 続く2曲目は喜ばしく、メインが花に惹かれるミツバチのように、5人の間をすり抜けながら軽く触れていきます。
 冒頭は最後列で始めて、ダンス終盤では最前列に押し出されるように位置を変えます。
 移動台に揺られて花道へ。ティアラに銀のスカート、ブラは外して手ブラに替えて、スカートの下の純白の下着は凝ったデザインです。
 エキゾチックな顔立ちを活かしておだやかな表情を崩しません。体のラインを優美に見せるおたなしいポーズを、間合いを選んで作ります。
 幕を下ろす間際に折り目正しく一礼、奥ゆかしい印象でまとめます。



フィナーレ

 朝日を浴びる睡蓮の花、10人がビーチタオルを掲げて、花芯を取り囲みます。一陣の風が海辺を駆け抜けて怒涛のリズム、磯を洗う波のように押し寄せてきます。
 のびのある高音に、ドスのきいただみ声が低音のベースライン、うねりながら入り乱れて歯切れよいステップを挑発します。
 ビーチタオルの下は、カラフルなビキニ、水玉、ストライプにエキゾチックな花柄に、あれもこれもと見とれるうちに、大詰めへ。
 疲れも不安も吹きとばして、底抜けに明るい顔でさよならします。




[7885] SNA5結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/05/31(Sat) 01:32



敬称略です。



1.小池まりえ

 艶な着物姿には、大仰なくらいの仕草がかえって似合います。江戸紫の地に明るい裏地をのぞかせ、きゅっと締めた黒い帯には波しぶき、岩を砕かんとして自らを砕く、潔さ。
 閉じた扇子は、キセルを扱う手振りで振って、閉じた和傘の中ほどを握り、立てて寝かして十字を切って、ついでに見栄を切る…
 勇壮で華麗な所作に婀娜な表情引っさげて、歯切れよいスカをかきわけかきわけ、花道を前後に動きます。
 殺伐としたペシミスティックなボーカルにとり巻かれて、黒い襦袢でベッドへ。激しい鼓動、押さえきれない衝動を抱えてギターが荒ぶるなか、突き放すようにポーズで盛り上げます。 
 ヒロイックな立ち上がりから、喝采浴びて本舞台に流れてなれたポーズ。役者のような存在感を見せつけて締めくくります。



2.れいか

 スパンコールをちりばめて、まんじゅしゃげのように赤いドレス、ふわりと浮かせたスカート。両手で抱えても揉みしだくように揺らします。ゆったりとしたストロークに、付け足すようにチャッチャと小刻みなステップをはさんで、どことなくチャールストンのように力みの抜けたダンスです。
 2曲目はほんのり桜色に染まる白っぽい衣装、心臓の鼓動を模したリズムが面白く、勢いを殺ぎながらそのリズムを崩さずになぞります。
 淡いクリーム色のベッド着は、裾をつまんで、正面から見て花弁のように広げます。
 着衣のままパンティを先に脱ぐ場面では、覚悟をきめて、きつめの表情でちょっと厳めしく。凛々しい面構えで、まなざしは刺すように遠くまで届かせます。
 ポーズを切る瞬間に、もの言いたげににっこり微笑んで、素に戻ったような笑顔を忘れがたく感じます。



3.友坂麗

 学園生活はパラダイスだね、と持ち上げておいて、このくびきからやっと卒業できるのか、と本音を吐く歌で締めくくります。
 過ぎてしまえばどちらも真実ですが、無我夢中の当事者を自叙伝的に扱えば、青臭い青春もので終わりそうでした。そこはひねって、セーラー服にチアガール、そして早変わりでバスケ部の選手まで、気軽なコスプレを盛り込むことで、息を抜ける作品に仕立てます。
 黒髪豊かな彼女は学級委員タイプのおませな娘、勉学にも真摯に向かい、性の悦びにも積極的。セーラー服の下のふくよかなふくらみ、白い木綿の生地の生温かい感触… フェチに描写して、照れくささは封印します。
 バスケのドリブルも、バトントワリングも、添え物にしてはお手並み鮮やかで、しごく単純な構成にイキイキとした表情を加えます。



4.浜野蘭

 白地に銀をあしらう男装の、きらびやかでいかにも、なステージ衣装。ハットを頭上に、腰振って、ジェームス・ブラウン並みに悪戯っぽくハッスル! 
 縄のれんのように紐を下げた水色の衣装では、一変してグッとしとやかに。つぶらな瞳に細おもてで、サッと振り乱した栗色の髪が軽く頬を撫で、CMのワンシーンのようで見とれます。
 見られる意識が研ぎ澄まされて、やがて快感に変わるのでしょうか。クールな表情を崩さず場内を支配して、白いブーツからパンティを抜くときは朴訥でナチュラルに。
 つきぬけたプログレ風の音に応えてけだるくポーズ。感情を消して、どこかあきらめを浮かべた表情で、さりげなく力みなく構えます。細身の体をしならせて、ブリッジで肩を一段と沈めます。



5.香月藍

 レオタード姿のキャッツ・アイの軽快なダンスも悪くはありませんが、それさえかすむくらい、翼を背負った天使で登場して、ダンスの後に裸で横たわった姿勢で再登場する構成は、実に魅力的です。
 1曲目で心揺るがせて、3曲目でいとおしそうに会いに行かなくちゃとしゃくりあげ、終曲は低いピアノのキーから始め、揺り籠を揺らすようにゆったりと語り始めます。徐々に盛り上げてファルセットまで駆け上がり、感情豊かな熱唱へ。手振りと表情とでせつなさを訴え、胸打つ立ち上がりまで一途さを全面に。丸木橋を渡るように、後ずさりできない一本道の作品ですが、ひるむことなく進みます。
 ポーズの後に静止時間を長く取れば、一語一語を噛みしめて自分に言い聞かせるよう。
 立ち上がり後に逡巡し、振り返りざま一挙に花道を引き下がるとき、背中を押すようにアコースティック・ギターがテーマとなるフレーズをつま弾きます。



6.矢崎茜

 五月雨うつような琴の音を、バイオリンが奏でる弱音の透明な響きで包んで、静寂の深さを際立たせます。落ち着いた雰囲気の中で、静けさを破ってさざなみを立てるように、性格の異なる短い曲をエピソードのような感じではさみます。
 中国風宮廷舞曲、中近東風ベリーダンス。堰を切って止めてを繰り返し、余韻を残す終わり方が、俳諧連歌の世界を思わせます。
 そういえば一曲目から、すっと立ち姿でしなやかに腕を伸ばして鶴首をこさえ、親指・ひとさし指でつまむようにして鶴の嘴をかたどりましたっけ。
 つくりものの翼を煽ぎ、優雅におおらかに翻して、しまいには鮮明な鶯色のベールに身を包みます。胸をそらし肩をそびやかした姿勢をとれば、ベールを透かして裸体の起伏が、しなやかななかにも堂々として見えました。




[7884] SNA5頭 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/05/16(Fri) 01:52


敬称略です。


1.桜澤まみ

 日曜の昼下がり、ひとけの途絶えた裏通り、地下の暗がりになれた頃、目に飛び込んできたのは、ルーク、レイヤ姫、ダース・ヴェイダー。
 ハリウッド製のスペース・ファンタジーが日の目を見た30年前、コックピットからデススターを狙い撃ちまくる戦闘シーンで、あの興奮は今も忘れられません。重厚なオーケストラの響き、レーザー光で輝くライト・セーバー、虚構を貫き通すのに十分な材料… 
 この人の手にかかると、衣装の1枚目を脱ぎにかかる瞬間まで、ストリップを見ていることを忘れてしまいます。シネマへの関心から一挙に別世界に引き込まれ…
 フル・オーケストラによる威勢のよいテーマがジャズにアレンジされて、なまめかしいストリップの世界に呼びさまされると、軽いフィーリングのまま気だるくベッド。
 自慰から交尾へと展開して、まぶしい肌を見せつけます。



2.森下陽子

 暗闇から後姿が浮かんで、お下げ髪に短めのスカートです。登場を紹介するアナウンスが響き、パッと照明が灯ると、ボリュームあふれるヒップが右に左にと揺れています。
 ヒット曲のメドレーがかかって陽気にのりまくり、さまざまなリズム・パターンがいっぺんに押し寄せてくるのを、変幻自在なステップでいなします。
 甘みな女性の歌声の2曲目には、フットワーク軽く、いい意味で肩の力の抜け切った、堅苦しさのないダンスで応じます。
 舞台中央で、Tバックを脱ぎ去って、丸いふくらみが剥き出しに。裾の長いベッド着を羽織って盆へ。黒い背景を宇宙の闇に見立てて、夜空に輝く星座になりきります。
 ゆるやかに体をそらせれば射手座に。前後に脚を裂いて白鳥座に。大柄で見栄えのする体を、無理なくしならせます。
 屈託なく人懐っこい笑みは最後まで色褪せません。



3.姫野さくら

 肩まで伸びた髪の先が、揺れて浴衣の襟をかすめます。寝そべれば胸元が押しつけられたせいで、胸元がちょっと開き加減。お酌する手元が誘うようで色っぽいねと、往年の和製フォーク・ソングに合わせます。
 すっと上手に佇めば、そこは部屋の片隅に思えてきて、つましい和風モードへ入ります。ふたつに裂くように腰紐を抜いて、素肌をあらわに。淡い桜色の襦袢に袖を通し、独り物思いにふけるベッドです。
 傷口を癒すように、右手を左胸元にあずけて、右に小首を傾げ、しばしじっとしたまま、目で殺す。紹介しなかった冒頭1曲目で何度も繰り返したポーズですが、今はさみしげに乳房のあたりをまさぐるよう。
 心の動きを見透かすような演技に、ぎくりとしつつ、見とれます。



4.かんな

 ノリのいいブラジル音楽で始めて、ラテンのパーカッションで締めくくります。
 ところが、その2曲にはさまれた中間は対照的。ヒップ・ホップ風な、糸を引くように粘っこいリズムにのって、黒いブーツ、黒い羽毛のモールに埋もれ、デニムのショート・パンツがはちきれそうに膨らんでいます。四股を踏むようにリンボー・ダンスの格好で、やわらかく膝を曲げ腰を沈め、バストを震わせながら猥雑に。
 ぴったりとボディに吸い付くような豹柄のベッド着に着替えて、椅子にまたがり盆の上に。ミュートにしたトランペットが暗い雰囲気を支配して、エコーに震えるギターがもやもやとエロチックな気分をかきたてます。
 そこで唐突に終曲のラテン音楽へ切り替わります。違和感を抱くのと紙一重、微妙なタイミングを狙って鮮やかな攻守交替劇。ホーンにパーカッションにピアノの早弾きで、一気に頂点に上り詰めるようにはじけます。
 椅子に上る、もたれる、脚を掛けてポーズを連ねる。熱狂の渦に巻き込みます。



5.さいとう真央

 アンデルセン童話の悲恋。深海の王国から地上の俗界の人間に、懸想してしまった皇女が泡となって消えるまでの物語です。
 サファイヤ・ブルーのドレスで寝そべって、ミュージカル風の説明的な歌詞が、場面の理解を促します。
 好奇心に満ちた若い娘の胸に、恋心が芽生えます。高揚する気持ちをしなやかで奔放なダンスに表します。スリムな体にアクア・ブルーの薄手の衣装がやわらかくまとわりつきます。踏み込むたびに大きく波のように翻って、まるで水の精を見るような。
 湘南の吟遊詩人が、うきたつ心をくすぐるようなラブソングを捧げます。渚で戯れる二人っきりの姿をありありと思い浮かべます。
 グランド・ピアノ独奏の重厚な響きで、シリアスな展開へ。
やっと手にいれた2本の脚をフルに駆使して、Lにしゃちほこにと、搾り出すようにポーズを切ります。渚を洗う水しぶきの音を聞かせて、昇華するように全てを洗い流して終わります。




6.灘ジュン

 生命力あふれる野獣の舞です。
 罠にかかった豹は網に絡めとられて、身悶えしながらもがきます。キャスター付の縦長の直方体の檻に閉ざされて、鉄棒替わりのネットに爪を立て、牙を剥いてみせます。飼い馴らされない野性そのものの、獰猛さを強調してみせて、苛立ちを隠しません。
 サファリ姿のハンターに扮して、切れ切れにボディアクションで踊ってみせて、暗転後の再登場では、黒豹姿で囚われの身。
 見つめると吸い寄せられるような黒い瞳で、赤いルージュがなまめかしくて、媚を含んだ笑みがコケティッシュ。つややかな毛並みを思わせる全身タイツで体を覆い、首から胸、下腹部にかけては、黒々とタイツの継ぎ目が走ります。股間から尾てい骨を経て、長いシッポへと続く黒いライン。もっとも、肝心なところまでは、覆っていませんが。
 少々強引ですが、ネットに脚を掛けるようにして、折の中でしなやかにポーズ。
 放心した表情、濡れた瞳でじっと見つめられたら、心穏やかではいられません。







[7883] 浅草4月頭・中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/04/22(Tue) 01:07


敬称略です。



1.藤咲茉莉花

 春は桜。ほの暗い場内に、夜桜をいつくしむように見上げる着物姿が、ぼんやりと浮かびます。雅な序奏でゆったり始め、テンポを早めラップ調の早口で。総勢7人は、梅紋、松、鶴とめでたい絵柄を見せつけて、スリリングに前後左右に交錯します。手折った桜の枝ぶりに、負けじと着飾ったおんなぶり、美しさを競います。
 メインは、紅白まじりの襦袢をまとい、ベッドはじわりと色気をにじませます。瞳うるませて横たわり、流した脚をつがえた弓矢のように引きしぼり、その先を宙に向けます。桜色のあかりが肌を染め、花道のはるか上からの照明が、ビームとなって7色の光を盆に届けます。
 花道戻りは静かな曲で、女性の澄んだ声がしみわたります。背後に広がる舞台の闇に、ラベンダー色の淡い光が溶け出すように注がれます。やわらかく包み込むさまは春霞を思わせて、幻想的な光景です。
 ハミングから、一瞬の静寂をついてポーズ。壮麗な音が続いた後は、心地よい余韻に浸ります。



2.雨宮伊織

 楽しげな中国風の旋律を、変奏曲形式で流します。チャイナ服を隠すほど大きな羽根扇。背にしょい、胸にあて、小刻みに震わせて、羽毛をイキモノのように動かします。その場足踏み、90度づつの横旋回。
 メインのチャイナ服は白地に牡丹が花盛り、黄色の羽根扇を2枚持ち、バランスよく大胆に振るいます。バックの4人は薄桃色と淡い空色と、おとなしい色合いでメインの引き立て役に回ります。陽光が燦燦と降り注ぐような明るい光の下で、桃源郷に遊ぶ気分。
 メインは花道から盆へ。青を基調にしたすがすがしい色合いのベッド着を来たまま、盆に開脚した脚を差し渡し、身振り豊かに語りかけます。軽やかなピアノが高いパート、響きのよいベースが低音域、その間に挟まれて若々しい女性の声でせつせつと、遠く離れた身で思いを込める女心を歌います。うつろう表情に見とれて、次第にこちらも引き込まれます。
 次第にたかぶりゆく気持ちを醒ますように、静かで透明感あふれる曲でしっとりと仕上げます。



3.水月涼

 カナリヤ・イエローのドレスをまとった5人で息の合ったダンス。5人を散らしたり、片寄せたり、かと思えば横一線で順に動きを写したり。白いサテンの手袋をひらり優雅に返します。
 ボサノバ風のピアノにシンバルやコンガがかぶって、威勢良く管楽器がしゃしゃりでて、音楽が白熱する頃に、鮮やかなステップでソロパート。プロのダンサーが左右から寄り添ってサポートします。
 ベッドは弾き語りのバラードで。静かな語り口で始めて徐々に熱してきて、激しい鍵盤のタッチと呼応するように情熱こめて歌い上げるなか、表情豊かに演技して流れに乗りました。白いレースの下着の上から、ガーターがタイツを引っ張ります。ゆるやかにLで上げた足を指先でまさぐる仕草は、タイツの網目を数えるよう。
 終曲はつややかなバイオリンが切り込む、活気あふれるブラジル音楽。ポーズを整理してシンプルにまとめ、幕間に消えるまで、スカッとさせてくれます。



4.成瀬美穂

 へさきを叩く波の音、ダイナミックなリズムを刻みます。勇壮な歌に合わせて野郎ども総勢10名で、背筋伸ばして脚踏ん張って、四股踏んで。地響きのような和太鼓に、鼓も、横笛も、三味線も加わって、盛り上がりは祭囃子のようににぎやかに。
 せい、はぁつ、と掛け声勇ましく、手にした拍子木をしゃらしゃらと打ち鳴らします。
 1曲目から、こうもドラマティックですと、短い持ち時間のなか、続く曲は対照的で雰囲気の入れ替えがめまぐるしく、演技も自ずとメリハリがついてきます。
 花道のぼりから盆へ、そして立ち上がり前までを、激情的に身振り激しく耽溺的に。スカイブルーの襦袢のようなベッド着で、袖にコバルトブルーのアクセント、銀箔をちりばめた模様がきれいに浮き上がり、冴えた青の色の深みを引き立てます。
 立ち上がりからは、からりと晴れ渡った空のようなウエスト・コースト風のサウンドで。すすり泣くスライド・ギターに、耳に懐かしいキーボード、タイトなドラムにタンバリンも彩りを添えて、スローなバラードをラフに仕立てます。強引といえるほど、さっきまでの曲の流れを洗い流すように颯爽と。キラキラ輝くミラーボールの光を浴びて、思い切り機嫌よく花道を後にします。



5.外人

 舞台は深い闇に閉ざされ、キャンドルひとつ、床に置きます。
 光を守る精、これを阻もうとする魔物、光陰の、あるいは生死の対決を、秘儀めいた無言劇で演じます。
 凶器のようにみだらな肉体を黒いマントで包み、魔物2匹は光の精霊を蹂躙しますが、それも大詰めでは逆襲されて成敗されてしまいます。
 そして3人が交互に盆を占め、ベッド。精霊が流麗に動き回って盆を力で支配すれば、魔物2匹もこれに続き、闇の力を見せつけます。しなだれるようなブリッジ、腰を高く据えたまま脚上げのポーズ。
 終曲ではにわかに明るさを取り戻し、演劇ではおきまりの大団円。
 花道戻りはピンスポットではなく、天井の左右のサイドから直接に射した光が余裕をもって届き、なめらかな肌を黄金色のシャワーで包みます。
 朗々とした歌に合わせて、のびのびとポーズ、しなやかで繊細な動きが目をひきます。



6.大友輝  竹内順子

 ダブルの景は、露出さかんなレズものです。半透明のマントをむしり合ってビキニスタイルで1曲目を終え、互いの手を借りて全裸になってから腰みの替わりに布を巻いて、盆と花道とに分かれてスタンバイ。
 アップテンポな1曲目に急かされてどたばたとコミカルに演じ、アラビヤ風のゆったりとした旋律に合わせ、うねうねとボディをくねらせてユーモラスに。サーチライトのような光の軌跡が、もっと、もっとと、けしかけます。
 ベッドの所作は、2人が競ってそれぞれ思い思いに目を惹こうと工夫を凝らします。花道の広い幅を目いっぱい使い、身悶え、腰を浮かせて、足を蹴り上げて。アクの強いくらいでも、全体は程よく融和されてゆきます。
 せつない女性の歌声に、放電するようにギターが咆哮。音のうねりに合わせて、けだるく腰を揺らして、フェロモンを撒き散らします。



7.伊沢千夏

 細めに幕をあけ舞台を区切り、凝縮感のある空間を作ります。深紅の布で床を覆い、さざなみ寄せるように煽りながら、赤い衣装に赤い照明、強烈な印象を焼き付けます。
 オラトリオのように荘厳な混声合唱、ものものしく響く伴奏が押し寄せる波のよう。
薄手の赤いベッド着に替え、膝を揺らし裾を広げ、マヌカンのような立姿で盆まで運ばれます。
 力を抜いて横たわり、物憂げに視線を遠くにさまよわせるベッド。さびしげなボーカルが虚ろに響きます。自然と衣装をはだけさせながら、盆の中心から周縁へ、じりじりと体の位置をずらします。
 周縁は、頭上から射す光と、盆の周囲の闇とがせめぎあう境目となって、不安定な色あいを刻々と変化させてゆくところ。赤い衣装が薄い皮膜のように肌を覆い、その上を包むように紫色や白色の光が注ぎます。ほうずきの皮を、夕陽の色を、またあるときはルビーの深みを思わせる、さまざまな茜色のバリエーションで懐かしさを喚起します。
 気を入れるように、ミラーボールから銀色の光が射して、メインが立ち上がる姿を包みます。無表情から一変してやさしく微笑みかけながら、戻りの花道をゆっくりと引いてゆきます。






[7882] SNA2結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/03/01(Sat) 02:22


敬称略です。



1.綾秦クレハ

 メランコリックな旋律響かせる序奏。続いて、ぎらつくギターに激しいドラムが、怒涛のように押し寄せます。
 うわずるボーカルにギターのフレーズがからむと、その息の長さにぴったりと合わせるように、手にしたスティックの先で長いリボンを新体操のように振り回します。
 美しい軌跡を描く、螺旋模様。
 舞台狭しと移動しながら、手首のスナップきかせてリボンを振り続けるのは、かなり過酷なこと。運動神経のよいところを見せて、バランスを崩さず、通します。
 ベッドのスワンは、赤い髪飾りを目指して手足の先が吸い寄せられて、手首に巻くリボンや、足首に巻くパンティが、赤いものどうしの絆を結びます。



2.若林ひかる

 のっけからニューオリンズを思わせる凝ったリズムに、かかとを浮かせてすべるようにスライドさせて、膝を柔らかく沈ませます。舞台をダンスフロアのように使い、軽やかに。
 社交ダンスほど優雅にとはまいりませんが、肩の力が抜け切れて、肘を浮かせて腕も邪魔にならず、スッと舞台に溶け込みます。
 2曲目はギクシャクして引っかかるような野卑なリズムで、グルーブ感を狙ったのでしょうか。あえて抑揚をつけずに流して、白いレース地のベッド着で盆へ。
 無理に表情をつくらずに、もの言いたげな目で訴えて、熱い視線を受けとめます。
 さりげない表情がうつろいゆくさまに、そそられます。



3.豊田せりか

 白いジャケット姿で入って、舞台を目一杯使う派手なダンス。
 楕円状ターンの重心を2軸に置いて、空間をからめとるようになめらかに。速い動きもせわしく見せません。
 ジャズでくだけて、スタンダード・ボーカルを熱唱して、アルトサックスを咆哮させたかと思えば、フォークソングのようにしっとりとしたバラードへ。選曲の妙味が効いています。
 V字バランスにのびやかなポーズ、抱擁するように両腕を広げてみせるジェスチャーもすんなりはまって、ナチュラルに。
 目の覚めるようなブルーの衣装で、すがすがしい演出を、あるがままに受け入れておおらかに演じます。



4.川村あいね

 アジアのどこかの宮廷風な衣装で手には鈴、スナップを効かせて振って心地よく響かせて、邪気を祓います。
 せっかく封印しておいたはずですが、御札がはがれて、鬼の面がこちらを睨みつけます。
いかずちとも地鳴りともとれる激しい音。厳しいリズムに反応して、腰低く土俗的な舞踊に酔いしれます。
 “好き、いとしい、会いたい…
 吐息まじりのつぶやきにまみれて、とろけそうなままベッドへ。
 愛の霊力で再び封印された鬼の面。白い襦袢姿で寄り添うように寝そべっったまま暗転へ。象徴的な気配を漂わせます。



5.成瀬美穂

 細身のスーツでぴしりとキメて、帽子を深くかぶって憂い顔。
 息もきらさずバリバリ踊った後、くわえ煙草に火をつけて、やってらんねぇぜ、と舞台を後にします。
 一人二役で淑女へ早替わり、マンボを情熱的にきびきびと。
 赤い羽根をショール替わりに首に巻きつけて、赤いベッド着で盆へ出れば、濃厚なお色気がたちこめます。
 冒頭のダイナミックな動きとはうって変わり、シルキーなタッチで繊細に、しなやかな肢体を揺らめかします。慣れたポーズを連ねると、なぜか、いつになく堂々と見えました。



6.水野美香

 ファンファーレ風に晴れがましく金管を鳴らすイントロへ。しなやかなコーラスが、勢いを得て走り出します。
 表情豊かな曲に気持ちをのせて、白の衣装を翻します。
 2曲目は、生真面目そうな素振りがユーモラスにとれる、マンハッタン・トランスファー風のスキャットコーラスのメドレーで。早送りをかけるように突然テンポをあげて早口になったりしますが、そこをうまくいなしてゆったり振ると、余裕しゃくしゃくで格好良く見えてきます。
 ベッド着は抜けるように明るいブルー、あっさり胸をはだけて、憩う姿でもって癒します。女性の澄んだボーカルが響くなか、余韻を残すように、印象に残るポーズを放ちます。




[7881] 浅草2月(頭・中) 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/02/21(Thu) 00:32

  浅草2月


敬称略です。



1.(当初)月川ひとみ (代)彩星舞

 姫君を取り囲んで寝起きを襲撃する迷彩色の四名。かたやデニムの姫君は、助っ人の加勢を得て返り討ち。
 急襲、逃走、おとりに罠… 
 ふたつの部族は、滅亡の淵に立たされるまで、醜い戦いをやめません。
 メインの方はここから分かれて、ひとり旅へ。
 不規則で引っかかりのあるリズムにぎくしゃくした振りで応えて、胸を反らし腰を振る。デニム・ジャケットもパンツも脱ぎ捨てて、その手に吸いよせらるようにLの脚を上げました。
 花道戻りには女性ロッカーの雄叫びに応えて、きびしいポーズ。粗削りな面を残しながらも、精一杯がんばる姿がすがすがしく感じられます。



2.蒼井夏恋

 フリフリのスカートを纏って、お転婆3人娘がおおはしゃぎ。肩寄せ合ったまま、右に左にとはげしく振られ、せわしそう。ノリのいいリズムに任せて、ツイストにターン、フットワークは抜群です。
 ひとりひとり順にスポット浴びて、得意のステップをひとくさり。各人の個性が出ていて好対照で、いかにも楽しそうな気分が溢れます。
 ベッドは清楚に白いワンピースのよう。ファッションショーのようにすらりとした脚を見せつけて、花道を歩きます。姿勢よくモデル立ちで、手をかざして目線を伏せたところで、盆が回り始めます。
 アンニュイな甘えるような歌いぶりに身を任せて、伸びをして背を丸めて、無邪気なネコのように振舞います。ビロードの長いシッポの代わりに、細身な脚を立てました。親近感を感じさせ、舞台との距離が一挙に縮まります。身を横たえて長い脚を流して、ウエストから足先までなだらかなラインを堪能させました。
 すました顔で微笑む口元に、つい惹かれます。



3.(当初)清水愛+彩星舞 (代)清水愛

 二兎追うものは… …あぶ蜂取らず、とはよく言われます。
 そうは言ってもそのまま帰すには惜しい美女ふたり、この手におさめようと伊達男の血が騒ぎます。
 痴れ者の恋の騒動をスクリーンに映し出した、懐かしいシネマを題材に、ミュージカル風にも宝塚風にも見せる凝った演出。颯爽とコミカルに演じる男役は出色のできばえです。
 メインは誘惑されるご婦人役で、青のドレスを清楚な白へ替え、夢見がちな表情で盆にたどりつきます。
 調和した音の響きが耳に心地よい、きれいな曲に気持ちよさそうにのりました。掌を上向け宙をかき回すように大きな腕のストローク。抑揚、緩急をつけた動きで、狭い盆を広く見せます。
 終曲は追い立てるように、威勢良く。蹴り上げたつま先が頭の高さを越え、客席をかき回しながら、小柄な体を躍動させて踊りまくります。エネルギッシュな演出は、元は二人景であった名残を残しています。



4.小野今日子

 アコースティックで研ぎ澄まされたギターの音が、生々しいフラメンコ。
 赤と黒とがぶつかり合う衣装で、5人が競い合うよう。おおげさなくらい振りかぶって、メリハリのあるダンス。
速弾き、曲弾き、多彩にアレンジと、一気呵成に変奏曲形式でまとめあげます。ソロ、ふたりの掛合い、4人揃えての群舞へと順次展開していきます。
 感情豊かにジプシーが歌い上げるなか、花道をたどるときは堂々と。
哀愁を帯びた歌声に包まれて、体にまわしたショールをするりと抜いて、くつろぐように手足を伸ばしました。
 終曲はせつなくさせるスタンダートな曲で。ギターの胴をリズミカルにこつこつ叩く音が、メランコリックな旋律に溶け込んで、エンディングが近づいたことを予感させます。ふっと浮き上がるようにして蹴りだした脚の先が、まっすぐ天を指しました。
 花道をたどる長い引き。落ち着き払った表情でした。



5.仙葉由季

 白地に赤の格子模様に縞模様、モダンな柄の着物で、扇子を手にします。扇子に結わえた鈴がカラコロと転がすような音を立てます。
 芽吹いたばかりの若葉色の衣装で、童女4人が順に登場します。赤い花、白い花、咲き揃う花の枝を捧げ持ち、はにかんだ笑みを交わします。
 しめやかな儀式の始まりを思わせて、童女らは鈴を振り振り練り歩き、帰り道をふくらましながら名残惜しそうに去りました。
 いつしか幻想的で、この世のものとは思われない雰囲気が立ちこめます。時間の流れを押し戻すように音楽はとうとうと流れ、盆に足がかかる頃には、民謡風に語尾を引っ張る歌いぶりで、女性の声が朗々と流れます。
 ♪里のしずぅけ〜さぁ〜よぉ〜 
 ため息をつき途切れがちになるその声を、尺八がわびしげに追いかけます。
 肌をサッと桃色に染めて、背後の闇がいっそう深まります。お腰に襦袢、よく通る視線を武器に、動きの少ないおとなしめのベッドを演じます。膝をついてうつむき加減、地べたを眺めていた視線を上げて、徐々に上目遣いに。
 終曲はシンセサイザーで、精緻を極めた音のタペストリー。ゆったりとした曲想で、明るく突き抜ける印象を残して天上的。
 余分な動きをやめてひたすら静かに、肌脱ぎの姿で昇天してゆくように、まぶしい背景のなかに溶けていきます。



6.京本かえで

 バックダンサーたちは品のいいベージュに金糸の刺繍。メインは色違いの青。白い手袋が上品な、ちょっと古めかしいファッション・モードで、おっとり踊ってみせます。
 ダンスの途中でメインひとりがスッと抜けて、朱のドレスで戻ってきます。胸をそらして、腰を揺らして、ベティ・ブーブにも負けません。
 前あきのファスナーが引っかかるのか、はたまたバストが引っかかるのか、ようやく脱いで、ピンクのパラソルを手にして花道を上ります。
 曲は賑やかにロカビリー、ロコモーティブの汽笛やシリンダーのうなりを模倣した演奏で、音のお遊びがその後の曲にも増幅しながら引き継がれます。
 アンニュイな表情、濡れた瞳、下着を弄んで、男の視線を手玉にとってみせました。仰向いた姿でうつろな目をしてじっと見られると、一瞬ドキッとさせられます。
 四つ這いからおそるおそる離した片手片脚を、宙に浮かせてバランス整えれば、見事にポーズがきまります。



7.加瀬あゆむ

 ブーツに、タイトな黒のエナメル・ボンデージ、メタリックなチェーン、エグいメイキャップ。ヘビメタ・サウンドで煽ります。
 メインを赤で目立たせ7人を左右対称に、アクの強い振付ですが全体を揃えることも必要です。広げた両腕を引きおろして鳥が羽ばたくように、ヒンズースクワットのように膝を曲げ、爬虫類の動きに似せて威圧するように踊ります。
 盆に向かうとき、スカーフのように薄手の生地であつらえた大きなマントを羽織って、下着は黒。
 けだるく退廃的なロック・バラードにもまれるようにして、思いつめた表情で沈みます。終曲のボーカルがせつなさを増して、ギターがすすりあげ、ドラムが強く押し込んで、気分を高揚させてくれます。
 花道を引きながら、正面向いてのブリッジは大胆に。
 無愛想を装って熱唱するボーカルが耳になじんだころに、不思議と心を落ち着かせてくれることに気づきます。




[7880] 浅草1月全 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2008/01/31(Thu) 21:19

  浅草1月全


敬称略です。



1.沙羅

 帯をほどいて手繰れば、生き物のようにうねります。
 胸元をゆるめれば、うなじが覗いて、するりと肌があらわになります。
 三つ指ついて年始の口上、袴姿で暴れ太鼓の乱れ打ち、短いながらもスリリングな群舞の後は、和物には珍しいことですが、なよなよしたところのない闊達な振付に。
 ふるめかしさをかなぐり捨てるように、レース地のベッド着は目の覚めるようなアクアブルー、広い舞台を引き締めます。
 からだを横たえ低く構え、魚のように身をよじり尾ひれのように脚を伸ばします。振り向き加減の横顔を印象深く見せつけて、立ち上がりへ。
 ひとはけサッと掃いたように、爽やかな景にまとめます。



2.前半;南ももか  後半;青山香里奈

 今月は4人の職業ダンサーが群舞に加わり、要所要所を引き締めます。
 この景も3人の両脇をダンサー2人が固めて、ベースとなる振付に対し、躍動感や繊細さを添えて刺激してくれます。
 青いロングドレスの裾がくるぶしまで被い、その下からハイヒールの先っぽが、前後左右へスケートでもするように流れます。5人のスカートの裾が次々とゆらいで、渚を洗う波のよう。腕は自由に遊ばせず、踏み出すステップも隣どうしで揃えて、また優雅。
 メインは白くて透けたベッド着で、移動盆を取り払った長い花道を、折り目正しくじらすように歩みます。デビューしたての慎ましい振舞いが、かえって共感を誘います。
 おっとりした立ち上がりから終曲へ、走り出した音にせきたてられるように去りました。



3.前半;奥菜つばさ  後半;夏木りりか

 スパンコールかラメなのか、色鮮やかな身軽な衣装で、3人が自由きままに動き回ります。脚立、大きな四脚の台、下手にそそり立つポールと、道具立てを基点に3人が集まったり離れたり。
 毬でもつくようなゆったりしたリズムにのって、大胆に踏み込んでこちらに背を向けて、ヒップ! シェイク! ヒップ!
 照明は、夕暮れのように逆光にして押さえ気味で、やるせない気分に輪をかけます。
 けだるい女性ボーカルがからんで、どこか背徳的。花道をのぼる2曲目は、リズムボックスが無機質に響いて挑発的。
 ベッドは表情豊かに楷書で黒々と書くように。希望に満ちた未来を讃えるような終曲が流れると、背景の幕が開き、放水するように力強い光の帯で、闇を切り裂きます。しなやかに動いた後は花道戻りで立ちポーズを見せて、おおらかに、なごやかにまとめます。



4−1.水野美香

 銀ラメのミニスカにブラで、5人が横一列。スラリと長い股下に、自然と目が吸い寄せられます。
 小気味よく調子のよいカントリースタイルの演奏で、ロデオよろしく活きのいい荒れ馬を乗りこなします。勢いにまかせてユーモラスにあんなポーズ、こんな振り、はにかんで笑みをこぼします。
 花道から盆への入りで背を向けて、ヒップを突き出して魅惑します。横たわればからだをくねらせてせつなく悶え、終曲でやっとスカッと歯切れよくポーズを繰り出します。



4−2.松嶋れいな

 白い正装でまとめた紳士4人に取り囲まれて、ピンクのドレスをまとったお姫様。
 フルオーケストラの輝かしい音色が降り注いで、ミュージカルへの扉を開きます。
 翻弄するようにテンポを揺らすのはお約束、弦楽器が心地よい旋律を引き絞るようにして奏でます。おどけて、ハッとさせて、しまいには安堵させて予定調和へ、シャンパンを飲み干すような爽やかさ。
 姿勢を正して堂々と花道をたどります。モータウンの澄んだ歌声から、ねっとりとしたゴスペルの、翳りのあるボーカルへつなぎます。
 膝立ち、胸をはだけさせたところでを、いとおしげに熱唱するバラードが支えます。
 構えの大きなポーズをのびのびと、楔を打ち込むように放ちます。



5−1.小泉まな

 楚々とした和服姿、白い生地の表がちらちらと、パールのように七色に輝きます。
 雪をも溶かす情熱、ほだされて燃え上がる恋心、演歌のセリフにどっぷりつかります。
 趣向を変え、お三味がカラリと嘆き節、テンツク太鼓にベースがうなれば、小粋なフュージョンスタイルへ。いつもの和やかな笑みをここでこぼします。
 ベッドでは表情を引き締め、じっとりと見つめて、妖艶さに凄みが加わります。
 背景の幕を閉じ照明を絞り気味にして、障子の陰で繰り広げられる秘め事の、淫靡な世界を思わせます。スラリと伸ばした脚が印象的な、ポーズをキメてくれました。



5−2.平松ケイ

 清冽な演歌に、すっとした立ち姿も麗しく、ゴージャスな着物で日舞です。
 重そうな鬘に白塗りの顔、和傘をさして閉じて、露を払ってと、いかにも慣れた手つき。近くを見やって視線をさまよわせ、その目の先を追えば、小雪もちらついたような錯覚が。
 帯を引き抜くときはパッと手際よく、打ち水のような鮮やかに。襟元乱して物憂げに横たわれば、豪華ななかにも一抹の退廃の香り。
 整った目鼻立ちでクールに見下して、すまして突き放す感じで演じてみせます。アルトの声域で落ち着いた曲がかかり、気品をたたえたままサッと去りました。



6.前半;吉原ゆかり 後半;瀬能優

 口をすぼめた発音で女性が口ずさむこの歌は、あえぎにも似てコケティッシュ。
 3人が椅子を引いて登場し、尻を揺らし、スリットから脚を覗かせて。椅子の背もたれに腕を回して馬乗りに、なんだかみだらな感じがしたと思ったら、やはり誘っているのですね。クールな微笑を唇の端に浮かべて、思い切りモンローウォークへ、悪戯っぽいしぐさで男心を翻弄します。
 ベッド着ひとつで、バレエの足取りで、あるいはなまめかしいステップで、裾を乱したまま穏やかにベッド。雨に振り込まれる音を聞くと、盆に伏せて髪に顔をうずめます。
 きりきりと切り刻むようなハードロックが響いて、野性が目覚めましたか。しなやかな動きに大胆なポーズ、おふたりとも得意なパターンに次から次へと踏み込んで、戻りながら広い花道を征服します。



7.灘ジュン

 羽毛に包まれた白装束、白い髪。広大な敷布が舞台を覆いつくして、ゆらゆらうねり、雲海を越えて舞うのは天女か、鳳凰か、大空を飛翔するようなイメージです。
 6人のバックダンサーは風の精と化し、メインを取り囲んで、いとおしむようにまとわりつきます。
 一面白に塗りこめた舞台は、白地に青や黄のほのかな光を反射させて、ハレーションのように目をくらます光景です。
 しずしずと花道を進んで、手数を惜しむ簡潔な所作。表情を凍りつかせてミステリアス。
 指先で柔らかく揉むように空気をとらえて、懐に見えない糸を手繰るようにして、泳がせた視線をスッと戻すと、いきなり正気に返ったように目を見開きます。
 重々しく引きずる音楽に合わせて、静かな立ち上がり。潮がひくように一気に幕間へ。



8.フィナーレ

 やよいのそぉ〜らぁあわ♪
 みやびなはずの旋律が大胆にアレンジされて、歯切れのよい活発な群舞。
 あでやかな衣装、めまぐるしい動き、はればれとした表情を浮かべて、幕の向こうへ。


[7879] 飛びました 投稿者:権兵衛 [関東] 投稿日:2008/01/21(Mon) 14:16

ニュー大宝にコウバン予定の小山 ゆうさんが飛びましたァ


[7878] 浅草11結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/11/26(Mon) 23:40

  浅草11結


敬称略です。



1.沙羅

 口開けはミュージカル仕立てで華やかに。
 ダンディなスーツをピンクに染め抜いて、軽やかに駆け抜け、ノリのいい音に切れ込みます。ワット盛り上がるゴスペル調のフルコーラス、花道を7人がいっせいに押し寄せるところなど、迫力を感じさせます。
 ベッドは一転してシックな黒のランジェリー。
 横たえた体がねじれだし、パンティが股間を離れて膝の上、脛、踵へと、押しやられます。脚を泳がせ揺らめかし、甘みに歌い上げるような表現です。



2.恋詩なみだ

 サンタの衣装で3人景。裾を短く、胸元のVを深く切れ込ませ、アダルトな夢想をプレゼント。跳ね回るように踊れば、帽子の先に下がる房も揺れています。
 ベッドは、猫の魂が人間の肉体に宿り、馴れない肉体に、つい、猫らしい仕種で応じるというコンセプト。しなやかな身のこなし、おびえがちな表情で、なかなか打ち解けるそぶりを見せません。
 風にそよぐ花を見つけたのでしょうか、花びらの動きに反応してじゃれつきます。無心に遊ぶ所作が、いじましくて微笑ましくて、なごませて。不意打ちをかけてポーズを切ると、目を洗われるように感じられます。
 すぐにも口ずさみたくなる歌が、無邪気なこの情景を支えます。



3.白沢きらり、月川ひとみ

 舞台奥に平均台のように台を据え、仲睦まじく2匹、いえ、2人が跨って見つめ合うところから始めます。情熱的な乾いたラテンのリズムに合わせ、髪振り乱し、突き出した腰を揺らします。
 後半の2曲はリズムのはっきりした、ベッド用にしては動きのある曲です。衣装をめくりあげ、あけすけに見せつけて、手にしたきらびやかなモールをショールのように胸元に巻きつけてと、忙しそう。花道の両端で回転する二つの盆にそれぞれ陣取り、客席の視線を奪い合って、派手なポーズの応酬を仕掛けます。
 ベッドですから当然のごとく、しっとりと見せようとする白沢さん。抑えきれない熱情をストレートにぶつける月川さん。好対照なふたりです。



4.空まこと

 稚児を供に従えて和服着て、優雅な動きにスリリングなハードロックを差し挟みます。重たい着物を軸に据え、稚児をからくり人形のように左右に動かして、文楽の操り人形を見ているような、おっとりとした芝居を演じます。
 手際よく和服をかなぐり捨てて、赤い襦袢に頭上の赤い花、すっきりした姿で盆へ上がります。凍りついたようにひややかな表情で、精神一統、さざなみさえ立たぬ静かな心持ち。
 瞑目して伏せた姿勢に、メロディアスなバラードが待ち構えていたように、降り注ぎます。透き通る歌声に、澄み渡ったピアノの伴奏。選んだ曲の曲調と展開に、舞台の進行は深く依存しています。ストイックに盆から立ち上がり、ミラーボールの光に埋もれる頃に、ようやくLを放ちます。



5.外人

 沈んだ音が、物憂げに響きます。白衣がまぶしいナース4人は、すらっとした脚を白衣の裾より突き出します。
 張り出した腰、そらす胸、ぶるんと振ったら、お尻とお尻が鉢合わせてスパシーバ、もの言いたげに顔を見交わします。
 2組づつになって奥舞台と盆とに分かれると、奥舞台ではちょっと気のすすまなそうに、肩の力を抜いた感じでそのままポールにしがみつきます。
 奥舞台から距離を隔てた盆の上では、二人が睦まじく、いたわりあい尽くしあいます。静まり返った舞台に、スパンキングの音がぴしゃりっ。深みへ、さらに深みへとはまります。
 しおらしそうな表情を解いて、最後はマスゲーム風。移動盆で寄り添って乗り合わせ、裸体の花が咲き誇ります。



6.友坂麗

 3回続けてドアをノックするような特徴あるリズムを、勢いのあるダンスの中で活かし、巧みにこなします。タイトなリズムに、ヒールを床に押し込むくらいに強く踏み込んで、勢いに任せて踊りきれば、ふくらはぎ、ふとももと順に、ふるえが波のように伝わります。
 充実したバックダンサーに力を得て、鬱憤を晴らすかのように激しいダンスシーンを繰り広げます。
 2曲目のロックバラードは長めに使って、花道をたどる移動盆を目の前にして追いながら、舞台を広く動き回ります。
 盆にたどり着けば、腰を浮かせてアマチュアレスリング並みの激しいアクション。
 切り返して花道戻りでは、追い打ちをかけるようにダンサブル、エネルギッシュにこなします。



7.伊沢千夏

 赤い襦袢のような衣装に黒い帯がアクセント、その色は鮮やかな朱塗りの器を思わせます。鳴り物をけたたましく響かせ、エイサ、エイサァと勇ましや、かぶいてみせようか、江戸の粋。
 ひっきりなしに鉦や太鼓を叩くなか、7人が縦列で蛇行しながら練り歩きます。しごく単純な振付を、大真面目におおげさに、威圧するように演じます。
 嵐が去って、ぽつんと独り残されると、舞台が殺風景なほど広く感じられます。肩口見せて、歩幅を狭く、花道を2歩、3歩。
 横たわれば赤い襦袢の下で、白い肌が蠢きます。薄い肩、張りつめた臀部、折れそうに細くくびれた胴。まどろみから覚め、膝を割りストンと腰を落とし、仰向いて吐息をもらします。おりしも燦燦と照明が降りかかったところで、ふと思い出したような淡い笑みを、口元に浮かべます。


[7877] 東北八戸 投稿者:旅人 [関東] 投稿日:2007/11/19(Mon) 11:25

先日、東北八戸の劇場に行ってきました。最近は劇場も少なくなり寂しいですね。踊り子さんも生き残る為には大変な努力があるみたいですね。初めて、その劇場に入ってびっくり!?ここは、両国!?相撲とりのような人が!夢も希望もなくなりました。


[7876] 訂正 東寺10中 ⇒ 11中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/11/15(Thu) 03:25

失礼しました。訂正します。


[7875] 東寺10中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/11/15(Thu) 03:20



敬称略です。



1.豊田せりか

 スキップするように楽しげにリズムが跳ねる中を、肩の力抜いて口ずさむように小粋にステップ。慣れたご自分のだし物ですが、バックダンサーを揃えて3人で踊るとなかなか難しそう。ここは息のぴったり合ったところを見せました。
 ベッド着は明るい南国のみかん色。日の光を浴びてすくすく育ったように、しなやかに動きまわっておおらかに見せます。肩口から腹部にかけて、ティア・ドロップ型の小さな金属のアクセサリーが数珠のように並びます。肘から先、手首や指先はのびやか漂わせて、コントロールをよくきかせます。
 透明感あふれる終曲のラブソング。体をふわりと浮かべ、ポーズを連ね、最後をしっとりとまとめます。



2.夏木りりか

 厳かな序奏から、軽快な歯切れのよいリズムで離陸、一挙に舞い上がります。中華風の白い衣装で、袖からやわらかい生地の帯をたらし、引きずるように振ってたなびかせます。
 左右に踏み込み、スピンターンして、と、激しく動いて切り返す一瞬に、深い静止。めまぐるしい一連の動きにくさびを打ち込むと、コミカルな味わいがまた面白く、まるで動体視力を試されるような。
 ベッド着も白で清楚にまとめて、羽衣のように肩にかけたまま、低い姿勢から這いずるよう、頭をめぐらす、小首をかしげる、そしてためらいがちに目をそむける。
 あたたかい女性ボーカルに包まれて、癒し系のベッドから、喜悦に満ちた立ち上がりへ。
 花道を一気に駆け抜けて、するりと脱ぎ捨てたとたん、その姿はかき消されます。



3.長谷川凛

 赤いミニ、白のブーツ、磔にされたような姿勢から、伏せていた顔を上げて辺りを見回すと、スイッチ・オン、奇抜なロボットダンスを始めます。
 さらに露出度が高いバックダンサーを加えて3人景。なめらかな関節の動きは封印して、視線を空中の一点に定めて、右! 左! おいっち、にぃ…  歩行の体重移動も億劫で窮屈そう。
 バックダンサーもとぼけて、振付を揺らしてみせて、ユーモラスな掛合いを演じます。
 盆に忍び寄る姿は、真っ赤なボンデージ風、バストをさらしたあられもない姿。
 片膝をついて反身へ。深く肩を後方に沈めるとき、腰から、肩、首へと順に、関節を伸ばしながら、しなやかに曲げてみせました。



4.仙葉由紀・成瀬美穂

 和服を纏うふたり、袖を広げてはばたけば、黒揚羽に、紋白蝶。仲睦まじそうにつかず離れず、互いに惹かれあっているようです。
 流れていた雅びな旋律が、にわかに奔流のように勢いを増すと、帯を解いてするりと脱ぎ捨てて、襦袢1枚の姿に早替わり。
 きわどく接近した赤い襦袢と白い襦袢、互いに眼を見交わすと、一気に危険なムード。手繰り寄せ、ねっとりとからまりもつれる2本の糸になりました。
 そそりたつしゃちほこの脚が、劇場の左右の壁の、合わせ鏡の中に連なります。



5.仙葉由紀

 江戸小町、はつこひの淡い思いを、後姿で訴えます。
 青地の着物に白帯とめて、生地には白抜きで桜吹雪、裏地の緋色がよく映えます。
 憂い、煩悶、気分次第で明るい笑顔、優柔不断の表情に、若々しく初々しい情熱をはさみます。
 夏の恋歌にドゥ・ワップ・サウンドと続け、がらりと演歌に変えて、湿っぽい表情でひとくさり。盛り塩のように、盆の縁に仲良く並べた2本のバラの花、2本の間に身を投げた格好で、どろどろした情念の世界にまみれます。
 オルゴールにのせてソプラノで奏でるセレナーデ、しばし憩わせた後にドラマティックな熱唱へ。絢爛たるポーズでベッドで、舞台を絢爛と彩ります。渾身の力をこめて、叩きつけるような表現で、有無を言わせぬ説得力でねじ伏せます。



6.羽田夕夏

 おもちゃ箱をひっくり返したよう、ファンタジックなおとぎばなしを描きます。
 夢見がちな少女、空想と現実の交錯。偏愛されて命を吹き込まれ、動き始める玩具たち。くるみ割人形の一場面を思わせるような展開で、仮装にて全員の集合ダンス。着ぐるみ、かぶりものでも恥ずかしがらず、騒乱、興奮の渦、カオスから、まるで嵐の去るようにして、少女ひとりを残してみんな姿を消しました。
 テディ・ベアは、過酷な現実と、やわな傷つきやすい心との間の、緩衝材。いとおしむように語りかけて頬ずりして… テディ・ベアはしゃべってくれませんが、返す言葉を待たずに、繊細で多感なベッドへ。
 さびしげでひきこもりがちな世界観から、ゆたかな表情でかたくなな心を和らげて、開放的なポーズベッドへ。心洗われる舞台です。



 続くチームショーは、着想豊かな、にぎやかなもの。
 2人づつ3組のベッドショーを順に連ねた後、6人を一挙に並べて、ワイルドでエロティックなベッド、その迫力で圧倒します。
 大きく見えた東寺の盆の赤い絨緞を、なまめかしい肌で埋めつくしました。

 フィナーレダンスに、集合ポラと、趣向をこらし、屋台で賑わう縁日を見るような、お祭り気分にとっぷり浸ります。


[7874] SNA10結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/11/03(Sat) 02:46




敬称略です。



1.藤咲茉莉花

 うつむいて伏せた目元、ヴィヴィッドなルージュの唇、かんざしの花揺らし和服姿で盆から立ち上がる場面から始めます。
 和風の陰音階をふんだんに使った曲で、小気味よく演歌風にまとめた振付は、いかにも親しみやすいアプローチです。 和服は明るい中間色の取り合わせで、パッと華やかな印象を与えて、しおらしい仕草。かたい表情を崩さぬことが、かえって思わせぶりに映ります。
 緋色の襦袢のままくず折れて伏して、女の色香を解き放ちます。
 茫洋とした表情に、ちょっときつめに見据えるような目つきをしてみせて、真一文字に結んだ口元は、普段の癒し系ともまた違う雰囲気。気品をたたえています。
 襦袢の緋色に抜けるような肌の白さが映えて、おとなしめのポーズ、すがすがしいベッドにまとめます。



2.佐藤美砂

 半身を黒で覆い、もう半身を花柄で埋めた創作着物で、2曲たっぷり踊ります。黒のブーツでキメて颯爽と、ロック系のどぎついサウンドに身をゆだねます。
 羽織っていた着物を脱いで、さっぱりと明るい衣装で、次は軽快に。よろめくような不規則なステップを繰り出して、喜悦に満ちた表情で跳ね回ります。
 和傘開いて、チョンと宙に浮かせて、曲芸か。
 雨音がすると白のベッド着で、しおらしく優雅に。花道、盆へとたどる足取りを、丁寧に運びます。
 再び雨足が増して、魂が抜けたようにしどけなく寝そべります。乾いたギターの弦をかき鳴らすような音をバックにして爽快に、気取った雰囲気でラップ調の歌が流れます。爽快な歌に呼応して、弾けるようにポーズを繰り出します。



3.恋詩なみだ

 かわいらしい少女の姿で登場です。続いてお嬢様風に着飾って、長めのスカートの裾に付けたフープを蹴り上げて、元気よくおしゃまなダンス。ここまでをあっさりとまとめて、寝巻姿へ。
 女の子の自尊心を歌い上げる物憂げな声。無聊をかこって玩んでいたヌイグルミもすでに飽き、投げ出されたまま足元に。好奇心が自制心を上回って、そのまま抱きすくめられるように夢見心地のベッドです。
 作り笑いを消し去った表情をあどけなく見せて、甘酸っぱくせつない思いを伝えます。



 新作の合間には前作も披露。
 アンテナを頭上に伸ばして、少女の姿を借りた、異星人。
 しじまを破り、宇宙の惑星たちがひそひそ話を始め、真空の世界を震わせます。
 重力に見放されたかのように軽やかにステップ。スカイブルーのスカートに、こでまりのような花飾りが、ぱっと咲いて広がります。
 暗転後は、月桂樹に白い衣装を羽織って古代ギリシャ風。羊飼いたちのインスピレーションに力を得て、空を翔る古代の神々の形象でしょうか。
 ロマンチックに惑星のテーマが流れます。小柄な体を振り絞って、アポロン的なポーズ・ベッド。最後の曲は、人類のイマジネーションを鼓舞するようでした。



4.浜野蘭

 郭のうちの、現実離れした日常をこっそりと覗きます。
 重い帯結んで、長めの裾引いて、内股で足裏擦って歩けば、ハの字、ハの字の足の跡。狭い回廊を巡るように、花道をゆきつ戻りつ、ときおりT字に移動して、遊郭に縛られた狭い世界を暗示します。
 袖をきゅっとつまんで袂を引き寄せれば、仮名手模様の生地が、いやでも目に入ります。舞台中央に二つ折りの屏風を据えまして、この遊び女の作るしなを前にして、一幅の絵に仕立てます。
 一夜限りの夢じゃないですか、どうせなら溺れるまでのこと。襦袢をはだけたままにして、腰を深く落として、おろした髪を乱します。
 気を取り直し、襦袢を換えて盆に。薄いまぶたの裏でくりっとしたまなこをめぐらすと、無表情だった細面が俄然生気を帯びてきます。
 吸いつく視線を振り切るようにして、いつもの慣れたポーズへ。しなやかなからだに、瞳うるませて、ジャポネスクの夢に浸ります。



5.杏野るり

 オリエンタルな中東風の調べ、情熱的なラテンのリズム、豊かな音源にのってまるでサーフィンでもするように、思いのままにパフォーマンスを演じます。
 白い装束に白いベール、翻して颯爽と。きらびやかな金色の装身具が映えて、あでやかに、高潮感あふれてその勢いでベッドへと。
 熱い思いを捧げて、ダイナミックなポーズ。アクロバティックな体位も交え、ギリシャ彫刻のような見事なボディを晒します。
 太い線を貫くような明快な筋立てで、思わずその空気に呑まれるような説得力を感じます。



6.今野梨乃

 帽子にブーツ、おなかまで隠れないファーの上着、ダークな色あいでまとめます。いく分、気取った表情で、けだるい動きで誘い込むように危険な香りを漂わせます。表情を消せば心細そう、目を見開けばあどけなさそう、表情をうつろわせて多彩な印象を与えます。
 2曲目ではひとつひとつ脱ぎながら旋律を口ずさんで。オルゴールが奏でるようなか細いフレーズに、早鳴る心臓の音をうつしたような間歇的なリズムが被さります。ロンドのようにふたつの旋律が入れ代わり立ち代わり、その間で引き裂かれるようにして、休止、暗転へ。
 再び袖から現れたときは、白い清楚なベッド着で。ウェーブした裾を撫で上げるようにして臍のあたりを覗かせて、ためらいながら肌をさらします。やさしい曲に包まれてあきらめたように目を細め、吐息を漏らすように口を開けたとき、潔く脚をあげてみせました。


[7873] 川崎6頭 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/06/12(Tue) 01:02



敬称略です。



1.恋詩なみだ

 軽快なノリのロックから、重々しく呪縛をかけるような一風変わった歌ものへ。
 ほっぺたの周りでひらひら舞っていた掌は、2曲目では肘をからめて抱き込むような妖しい動き、「赤い糸を」手繰り寄せるように蠢きます。円を描いくように腰をグラインド、無邪気な瞳で訴えます。
 曲につられてふらりと盆の上に跪き、淡い桜色のベッド着の裾を掃くようにゆったりと揺らします。次第に振れ幅を大きくしていき、ぱっと翻してぺたりと座り込んだところで、下着に手をかけました。
 あおむけた顔、目のすぐ下でシルバーストーンがきらり、輝きます。ゆっくり動かす指先が、ふるえるように繊細に流れます。



2.聖京香

 とさかのように頭上に突き出した羽飾り、きもの風のガウンを羽織り、はにかむような笑みを浮かべて1曲目から優しげに。
 続く曲はメリハリをきかしたリズム、リラックスして体の動きを音にゆだね、黒いブーツがとまどうように床を踏みしめます。コルセット風に胸の前を締めつける紐が、交差しながら縦一直線に並びます。
 ベッドは、ブーツを履いたままで、シルバーグレイのコルセットにシックな黒の下着、網目が浮き上がる生地を使ってフェチなムードを漂わせます。曲の流れに身を任せきり、要所で体を浮き沈みさせながら巧みなポーズへ。歌に合わせ、狙いすまして四つ這から半身を宙に浮かせて、膝から脚にかけてを背中の方に反らしたまま流します。ルーズな動きに物憂げな表情で、挑発します。



3.空まこと

 まずは旧作の迷彩から。
 1曲目は、振付を崩した感じにして、挑発的にあけすけに。迷彩色を施した衣装で襲いかかります。
 続いて、レゲエのように風通しのよい音楽、色褪せた木綿製のスカーフをさりげなく纏ってたなびかせて。炎天下でゆらり地面も揺れて見えるような、おおらかなのんびりした気分に浸ります。
 ベッドはシリアスに運び、心が沈みかけたところで、せつなく物悲しい終曲の旋律でたたき起こされます。かしこまって規則正しくリズムを刻み、その間をフラフラと漂うようにクラリネットが奏でます。息を吐ききるまでうめくように歌うボーカルにのせて、奇抜なポーズを刺し貫くようにキメていきます。



 性格の異なる5曲を並べて、5幕ものの演劇のようでした。
 AMラジオから流れるように、ピアノのタッチがにじんだように歪みます。ピンクの生地が色鮮やかな上品な装いで、日よけ帽をかぶってマダムの姿。ぎこちない動きに、時折身震いが加わります。
 リズム・ボックスにのってようやく調子を取り戻したかと思えば、鋭い動きで身を翻して逃げ惑うよう、シニカル演じながら脱いでセパレート姿へ。
 単調に読経のように流れるラップ、あきらめ加減の世をすねた言葉が、ひたすら無為に流れます。盆の上で椅子を回す、その上で股を開いて脚を泳がせてと、きわどい景色で目を奪いますが、なぜか荒涼とした印象を与えます。
 終曲は、掌を返したようにパッと明るく爽やかに。バッハ風のピアノ伴奏にのせてすがすがしい歌声が吹き抜けてゆきます。包み込んで癒すパワー、心をとかす表情、穏やかにまとめます。



4.友坂麗

 いなせな着流しの若衆が、客席から見て逆光に照明を背負い、背を押されるようにして現れます。安っぽい芝居じみた演出はしませんが、口を真一文字、大股に踏み込んでぐいと肩をいからせて、にらみをきかせます。
 さっと着替えて、ぴったりと体に吸いつく衣装、スラリとした脚を見せつけて、氷の上を滑るようにサッと赤いヒールを運びます。左へ右へと寄せる動き、それに上半身と下半身のバランスを組み合わせて、こった動きを見せました。
 ベッド着は黒、2重3重に重なる生地が、ターンのたびにふわりと浮き上がってスパイラル状に広がります。ベッドの曲は心地よい音が終始、流れ、歌詞にも感情にも引きずられずに、思いのままに動き回ります。
 口元にほのかに笑みが浮かぶ頃には、すでに深い集中に。内部の声に耳を傾けて、思いの丈が噴き出す機をうかがいます。



5.広瀬あいみ

 拍子木が響き、ジャンが鳴り、ものものしく始まる音の饗宴。シンフォニックな力強い演奏をたっぷり聞かせます。
 衣装はオリエンタルな色あいが強く、雅な宮廷衣装は赤と青の生地を組み合わせていて、西欧の宗教画のように高貴に輝きます。手にした扇は30cm、自重で開閉させる立派なもので、手首のスナップをきかせてパッと開けば、風切る音が威勢よく響きます。
 羽根で飾った冠を置いて衣装を取ればアオザイ風、黒地に刺繍で花がぽっかりと咲き、枝ぶりを描くえび茶色の染料が絵柄を引き締めて、一幅の屏風のようでした。
 曲の方は、大河のようにとうとうと流れ、チャイコフスキーやリムスキー・コルサコフに似た馴染みやすい旋律が、モザイクのように埋め尽くします。
 舞台から花道まで使って、ブリッジ等アクションを交えて繰り出します。鋭い動きは馴れたもの。
 アオザイの下は、胸一面にビーズを通したチェーン風の装身具が、両のふくらみに蜘蛛の巣をかけたように覆います。肌になじませるように揺らしながら、泳ぐように自然なベッド。3連のポーズ、花道でブリッジの大きなアーチ、誇らしげに冠を抱えたところで幕となりました。



6.大空あすか

 一緒に指を鳴らしたくなるような派手でカッコいいジャジーな音楽、はっきりしたテンポに寄り添いながらも、リズム楽器が思い思いにリズムを揺らすので、ちょっと戸惑いを感じます。振りは、音から逃げたり追いかけたり、要所要所で追いついて、タメをきかした柔らかい動きで応酬します。一発録りのレコーディングのような、ライブの臨場感を味わってつい熱くなります。
 けだるい感じで、帽子を、ズボンを、ぽんぽんと脱いで、黒のシャツ姿で目をひきつけて、盆では白を基調とした可愛らしい下着姿、静止ポーズも安定していますが、体を伸ばす、反る、折る、ひとつひとつの所作を、のびのびときれいに見せます。流れるような動きのなかで、入念なストレッチをするようにして、体のすみずみまで見せつけます。



 もう1作では、メルヘンチックな世界の扉を開けました。
 アヒル村のアヒルさんたちは、おしゃれも娯楽もたしなみますが、ワルツのステップはおおらかでユーモラス。くわっ、くわっと鳴き声もかぶさって楽しげな様子を、速めのテンポでサラリと運びます。
 光沢のある淡いピンクのドレスは、アクセントに黒を使い、ヒップを大きくふくらませて懐古調に仕立てます。
 2曲目は黒白、縦のストライプ、振りを固めて左右に踏み込んで、ダイナミックに見せる活気あふれるもの。
 3曲目でベッド着に着替えます。大きく翻し裏地を見せて、アドバルーンのように膨らませます。やさしく語りかける口調の歌に沈んで、頭上にさし伸ばした片手の先で、宙をつかむように一本づつ指を折ってゆきます。
 ここから終曲へ。2曲目のダンスナンバーを、テンポをぐっと落としてバラードにアレンジ。抑えていた力を発散するようにポーズを展開。アクロバティックな要素も入れて盛り上げます。


[7872] ミカド5結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/06/01(Fri) 21:51


敬称略です。



1.久美子

 優雅に白のサテンの手袋、乳白色のロングドレスはくるぶしまで届きます。
 単調さを避けて、肩から腕を積極的に使い、体の芯から遠ざけるような動き。スピン気味のターンを連ねて、派手な動きをなめらかに見せようと工夫します。
 舞台に上げた客を頼りに、のけぞる、あえぐ、わななくベッド。淫靡な楽しみに火を点けます。



2.桜子

 鮮やかなエメラルド・グリーンでハワイアンの装束のよう、スカートが腰みののように、よれた糸が絡まりあうような感じです。黒い網タイで覆われた脚をすっと伸ばしてカリブの音楽に合わせ、腰を振り振り、しゃなりしゃなり。
 脱ぎ捨てた下はくすんだ紫色のセパレート。Tバッグの付け根で飾りの蝶が、羽根を開いて休めます。アメリカの場末のストリップを念頭において、髪を振り乱し、腰を落としながら膝を開き、挑発するように視線をかわします。
 白いベッド着に身を包み、愉楽にふけるひとときへ。尻を突き出す、指でまさぐる、中指の動きにさからって、余した小指がさまよいます。長い黒髪が雄雄しく背にたれて、反り返った背の肩口から、ワンポイントのタトゥーが覗きます。



3.ひなぎく

 ぴっちぴっち、ちゃっぷちゃっぷ、らん、らん、らん。
浮かれて傘を回すのもつかの間のこと、暴風雨来襲で身も心もびしょびしょに。お部屋に戻って体を温めて、へんなところまで火照ってきて……
 雨がやむまでの所在ないひとときを、小道具揃えて芝居仕立てで演じます。淫猥さやえげつなさとを感じさせずに、無邪気な振舞からつい出来心へと自然なつながりを演じるところは、かなりの力技。雨だれに戸を叩く枝の音がかぶさって、孤独な心にうつろに響きます。
 おや、やっと晴れ間がのぞいて、鳥のさえずり。何事もなかったかのようにさっぱりした表情で、うきうきとお出かけの身支度へ。フレンチ・ポップスもふんだんに取り入れて、しゃれたアンニュイなムードをいっそう引き立てます。



4.吉永るい

 クラシカルなワルツに、パールホワイトに輝くドレス、可愛い花を手にします。社交性を発揮して、あちこちに笑顔をふりまきご挨拶。
 デビュー2週目の初々しさからか、はたまた演技なのか、着衣でのおどおどした表情から、裸体で大胆にもだえるなまめかしい表情へと、かなりの落差を感じさせます。
 ボリュームたっぷりの体を軽く指先でなであげて、みずみずしい素肌の感触を妄想させ、一瞬電流が走るように脚をつっぱって懸命にポーズを支えます。
 舞台奥でV字に脚を開いたときに、舞台の外縁を囲む電飾がいっせいに点滅して加勢します。



5.七海亜央

 瀟洒な白い衣装を飾る紅薔薇が、初夏らしく生命力を感じさせるほど鮮やかに咲き誇ります。軽いアイドル・ポップスで爽やかにステップ、対角線を切るように腕を振り下ろして余裕の笑顔、見るものの心を浮き立たせます。
 心細い表情で神妙にベッド。四つ這いで、仰向けで、華奢な指が体のすみに分け入って慰めます。辺りを包む音楽とは違ったテンポで、ゆっくり、ゆっくりと、体内を流れる音に聞き入るように進みます。嵩じた気持ちが歪めた表情に表れて、痛がる泣き顔がやがて別物に。
 スキのない演技でカリカチュアに陥らず、DVDを眺めるのと同程度の密度を感じさせました。



6.夏木りりか

 客席にはみ出たデベソから一瞬、暗闇を裂いて光が走り、舞台縁のフットライトが真横に流れ、心憎い演出です。黒いスーツの背にスポット・ライトを浴び、帽子の下にニヒルな顔が覗かせて、鈍いドラムの響きが高まって心を躍らせます。
 男装を一皮めくれば、なまめかしい下着姿。ダンスは武骨なだけでは持たないので、あくまで気障っぽく、そしてスマートに。かたや、おんなの媚態は芯を貫いて、艶やかに、そしてしたたかに。支えるのは表情と視線ひとつ、形無しになるのを防ぎます。
 ドラムの打ち込みで激しく燃え上がるベッド入り、柔らかなアルトが包み込んで癒します。どっしりと安定感のある女性ボーカルが加わるころには、名残惜しさが頭をもたげます。


[7871] SNA3結〜4中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/05/06(Sun) 09:07


敬称略です。



  SNA3結



1.夏木りりか

 黒のジャケットにパンツ、お定まりの帽子、男装でキメてスリリングに踊ります。ボキボキした生硬な感じですが、こころなしか演出意図に似合います。
 足元のコントロールに気を使い、流麗な感じも出したいと、柔と剛のせめぎあいの中、微妙なバランスを保ちます。
 2曲目からは、先日の浅草公演をなぞります。
 轟音が鳴り響くなかを、動作ひとつひとつをスパッと切って、太極拳のように気合をこめて振りを繰り出します。ナイトで使ったこの緊張感あふれる振付が、おとなしめの舞台に変化を与えて救います。
 仕上げは、黒人女性のボーカルで。空間をねっとりと絡めとるようにして、ゆったりとポーズ。短い静止よりも、時間をかけてゆるやかな動きを狙っているようです。



2.希咲海実

 シックなドレス、髪には羽飾り、舞台中央に座った姿が背景の黒い幕の前で、白く輝いて浮かび上がります。その後、着替えたセパレートのスカート、そして菫色のベッド着ともエレガントな装いで、グラマラスな体を比較的おとなしく見せています。
 ダンスの動きはおおらかに、のびのびと手足を目一杯伸ばしきるようにして、膝の高さを上下動させず、スペースは舞台袖まで使い切るようなダイナミックな動きです。そのなかでも手首から指先にかけては、しなやかに曲げて包み込むようなしぐさで、たおやかな印象を与えます。
 はちきれそうな胸をベッド着に押し込んで、メランコリックなボーカルでベッドへ。澄んだ硬質なピアノの音が、水を打ったように静まった場内に響きます。深い瞳の奥から見上げるようにして、低い姿勢からすっと脚をあげるポーズを淡々と。
 流れにのせるように素直な動きを見せて、好感を持てました。


3.喜多嶋梨香

 星型をかたどったスティックで、念入りに振り回して、魔法のかかり具合はいかがでしょう。ひとしきりはしゃいだ後のベッド入りでは、優美な主題歌が流れます。
‘さくら咲く…’のひとことから、無尽蔵に広がる記憶とイメージとが立ち昇り、春の嵐と吹き荒れます。霧が漂うように淡いサクラ色の上品な光が、あたり一帯を包みます。脇からそれを支えるように照らすブルー。見ているだけで感情を乱しそうになる、鮮やかで幻想的な景色です。
 口数少なくても流暢に、表情豊かに手話で客席に語りかけます。
 逡巡も、迷いも、すべてが予定していたように始まって去ってゆく感傷劇、青春のひとこまです。振り向かないで立ちつくしたまま終わるエンディングへ。



4.香坂ゆかり

 美声を誇るスタンダード・ジャズボーカルが粋な節回しを聞かせ、幸せな気分に包みます。鍔の広がる帽子で白の上下、肩の力を抜いて振り子のように足を踏み出して、粋に見えました。
 続いて和製フォークのバラードで、深々と息を吸い込むように静かな舞へ。夢見るころを過ぎても見果てぬ夢をあきらめきれない、そんな夢見がちな心は雲の上を舞っています。軽やかなステップに柔らかい掌の使い方で、鳥たちの羽ばたきを巧妙に模倣します。
 リリカルなピアノに誘われて盆へ。素朴な歌いぶりながら、洗練されたセンスを持つポップスで、ベッドは心地よさそうに動き回ります。一瞬たりとも休まずにスムースな流れをつむぎだし、まるでサーフィンのように大きな波が来るのを待ち受けていて、すかさずキメのポーズを放ちます。爽やかな後味を残して去りました。



5.香月藍

 黒のメイドのコスチューム、胸を締め付ける白い紐の先がはらりと揺れて、白いタイツがそそります。一歩一歩、歩くごとに考え込んで躊躇するような、朴訥な振付です。多感な心が、移ろう表情の上をよぎります。
 続く2曲目は、タイム・カードを押して始まる慌ただしいキャリアウーマンの1日を音に写し取り、痛快に踊ってみせました。足の運びにバタつくところもありましたが、ゆさゆさと胸を揺すって右往左往、スカートの裾をつまんではしゃいで、楽天的なノリではじけます。
 カントリー・スタイルの伸びのある明るい歌声にのせ、表情を一変させてしとやかに盆へ。たった1曲の中で表情をコントロールして、せつなさ、逡巡、そしてこがれる想いを、体当たりで演じてみせます。
狭い自分を解き放つように、溌剌とポーズ。立ち上がって柔和に微笑んで、はだけた胸を両肘でギュッと寄せ、あふれる想いを示します。



6.大空あかね

 凍りついたような立ち木を象徴する姿から、百合の花咲く飾りをはずして、スキップしてジャンプして、はじけるダンスへ。横溢する生命力を楽しむように踊ります。単純な振付けを教えられるがままに無邪気になぞっただけですが、いかにも楽しそうな表情で、合間にこぼす笑みは作り笑いでなくチャーミング。
 神妙な顔をして出てきたベッドへの入りでは、かたい表情を崩さずに祈るような目をしています。黒い髪に薄化粧、人工光の淡い色に浮かび上がって何やら神秘的です。片膝立ちでの反り身では、ゆっくりと起動して腰を浮かせてぐぐっと突き出した姿が、バランスがとれていい感じです。膝に体重を乗せきって、微妙に反らした腰のあたりのラインが、見やすい位置に収まります。



  SNA4頭〜中



1−1.清水愛(〜15日)

 短い序奏の間は立姿、体を抱きかかえるような手つきで、繊細に指先を泳がせます。
 一転して銃弾を撃ち込むようなリズムにのって、全身を使って激しさを表します。黒い革ジャンに揃いのパンツ、伸び上がる動きに腰を沈める動き、ヒップをつき出してセクシーなラインを描いてみせました。
素早い動きをあえて使わずに、水中を歩くかのようにゆったりと振ってソフトに着地します。でもそれなりに力は振り絞って使うので、ベッド入りまで、しばし、乱れた息を整えます。
 アフリカーナのおだやかな曲には、目深に帽子をかぶって表情を閉ざして横たわり、曲に乗せて体をくねらせます。こねるようにして体をもみしだくと、徐々に腰が浮き上がり、やがてポーズへ。連続した動きの中に静止するポーズ配ってゆき、ソフトな印象にまとめてみせました。



1−2.木村彩(16日〜)

 衣装は胸元を大胆にカットした斬新なデザインのもの、淡いピンクの生地に小さな花を咲かせて、ダンスのなかで震わせます。甘い歌、優しげなメロディでうきうきと。
 2曲目は鮮やかなピンクの短すぎるスカートに着替えます。胸元には大輪の、八重の花びらを重ねて谷間を隠し、スカートの下からは白いフリルがちょっとはみでます。先ほどまでまとめていたストレート・ヘアがとかれて、宙になびきます。
 流麗なメロディ・ラインに支えられた甘みなボーカルでベッド。うっとりと気分のたかまりを待つように、着衣のままスワン。瞳の奥がとけだすように、表情は恍惚として、うつろに、またやるせなく、あたかも誘うよう。そのまま、見栄えのするポーズを連ねて、立ち上がりへ。花道をたどり、本舞台で正面からLを切り、胸のすくように終えました。



2−1.恋詩なみだ

 オールディーズが似合いそうな赤一色のブラウス、スカートに、切り抜いたように浮かぶ白い水玉模様。小気味よいドラムに威勢のいいベースライン、ストレートなロックで古きよき時代、50’Sを懐かしむようにカラリと明るいノリで始めます。
 音に引きずられないように、優雅に腰を揺らしてすべるように足を運びます。一途な恋はちょうど熟したところで、ぱちんとはじけます。たった1曲の間でやぶれた恋に、うなだれて立姿。
 2曲目は、キラキラとアラビヤ装束のよう、浮かせた腰を押し付けるようにぐるりと振ってみせ、インド舞踊かベリー・ダンスのように、妖しい指使いでエキゾチックに迫ります。
 ベッドはたどたどしさを残しますが、泣き笑いの表情を浮かべて、うぶっぽく肌をまさぐります。腰つきのLで2段階かけて伸び上がるように脚をあげてみせ、股関節は柔らかそうでした。



2−2.吉沢伊織

 極彩色の色使い、派手な衣装に賑々しい音、全身全霊をこめてたっぷり1曲、サンバを踊ります。地球の裏側からきた音楽のリズム、独特なアクセント。緩めたアクセルをもう一度踏み込んでふかすように、猛烈な音の盛り上がり。そうしたピークに何度も出会って、いつしか虜になりそうです。
 2曲目で白い清楚なセパレートへ。可愛らしい歌声に癖のあるリズムで溌剌と。
 3曲目は上手から時間をかけて花道へ。1枚1枚を丁寧に脱ぎながら、伸び伸びとしたポーズを交えて盆におさまります。
 視線をかわして客席を引き込んで、ここぞとばかり連続ポーズを放ちます。盆からはみ出さないようにコンパクトに後転、立ち上がり。かっこよく本舞台へと引いてゆきました。



3−1.雪見ほのか

 パジャマを脱ぎ捨てると、その下はルーズソックスのセーラー服姿、携帯電話が鳴って目がさめて、一目散に学校へ駆け出すのでしょうか。キュートな姿でコミカルな振りでまとめて、いかにも人の気を引きそうな出来栄えです。
 ベッドは、ピュアな片思いの胸のたけを明かすように、せつせつとバラードで。でも、それでも君を… ぬくもりを感じさせる優しい言葉を、あたたかい音で包みます。
 映画の回想シーンのようにコマ送りを止めて、心のメッセージを伝えるナレーションも効果的に入りました。伝わるものならば、何度でも言います、愛していると。
 耳慣れた旋律がもう一度巡ってきて、心の隙間を満たします。



3−2.酒井愛里

 赤い帽子に創作風の赤いダンス着、可愛らしさを強調して棒立ちで正面向き、床をすべってゆくような足取り。姿勢を正して帽子のつばに手を添えて、語りかけるように笑みをこぼします。
 R&Bやカリビアンを下敷きに、エッセンスを煮出した曲です。スリムな体をくねらせウェーブ、ベッドに入っても人なつっこい笑みで癒してくれました。薄いベッド着は花飾りで花盛り、蛍光色の黄やオレンジ色で裾をぐるりと縁取ってきれいです。
つぶやくような歌声が、やがてたかまって感極まるようにむせび声に変わります。口ずさみながら端正にポーズ。けなげにあげた手が天を指し、のけぞりながらなだらかな体のラインを見せつけます。



4−1.長谷川凛

 シックで大人びた創作衣装は、モダンともレトロとも見てとれる不思議なモードに仕上がりました。ふくらませた生地はゴールドとレモンイエローとをとりまぜて穏やかに、その下から透けて見える若草色がみずみずしく目をなごませます。
 この曲がヒットしてざっと30年ですか。ダンサブルでテンポを揺らさず、タメをきかせてスキのないつくりの曲ですね。華麗な衣装の裾をすみずみまで広げて見せるように、おおらかに手足を伸ばして悠然と踊ります。
 鮮やかなライトグリーンのベッド着に着替えたら、仮想のパートナーに身をゆだねるようにしてペアダンス、仲睦まじく踊る姿にチョッと妬けてきます。指の腹で撫でるような掌の動かし方が、誘いをかけるモーションにも見えます。
 1曲目の、耳になじみやすい旋律が、演奏する楽器を変えて再び登場します。ポーズ・ベッドに持ち込んで、得意のアクロバティックな姿勢を次々と繰り出します。



4−2.京本かえで

 舞台正面に折りたたみ椅子を置き、ぽつんと座ってすまし顔。どこかお人形さんのような、たたずまいです。ゆったりと流れる序奏から、ミュージカル映画のサントラを、さらにひねってアレンジした曲へ。
 グラマラスな体をストンと包む柔らかい生地が、胸のふくらみを強調しています。軽いエクソサイズのようにおとなしく振ってから、再び動きを止めて魂の抜けた人形の姿に戻って座ります。
 暗転、そのままベッド着に着替えて、同じ姿勢から3曲目へ。水色の下着に白いタイツ、パンティの紐を覗かせて誘うよう。まだ胸をさらさずに気をひきつけておいて、長い腕、たおやかな指先を見せて花開くようにポーズ。抱きかかえられるのを待ちかねたように、浅く腰を浮かせます。
 引いて舞台に戻って、開演時と同じ姿勢へ。胸の前で恥らうように手を組んで、そのまま冷たい人形へと戻ります。



5−1.小野今日子

 序奏から瞑想するような中華風、赤いチャイナ服は仕立てに手間暇をかけていて、ふと懐かしさを覚えるひなびた色合いです。スリットが割れるのを気にせずに、大股に舞台を闊歩します。
やがて鞘を払って抜身で剣舞、テンポをあげる中でダイナミックに踊りきります。正面見据えてスッと背を伸ばして、股関節を裂くように高々と脚を上げるところは、操り人形にも似て、不自然なくらい見事な動きです。
ベッド着は、ダンス着に比べて若干落ち着きを感じさせる、明るい朱です。舞台上手で丁寧に羽織って帯紐締めて、花びら1枚1枚ほころぶように、襟元、肩口、二の腕と順に、ゆっくりと覗かせてそそります。無防備に首をそらせて、脚をサッと上げ、宙にピンと屹立させました。くつろぐように和やかに、ベッドは穏やかにまとめます。



5−2.新庄愛

 3作を舞台に捧げて、散りました。



 軽やかな指さばき、優雅なピアノ曲に乗せて体を泳がせて、体をくまなく覆うたっぷりとした衣装を揺らします。
 盆から始めて幕の影に消えてゆき、幕を開けると、円筒形を吊り下げたような蚊帳のようなベールの中に、黒衣をまとって立っています。
 ここからはスピィーディーな展開を期待させながら、実際にはじりじりとじらすような重い展開になってゆきます。
 薄いベール1枚を通して、天井から照らす白色光に、立ち姿を神秘的に浮かべます。
 ぐらりと突き上げられるように体をゆすって、物憂げな表情をベールから覗かせます。さなぎを破るようにベールを捨てて、舞台に立ってからも、押さえ気味にした渋い振付で。
 ギターの弦を切りつけるように鋭く刺々しい響き、むき出しのフトモモの内側をぶるぶると震わせてこすり合わせ、ヒールの踵を床に叩きつけます。膝を沈ませ気味にしながら、力強く、原始的なエネルギーをこめた踊りに耽ります。
 明かりを消して、黒いベッド着で再び円筒の中、雷鳴とどろいてベールが裂けました。生まれたばかりのように無垢な表現で、ベッドを演じます。のたうつ体、あおる脚、衣装をからみつかせ、意気込みだけは盛んなデビュー新人のような表現です。
 フェイク・エンディングから続けてそのままオープンへ。クラシックのオーケストラ小品を素材に、めまぐるしい音に凛とした動きをのせました。



 赤いワンピースに真っ赤な照明、毒々しささえ感じさせて、哀愁を帯びた歌が流れます。日本から世界へ発信した「舞踏」の動き、老人のように腰を折り、膝を絞って肘をねじり上げ、重い荷物を肩でかつぎ上げるよう。抜き足差し足でやっと盆に達するまでに、スローにまるまる1曲分を費やします。
 除夜の鐘が不吉に鳴って、百鬼夜行のように遠くから、鉦や太鼓の音が近づいてきます。耳をこらせば、なじみのある民謡の旋律が、踊る阿呆、踊らにゃ損々と。装束は正調で、笠をかぶり、すがすがしい姿を現します。
 雪駄を履いた足元を交互に振り出すようにして、カラン、コロン。藪をかきわけるように前へ前へと進む手つきが、習いたてからようやく慣れて、床を蹴る音色にも次第に力がこもります。だんだん気が大きくなったのでしょう、ケチャの掛け声に合わせて裾をからげ、地団太踏んで身をくねらせながら花道をたどります。
訛った発音、だみ声でいきなり唐突にカラオケの熱唱が始まります。デッドな録音で拍手もかぶっていて、まるで場末のネオンが似合いそう。猥雑さに付き合って、のた打ち回るようなベッドです。
 鬱屈したラストの印象を振り払うように、オープンは軽妙洒脱で、明るさを振りまきます。



 闇から光へ。
 シーツのように大きな布をかぶって椅子の上に立てば、よれた布の折り目が稜線のようにうねります。8合目、5合目、3合目と目を移せば、石膏像のデッサンと言えば伝わりますでしょうか、陰影が綾なす山の量感が目前に迫ってきて、圧倒されます。青、紫、そして緑がかった黄色と、照明が稜線を微妙に染め分けて、雪山が夕陽に包まれる佇まいを想像させました。
 クラシック・オンリーの選曲のせいか、ロマンチックな気持ちに浸れます。聴覚障害の楽聖や印象主義の巨匠の手になるピアノやチェロの小品が、日常でささくれた心の棘を抜いてくれました。踊りなれたリズムに振り回されることなく、「舞踏」や「能」をなぞるように、ゆっくりとなめらかに動きます。
 盛り上がりが欲しいところはオーケストラの強奏で、ホルンやトロンボーンがいきりたって吼えまくり、ティンパニーの一打が雷鳴のように轟きます。衣装を着たまま狂ったようにターンしたり羽ばたいたり、白い衣が激しく流れて、滝つぼを叩く奔流を覗き見たような気がします。
 とどめは、特異な楽器編成のせいで演奏不能と思われていた序曲風の祝祭的なオーケストラ曲で。力を漲らせた挑発的な曲想です。下腹に届く派手な号砲が、何発打ち込まれたことでしょう。エボリューショナルな10年1日が走馬灯のように巡るなか、きびきびと動いて舞台を引き締めます。
 そのまま、お待ちかねのオープンへ。



6−1.純名もも(〜15日)

 ノリのいい乾いたサウンド、カウボーイ・ハットに片手を添え、もう一方の手をなびかせて、身振りたっぷりに出だしから爽やかに演じます。じゃじゃ馬を乗りこなすようにイキでいなせに、いきいきとした表情で歌い上げます。
 スカートの白い生地には赤い薔薇、緑の葉をプリントして上品な色合いにまとめます。
 軽快なリズムに手を引かれるようにしてたどる2曲目は、明るいブルーと白のベッド着で、ゆったりと心地よく一歩一歩を刻みます。
 せつなさ、色っぽさを表に出すのは3曲目、感情をぶつけるように歌い上げるボーカルから、視線をさまよわせて、求める気持ち、逃げ出す心…、揺れる心の内幕が、うつろう表情に浮かびます。
 4曲目で霧を払うように、希望を見出して再び明るい表情で。説明的な歌詞を意識してなぞります。笑顔が何より雄弁に、その内容を物語ります。



6−2.春乃霞(16日〜)

 赤白の細いストライプを基調にウエイトレスのコスチュームをアレンジした衣装、短いスカートから脚がすっと伸び、足元は白い編上げ靴でかためて可愛らしく。ブリブリに仕立てた振付けをおしゃまに演じて、恥らう笑みを返します。歌詞に合わせて所々リズムが揺れるのも、気にもかけずに身軽にこなします。
 盆では、内気そうに振舞って、しかも視線をしっかりと配ります。胸元の白い造花は、うぶを象徴するように白く、ガーゼをはがすようにして裸身を現して横たわります。明るい表情に影がさし、せつなげの表情で訴えるような目。
 なだらかなラインに客席の視線をひきつけて、ゆるゆると流れるように連続した動きで体を入換え、向き直り、穏やかにポーズをまとめます。ポーズは静かに置くように作りますが、奥底に芯を感じさせ、ベッドにメリハリを与えます。




[7870] 浅草2月後半 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/03/04(Sun) 03:18


敬称略です。




1.吉沢伊織

 きびきびした動きにはじけるリズム、レモンイエローのミニのダンス着の色そのままに、口開けからイキのいいダンスを繰り広げます。
 気持ちがノリノリですと、体も前へ前へと駆り立てられるよう、表舞台でせり出してくる感じがしてきます。5人が放射状に並んだ形は五弁の花、開いて閉じてと、幾何学的なパターンをなぞります。
 吉沢さんがいよいよ長い花道を一人旅へ。
 海辺の砂を洗う波音を背景に、心を鎮めて、ハモニカに息吹き込んで、ドミソと和音を奏でます。気まぐれに吹いたはずの、懐かしい手触りがするその音色。観る者の心に跳び込んで、激しい身振り、悩ましい表情、ベッドの色濃い演戯がすんなり心に届きます。



2.東一美

 全裸と見まごう、ベージュのタイツに身を包みます。まったりとしたディスコサウンドで、三者三様に思い思いのポーズをとらせたりする、のどかな導入から、意表をついて厳寒の空気を感じさせる情景へ。
 ボアで縁取るコートのようなベッド着を羽織り、憂いと哀しみをたたえた表情で、曲の歌詞が繰り広げる世界へと沈潜します。
 ほのあたたかいマゼンダの光が晴れて、洗われたようにまっ白な光を浴びて立ち上がりへ。曲で歌われる白銀の世界へ自然に誘われて、雪を融かす熱き想いが、うぶな心を染め上げるよう。
 手垢のつかない演戯をさらりと見せられて、いつになく新鮮に感じます。



3.夏木りりか

 ムチこそ手にしませんが、シルクハットにブーツ、突き出す腰に、かぎ裂きの衣装の裾が、テールのように揺れています。曲の合間にいななきも聞こえて、どうやら古式ゆかしいイギリス式乗馬術へのオマージュでしょうか。ブリティッシュ・ロック風の旋律を使ってみせて、洒落が一段と効いています。
 並み足、トロット、駆け足云々を、すり足で真似てなめらかに。後ずさりしながら腰を切ってみせたりと大忙し、健脚を奮います。
 ショッキング・ピンクの下着を、黒いレースの縁取りで悪戯っぽく飾ります。移動台に立ちながら、腰を沈めて膝を曲げ、目を細めて陶酔の表情を浮かべ、なまめかしく観客席をあおります。
 その余勢をかって、濃厚なベッドへ。心持ち腕を大きく振ってみせ、やわらかく指先をしならせて、優美な軌跡を描きます。顎を前に突き出して、一文字に結んだ口の端にアルカイック・スマイルを浮かべ、自信のほどをうかがわせます。
 戻り花道では大胆にポーズ、思い切りの良さと慎重さとが仲良く同居しています。



4.白沢きらり

 名も知られていない遠い南の島で、こんな民族舞踊があってもよさそうな気がします。
 両手を上に伸ばしてつま先立ち、その都度歩幅を変えて、ひょこひょこと横っ跳び。朗誦するような歌、詰まりながら漕ぎ出すリズムに乗って、ぬかるみをよけるよう、庭の飛び石をまたぐよう、あちらこちらと駆けるうち、どうやら盆へと着きました。
 曲は甘い台詞を熱っぽく語るバラードで、想いの強さのあまり、ねばりつくような節回し。ポーズを切れば、Lは膝から先をなんなくすっと上げ、そのまま前のめりに倒して、背後に流した揚げ足をぴたりと宙に止めてみせました。
 立ち上がりのウエストコースト・サウンド風の、南からの乾いた風を感じさせる曲は、あか抜けたもの。気持ちよさそうに踊れた後は、会心の笑みをこぼして舞台を後にします。



5.小室りりか

 敬虔なシスターが飛び跳ねながら踊りまくって、開放感あふれます。
 神の子に祝福あれ! 誇らしげなハレルヤ・コーラス。ひきずるほど長い黒衣の裾も舞い上げて、スポーティに元気いっぱいに大地を蹴ります。
 花道上りから、照明を絞って落ち着いた雰囲気に様変わりします。
 オペラの間奏曲風に、壮麗にオーケストラが鳴り響くなか、清楚な白をまとい、孤独をかみ締めるような気高い立姿で、盆へ運ばれます。
 ベールを剥ぐように輝かしい肉体をさらすのを、ピアノの一音一音が柔らかく包み込んで、纏綿とした情緒をつむぎます。
 立ち上がりで、強い明け方の光が後光のように射し込んで、北に向き直って片手で十字を切りました。
 花道戻りでは荘厳に、野性味を感じさせるドラミング。しずしずと昇天するように去りました。



6.佐藤美砂

 自分の演目を持ち込んで、広い舞台に挑みます。
 白のミニで、明るく楽しげに微笑んで、軽やかに足を運びます。性格もリズムも異なる3曲を演じ分けてみせました。
 フサフサと広がる薄手の黒のベッド着で、客席の反応を楽しむようにはつらつと、ちぎれるほど体を反らせ、指の先までしならせます。おおらかに包み込むような動きをみせて、肩から腕、肘にかけて、特にのびやかです。曲にこめられた感情のたかまりに沿って、内面から燃焼し尽くすような演技が、いかにも自然で素直、好ましく思えます。
 せつなげなバラードで盆を離れ、花道根元で思い切ってポーズ。ブリッジかと思えば、手をつかないままで、反らせた背中でC字のアーチを描きます。



7.由梨亜

 猟犬が駆ける足取りをなぞるように軽快なリズム、デスコティックでしたっけ。その時代を共有した方々にとっては、甘酸っぱい思いにかられる、やさしげな響き。
 巧みなボーカルにファルセットがよぎれば、腕自慢足自慢の猛者がここぞとばかり、華麗なステップを見せつけます。金曜の夜更けに、余命を持て余した若造たちがたむろして。黒にゴールドをあしらったあでやかな衣装が翻り、きらびやかであればあるほど、はかなさもいや増します。
 白と水色ツートンのベッド着をゆったりと羽織り、舞台袖で遊んで、蛇行しながら花道を過ぎます。のどかなカントリー調のボーカルにとっぷり浸って、放心したように、あるいは物憂げに。
 終曲は心洗われるバラードで、月明かりほどだった背景の光が徐々に増し、エメラルドの氾濫に至るまで、長い引きをつとめます。



8.友坂麗

 エキゾチックな音階、打楽器の乱打、3人は一直線に重なって、ヨガ風に手を捧げて八面六臂のポーズをとってみせました。いったい何が起こるのか、気をもたせます。
 中東風の旋律が色濃くのたうって、経文を詠むようにつぶやく声、ユーモアまじりにスリリングなアンサンブルで、動きに磨きがかかります。ストップ・モーションに、横走り、クイックに始動したかと思えば、3人が数珠つなぎに蛇行してターン、最後にどどんと太鼓が締めて、束の間のトリップから正気に戻ります。
 黒いベッド着を蹴破るように、悪夢の中さながらに、盆では激しく悶えます。蝕まれる体、自暴自棄に陥る心、恋愛中の錯乱気味な心理を描いた歌詞が、演技にも暗い影を投げかけます。病で日常的な感覚を失って、表情はおびえた演技で、体の動きはダイナミックに、しかも流れのなかでポーズを繰り出してと、無理を承知の舞台ですが、危うい均衡のうえに成り立たせます。



9.梓めぐ美

 演歌の熱唱にのせて、ありがちな三角関係を寸劇に仕立てて冒頭に据えました。肩を叩く、ふと振り返る、驚く表情、身を寄せるのは旦那の胸の中…。着流し姿の白沢きらりさんや、生娘風情の東一美さんが、さらりと端役を演じていい塩梅です。
 恋にこがれていきりたつ女のさがを非情かつ強情に描いて、男こそ憐れにみえてきます。
 勢いよく帯をほどき、着物を派手にかなぐり捨て、立って動き回ります。お三味線がすすりあげて、旋律は物憂げに歌うなか、その勢いを携えて盆へ。ポーカーフェイスのまま目を見開いて遠くを見やる表情で、寝そべった姿勢のままLの脚を抱えます。
 流れるような立ち上がりから、名残惜しそうに花道のあちこちで体を開いて舞台を去ります。控えめに見えた演技も、振り返るとメリハリをきかせた艶やかなものに思えてきて、どこか芝居風な粋なたたずまいを感じさせます。



10.葉山小姫

 姫君は、水色の精霊たちに行く手を阻まれて幽閉されます。あがいても囲みはあまりにも堅固。哀愁に満ちた旋律に重苦しい表情、白い衣装で哀しみの海にたゆたいます。
 桃色のベッド着に着替えてそぞろ歩きへ、夢遊病者のようで軽やかに、広い舞台を闊歩します。弦のピチカートに澄んだ声、盆にたどり着けば黒人系のボーカルを男女1曲づつ、ゆりかごを揺らすように気持ちよさそうに歌っています。2曲の間に奏でられる物憂げな間奏曲では、うつむいて四つん這い、這いつくばって悶える姿が何やら暗示的。
 そして唐突にファンファーレが響きます。華やかなショウビジネスの階段を駆け上がってアメリカンドリームをつかもうと、夢と希望にあふれた曲になりました。元気な立ち上がり、気前よくポーズをはさんで気をひいて、客席を鼓舞します。うきうきする気分はそのまま基調となり、フィナーレへと続きます。


[7869] SNA2月頭 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/02/13(Tue) 01:43


敬称略です。




1.広瀬あいみ

 手狭な舞台をソファふたつがゆったりと占領して、踊るスペースを埋めています。サイドの棚に、グラスとボトルがいわくありげに並びます。
 幕が左右に割れて照明がミストになって降り注ぐなか、シックな黒に身をまとってソファにくつろぐ姿勢で登場します。
 エレガントに装うご婦人から無骨なカウ・ガールスタイルへと早変わり。黒い下着でなまめかしい姿に。この間にも、サザン・ロック風で始めて、ブルースっぽくハードに流れて、ファドやシャンソンも現れます。
 アンニュイなムードに、今宵はおぼれたい気分。お気に入りのボトルに2度3度と、つい手が伸びてしまいます。グラスをあおると、こぼしたしずくが、胸元に散らして宝石のよう。ガラス製のボトルのひんやりした感触を、股間に抱えれば、もう上の空。しどけなく堕ちてゆく夢に、とっぷりと浸ります。
 とどめのバラードが心に沁みて、明け方の光が射し込むのを、まぶしそうにさえぎるような、そんな気分にさせてくれました。



2.小池菜奈

 淡い肉桂色の中国の宮廷風衣装で乙姫のよう、ちりばめた文様が銀色に浮かび上がります。三つ指ついて立ち上がり、帯状のうすぎぬを肩から垂らします。
 ゆるやかなテンポ、遅れがちの太鼓、和やかな、やさしさを覚える響きです。
 踊りの円運動は、いつしか太く大きく拡散してゆきます。固く結んだつぼみが、時間をかけてほどけて香りたつようでした。
 2曲目から快適なテンポに変わり、打楽器を先へ先へと走らせます。3連で刻んで1拍やすみ。単調なリズムの繰り返しに、クイックでおおげさな身振りをさしはさんで、音の流れに身をゆだねるように泳ぎきります。抜き手、平泳ぎに、横泳ぎ。涼しげな水色の衣装が、波打ち、波紋を描きながら翻ります。
 変奏曲形式のように、いちばん最後に主題がかえってきました。懐かしさを覚えつつ、たかまって頂点に達したところで、ぷつんと途切れ、続いて静かなベッドを迎えます。
 和太鼓のトレモロが、穏やかななかにも、不気味な雰囲気。紫の帯の結び目に手をかけて、襦袢を肩にかけ、ヒロイックな立ち姿から次第にくず折れてゆきました。まとわる襦袢ともつれあい、深い海の底を思わせて、ふっと浮き上がるようにポーズへ。息を潜めて漂うように、たおやかな情景が浮かびます。



3.豊田せりか

 2作前のウェイトレスものに近い路線でしょうか。ダンスはキュートにコミカルに、ちょっぴり色っぽく。ひらひら筒袖を翻せば、白い衣装のところどころにしつけられたスパンコールが輝きます。
 プロレスではありませんが、曲のさなかで早口のテン・カウント。パラパラ漫画のようにストップモーションで、あぁ、『だるまさんが転んだ』にも似てますね。
 2曲目はリラックスしてオールドスタイル・ジャズに、チャールストン。白い手袋をはめれば、ミニーちゃんの似姿にあと一歩。ドラムのエッジを叩くスティックの音が、いなせなタップ・ダンスをおもわせて、ダンスの愉しみ、おかしみに引き込まれます。
 淡い水色のベッド着をまとって、ちょっと見はフェアリーに。しなやかなバレエの所作を持ち込んで、舞台袖へ、花道へ。木製のチェアを携えて盆へ。
 女性の声でバラード2曲。高音域で裏返った声がかすれて、いい具合に繊細に響きます。チェアの背にもたれながら、背後に高く脚を上げ、弓を引き絞るように力強く。
 ディズニー風の堂々としたエンディングでは、声を嗄らすボーカルに包まれて、いかにもハッピー・エンドのように終わります。



4.小柳ミク

 ♪イ、オーオ、イ、アイ、オーオ、イ、アイ…♪
 モールス信号のようにおまじないをちりばめた1曲目、ぼろぼろのペルシャ絨毯も幾千里をひとっとび、夢は想像力をやすやすと超えてゆきます。
 無垢な白鳥を思わせる衣装、キップのいいダンスで登り詰めたデビュー作、2曲目のたそがれた気分を気取って演じるのも、どうやら板につきました。集中力を要するダンス2曲を、にこやかな表情を浮かべて余裕を感じさせながら、それでも力づくで踊りきります。
 清涼なカントリースタイルのベッド曲では、羽織ったベッド着をはばたくように広げて初々しいボディをさらします。せつなさ、かなしさ、やるせなさは、一途に身を捧げるようなパーフォーマンスの影に隠れてしまいますが、短い持ち時間のなかで一筆書きのように描いた筆跡が、達筆であることには間違いありません。
 曲が終わる寸前まで、名残惜しそうに盆にとどまって、スティール・ギターの響きが消えやらないうちに、潔くぱっと花道を戻ります。その鮮やかさに、水鳥がサッと空に舞う姿を思い浮かべます。



5.吉野サリー

 ラテン系でねばりつくリズム、吠えるようなコーラスで始める1曲目から、がっちりと5曲構成で固めます。
 白に淡いオレンジ色がほんのり指した衣装を、ラッピングのようにふわりと身をまといます。軽快なフットワークで威勢良く跳ね回るところは、エアロビを思い出させます。
 次に黒いランジェリー風衣装で、肩のこらないとぼけた味わいで1曲。
 続いてベッドへの雰囲気づくりの土台を固めるかのように、ロマン派風の壮麗なアダージョ楽章を用いて、しっとりと盆へ向かいます。
 ベッドの、せつせつと語りかけるバラードでは、髪を振り乱し胸を叩きながら、感情移入した演技で。切羽詰った表情でちょっとした迫力を感じます。
 そして終曲は、溜め込んだ感情を吐き出すように、激しいロックです。荒々しいパーフォーマンスで一直線に、カタストロフィーへの道を突き進みます。
 重厚な構成、終曲へかけて切れ目なくピアニッシモからフォルテッシモを通過するところが、「運命」交響曲を思い起こさせるといったら、おおげさでしょうか。気合のこもった終盤の動きは、何度見ても心を奪われます。



6.大空あすか

 ソフト帽にシャツは黒、たっぷりとした白のジャケットは、肉体の輪郭をすっかり覆い隠してしまいます。
 肩の力がすっかり抜け切った、お洒落なダンス。柔らかく膝を送って、軽やかな足の運びを猫足で受け止めます。アーバンなジャズの響きに歯切れのいいリズム。ぶらんぶらんと揺らす両手の先で、指先がキザッぽくカウントをとっています。
 格好よくキメたと思ったら、なげやりな様子でさっさとジャケットを脱いで、輪ゴムをはずして、まとめていた黒髪をはらりと流します。シャツの前をはだけながら、ベッドでは体を柔らかくしならせます。シャツの下から現れたランジェリーは、白にピンク色をアクセントに添えて乙女チック。感傷的なバラードが流れると、心の詩がつい口をついて出ます。
 ハイレベルのブリッジに、息をのむY字バランス。ほどいた足を下ろすときの、いかにも柔らかい着地のしかたが優雅でした。


[7868] 浅草1月全 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/01/30(Tue) 01:10

敬称略です。



1景.OKINAWA

 冬でも蒼い、沖縄の海。想いを遠くに馳せ、民謡の調べに耳を傾けます。
 白地に紺や紫で染めた民族衣装が、明るい劇場の光に映えて、きれいなこと。
 広がる袖を奔放に振って、手首を返し、掌を翻す。目をなごませて躍らせる身も愈々、楽しそう。素朴な節まわしに、サー、ヨイヨイと合いの手も加勢して、のんびりとした歩調です。
 膝を曲げ腰を落として、肩から下げた重そうな太鼓をドン、ズドドン。途中でテンポを倍速に。着流すようにのどかな景色を閉じた後、東一美さんの一人景につなげます。



2景.東一美

 児童合唱ののびやかな声、花道上りで何度となく耳にしてなじんだ曲、東一美さんの胸に去来する思いは何だったのでしょう。
 奥ゆかしく含みのある表情で花道では押さえ気味、面を上げて盆に立てば一気呵成。枝ぶりを惜しんで刈り込んだ盆栽のように、シンプルながらも慣れ親しんだポーズを連ねます。
 盆の立ち上がりから花道戻りでは、やさしげな女性ボーカルのフォークソングを使いました。花道根元まできて、男女のデュオだったと知れて、意外の感に打たれます。間髪いれずポーズを放ち、エメラルド色に染まった幕間に吸い込まれます。



3景.由梨亜

 振袖からセクシーなドレスへと早替わり、黄、赤、緑、極彩色の照明がフラッシュで襲い掛かって、メリハリのきいた舞台に仕立てます。
 おつきの童女二人を従えて可憐な和装、いそいそと小走りに広い舞台を蛇行し、おつきの二人に帯をとらせて、ドレスは情熱の赤へ。練り歩くように活発なダンスを披露します。
 ポールをはさんでいったん戸惑いを見せ、盆に足を踏み入れてから、のびのびとポーズ。長い足をふわりと水平に浮かせます。
 嵐のように小刻みなリズムを叩き込む中で、体ごとビートで刻みます。
 ハレの世界に一気に巻き込んで、祭りの勢いのまま、幕を落とします。



4景.梓めぐみ

 和服姿、手に羽根扇、でも持ち替えたのは、女だてらに抜き身の刃。刃と鞘とを重ねて十文字にかざします。柄を握るこぶしに力も入れば、竹光もなかなかのもの、真に迫ります。
 抜身を振り下ろして血しぶきを払い、それでも表情ひとつ変えません。腹の据わり具合に尋常ならざるものを感じます。
 手早く脱いで、襦袢にお腰ひとつ、つぅーと駆け寄るように盆へ。選んだ曲は、女性の声で、女性の気持ちを表したものでした。せりふは淡々と自分に言い聞かせるように、繰り言のように繰り返されます。
 “手をつなぐくらいがいい、友だちくらいが。 〜 それすらあやういから、大切な人が見えれば、それで上出来…”
 自戒として発したはずのことばに、いつの間にか後悔の念が宿って、結果として情念の怖ろしさを暴きます。
 言葉のつづら折りを追って、ポーズでたたみかけました。花道戻りの長い引きのシーンを、はかったように次々とキメてゆきます。



5景.沙羅

 寒天に舞う、雪のひとひら。下降曲線を男女の距離と交わりになぞらえます。
 白装束に、銀の帯を締め、舞扇が雪の軌跡を追いかけます。手首をやわらかく返して、浮かせた扇が指先につかず離れず、蝶のように舞わせてみせます。たたんで逆さにつまんでピシャッと開いて、逆さ富士。鮮やかな手元に対し、表情は多彩な感情をきざします。
 テンポのよい曲を流して、舞台奥で着物から襦袢へ。帯が離れて裏地の金をそっと見せ、袖が離れてすっとうなじを覗かせます。手際が肝心とばかり、瞬く間に脱ぎ終わって、立ち姿のまま盆に運ばれます。
 表情を選んで気持ちをひとつに固めたら、一気に水をくぐるようにベッドへ。むずかるように蹴りだす脚に合わせて身悶えれば、先ほどまでの毅然とした表情は流れ去り、うってかわって変幻自在、奔放に乱れつくします。



6景.雅麗華

 時代劇でなじんだ別世界を、豪華絢爛な衣装で再現して描いた「大奥絵巻」、有無を言
わせぬ迫力がありました。
 財力を誇るための羽織、金糸銀糸の刺繍が花鳥風月を描き、黒い地に浮き上がるようにきらびやか。胸を張り肩をそびやかせて、群舞で行きかいすれ違い。トリと外人を除いた踊り子を勢ぞろいさせてかしづかせ、壇上の雅さんから、威厳がひしひしと伝わってきます。
 足を止めたまま姿勢を正して、視線を漂わす目の先で、表情豊かに指先を遊ばせます。この狭い視界の届く範囲で、ベッドから花道戻りまで、長い引きを持ちこたえました。
 曲は絶唱型のバラードで、搾り出すようにせつせつと、小雪ちらつく夜空の様子を描きます。
 “守るべきもの…” 
という歌詞で慟哭して、様々な思いを喚起させ、思い出が走馬灯のように巡ります。
 “夢と現実とが交錯する”世界に、最後まで華やかなスポットライトを浴びせ、ひとまず幕を下ろします。


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 月の後半からは曲を変えると、雪降る夜空の景色は背景に押しやられて、サラリと流すインストになりました。襦袢の袖に大きく牡丹。袖から手を抜いて、手振りひとつでたおやかに歌い上げます。
 身を沈め、のけぞり、Lでは引き裂くように脚を上げ、花道戻りはスポットライトを浴びて、長い引き。
後姿を見せずに笑ってお別れいたします。未練がましさを感じさせない、爽やかな舞台です。


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 楽日までのカウントダウンが始まる頃には、気力を振り絞って洋舞へ挑みます。
 コンガにシンバルにホイッスル、ピアノの旋律も奔放にめまぐるしく駆け巡ります。
 原色きらめくきらびやかな音に対し、シックな黒のセパレートのダンス着で。音のうねりをそのままに、ボディに伝えてくねらせます。
 動き全体に「ハリ」を持たせ、そのひとつひとつに「引き」の動作が効果的に張り巡らされています。その勢いのままベッドへ、ひらめきが連鎖するように結実してゆきました。
 はつらつとした表情にラテン気質のノリの良さを浮かべ、ちょっとしたウィットのセンスもよぎります。
惜しまれつつ去る、幕の向こう側。
 壮麗な絵巻物を繰り広げてきた浅草もこれで仕舞いかと、わびしく思います。



7景.東なつ美 〜 友坂麗

 東なつ美さんは、クラシック名曲を変奏で。短調が似合う旋律が、疾風怒濤のように吹き抜けていきます。濃い紫の長いスカート、すぅーっと立姿でキメて、マリオネットのように人工的な動きを連ねます。
 目深にかぶる帽子の下に隠した無表情、腰に黒いレース地を巻きつけた姿でベッドへ臨みます。遠くを見つめる視線で不思議そう、けげんな表情を浮かべ、奥深い瞳で、客席からの無遠慮な視線をはね返します。
 立ち上がりでも息を潜めて気配を殺して、すました表情を崩そうとしません。幕にのまれてゆく間際、思い出したように着衣をはらり、足元に落とします。


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 そして8日から、友坂麗さんが登場します。
 白いシーツを広げるようにマントを羽織って、肩をゆすり、さざなみのように揺らします。長い裾をかわし足元でカウント取りながら、イスラム風の強烈なリズムの洗礼を受けました。
 メインとバック2人とで、振りを揃えたかと思えば、反発し合うようにズラしてみせ、立ち位置を入れ替えて、3人の仲を引き裂くように遠ざけます。
 スリリングなダンスシーンを終え、バックが去ると、遠く聞こえていたサンバの響きがだんだんと近づいてきて、臨場感溢れるカーニバルへ。喧騒に惹かれて花道を歩みます。
 ビーズをつないだ紐状の飾りが、心地よい音をたてて、体にからまったりなじんだり。地に這い腰を突き出し、股関節から膝を伸ばしたまま、脚を大きく旋回させるなど。ワイルドな動きで目を奪ってから、スワンで場の雰囲気を一瞬にして鎮めます。Lで浮かせた腰をゆるやかに大きくグラインド。
 細部に拘泥せずに、太い流れを貫き、ぐいぐいと押し切って、粗削りながらも痛快です。



8景.白沢きらり

 シルバーの豹柄とゴールドの虎縞のレオタード、白沢さんに外人さんが影のようにつき従って、ぴったりと振りをなぞります。とぼけたユーモラスな味のある曲、振付けに導かれて広い舞台をあちこちと振り回されます。
 肩幅に足を開いて肩をほぐして、足元をすり足で運びます。後ろ向きに足を運びながらキュッとターン、鋭い動きも交えます。
 ゴスペル調の女性の歌声で、ベッドをすっぽりと包んだ後に、ウェストコースト風の乾いた響きで爽やかにまとめます。カントリー曲を歌いこんでいるような歌声に、恥じらいながら衣装を脱いで、確かめるようにいとおしげに肌をなでながら、Lへ。
 片膝立ちでいきなり背筋を伸ばして、体を反り返らせ、見栄えのするポーズで驚かせます。


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 外人が故郷へ去り、相棒を失って白沢さんも演目を変えました。
 きらきらとスパンコールを輝かせて、雷に打たれるようにフラッシュを浴びました。フィールドで球技の選手が走り回るように激しい運動量を、歯を食いしばってこなします。くまなく舞台を駆け巡れば、いまさらながら舞台の広さが実感できました。ノリノリでゆけば、いつしか高揚感が湧いてきて、やっと静かなバラードに移ったときは、なぜか安堵の息をつきました。
 長いベッド着の裾をたらしてギターとチェロの二重奏に包まれて、優雅にすべるように花道を進みます。チェロの旋律が力強くリードし、瞑想的な世界に導きます。木管やピアノが軽やかに加わり、後期ロマン派風の和声の調べがしみとおります。
 赤いベッド着を体の下にしくと、毛氈のよう。盆の上に、照明をしぼってひそやかな空間を作ります。
 肌をさすって感触を確かめるように、掌が体をなぞり続けます。立ち上がりは抜けるように軽やかに、弦楽器がピチカートで弾んで、ボーカルは心温まるメロディを歌い上げます。2段抜かしで階段を駆け上がるように、身のこなしも軽くポーズを切りました。



9景.倍宝美々

 赤黒の2色使いで派手なフラメンコ衣装、ダイナミックな振付を、輪をかけて大きく見せます。サッカーのリフティングのように、膝を胸に引き寄せて、降ろしたヒールの踵で床をえぐるように切り返し。慎重なステップが次第に勢いを得て、うねりを増してゆきます。ダンス後半は必死の形相、踵とつま先とを巧みに操って圧巻です。
 品のいいジャズでグラスを傾けながら、ゆったりとした気分を盛り立てて、花道から盆へ。紫色のベッド着をかき分けて、横たえた裸身を次第に露わにしていきます。
 花道戻りではそこここで、スポットライトを浴びて即興のオープン・ショウ。
 口元に浮かぶ笑みが心のほつれ目をなおします。



10景.外人

 弾むようなリズム、冒頭から強いアクセントが入ります。全身をバネにしたステップで跳ね続けながら、膝をやわらかく使って着地して、アスリート並みの体格を優美に見せました。
 ゆったりとしたテンポでベッドでくつろげば、あたかもスローモーションと感じます。流れに逆らわず、背筋、肩、胸といった大きな筋肉を丁寧に伸ばしては返し、まるで遠泳を見るようです。両の腕を広げて強弓を引き絞るよう。また、ポールの上では重力をなくしたように、自在に遊びます。
 せつなく歌う日本語の歌詞に、意味を理解しているかのように鋭敏に反応して、叙情たっぷりに漂いポーズを連ねます。ブロンズ像のように精悍な体つきをしならせると、おおらかで見栄えのする形を残していきました。



11景.稲本ちえみ 〜 加瀬あゆむ

 1曲目は華麗な群舞です。
 スパンコールをちりばめた派手な衣装が、くびれたボディをぴったりと包んで、脚はむき出しです。ヒップは左右に、腰は揺すってくねらせて、狙いがはっきりしたセクシー路線です。
 メリハリのきいたリズムにのせ、エネルギッシュな群舞で、迫力が漲ります。


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 月の前半にトリを務めた稲本さん。ベッド着は縁をウェーブさせていて、ほっそりした腰回りをうっすら透かしてみせます。花道から荘重な音で盆へと踏み込んで、青白く照らす背景に、ピンク色の長手袋が映えて、鮮やかに浮かびます。
 Lに反り身、コンパクトなポーズを連ねて流れを作るので、お得意のスワンは封印。
 ベッド着の前がはだけて、ぶるんとバストが震えます。
 ベッド着を、脱いで丁寧に広げて敷布替わりに。寝返りを打って、腰を何度も浮かせます。サテン地の長手袋のまま、いとおしそうに撫でる指先が訴えます。花道戻りではドラマティックな身振りを交えます。


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 後半は加瀬あゆむさんへとバトンタッチ。
 バックダンサーがはけた後、白いファーの縁取りがあたたかそうなシルバーのハーフコートを着て、花道をたどります。一歩一歩、膝を深く入れて雲の上を歩くよう。
 盆では透き通る黒のセパレート。アップした髪にほっそりした首、夢中でもがくうちに上半身を露わにします。
 胸を締めつけるバラードでポーズ。ひじを引きつけて、ひしと抱きしめるように構え、引き剥がすようにぐっと腕を伸ばすしぐさ。昇りつめた表情にうっすらと恍惚感。
 慣れない踊り手なら急ぎがちになる所作も、じっくりと時間をかけてこなして、じれません。
 花道戻りでは、衝動を抑えきれないようにサイドステップで、激しく腰を揺らします。


[7867] SNA 12月全 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2007/01/01(Mon) 02:02

このほかにも、ばにらさん、浜野蘭さんが乗りましたっけ。
では敬称略で。



1.成瀬美穂

 長身を赤いロングドレスで包みます。
 弦のピチカート、ティンパニの柔らかい響き、大きな羽根扇も手首で返してさっとひと振り、鳥のはばたきのように空を切ります。
 きびきびとサーベルのように羽根扇を振った後は、がらりとムードを変えて乾いたサウンドに軽いノリ、ビートルズ風のポップでワイルドな曲にのって、小気味よいダンスです。
 ベッドへは清楚な白いドレスで、首筋から右襟にかけて、ふくらませた襞が波打ってうねります。裾を軽く広げてみせ、薄い生地に色とりどりの照明を透かして見せてくれました。男の手で脱がされるように、そっと下着を取ってみせます。肌に吸い付くようにベッド着をまとわりつかせながら、静かに上体を泳がせます。すっと腰を浮かせて高々と脚を差し上げてLへ。
 ボーイ・ソプラノのコーラスが清浄なムードをもり立てます。



2.喜多嶋梨香

 黒白縦縞が明快なコントラストを刻むメイド風のコスチューム、細身の体がなおさら引き締まって見えます。軽いポップスを、しごく丁寧に律儀に踊り、ユーモアもほんのり添えました。
 フェードアウトして着替え、2曲目はタイトにビニール・レザーをきりりと紐で結んで締め付けるコルセット風。顔にふりかかる髪も払うことをしないで、視線で悩殺。
 3曲目はせつない思いを忠実に手話で綴ります。生ギター1本で始める4曲目では、心細そうに聞こえた女性のボーカルが、過ぎ去った日の情景を鮮やかに喚起させます。
 母譲りの髪を切り、手首を傷つけ、哀しみを紛らわすあまり見上げれば、虚無的に広がる空の蒼が目に沁みます。頃合いよく足踏みオルガンの伴奏が聞こえてきて、ノスタルジーを掻き立てられて、いつか教室の、誰かの笑い声が耳に飛び込んできます。あの日に帰れない哀しみを胸にして、泣き崩れながら打つしゃちほこ。真っ直ぐに立てた脚の先が天に突き刺さります。



3.小室りりか

 真っ青で光沢のある衣装で、舞台中央に身を横たえ、フラッシュを浴びるところから始めます。放電するような音と光が襲いかかり、凄まじいパワーを炸裂させます。
 精魂込めてしなやかに、ゆったりとしたペースで踊りますが、緊張をはらんだ肉体は、むしろ酷使している印象を受けました。花道と舞台センターを軸に、集中力あるダンスを繰り広げます。
 舞台左右の袖からそれぞれ、差し渡した赤い布の帯を、なするように体に巻きつけて、秘教の儀式を思わせます。
 腰の周りに光沢ある赤い布をめぐらせて、ベッドでの姿は真っ赤な照明一色に染まります。横たえた体をわずかづつ傾けたりずらしたりしながら、壁の穴から覗き見るような、好奇心に満ちたフェチな視線の洗礼を浴びました。



 代演で26日からも出演しました。
 着物の柄はストライプ、シルバーの帯でぎゅっと巻きました。パッと放って扇子を開き、くるりくるりと開いた和傘を回します。すっくと立った艶姿で、うなじを覗かしてその上に、はらりとひとすじ、ほつれ髪。
 三味線や謡が似合う和風のテイストを、ハードロックの轟音に包むのは、一瞬ミスマッチかとも思いました。直情的な速弾きのギター、いきりたつドラム、音と音とが差し込むように噛み合って、しごく甘味なロマンチシズムをたっぷり味わう結果となりました。
 解いた帯の下から赤い襦袢、袖をだらりと垂れるに任せて、観音像のように穏やかな立姿、居ずまい崩して横たわると、乱した裾が広がります。開いて差し掛けた和傘を月にたとえれば、むらくもが遮るようにして白い裸身に豊かな胸が、月の前に広がります。
 とげを抜いたメロウなバラードに包まれて、繊細な和物の景色と、ナイーブなロックの世界とが、不思議になじんで融和しています。
 最後は技巧的なプログレのような演奏スタイルで、力強く、攻め立てられて本舞台へ。
 はらりと襦袢を手放せば、背を向けて突き出したヒップに照明が降り注ぎ、満月の眺めとなりました。



4.空まこと

 ベートーベン風のピアノ・ソロで始めて、ダイナミックに切り裂く音で受けて、ノリのいいリズムが狂喜乱舞。衣装は脱ぎ捨てるように扱って、曲を次々と変えてゆきます。
 光沢を放つきらびやかな和風のデザインの衣装、変わってボディ・スーツ風にぴったりと裸身に貼りついた豹柄の衣装に。
 早口で経を唱えるようなラップにのせて、盆の上へ。赤い襦袢ひとつの身で、みるみる寝乱れてゆきました。
 仰向けで足を上げ、膝を曲げ、宙に突き出すむきだしのひざ小僧が生々しく。さらに身をよじり悶えるしぐさからは、技巧に長けた花魁のイメージが浮かび上がります。
 荒れ狂う嵐が去って静まり返った夜半、穏やかなムードで立ち去りがたい風情で、花道を戻ります。



5.平松ケイ

 頭上にのせる帽子は冠のように堂々としています。形を例えれば開ききったラフレシアの大輪の花。オシベが力なく垂れさがります。
 アクア・ブルーの衣装にコバルト・ブルーのスカート、波にたゆたうようにゆらゆらとギャザーを揺らめかして、ゆったりと大股で。足元の動きはスカートの長い裾で隠し、くねくねと腰をうねらして、腰を強調します。
 スカートをはずして足の運びをすっきりとみせます。やがて四方に向き直り、拡散していくようなステップへ。
 レモンイエローのベッド着に、青い光線が降りかかってまばゆいばかりです。ドラマチックなハード・ロックの叫喚に呑まれるように、黙示録的なベッド。盆に伏せ、悶え、吐息もらして、力尽きて、そして呼び覚まされるように蘇ります。
 ごくシンプルな展開にして動きを抑制するなか、威圧するほど大きなスワンから立ち上がりへ、雄大なスケールで迫ります。電子音が神秘的に、ソロ・バイオリンが古風に鳴って、両者が重なりもつれ合いながら荘厳に響きます。



6.羽田夕夏

 イスラムのモスクの朗唱がエキゾチックな感情を呼び覚まします。切れ目のないせりふ回しで息の長い歌。ごつごつした独特なリズムに浸るうち、いつのまにやら魅了されてしまいます。
 黄色いアラビア衣装をゆったりと着こなして、目玉だけをぎょろりと覗かせて、顔を隠したベールを1曲かけてやっと剥ぎました。2曲目後半に登場したときは、豊乳が揺れて、生地から透けて見え隠れ。
 下卑た男の声が呪文を唱え、涼しげな女性のコーラスがオブリガート。小節数を数えられない単調なリズムが繰り返して無限に続くかと思われて、そのリズムに合わせて腰を突き出し胸を震わせます。目には目を、の教えに忠実に、匕首を何度も突き刺します。
 刃の放つ鈍い光が、素肌を這いずりしたたるよう、鈍い光を不気味に放ちます。



1−2.長谷川凛

 地味なチェックのワンピース、髪に黒のリボンを結びます。素朴でお茶目なお転婆娘、手には目覚まし時計をかたどるクッションを抱えます。ちょこまかとコミカルにダンス、ぴょこぴょこお辞儀を繰り返し、愛想を振り撒きます。
 小気味よいロックから、ワイルドな女性ボーカル、そして引きずるような渋めのロック・バラードへと曲が変遷するなかを、白いダンス着を経て、トレンチ・コートで目深に帽子をかぶる姿に。
 そして終曲は、研ぎ澄まされた感覚で歯車をギリギリと回すような音で組み立てたロックです。しぼり出すような声で歌い、アンドロイドのように踊るミュージシャンを、彷彿とさせてくれます。ウェーブした髪を帽子から垂らしてサッと振り払い、黒いブーツを流して足ばらい。スリムな体を思う存分しならせて、突き刺すようにポーズをキメていきます。
 高揚して昇りつめていく感じをたどるエンディングで、盛り上がりをみせました。



2−2.川村あいね

 ダンスでは激しく燃えるラテンの響き、ベッドも軽快で爽やかな立ち上がり曲で。ところがベッドの前半は、ねっとりとからみつくようなボーカルでロック・バラード、ここだけが異質です。…横たえた体を次第にあお向けて、両手両足を引き裂かれるようにして、みるみるうちに裸体が開花していきました。
 それにしても出色なのは、ダンス・パートでの客のノセ方、盛り上げ方。
 のっけからイエローやオレンジ色の取り合わせの衣装で登場します。フラメンコ風にスカートの長い裾を派手に煽り、野太いリズムで、かかとに体重を乗せてつぶすようなステップで踊りまくります。
 足を跳ね上げ、膝を直角に曲げ、腰の重心を思い切り低くして、しかも滑るように。
 刺繍をこらした赤いドレスに、大あわてで着替えて2曲目へ。スノーボードを操るような膝と腰の送り方で。激しくツイストしたあげくに、ストンと腰を据えて股を割りました。
血をたぎらせ興奮をかき乱した頂点から、一気にベッドへと進めます。



2−3.森川いづみ

 厳しいリズムに激しく刺し貫くような詞、ロシア語の響きが重々しく神秘的に響きます。アラビア装束は血に染まるような紅色で、まばゆいゴールドの飾りがかたびら代わりに揺れています。
 悲しみを浮かべ憎しみもたぎらせながら、憤怒の形相で短剣ひとつで挑みかかります。抜き身で急所を狙いふたつき、みつき、優雅とはいえませんが、迫真の一撃を加えます。あっ、返り討ちでしょうか、肩口を押さえてのけぞりました。アクションの多い1曲目に対して、荘重な2曲目で受け止めて、深遠な印象が広がります。
 3曲目、着替えて出てきたのは黒いベッド着、腰に巻きつけて黒いベールのように、一歩ずつ踏み込む足にまとわります。闇に身を沈めるようにベッド、傷ついた戦士の体を癒します。
 アフリカ民族音楽風のパーカッションに、つぶやくようなベースがかぶります。横たわり、もがき、息も絶え絶えに。エキゾチックで神秘的な終曲からは、聞きなれないイスラム風の旋律も聞こえてきます。立ち上がりで煽るような視線を客席に投げ、振り払うように毅然として花道を戻ります。



3−2.かんな

 天使の甘味なイメージを敷衍します。綿菓子のように白いドレスをまとって、ふわり、重力から解き放たれたように舞ってみせます。
 後半3曲目で脱衣で横たわる姿では、羽毛で覆われた翼は背負ったまま。しなやかな女性ボーカルが、しみじみと二人の距離の遠さを嘆いて歌います。
 純真無垢なイメージと傷心の思いとを重ねて、物憂げなベッドではピアノ・ソロ、そして弾き語りへとつなぎます。必死に自分を支えようとする歌の詞は、そのまま心の中のモノローグ。ピアノの鍵盤を叩く間に、語る息遣いが窺われます。
 アコースティック・ギターや軽いタッチのパーカッションが、か細いボーカルを助けるように加われば、歌う表情に光がさして、踊る天使もはばたくようにスワン。ポーズに続いて身もとろかすような濃厚な表情も作ります。
 なお、2曲目はピンクのレオタード姿で緑色に光る宝石のことなどを、屈託なく明るく踊ります。



4−2.新庄愛

 サキソフォンがいきり立つように吠え、手垢がついた形式の解体作業が、今、ここに始まります。
 踏みつけられるように椅子の下に横たわり、緊縛風に肉に食い込ませたボンデージ、両手を縛られた状態から縄抜けを試みます。もがき、あがき、やっと解いた一端を椅子の背に、もう一端を首かせにして結んで、と、じれったい展開が続きます。
 眠りに誘うチェンバロの曲目で、展開する前の旋律を無造作に提示します。暗転、ブラックライトで、白い手袋を闇に浮かび上がらせながら、手品師気取りでパントマイム。ビートルズ好みの室内楽風の間奏曲が繊細に響きます。
 一転して雨上がりのようなスロー・バラード、たおやかに白いバラ一輪をいとおしむように携えてダンスは耽溺的に。燕尾服を脱ぎかけた姿で黒い網タイがふとももをぴっちりと包みます。
 フィナーレが近づけば手馴れたポーズベッド、威風堂々と吹奏楽の大音量。手にした白薔薇が“ささげ銃”の代わりに収まります。音階はひとつも狂ってはいませんが普段と極端にかけ離れた選曲で、ショッキングな印象が尾を引きます。



 もう一作は、出して3週目になるものだそうです。
 体制という言葉使いもふるさびて、地響き立てるシュプレヒコールも、もはや昔の物語。呪文かなにかのように歌の詞に形をとどめ、反語的ではありますが、ゆっくりとゆりかごを揺らして、良心の呵責を眠らせるように歌われます。ゆりかごから辿る、墓場への道。
 歌いっぷりはフォーク調、麗しい照明に目も奪われて、今宵は感傷に浸るもよしとしましょうか… 
 2曲目と終曲にこうした曲を使って、印象はモノトーンのセピア調です。マントを剥ぐ、包帯をはがす、必死になって踊る姿は痛ましく禁欲的。
 ケーナのような笛が鋭く鳴り響き、甲高く頭頂に抜けるように高い声で朗唱するなかを、裸足で踏み込んでダイナミックなダンス。めまぐるしい展開から、潮が引くようにして静まり返って、ピアノ・ソロへ。
 深窓の令嬢がつま弾くショパンの響きで、客席に忍耐を強いながら、体に筒状に白い布を巻いて、蚕がもだえるようにゆっくりと脱皮します。じりじりとじらし続けた後で、一気に裸身をさらして仁王立ちなる場面で、衝撃を与えます。
 引き締めた振付と、コンセプトを守った音楽構成で、演劇志向の強い舞台になっています。



 そして、イブの日にプレゼント演目がありました。
 ダブダブのパジャマにせんべい布団、枕元にはきっと、パパのサイズの靴下があることでしょう。ケンタッキーさえ物珍しかったあの時代に、ニッポンのイブのご馳走は、ターキーのワンランク下の、チキンライスでした。
 歌の文句を道具立てで整理して、舞台で描く小世界。パパ・サンタとボクのひとり二役で、つましくも楽しいクリスマス・イブを描きます。
 かすかに鈴の音が遠ざかりながら響かせる静かな曲、聖夜にふさわしい穏やかなムードに、聴き入るように魅入るように、屈託なく脱ぎ始めて、舞台に敷かれたせんべい布団が、ベッド替わりに使われます。
 クリスマス、トナカイ、そりに雪… でも、クリスマス「だけ」は、降ってほしくない。せつない思い出に触れるから。
 淡いクリームイエローのベッド着で、感情を込めて大きな身振り、のびのびとはばたくようにして、シャープな動きから盆へと向かいます。
 曲や歌に絶大な信頼感を置いて、素朴な感覚に身をゆだねて演じれば、生々しい感情も沸き起こって、エモーショナルな舞台に仕立てます。



5−2.藤崎優美

 セパレートの衣装は抜けるようなブルーとホワイト、色気を振りまいて気を引く素振りで、ダンスのときにくねらせる腰がなにやら挑発的でした。
 景気よくとばす1曲目に続き、一歩ずつ躓くようなリズムの2曲目。
 ベッドでは、振り返る、顔をそむける、おおげさに目を瞬かせて、じっと見つめ返す… てらい無く演じると、何でもないはずの所作まで心の奥まで届きます。盆の上では動きをズバッと堰き止めて、これみよがしに四つん這いに。視線を投げられ、心を見透かされて、あたかも弄ばされているような気持ちになりました。
 横たえたボディラインをなでる爪の先が、引っかかりなく胸の下を滑り落ち、臍の上を這い上がります。
 立ち上がりで一瞬振り返り、視線を上下に広く散らした後、ぷぃと向き直って花道へと戻るしぐさが、憎からず思えてしまいます。



5―3.葉山小姫

 イブには葉山さんも駆けつけました。
 白いドレスにトゥ・シューズ、バレエ・スタイルで踊ります。
 途中で蜜蜂の羽根を背負ってから、てきぱきとステップを運びます。
 デリケートなステップになめらかなターン、上品に演じながら、脱いだ下から現れるのは、挑発的な赤の下着です。ラッピングのように赤いベールをまとい、白い羽根のモールを拾い上げて盆へ、マフラーくらいの大きさの帯をたなびかせて客席の気を引きます。誘う目線で引きつけて、下着はくるり、ふとももにぎゅっと巻かれます。
 チャイムを鳴らすようにジングルベル、喜悦と願望に満ちた曲が流れれば、客席の気分も浮かれます。リラックスした表情で、ベッドのポーズは花道越して本舞台に戻ってから。
客席のパワーを浴びて、掘り起こしたエネルギーを発散して、ちょっとした起爆力を持つ舞台を作り上げます。



6−2.さいとう真央

 銀ねずのスカートに粉雪のように白いボアの縁飾り。大きなジェスチャーで陽気にあっけらかんと。抱えたピンクのぬいぐるみはウサギでしょうか、キュートで多産の血統を象徴しています。
 2曲目はアップテンポでバニーガール・スタイル。桃のようなヒップがはみでます。前後左右に軽快に踏み込んで、自在に遊ぶ印象。
 白い下着のようなベッド着で、仔ウサギを伴い盆へ。鍵盤をまさぐる指を、重たそうに沈めて奏でる陰鬱なピアノの音。ゆったりと鳴らした余韻を聴きとげてから、生命力あふれる終曲が爆発するように晴れやかに鳴り渡ります。
“君の言葉の数だけ、シアワセになって… ”でしたっけ、1曲目が示す幸福感に満ち溢れた世界を押し広げて、最後は生きる喜びを謳歌する歌詞でした。
丁寧に置くような、しゃちほこにL。
 仔ウサギのぬいぐるみに客席の視線を集めて、ほほえましく心温まる情景で終えました。


[7866] 11結 大宝 おるすばんニャンコ 投稿者:めざにゅ〜 [関東] 投稿日:2006/12/01(Fri) 20:40

ちょっと気になる劇場だったので、
行きました。今日はもう12頭初日なんですが。。

香盤は省略です。今週は早瀬さんは九条OSでやっているそうです。

留守番の猫?
わりと普通のテーマだけど、妙に気になる…

というだけの予備知識で拝見。

まず暗転している中でぬいぐるみと早瀬さんが登場。
おしゃれにさらりと踊るドレス姿の早瀬さんを見守るニャンコ、
という構図。

早瀬さん、ソデへはけると、ニャンコのみが舞台に。

えっ??どうなるんだろう。

ここで、なんと、ニャンコになった早瀬さんが丸くなって登場。
なるほど、一人二役な訳です。

盆の上まで使った床を踏み鳴らすほどのアップテンポな
ニャンコダンス!!

ハート印の香水をかぐ、というのがきっかけで
ラベンダーの尻尾をペロっと。。
舌使いが、とても刺激的。

お留守番しているニャンコの魅力は劇場でもう一度見てみたいな、と思うものでした。

非常に簡単ですが、この辺で。。


[7865] 川崎11頭 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/11/12(Sun) 06:03

敬称略です



1.新川舞美

 傘を手にして、にわか雨が通り過ぎるのをやり過ごします。肩を抱きかかえる手もなく独り、そぼ濡れる身のわびしさ、いとおしさ。
 インストの3曲目が心にしみて、やがて花道たどって、盆の芯に立ち尽くします。深く沈んだピアノの音色で、盆の回転がいっそう遅く感じられます。深々とした息遣いを感じさせてボーカルが囁きます。
 ラベンダーがかったピンク色の光のシャワーを存分に浴びました。ベッド着の生地のそこここが、キラキラ反射して瞬きます。ピンクの光にまぶすように、レモン色の光が光源から広がって、乳白色の輝きにとけ込みます。目をなごませる優しい光に包まれて、抱きすくめられるように盆に座ります。
 姿勢を歪めないまま肩の力をきれいに抜いて、バスルームでくつろぐようなナチュラルな所作で振舞います。腰をおろしたままフィンをつけたように揺らす脚。細めた目で遠くを見やる視線、夢見がちなまなざし。なごやかな表情がほどけてゆき、柔和に。
 ひざまずいて、静かに置くように、仰向くポーズ。再びそのポーズを繰り返したときは、ボーカルも同じ歌詞を半オクターブせり上げて繰り返していました。



2.小柳ミク

 初々しさは清楚な白の衣装に隠します。うずくまった姿にスポットをあてて、長い長い眠りから目覚め、魔法を解かれたように嬉嬉として踊りだします。
 快調なテンポ、はねるステップ、身振り手振りを大きくおおらかに、「ワン・オー・オー・ワン ナイト!」というフレーズに中近東風の響きもからみ、にぎやかなダンスとなりました。肩、肘、手首とたたんで腕をくねらせて、象形文字でも見るような不思議な動作、コミカルさをFunに変える手際に、場内も唖然、魔法をかけられてしまいます。
 哀愁を帯びた旋律にパープルの衣装の裾を波打たせ、内気な風情でフラメンコ風のステップも織り交ぜて、2曲目は前後の曲と性格を違えたスケルツォ風。広い舞台の袖を余らせて、コンパクトなスペースで踊りきります。
 白いベッド着に黒髪なびかせて盆へ、後半を2曲でまとめます。着やせする体がベッド着の下から現れて、胸をそらせれば色白のバストが天を向きます。体操競技の床運動のように、低い姿勢で腰を這わせて、しなやかに腕を振り上げると、指の描いた軌道が盆の上に半球状のドームを作ります。上昇気流を描くように身を乗り出してドームを突き破ると、腰を浮かせて反り身でポーズ。メリハリをきかせた動きに躍動感が溢れていて、あら削りながらもイキのよさに感心させられます。
 カントリーのやさしげなデュエットに包まれて、はねるような足取りで去りました。



3.夏木りりか

 無造作にまとめた髪にめがねがお似合いの、うぶな女の子が照れくさそうな素振りを見せて踊ります。清潔そうな白い前ボタンのシャツ、胸元にクロスのアクセサリー、スカートはタータンチェックの鈍い赤。たたみ二畳分の範囲で細やかなステップを、ぎこちなさを残しながら踊ります。
 月曜から金曜まで年中想いを寄せるカレのことを……と、いつか聴いた覚えはあるけれど、懐かしいフレーズが出てくるまですっかり忘れていた昔のヒットチューン。耳障りよくアレンジされ、レトロな感覚をよび覚まします。いつの時代にもどこにでもいるような女の子になりすましておいてから、着替えた姿はハットするほどエロティックな…… 
 ネット状の生地で素肌が透ける黒のランジェリー、肌に吸いつくようなフィット感で、牝の匂いを放ちます。あけすけに挑発的な態度、自分の大胆さに戸惑ってひきつるような表情も、思わせぶりだけなのか、緊張のあまり素地が覗いたのか、どうにも見分けがつきません。訴えかける目に誘惑のサインを浮かべ、表情は無心に帰り、そのまま恍惚へ。
 肉付きよくてそそるヒップを揺さぶって、脱がせる手も待ち切れなさそうに立ち姿のまま、ひと思いに全裸へ。流麗なポーズは見せませんが、スプリット、のけぞり、その合間に突き刺すような視線を落とします。



4.小池まりえ

 序奏は混声合唱で厳かに、重々しく世俗的な歌曲集を歌い上げます。
 すり足、忍び足で花道を往復する「キャットウーマン」。映画のときのように、コケティッシュな魅力を強調する衣装デザインです。覆面から覗き見る目は眼光鋭く、ヒップにもフトモモにもぴっちりと、ボンデージ風の衣装が食い込みます。
 ピキューンと銃声一発、呼応してベースがマシンガンのように速射砲で奏でます。アップテンポの曲に合わせて、疾走感あふれるダンスへ。剛直で直線的な音楽に合わせ、柔軟で曲線的な振り。ヒップを左右に突き出し上体をトルネード、あおるように腕を動かして、研ぎ澄まされたバランス感覚でしなやかに踊ります。次第にヒートアップしてゆき、とうとうマスクをかなぐり捨て、壁の間をすり抜けるように、舞台からすっと消えました。
 ベッドは、情感に訴えるウェットな前半から、後半は雄渾に歌い上げるバラードへと展開します。スロー再生を眺めるようにゆったりとした曲に依存しながら、ヒロイックなエンディングに酔いしれます。



5.香坂ゆかり

 レース編みのように細かい模様が透けて見える白い衣装で登場し、2曲目から青や菫色の服に衣装換え、そしてベッドでは目のさめるようなライトブルーにネイビーブルーの縁取りで彩って、と、衣装の色の取り合わせでさっぱりと爽やかな印象を残します。
 歯切れよく軽いノリのロックを背景にしゃなりしゃなり、しとやかにまとめた後には、濃厚なベッドが控えていました。
 ライトブルーの長いベッド着の裾を広げて、帆を掛けるようにして片手片足を伸ばせば、秋晴れの空の広がりを思わせます。舞台背後からライトが四灯、真っ青に花道あたりを染めて、援護します。
 曲は、小粋なハーモニカに、はきはきとした歌い振り。水平に広げた腕を戻して、胸の前でクロスさせ、薄い肩をしっかと抱きかかえて…… と、ごくシンプルな身振りが、胸をつく感情表現の山場を作ります。すました顔に、ときおりくつろいだ親しげな表情も浮かべ、表情を揺り動かします。ちょっと意外な展開に心を動かされました。



6.吉野サリー

 歯切れのよいリズム、心地よいテンポで始めたダンス3曲、2曲目で鈍く引きずるようなリズムに、黒のランジェリー姿で叩きつけるように腰を振って、ヒップを突き上げます。レゲエ・ダンスを想像させて、激しくもエロティック。
 淡い紫色のベッド着を羽織り、中国風の胡弓の音色にとろけるように横たわります。ドラムセットのシンバルが、さざなみのようにサーっと寄って、規則正しく息づくような音でゆっくりと盆を回し始めます。感情的な歌声、感傷的な歌詞、押しとどめられない思いをぶつけるように、のどが張り裂けそうなほど歌うボーカル。腰を浮かせ、髪を振り乱し、胸を振るわせ、伸ばした掌でかきむしるように虚空をつかんで、身振りで情熱を訴えます。
 終曲はイントロから単調なメロディをマリンバがなぞります。突如なだれを打つようにギターが轟くなかを、気合をこめたポーズで反応します。静寂と嵐とが交互に訪れるなかで、アクロバティックで派手なポーズを惜しみなく繰り出します。
 肩と上腕だけで体を支えて倒立し、倒立から片脚を宙に残して片脚上げのブリッジ。タイミングをねらいすましてドンピシャ、機械のように精密な動きを再現します。意気込みが形をなして、胸のすくような演技に昇華してゆきます。


[7864] 10月浅草五景 三代目東八千代 投稿者:節名哀 [北海道] 投稿日:2006/10/28(Sat) 12:56

満月のあと、雲の切れ間にためらいの月。
とどく文につづられた別れの証。
今日の来る日は知りつつも、
去りし日想い、積もる愁傷。
ことばに出来ないもどかしさ。
月の光に照らされて、明日を夢に舞う今宵。


[7863] SNA9下・10頭 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/10/13(Fri) 03:19

敬称略です。9下から順に。



1.桜澤まみ

 青春のすっぱさが、一冊の絵日記ノートに収まります。詰襟制服に帆布製肩掛けかばん、うぶを地でゆく学童が見初める少女は、白い清楚なワンピース姿、美の化身として神々しく映ります。汗ばむ肌をうちわであおぐ手が、やがて止まってもじもじと… 
 少年の追憶(妄想)のかたちを借りて、さらした肌は衣装の色に負けず劣らず白く感じます。ぴんと蹴上げるLもしゃちほこも、少年の想いが手を貸したから、あんなに勢いがよかったのかもしれません。
 ベッドの1曲目は伴奏が心地よいカントリー調のアレンジで。続く曲で、振り向きざまに白い日よけ帽を背後に放り投げ、膝立ちでキット見据えた表情を強く印象に残しました。
 曲の歌詞の力を借りてドラマを構成します。はかない夏の夢〜うたたねを見ていたような幸福感〜いっそ夢ならさめないで。ナチュラルで芯の強い演技でもって舞台を支えます。



2.新川舞海

 デビュー作らしいアップテンポの曲でスタートします。清楚を印象づける白いスカート、裾から健康そうな脚をのぞかせます。縁取りに刺繍をかがった黒い傘を開いて閉じて、ふさいだ手のかわりに、表情づけひとつで豹変するお顔に、視線を集めてみせました。
 3曲目からクラシック調で穏やかな曲をBGMのように流して、花道から盆へとゆったりと進みます。
 淡いさくら色のベッド着で天を仰いだ立ち姿。徐々に歩幅を広げて、膝が片方づつ地について、やがては腰が砕けます。片手を後ろ手でついて浅い反身、腰を前へ突き出すように持ち上げます。ここからは長い長い演技を、集中力で支えます。気持ちよいくらい両脚を大胆に大きく開いて、片手に体重を乗せきって体を浮かせたところなど、曲の盛り上がった所をぎゅっとつかんで搾り取ったように演じています。けなげな様子ばかりでなく、見栄えも意識して工夫したあとが見え、安心して見られます。



3.きりしまひな

 古い端ぎれのように落ち着いた朱色の生地全体に、模様を散らした布を組み合わせています。セパレートの白い衣装には手首や脛にも同色の生地を飾っていて、かがんだ姿勢から体全体をバネにして、跳び出すように踊り始めます。錯綜した音、癖のある振付を緩急交えて、蜂が花の蜜を求めて飛び回るようにランダムな、複雑な軌跡をたどって踊ります。
 ベッド着はスカーレッドで鮮やかに。長い裾を摺るように、しずしずと前へ。赤い髪飾りを胸から抜いて、髪にちょこんと挿しますと、色彩が対比してつややかな黒髪を引き立てます。
 ベッドは、舞台俳優が演じる心理劇のよう、緻密な表情付けについまじまじと見入ってしまいます。表情の変化に合わせて上げ下ろすLの脚まで、情感をこめました。アクロバティックに見せないベッドという手もあったのかと、感心します。



4.沙羅

 Kimonoの裾をさばいて艶やかに日舞、手にした扇子を振って開いて、手際よく持ち替えてひらひら舞わせ、蝶か、はたまた散るもみじ葉か。ストンと抛ってパッと宙返り、なついた小鳥のように綺麗に手元に収まります。
 ダンスは達者な人ですから、裾を細く絞って自由のきかない足元もいとわず、腰高なのも省みず、あでやかな振付の特徴を存分発揮して、指の先まで神経こまやかに通わせて、描く軌跡を見事にコントロールしてみせます。ダイナミックな音楽に負けずにカラリと大胆に、気風のいい舞に仕立てます。
 躍動的な動きのままで朱色の襦袢姿に変わるまで、スペイン語の情熱的な歌唱にのせて、袖も帯も振りほどくように次々と脱いでいきました。
 ベッドは、たわめた体、反らした背中、糸を引くようにして張り詰めた動きを見せました。手先の動きは宙をなぞって包み込むよう、掌を綺麗に返すさまは、まるで手品を見るようで見とれてしまいます。じわじわと動いて、曲の盛り上がりでくさびを打つようにポーズ、しなやかな流れをぴたりと止めてキメてみせました。



5.水橋みく

 着流しの着物スタイルで盆踊りのようにゆったりとした振付けでスタートします。手の甲ですくうように揺れる袖をからめて、襟元は覗かして涼しげに。背負った傘をくるりとすれば、描かれた桜吹雪が舞い散ります。
 のどかに情緒溢れるハーモニーが、一転、とげとげしいハードロックへ。殺戮さえ厭わない戦闘場面へ、大段びらを振りかざしての立ち回り、手負いの傷は浅い、いざ返り討ち。
戦い済んで日は暮れて、かげろうの羽根のように薄手のベッド着で、沈みがちの曲に合わせて輾転反側。虚しさ、絶望… そして曲の変わり目を新鮮な気持ちで迎えました。
 静寂の中を、和音を重ねるピアノが穏やかに入り、澄み渡った女性ボーカルが追い、続いて3〜4小節目からドラムが動き出します。温かい和声が空間を満たしていくなかで、よどみなくポーズを繰り出します。腰を浮かせたまま片脚を後方に流し、腰からふとももにかけてねじり加減に持ち上げて、きれいな流線型の輪郭を描きます。
 歌う声が裏返る盛り上がりを受けて、あたたかい拍手にさそわれて花道を戻り、舞台中央で傘の傍らにかしずく姿、静かな終わり方を見せました。



6.純名もも

 軽いポップスは口ずさみやすいライトな曲、演奏は懐かしく感じるスタイルで、アコースティックな楽器をひたむきにかき鳴らして、いい感じです。軽めのダンスからベッドの半ばまで、隙間の多い音作りで、似た調子の曲を3つ並べます。くつろいだ雰囲気のなかを、純名ももさんはにこやかに、終始明るい笑顔を振りまきます。
 ホームとする関西の劇場の、長い長い花道を思わせて、半歩進んでは周りを見回し、一歩進んでは会釈してと、ずいぶん礼儀正しい踊り子さんですね。ちょこちょこと跳ねるような足取りで、ゆらゆらと払うように掌を振って、個性的であいくるしい動きです。
 お客さんひとりひとりから視線を奪って目で殺します。さりげなくL、肩から入れるしゃちほこ、そして立ち上がりには重々しい曲で、センチメンタルな響きも入り混じってしめやかに。さよならするように振る掌は、感情の起伏を示すように大きく揺れて、名残惜しさをいや増します。



7.ほしのひかる

 光沢を帯びた水色のドレスで始め、2曲目のユーモラスな音頭でちょうちんのようにスカートを膨らませ、そして最後には薄手の長いベッド着を独楽のようにスピンしながら靡かせてと、みんな水色で統一しています。淡いエメラルドグリーンやシトラスイエローの照明が、薄日射すように注ぐと、くっきりと見栄えがして、爽やかな印象を残します。
 ブリブリにも近いアイドル風ダンスで1曲、オーバーアクション気味で表情豊かに客席を引き込みます。
 2曲目はアニメソングでしょうか、愉快な身振りで沸かせます。しとやかに盆に入って、哀愁を帯びた終曲は、せつない心情を訴えます。深刻ぶったオルガンに重なりながら軽快にチェンバロが滑り出し、フルートのパッセージや弦楽器の合奏が、一途さのあまり悲恋に終わる恋のことを奏でます。
 役作りに長けたほしのさんが、心をこめてタイトルロールを演じる舞台です。小手先に流れない大きなポーズが、のびのびとした開放感を与えます。



8.篠崎ひめ

 巫女のように白装束で朱の袴、般若の形相恐ろしく、ゆっくり剥いだ面の下からは、きりりと引き締めた表情が現れました。憑かれたヨリシロのように奔放、自在に踊ります。
 ひとつひとつの動きが独創的で、振りの行方が予想できません。大きく跳んで、小さく切り返す、踵を返してスキップするような変則的な動きで、いきいきとした太い流れをつむぎます。
 鞘を払った脇差ひとふり、刃を水平に寝かせてなぎ払うように振り抜きました。落ち着き払って正確な軌跡で、緩急つけずに切りつけます。ギラつく刃が残忍そうで、刎ねられた生首の血しぶきが、幻影に浮かぶようです。
 ハードロックのようにノイズっぽい音の羅列のなかを、アグレッシブに乗り切ってベッドへ。フルオーケストラが交響詩を奏でて落ち着いたムードをかもし出します。盆では鋭いボーカルを浴びて、腰が、肩が、腕の先へかけてよじれていくように、らせん状の動きをたどります。感情の波を体全体に迸らせて、喜憂の相が入れ替わり立ち替わり。作為の跡をたどらせない演技は迫力がありました。



9.ばにら

 キャラに合わせたように底抜けに明るく、レゲエ風にからりと仕立てたデビュー作です。
 足を前後に開いて、前脚の膝に両手を重ねて置いて、リズムにつられて肩を小刻みに揺らします。マスコット人形のように目も口も大きくて愛嬌のある顔立ちで、可愛らしく微笑みかけます。作為のない表情でおおらかに、ジェスチャーひとつでしのぐ舞台ですが、なんだか心の底から楽しそうで、いきいきした表情から目が離せません。
 くびれたウエストに発達した腰周り、スカートをたくしあげてカラフルな下着をちらりとのぞかせます。たどたどしい動きで背伸びするように、コケティッシュなしぐさで振舞います。
 やがてオルゴール代わりに盆が回り始め、無表情な人形の代わりにおどおどした生身の表情をさらします。ウェットなボーカルが消え入りそうな声で歌い上げて、無理を強いない程度に軽くポーズ。股関節を柔らかく使い、苦もなく足をあげてみせました。緊張の糸がほどけるのを楽しみにして待ちましょう。





続いて10頭へ。



1.仲代あゆみ

 1曲目からブルース・ハープにきしむギター、ウエスタン風の衣装から、2曲目でスタイルのよさを生かす黒のボンデージ・デザインへ、メリハリのきいたノリのいい音が続きます。フットワークきかせて激しいダンス、ちょっとしたスポーツ並みにカロリーを消費します。ブーツの脚を蹴上げては、踵からねじ込むように踏み込んで、腰を左右に切り、両腕はせわしなく振り続けて休ませる暇もありません。
 フラッシュを瞬かせる合間にいったん袖に引き、着替えた白いベッド着は生地が柔らかく、スリムな体にフィットさせます。
 ベッドではメランコリックな曲にのって悩ましげに。せつなげな表情で見つめ返した後に、跪いて腰を浮かして、激しくボディをシェイク! 搾り出すようななまめかしい腰づかいが、先ほどまでのしおらしさとギャップが大きくて、思わず息を呑みました。



2.豊田せりか

 白いアラビヤ装束は伸ばした腕の先まで届くベールをかぶり、コインや鎖の装飾がキラキラと金色に輝いて、祭壇のようにボディを飾ります。白や黄のおとなしい照明を浴びて、月夜の宵を思わせる静かな舞台、重力を失って漂うように、ゆったり舞ってみせました。
 虚を突くようにスローペースで始めて、流麗な振りのまま2曲目で加速。くねくね、ごつごつした異国情緒を思わせる動きは排除して、遠泳を泳ぎきるように力を抜いた洗練された動き。ハーフターン、戻してフルターン、そのたびに帆船の帆のようにベールが流れて、デリケートな軌跡を描きます。
 ベッドはまっさらな白の衣装、前の合わせ目にかぶるように、フリンジが上から下へうねうねと流れます。曲に浸ってしっとり潤うベッドは、演技で始めて、表情を変貌させて受けとめて、最後のブリッジから立ち上がるまでの間を、流れるようなポーズでまとめます。



3.小池まりえ

 裾をからげてそろりそろりとぬかるみを渡る、花魁道中。にじる素足が床の上を引きずります。ゴージャスに着飾ったところで花魁は、所詮は夜の華。すぼめた口にはだけた襟元、うなじ覗かせてしなをつくり、技巧的な所作でいずまいを崩し、あだな恋のためトラップを仕掛けます。
 古い邦画のサントラのように、情景が目の前に浮かぶ情緒的な曲。あんどんの光に薄い襦袢の赤い生地が透けて、奥まった先で茂みも見え隠れ。せつない吐息まじりにかぼそい声で歌い上げると、掛けちゃならない徒情もわくような。
 チンと音叉が鳴って、オーボエが横一線に音程を吹いて、オーケストラの音合わせから始まった神秘的な響きから、懐かしげなしゃみせんの音が出て、彩ります。陰音階の旋律をつまびいて、せり上げては嗚咽を誘い、せり下げては寂寥感をにじませます。様式化されたポーズのあれやこれやが、音とシチュエーションに力を得たものか、やがて消え入る最後の光を浴びて、張り詰めた空気のなかで輝いて見えました。



4.木村彩

 肩の力を抜いて洒脱なダンス、曲をなぞって軽快に足元を捌いてと、古風な展開でなごませます。淡いラベンダー色のダンス着は軽く誂えてあって、そよ風になびくかのようにフットワークにつられて揺れています。
 明るい笑顔の印象を残して袖に引き、出直した2曲目、3曲目で、衣装は純白からクロームイエローへ。膝にまとわりつくスカートの裾は、指でつまんで左右に広げてしとやかに、脱ぎ始めは迫られて困惑の表情を浮かべながらも…… 誘惑の手練手管を駆使して、潤んだ瞳でじっと見つめられたら、返す言葉は見つかりません。
 可憐さも翳りも演じ分けられる表情に加え、工夫をこらしたポーズも板につきました。しなやかな肢体をやわらかく宙に浮かせます。



5.小野今日子

 ラテンやサルサを編曲して派手にして、火の玉のように踊ります。単調なリズムを力で押し切るように、ドラムやパーカションが下腹に響き、甲高いボーカルがそれを引き裂きます。赤と黒の入り混じった明快なコントラストの衣装を、マントのようになびかせたりサンバのように振り回したり。怒涛のように寄せるリズムの波に押し出されるように、黒いスカートを取り去りまっかなランジェリー姿で、盆へ。
 陰鬱に沈み込むボーカルに対し、ベッドで絡みつくように悩ましいボディをうねらせます。ヒップはくねらせ、バストはこすりつけるように振り、フェロモンをしたたらせます。
 終曲は、脳内がぶっとぶようなハードロックのバラードです。センチメンタルな旋律を奏でるのは、のしかかるギター、叩き込むドラム。ボルテージ全開のボーカルが何度も叫びを繰り返します。たまったものを吐き出すかのように放ったブリッジを、豪快にキメて立ち上がりへ。すっくと立って、一度客席側に踏み込んでから踵を返す去り際がカッコよく。たたみかけるように盛り上がってピークで炸裂してみせる構成が、エネルギッシュな「儀式」を暗にほのめかします。



6.星野あかり

 ラジオからくぐもった音が流れます。遠い電波を拾うような、妙に懐かしい音楽が、ノイズの合間から聞き取れます。ふわふわの白いドレスを浮かせるようにおっとりと舞った後に、雷鳴、驟雨、雨だれが軒を、路面を叩くように、リズムボックスが小気味よい音を連ねます。
 いそいそと脱ぎ去った下からエレガントなデザインの白いダンス着で、胸元から腰へかけて金糸の刺繍が流麗な模様を描いています。小雨になったのか、さし掛けた傘を楽しそうに回して振って、口元が自然と緩んで、膝がツイストし始めます。
 3曲目の沈み込んだ音につられるようにして、ふさいだ表情で静かに盆へ。さなぎから脱皮するようにみずみずしい素肌が現れました。Lであげた脚は、いとおしい人の肩を引き寄せるように、膝をやさしく抱きかかえて自分の肩口へ近づけます。3点ブリッジで腰を浮かせると、反らせた腰から肩にかけて、空間を大きくえぐります。流し気味に置いた右脚の、こころもち曲げた右膝がいい按配で、きれいなアーチを描きます。


[7862] どうもです。 投稿者:ウナヤンケ [北海道] 投稿日:2006/09/22(Fri) 02:32

PEEWEEさん、レスありがとうございます、お元気でなによりです。(笑

香盤が良かったので、約3年半ぶりの観劇でも、そんなに違和感
はなかったですが。。。

私が観劇をはじめたころにはすでにトップスターだった奈々さんが、
現在でも全く変わらなかったのは嬉しくもあり驚異でした。

hideさん、ddさん、今頃どうされているのでしょう。
懐かしいですね。(笑




[7861] おひさです。 投稿者:peewee [近畿] 投稿日:2006/09/21(Thu) 11:27

ウナヤンケさん、おひさしぶりです。
お返事、遅くなりましてごめんなさい。
私もここ数年で、ずいぶん中年の特徴を帯びてきました。

御幸奈々さんは昔からステキですね。

ストリップは私が最初に見出してから10年も経ちませんが、少しずつ、変わっていっているような気がしますが。


[7860] 九条 投稿者:ウナヤンケ [近畿] 投稿日:2006/09/18(Mon) 00:50

peeweeさん、お元気ですか?

今日、ひさしぶりに九条へ行って参りました。
私も外見はかなりかわりましたが、御幸奈々嬢は昔と全く
変わらず、数年前にタイムスリップした感じでした。。


[7859] SNA7中・7結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/08/01(Tue) 04:15


敬称略です。



1-1.雪見ほのか(1〜15日)

 芽生え、臆病風、勇気を振り絞って…、そして挫折がめぐってきて…
 恋の生成流転をブリブリなダンスで彩って、リリカルにしめくくる二幕ものです。
しつこいくらい単純な繰り返しが多いアイドルダンスを、ぎくしゃくした振りや満面の笑みで飾って、幸せな気分を盛り立てます。白いボアで裾を縁取ったピンクのワンピースから、胸元や首回りを造花で飾り立てた、透き通る衣装へ。
 でも、恋は一人相撲。花束で埋まったバスケットを片手に登場して、曲想に合わせて元気いっぱいに踊りますが、バスケットから取り出した封書の差出人はいったい誰でしょう。ピアノの鍵盤を躊躇しながら指先でまさぐる曲で、リリカルなムードへと移行します。
 せつなげな表情で一瞬、心をさまよわせて、はっと気づいたら膝立ちで裸の腰をすりつけるようにくねらせていました。感情の起伏が限界点を越して、頭上の帽子を振り落とすと、その場に泣き崩れます。ブリッジからの立ち上がりで涙を拭いて、さわやかな幕切れを迎えました。



1-2.豊田せりか(11〜20日)

 曲の合間にモールス信号も埋まっていますし、一癖ありそうな歌詞の展開も何やらいわくありげですが、でもポップなノリでキュートだから、そのまま明るくブルブリでいっちゃいましょう。というわけで、そのままアイドルチックに2曲突っ走ります。赤にドットのエプロンがひらひら、ウエイトレス姿には定番の清楚な白いタイツに銀のトレイ、手持ち無沙汰であれば即席で、まぁるいトレイもステアリングに早変わり。テンポの良い曲に合わせて足元のサスペンションも快適で、バタつかせずにすっきりと見せました。
 ゴム毬のように跳ね回る2曲目で、やっとセカンドからサードにシフトチェンジ、巡航速度からそのままサービス・エリヤに入るようにして、3曲目の甘みなバラードに。黒人女性の囁きが耳にしみとおります。マントのように裾の長い衣装にすっぽり身を包んで、無重力のようにふわりと舞台下手で楽しげに遊びます。盆で伏せた姿は、健やかな寝顔を見るようでした。
 夢から覚めて探し回るように目で追って、せつなげな表情で彩る4曲目、甘みなムードの余韻をこわさずに、ベッドも演技力ですくいあげてまとめ、最後はすっきりと本舞台に立ってみせました。



2-1.相馬ルイ(11〜20日)

 短く刻んで曲を入れ替えて、その都度ナレーションをはさんで気分も入れ替えます。スピードのある1曲目、淡い桃色の衣装を甲冑のようにまとって、なにかのゲームキャラのように激しい振り付けで、威勢のよいパフォーマンスでキレの良さを追求します。
 ネイビー・ブルーの短めのスカートに白いスニーカー姿、チアガールのようにはつらつと脚を振り上げて暴れた後で、3曲目のバラードでは動きを止めて、舞台袖や盆の縁に佇んで、客席に語りかけるような物静かな演技に徹します。憂いを帯びてせつせつと流れる曲に、乱した感情をさらわれるような表情を浮かべて、おだやかなベッドのうちに沈みます。
ポーズは片脚片手で立って床を蹴るようにして浮き上がり、 精一杯に反り返らせたブリッジでまとめます。
コミカルな面も見せたオープンで、ニヤリとさせてくれました。



3-1.羽流(1〜15日)

 露出度の高いダンス着に、たっぷりと長い袖を垂らします。銀色の地に唐草文様の刺繍をほどこして、古代紫で衣装の縁を彩って、艶やかなコントラストをしいて気品を漂わせます。スラッとした脚をふともものつけ根までさらしてモデル立ち、いつものように歩幅を狭くとったあっさりとしたダンスです。
 舞台は光あふれて逆光まぶしいなかで、袖を抜いて衣装を脱いだ後、赤いベッド着を身にまといます。横たわって柔らかい股関節から、すっくと膝を伸ばしたままナタを払うような脚の動きで盆を支配します。腰上げのLでは脚を垂直に立て、目の前に迫る自分の脚と顔の隙間を縫って手で払いのけるようなしぐさ、続けて一気に右旋回して270度、さそりのようにしてしゃちほこの後ろ脚をぴんと立てました。
 長身を活かしてスケール大きく盆上を動き回り、歯切れよく演じてみせました。



3-2.空まこと(16〜30日)

 不規則に聞こえるリズムに迷彩色をあしらった奇抜な衣装、赤いターバンに白いスニーカーで、ストリートダンス風の激しいステップに挑みます。
 ねばる足腰、リズムがからんで踏みとどまって、足元を切り返して一気にスパークするような、多様な動きをかき集めたようでした。
 続いて2曲目は、時間がゆるせばフルバージョンで、はすっぱな口調でうなるブルースで、ここぞとばかり官能的な身振りにあけすけな表情で、赤いダンス着を引きちぎらんばかりに振って挑発します。卑俗でインチメートなブルースで燃えたぎらせてから、寒々とした印象のクールなボーカルへ移行して、場を引き締めます。
 いったん邪念を振り払ったかのように沈痛な面持ちで、仰向けに横たわって目を閉じて、兵士にまつわるバラードが流れてくるのを待ちました。不安そうによぎるクラリネット、イロニックに嘆くボーカル、ミドルテンポのレゲエ風のアレンジにのせて、腹にすえかねた言葉を束にしてイシツブテのように次々と投げ込みます。
 赤いベッド着をひらめかせて本舞台に立ち、黄金色の光に埋もれていきました。


 また、ちょっと異なる作風のものも拝見しました。
 白一色で固めたノースリーブのチョッキ風の胴着、パンツルックにスニーカー、下に着込んだシャツの襟がそこだけローズピンクに鮮やかに浮き上がっています。意表をついてゆったりとしたテンポで始め、粘っこく腰をスライドさせて、泳ぐように踊ります。
 振り上げた腕は引っ張られるようにぴんと伸ばしたかと思うと、もう、次のターンへの動きにかかっています。踏み込んだ足のかかとで体重を受けとめて、間を置いてから腰を寄せて体重をかぶせるようにのせてきます。
 奔流にもまれてもがく2曲目へ。足元は体重移動をしながら前後左右への切り返しが急に増え、隙間に身をすべり込ませるように上体をねじまげて、めまぐるしく動き回ります。髪を振り乱し、前ボタン側がはだけてきて、衣装を替えて黒の網タイにガーターベルトへ。どこをねぶってやろうかと、手にしたムチをうならせるチャンスをうかがいます。バストをさらけ出しヒップをむき出しにして、そのボリュームで圧倒して挑発します。
 時を止めてじらしながら、妄想をむさぼるようなベッドへ。次第に歪んでゆく表情を、乱した髪の中に見え隠れさせながら、ぐっしょりかいた汗が背骨伝いにたれたり胸元から
したたったりするのを眺めていると、リアルな夢にうなされている気がしてきます。



4.井上千尋(16〜30日)

 大きな身振りで歩幅を詰まり気味にして、すべるようにステップを運びます。曲がはじけるなかで、白地にラメの衣装の表面をきらきらとまぶしく反射させて瞬かせます。
 腰周りを絞ったドレスを脱いで、開放的にセパレートへ。舞台上手でパンティ1枚残して脱いで、清楚に白いYシャツを羽織ります。
 つややかなソロ・バイオリンの旋律に、祈るような澄んだ歌声が被さります。繊細に反応して、ベッドは浮遊するようにはかなげに。Lでは日時計の針のように脚をあげ、しゃちほこでは体を反り返らせると、反り返らせた反動で挙げ足をおろしてから着地します。
 ブリッジでは深く腰を入れてきれいな彎曲を描いた後、ふっと笑みを漏らします。あきらめのついたようなまだつかぬような未練がましさを浮かべて、迷いの真っただなかにある女性らしい表情をふっと見せつけると、それがまた引きつけることとなりました。



 もう一作は、夏らしい風情のものでした。
 ラテンのリズムにのってトロピカルな色彩の衣装から、都会の喧騒をあざ笑うかのようで、ゆったりと穏やかな心境に浸る琉球歌謡へ。透き通った襦袢ですっくと立ち止まり、盆への一歩を降ろします。
 ひとつひとつの姿勢を折り目正しく作って静止して、余韻を楽しむような優雅な佇まい。特に凝ったことはしていませんが、基本的な動作を積み上げただけで説得力ある世界を作り上げます。
 膝立ちで体を反り返らせて、形よく上向いた胸にとんとんと拳をあてて、「この胸に…」というフレーズを補います。連ねた歌の詞にジェスチャーがかぶさると、詞の意味がひたひたと胸に沁みてきます。



5.成瀬美穂(1〜16日)

 終始、曲想がいきいきと流れ、まさしく泳ぎとおすように踊る作品で、シンプルながら緻密にできています。
 大きな透明のマントをエイのヒレのように動かして、神秘的な光が織りなす饗宴を堪能させた後、1曲目は中華風で2曲目は和風、それぞれ旋律を歌わせて単純な音の進行でもってたたみかけて、感情のたかまりを引き出します。若々しい女性の中国語の歌ですが、声を絞り出すように発声するうちに、うら悲しい響きに至ります。裸足の爪先立ちから踵を踏んで降ろして、碁盤の目をくぐるようにステップ踏んで、大きな1歩に、半歩、1/4歩を使い分け、柔道の模範演技のように足を送ります。
 2曲目でピンクからサファイヤ・ブルーの襦袢に替え、白く縁取った裾を蹴上げる仕草が波しぶきを立てるのにも似ています。お三味に太鼓のバチ捌きを聞かせながら、波頭が割れて波間に海の底が覗くように、襦袢の合わせ目からなめらかな白い肌を覗かせます。
 3曲目からはゆっくりとした音楽の流れに浸って運ばれるようにして、心地よくやすらげるベッドです。胡弓が引き絞る音は海豚の鳴き声を模倣し、ハープで奏でる粒立ちのいい音は海底での波の揺らぎを思わせます。囀りながら深々と息づく横笛の音色が、五感ごと包み込むようにベッドの立ち上がりを支えます。ダイナミックに音が揺れて感極まって、そのときの表情が見る者の心を捉えます。



6-1.みずき紗英(11〜20日)

 こった演出をお芝居風にまとめる個性的な作風で、演劇じみたところはありませんが、ひとつひとつの演技に念が入っていて、照明の効果もそれをたすけます。
 バタフライ・マスクを手にして沈んだ金色に鈍く光る王侯貴族風のドレスで1曲、気高く冷ややかに演じて、みだらな本性をさらすのは2曲目から。サイドのジッパーをはずしてたわわなバストを覗かして、そっと口元に好色そうな笑みを浮かべます。よく通る視線を武器に、そのまま盆を支配してみせます。
 白いタイツにガーターがお似合いで、気になる位置にちょこんと結んだ紫色のリボンが揺れて目を引きます。ベッドは、憂鬱から悲しみへとたどります。悲劇的な結末をたくましく想像するよりは、女性の目に浮かぶ清らな涙を思い浮かべればよいのかもしれません。
 曲の流れと起伏に合わせ、演技に徹しながらポーズも活かし、逢引の後のつれない別れを想わせます。



1-3.雅麗華(17〜30日)

 黒髪にパッと咲き誇るように花飾りが2輪、見返美人で始めます。襟元に黄、帯に紫、和服の裾をすって白足袋でにじって、さかんに動き回ります。
 膝を深く沈めて両腕広げてバランス取って、その両手の先には舞扇、いちどに4輪の花を咲かせます。水を枯らすな、咲く恋に… 恋を咲かそうと大和撫子がラテンの血をたぎらせます。
 ブラジル音楽のなかでは、ワールド・ワイドで最初の成功の嚆矢となった曲に。膝下の目にも止まらぬ素早い運びで、自由奔放で開放的な気分へ。
 客席との間合いをはかり直すように、ベッドはオーソドックスにまとめます。白地に淡い水色の衣装で、深く腰を沈めて大きく股を開き、反らす度合いは喉元奥深く裂きそうなほどに。アクロバテッィクなポーズは控えて、浅草の中トリの景の引き際にように、長く余韻を残します。



2-2.亜利沙(21〜30日)

 たまご色の地にカラフルな花鳥紋を染め抜いたビン型をまとって沖縄歌謡、ゆったりとしたリズムにゆるやかな振り、流れゆく時間をいつくしむようにして踊ります。背後から照らす照明がカット燃えて真夏の陽射しを思わせます。
 一転して祭り太鼓に派手なバチ捌き、ハッピにさらし巻いて大上段に構えての乱れ打ち。雷鳴のように響く太鼓に、ハッピの背中で暴れ龍ものたうちます。
 転じてカラッと典雅な琉球舞踊風、続いてお三味を勢いよくかき鳴らす曲で盆のうえでしとどに乱れます。盆に横たわり、水中の藻のように手足を宙に揺らめかし、行き交う視線を絡め取ってみせます。一連のポーズもなめらかに、ベッドの流れにとけてなじんで埋もれます。
 終曲では、しみじみと語るように歌う詞に合わせて、いとおしむように手振りでも語りかけます。「つぼみ」で始めて「千年続くように…」で結ぶ詞には、いっそう感情がこもって心に沁みてきます。



3-3.喜多嶋梨香(21〜30日)

 じゃれつくようにして腕を振ったり、不規則に腰を揺らしてみせたりと、愛玩動物のようなキュートさを振りまきます。スカーレットの衣装を膝まで垂らし、所在なさげに裾を揺らすと、腰の上で結んだ黒いリボンがゆらゆら揺れて、アゲハ蝶がはばたくようにも見えました。ジェスチャー主体でおとなしい、か細く頼りなげな振付にも見えますが、足元はしっかりしているようでした。
 2曲目は無軌道な音の遊戯で、単調なリズムが囃したてるスケルツォのような性格です。掌ですくいあげてはランニングの要領で両腕を振り、胸元でブロックサインを繰り広げてみせ、束ねたゴムひもを引っ張るなど、多様な所作のオンパレードです。
 ベッドは柔軟な股関節を活かして柔らかみのあるポーズを展開します。浅く腰を浮かせたLでは、垂直にあげた脚を空間にはりつかせたようにぴたりと止めて、安定感を感じさせます。つむぎだす動作は、丁寧に運ぶ指先からまじないをかけるようにサインを発して、華奢だとばかり思っていた手足をのびやかに空間に放り出して、力強ささえ感じさせます。



6-2.白鳥あきら(21〜30日)

 しずしずと和服で歩む可憐な姿を「枕」に使います。
 カッコよく響くロックに替わると、ショートパンツに金色のカップのブラ、革のベルトを素肌に巻いて、髪を振り乱しながら全身で叩きつけるようにして踊りまくります。
 細身の体をくねらせて爬虫類のよう、引き締まったヒップを突き出しながら振って、猛々しく野獣のよう。肩の力を抜き加減にして、流れるように肘を遊ばして膝を泳がせて、オリジナリティを感じさせる振り付けです。
 心和ませる笛の音に包まれて、透き通る襦袢を羽織って、枝ぶりのしだれた青い花が咲き乱れる造花2本を手にささげ持ち、そのまま盆をひとまわり。枝を体にからませながら、しなやかに体をしならせます。
 スピード感のあるロックにひりひりするボーカルがからむなかで、綯った縄がほつれてほどけるように、身悶えしながら腰を揺らして襦袢をはだけさせ、一瞬たりとも動きを止めることなく乱れて朽ちおちるよう。激しいロックのギターが歯切れよく刻むなか、本舞台に立ち戻って背を向けたまま、身から襦袢を剥ぐようにして、崩れおちながらエンディングとなりました。象徴的な効果を前面に表した、幻想的な舞台です。




[7858] 浅草+川崎 6結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/06/30(Fri) 00:48

敬称略です。


まずは 浅草 6下から



1.上原舞

 ボディコンシャスな衣装は刺激的なピンクと短すぎるスカート丈で、すらっと伸びたむき出しの脚と合わせて挑発します。そんな4人に囲まれて、上原さんはチェックのスカートにゆるめたタイ、ルーズソックスの足先をスニーカーで固めて、小走りに左右に振られるように、舞台袖まで広く使いきったステップを披露します。
 舞台手前の両翼に上背のある外人2人を置いて、がっしりと堅固なフォーメーションで奥行きを感じさせます。
 さっと着替えて裸足で数歩、移動台の上に駆け上がって、きちんと揃えたヒールを履きました。体にまとわりつく黒いベッド着をはね上げるように翻して、軽々と俊敏な動きで曲の流れに身を委ねます。胸を反らし腰をつき上げ、ぴちぴちとした威勢のよい動きで盆を支配します。
 花道戻りでおおらかに定番のポーズを見せて、非常にリラックスした感じに見せました。



2.白沢きらり

 傘の花が雨模様の空に咲き、気まぐれな通り雨につられてあちこちと右往左往。透明なビニールの生地を透かして乙女3人のシルエットが浮かびます。緩急交えた曲で疾走する場面ではぬかるみを避けて足元を踏み替えたよう、バタバタと互いの姿の後を追うように3人がつかず離れず動き回ります。
 白沢さんは、白い生地の上に金色に輝く薄い生地を重ね着するように羽織って、身振り豊かにおおらかなベッドを演じます。袖から腕を抜き、指をなすりつけるようにしてたわわな胸を持ち上げて、深々と引きつけるように折り曲げるLの脚。
 長い脚を盆の上で旋回させて、再び衣装に袖を通して盆から戻り道をたどり、花道根元で人目を引きつけるようにポーズを放ちます。背中を見せたままのけぞるように天を仰いで後ろ手をついて、残った片手を差し伸ばします。おおらかな感じを見せつければ、先刻の雨もいつしかやんで、明るい晴れ間を予感させました。



3.沙羅

 洒落たデザインで軽く羽織った衣装は、白の水玉で地の黒い色を抜いています。有酸素運動のはじけるようなダンスを、なめらかに演じます。ニューオリンから、マーティン・バンドが降誕したかのように、にぎやかな音楽で派手に振舞います。
 雅さんも沙羅さんも、枠組みを意識しないで意気投合して、大海を自由に泳がせたらば、アドリブ交えてからむのはお手のものです。ふわりと体を浮かすように、軽々と高速でステップ、前後左右にと目にも留まらず踏み替えて重心を逃がしたりと、ユーモア交えてざっくばらんに踊ります。
 白いベッド着には、胴回りに涼しげな花模様のデザインが。盆への入り始めで、胸を張った立ち姿で、盆の縁から身を乗り出します。1、2周するうちにだんだん気がノッてきて、片膝立ちで腰を突き上げるように、大きなアークを描いて身を反らせます。意識上のピークはこのあたりにあるのでしょうか。花道戻りで盆に揺られて、リラックスしたムードで胴や長い脚をたなびかせ、楽しむように舞台の上から振り向いてくれました。



4.東一美

 菱形に配置された4人、東一美さんを扇の要に配置します。
 チョッとダルい感じの曲を使ってなだらかに流して、個人レベルでは凝った振付を与えます。赤みの勝った照明を浴びながら、オリエンタルな印象を与えるズボッとした衣装で、神秘的なムードのまま、花道上りでひとりきり、青っぽい照明を浴びて渡ります。
 白い腰巻を左腰のあたりで緩く縛って留めて、その上から蜻蛉の羽根のように透けた黒い生地をマントのように羽織り、翼のように広げます。のけぞらせた喉元を無防備に見せて、水底に漂うようなベッド。黒い羽根を体にまとわりつかせながら浮遊します。
 花道戻りで白い腰巻を解いて、その下からまっさらな裸身をさらしてから引いていきました。



5.三代目東八千代

 寵愛を一身に受ける大奥の内幕、栄枯盛衰の物語をひとくさり。禁断の恋に身をやつしたばかりに、おおもとの地位を失うまで。内掛をぴしゃりと足元に捨て置かれて、キッと睨まれた視線に耐えかねたよう、失意に沈む三代目東八千代さん。せつなく悲しい表情が印象的に映ります。
 着物の帯を一気呵成に解いて襦袢姿。センチメンタルな歌が醸し出す気分に浸ります。半眼に開いた目の奥に穏やかな光を宿して、戻り花道は平和そのものの世界。落ち着き払った態度で光あふれる舞台へと引いてゆきます。



6.雅麗華

 サファイヤ・ブルーのラメのドレスが、ぴったりと細身の体を包みます。背筋伸ばしてゆったりと伸びやかな手脚の動きに、手首、つま先の動きを入れてアクセントにして、4人が一堂に会してシンクロしています。カタカタと心地よくパーカッションが刻む上にシンバルの硬質な響きを重ね、クレッシェンドをかけて緊迫感を高めてゆきます。4人が互いに距離を置いて、その間に割って入るように、ひとり雅さんが明るいベージュの衣装で軽快に踊ります。
 がっしり固めた4人に対置して、縦横無尽に舞台を横切る雅さん。盆へは柔らかい生地の白いベッド着で臨みます。
 静かなバラードを背負って奔放に動き回り、振り上げた脚が盆の上を差し渡して、横たわってからも波が寄せては返すように、しなやかに体を反らせて目一杯の表現をしてみせます。
 最後は明るい曲で、口ずさみやすいメロディにのせて、花道戻りでじっとしていられないように陽気なステップを見せました。



7.東美保

 小坊主姿の東美保さんが、破れ寺、奥の院で月夜の晩に、子狐2匹と戯れます。黄色いかすりのべべ着て、かいなを返して爪で掻くようにして、見目すがたは娘に化けたものの、本性は丸わかりです。
 茶目っ気たっぷりにからかったりからかわれたり、化かしあいの勝負のゆくえは知れず、月が天頂を越えた頃合いに、山あいをたどる帰りのケモノ道をお見送り。
 東さんは明るい桃色の襦袢型のベッド着で、頭上を華やかに簪で飾ってお出ましです。
 琴か二胡か、みやびな合奏で花道をたどります。花鳥風月の運命をたどり添い遂げることを誓うラブソング。しんみりとしみる歌詞に応えて、伏し目がちに視線を泳がせて、面を上げて瞳を潤ませて、芙蓉のように牡丹のように、衣装を花弁に見立てて花に埋もれるベッドです。のびやかな表現が曲調にかないます。



8.外人姉妹

 金髪の鬘に古風なドレス、あまりの次元の違いに戸惑わせる、歯切れのよいブリティッシュ・ロックが響きます。切り込んでくるリズムを一顧だにせず、ワルツに合わせるように悠然とターン、優雅さしか眼中にないという踊りぶりです。
 曲の途中でスカート脱いで、ガーターにタイツにコルセット姿、体格のそう違わない姉妹二人は、ここでも容易に見分けがつきません。
 大きな身振りで花道たどり、片や花道半ばに、片や盆へと上ります。筋力を試すかのように極端にゆっくりとした動きはパントマイムを見るようで、物珍しく感じます。終曲で二人がひとつの盆で寄り添うとき、心をとろかす妹の笑顔と、クールに徹した姉の表情が好対照。仲良く戻る花道で、ガーターのはずれた先を宙に揺らします。



9.平松ケイ

 場末の喧騒を連想させるようにボサノバが低く響きます。気ままに移ろう音階に切り込むようなリズム、硬質な手拍子を響かせて、スカートの裾を揺らし、足元は目まぐるしく踏み込んで変幻自在に応じます。
 群舞で扇形に広がって、平松さんからドミノのように動作が広がってゆくシーンが圧巻です。
 赤いドレスに同系色の帽子で、舞台袖をさまようように、下手から上手へと移動します。袖に腰掛けて、長い素足を見せつけてから、帽子を目深にかぶったまま、花道を上ります。
 威厳正して盆に立ち、おもむろに体を沈めてから、衆目を浴びるなかでLの脚を大きく振り出します。贅肉をそぎ落とした動きを見せてから、花道戻りでバランスを重視したポーズ。ベッド着の裾をつまんで広げてみせれば、血を吸ったように情熱的な生地の色が、鮮やかに視覚を刺激します。


そして 川崎 6結です。



1.ほしのひかる

 紺碧の空に刷毛ではいたような桜色の模様がすっきりと、綺麗な柄の着物を羽織ります。桜の枝をふたふり両手に持った桜の精、祓うように振って舞台をさっと渡ります。艶やかな化粧で隈取るように独特のアイライン、振り割けるように髪を乱して、妖艶な表情で微笑みます。
 象徴的な場面から、囃すように賑やかなリズムに合わせた陽気なダンスへ。短い袖を揺らして鈴の音転がして愛嬌よろしく練り歩き、また象徴的なベッドへと転じます。
 桜色の羽織をはらりと盆に脱ぎ捨てて、襦袢を纏わず、濃い桃色のベッド着に銀の帯を締めています。立ちはだかるように膝立ちで、裾を払って広げて見せ、真一文字の帯の結び目に手をかけました。崩れて座り、俯けた顔には、妖気にも邪気にも取り憑かれたように狂おしい表情がありました。
 ‘花の下にて… ’の句が浮かぶ、幽玄な世界を繰り広げます。



2.高田愛子

 濃淡2色のピンクの衣装、フリルが八重咲きの花弁のように、ふくよかな体を包みます。媚を売るように肩を揺すって腰を振って、威勢良く駆け抜ける曲に身をゆだねてセクシーな魅力をアピールします。
 ベッドでは、白い生地を透かして豊満なボディの輪郭が浮き上がります。衣装を縁取る羽毛の羽飾りが肌を撫で、パールのネックレスが胸の谷間をすべり落ちて、ゴージャスな香りを添えています。
 せつなさそうな表情を浮かべて、律儀にきっちりとしゃちほこを立て、ブリッジへ。立ち上がりに、ほっとした表情を浮かべ、初々しさを見せました。



3.空まこと

 リズムが狂喜乱舞するなかを思い思いの振付でフリースタイルで踊ります。花道が広い川崎ですので、踏み出す足の位置がはっきりと見てとれて、のびのびと演ずる感じがいっそう伝わります。
 迷彩色のへそ出しの衣装、ターバンに派手な赤を使って引き立てます。ディープなブルース、続いて凍えるように冷たい風の吹きすさぶ曲へ。はたまた、体もほてるようなレゲエに身を委ねて、激情にかられるような表情で、感情こめて身振り大きく演じます。水着風のブラは、自らをもみしだく手の動きによってもみくちゃにされ、豊かな乳房も引っ張られて歪みます。
 ただれた表情、挑発するまなざし、刺激を求めて編み出したポーズ。
 一瞬にして燃え上がる気化ガスのように、見るものの落ち着きを気化熱のように一気に奪います。



4.小野茜

 ウェットで感傷的だった原曲が、すっかり元の影を潜めてカラリと躍動的にアレンジされています。ちょっとフラメンコをも思わせる民族色濃い衣装をいなせに着こなして、腰まわりにショール、頭上に帽子、紫の花飾りが目を引きます。ジプシー風の朗々とした節回しに合わせ、無理のない振付で自然に流れます。
 長いスカートのまま大きく股を割り、舞台中央の椅子に浅く座って前かがみになると、帽子のつばの下から口元をチラリと覗かせます。
 暗転して着替えた姿は、帽子姿でバレンシアオレンジ色のワンピースに、網タイ、黒々とロングブーツ。紫の煙をくゆらせながら、はすに構えて無造作に、かっこ良く演じます。
 曲に耳を傾けながら、盆では都会の孤独な散歩者を演じる様子です。うなだれて闇の中の気配をうかがって、脚を組んで揺らしたブーツを黒光りさせて、曲げた膝頭で網タイの網の目を広げます。
 瞑想で揺れる心を抑えながら、ポーズですっと体を浮き上がらせます。



5.水月涼

 ビロードのように黒いスーツで颯爽と、カドのとれた振りで伸びやかに。頼りなさげに鳴らすストリングスに、力強く爽快に刻むリズムセクションの組み合わせで、独特なテイストは往年のディスコ・サウンド。身をかわしながら舞台を広くつかむようにして、意識的に軽やかなタッチで、肩に力を入れずに踊ります。
 脱いだ下からは赤いダンス着をひらひらさせて、くねくねとした腰使いを印象に残し、白いYシャツを羽織りなおしてそのままベッドへ。ふかふかと毛足の長い絨毯に埋もれてピンクのクッションを傍らに置き、濃厚な表現で情におぼれるように演技します。情緒豊かに熱中しているような表現力と、ねらいすましてコントロールしているような冷静さとが、一枚のカードの表裏のように隣り合わせて不思議な魅力を感じます。
 最後は抜けるように軽快な乾いた音でロックを響かせて、横たえた身を投げ出すように浮き上がらせて、綺麗な立ち上がりからエンディングへ向かいます。



6.加瀬あゆむ

 よどんだ空気をこじ開けるように、懐中電灯の光が一条、闇を切り裂いて流れます。耳になじんだテーマソングが叩きつけるように歌われて、駆け抜けるテンポに合わせて斬りつけるようにダンス。小気味よく流れるリズムにのって、おおらかに踊ります。2曲目で、メリハリきいたリズムでグルーブ感を生みだして、ホッと一息ついたところで、ゆったりと開放的な気分に浸ります。
 白いベッド着でスカートの裾に指を通して、煽るように、羽ばたくように動かして、誘蛾灯に魅かれる昆虫のよう。悲嘆に暮れる姿から、夜露を吸って潤う夜の花へと変容します。
 もどかしげに解いて結ぶパンティの紐で、やわらかな太ももをギュッと縛ってから胸を反らします。熱唱に応えるように震える指先が、次第、次第にと大きな軌跡をなぞります。下から腰を押し上げて、片手を離したブリッジへ。コーラスに守られるように包まれて、静かな幕引きを迎えて喝采に応えます。


[7857] SNA6頭 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/06/18(Sun) 05:05



敬称略です。



1.かんな

 白いフサフサのダンス着はラテンの趣きを漂わせて、後のベッド着を着た赤にローズの花飾りの姿とは対照的です。低音でベースラインが単調にリズムを刻んで、割って入ったピアノはパーカッション代わりに、シャープな切り口で切り込みます。
 手首にまとわりつく長い袖を揺らし、よたよたと雲の上を渡るよう、不思議とユーモラスなダンスを披露します。間合いにも慣れていくうちに、カッコよさが徐々に染みとおってきます。
 曲も後半になってから、ボーカルが次第に熱気を帯び、ゆるやかにクレッシェンドしてゆきます。それにつられて気も大きくなってゆき、壮大な終わり方を迎えます。
 ベッドはゴスペルの影響を色濃く受けたバラード。ぼそぼそと始まった語り口が、ピークでは雄弁に洗いざらいぶちまけるような歌い方へと転じます。ベッドの動きも、それに合わせて息づくように繊細な振りから、背筋や腕を存分に伸ばして、気宇壮大に体全体を駆使した訴え方へ。胸のすく終盤でブリッジの大きなアーチをかけてから立ち上がって、イキイキした表情を強く印象づけました。



2.木村彩

 赤地に白の格子縞模様の衣装、派手な動きは少ないブリブリダンスで、らせん状にフリルで縁取ったスカートを微妙に揺らします。デビュー作らしく、振り付けは運動量控えめで、その分を補うように手振りでたっぷりと表情づけ、手話に見立てれば随分と流暢な語り方です。
 ゆっくりと柔らかい曲線を描いて指先が胸元で踊るさまは、思わせぶりに誘惑しているかのようにも見えました。ショールのように羽織った衣装を2曲目で次々と剥いで、ベッドへは、長い清楚な白のベッド着、白いレース地のパンティで。
 胸の前でホックをはずすとふくらみは予想を裏切る大きさでした。あたかも真綿にくるまれたように、脱ぎ去ったベッド着に埋もれる姿で、祈るような面持ちです。
 左足を跳ね上げて斜め45度にかざして、シャチホコを崩したような姿勢で静止します。後ろ手をついて体重を預けた3点ブリッジでは、長々と寝そべるような姿勢で、左の体側をぴんと張り詰めてきれいに伸ばします。



3.広瀬あいみ

 盛り沢山の内容で、テーマは「USA」でしょうか。
 オーケストラが叙情的な光景を描いて、赤いロングドレスで登場します。裾をつまむようにして中指で吊るし、大股に踏み込む様子はバレエの一場面のようで、優雅です。ニューオリンズ・ジャズの調べがのどかに響いてラグ・タイム風にピアノが駆け上り、そこでいったんダンスを終えました。
赤い花の髪飾りをつけたまま、白いパンツを履きブーツで足元を固め、ハットを目深にかぶって男装に。素肌にジャケットを引っ掛けて、鮮やかなターンの軌跡を残して、颯爽とした姿です。
 粘りつくリズムにかっこいいフレーズが見え隠れ、ダンスは緩やかに入ってスパッと歯切れよく、狙った位置に吸い付くように止めてみせます。一筋縄ではいかない錯綜したリズムの波間を、縫うようにして踊って余裕のほどを見せつけます。襟元についたホコリを払う仕草は、気障なダンディズムを表したものでしょうか。
 ベッドは、ローズピンクの袖をそれぞれ左右の両腕に巻きつかせて垂らし、ひらひらと魚のひれのようにたなびかせます。手を差延べて、前のめりの姿勢からスプリット(股裂き)、体を入れ替えるように器用に脚を抜いて、水中遊泳のように自在に動かします。
 ガラスを叩くようなピアノの硬質な響きで、半音づつずり下がりながら、パーカッションが延々と相手をして印象深い旋律を奏でます。控えめな表情を思わせておいて、いきなり目の覚めるようなブリッジをひとひねり。反り返らせた腰をコンパクトに収めます。
 去り際をオーケストラが再びあたたかく包み、ガーシュインばりのピアノが盛り上げて、華やかなエンディングを迎えます。去り難そうに振り返って、いとおしげな視線で一瞥して、フラッシュの中に埋もれます。



4.新庄愛

 気まぐれに並べた4つの曲に、曲想に沿って演出します。
 白いドレスの長い裾を引きずって、頭から顔をすっぽりとベールで覆い、舞台中央に寝そべる姿で始まりました。感傷的な曲想で、孔雀の羽根をあしらって哀しみたたえたブルーの扇で虚空をなでるように振ってみせ、胸にその扇をかき抱こうとしますが、するりと抜け落ちてしまいます。幼鳥がはばたくようにぎこちなさを残してナイーブに演じ、ダンスは精緻な軌跡を見せました。
 続いて白っぽい衣装、スパッと闇を切り裂くような素早い動きで、エキセントリックに動き回って圧倒します。
 がらりとムードを変えて琉球風の底抜けに陽気な唄へ。海のように深いセルリアンブルーの衣装、赤いレイ、トロピカルな空気を思いきり吸い込みます。花を1本1本客席に配って、楽天的に現世を謳歌します。
 ムードを一変させてヒロイックな歌で、のびのびとしたポーズをなめらかにつなぎます。盆の縁からせり出すように、片手片足で半身に開いて、空間を広くつかみます。よじるようにして身を翻して、盆の中心でしゃちほこの脚を立てました。再びブルーの扇を拾い上げて、愛着を感じるように胸に収めて、しっとりとしたエンディングに収めます。


また、4月の周年作も披露していました。
 しみとおるようにフルートと弦が流れ、おそるおそる開けた幕間から、渦巻き紋をシルバーで描いた白装束で厳かに登場します。畏まって袖を上げ下げするたびに、仮面に覆われた顔が隙間から見え隠れします。
 語りつくせぬ長い長い時を隔てた、能、伎楽の系譜に連なる呪術的な儀式の場に吸い寄せられます。舞台中央に和服を吊るして祭祀になぞらえて、その背後から射すように光線が扇型に広がります。
 息苦しくなるほど濃密な空気を破って、児童合唱がわらべうたの旋律を無邪気に歌います。うこん染めの生地に紫の帯、帯止めに金色の結び目の取り合わせがいかにも鮮やかです。膝を沈めて腰を折って、人形浄瑠璃のようにそろりそろりと練り歩きます。
 暗転しておや、遠くから、祭囃子が聞こえてきました。太いバチをふるってハッピ姿で景気良く、和太鼓を叩きます。
‘ツクテンツク、ツクツクテン、のテン…’
 俵太鼓の縁を叩けば、乾いた硬質な響き。柔らかく手首を使って、流し込むようにバチを振るいます。アクロバティックなバチさばきで、手に触れる瞬間に宙に浮かせて、バトンのようにもヌンチャクのようにも扱います。威勢良く暴れさせて、カラコロと乾いた音を立てました。
 遊びに興じて童心に返ったせいか、盆では、野狐の本性をさらけ出します。
 闇に身を隠すようにしなやかに、低く身を伏せ横滑りするように身をかわします。獲物に襲い掛かって閃光を放つようにポーズ。三味や横笛が小気味よく流れる曲で、大きなブリッジを築いてみせました。



5.水橋みく

 ステッキを手に陽気な1曲目、衣装は黒一色で背中を広くあけてシックないでたちで、スカートの裾を翻し、ところ狭しと舞台じゅうではじけます。
 2曲目はキャッチャーなピンナップ・ガール風のスタイルです。切り詰めたデニムのパンツから、健康的なふとももがにょっきりと突き出ます。銀のブーツに短めのシャツ、降り注ぐ陽の光を浴びて、はじけるようなイキのよさを訴えます。
 曲が一転し、白い衣装は軽い生地が体をフサフサと覆って照明の色に染まり、闇の中で夜光虫のように浮き上がって見えます。フェアリーのように軽く飛び跳ねて、律儀に振りをなぞった手堅いダンスです。
 そこからは曲調に合わせてしっとりしたベッドへ。音階をわざわざ崩すような黒人特有の歌い方です。仰向いた姿勢で胸をそらし、膝立ちで浮かせた腰をぐるんぐるんと回してこすりつけるよう。ぽつりぽつりと要所でポーズ、Lやブリッジを放ちます。
 たえず笑顔を客席に送って、手ごたえを感じながら舞台をまとめます。



6.神咲アンナ

 劇場でもよく聞きなれた曲が、速めにアレンジされて駆け抜けます。小刻みに足踏みして横移動を繰り返し、かごの中の鳥がさえずるように、けなげな踊り方。手振りに顔の表情で、舞台に彩りを添えました 
‘♪優しい気持ち…’で胸の前でこんもりと掌でまとめる空間に、ほんものの優しさを包んでみせました。上気した顔、気持ちも昂ぶって、いつしか曲の歌詞を口ずさみ、胸の前で手を広げ、溢れる気持ちを示します。
 エコーをかけた歌声が遠のいて間奏にかかる場面で、足をとめてうつむいてから、涙をためるように顔をあげました。
 シンプルな振り付けに奥行きを与えてから、2曲目はいきなりトロピカルなムードへ。赤いチャイナ服につつじの花のように燃えるピンクの羽根扇子、膝上丈の裾からなまめかしく脚を見せ、椅子にかけて膝を組みかえるたびにそそります。手にした扇子を震わすようにあおって、ナイーブな印象でうったえます。
 3曲目でえび茶色の扇子を片手に、振りかぶって髪をかきあげるように前から後ろへとあおります。やわらかく肘を抜いて、繊細な表現です。
上品な藤色に白を交えたベッド着のボタンに指がかかるころには、あどけなく見えた表情にいきなりなまめかしさが加わります。わが身をいとおしむように体をかき抱き、崩れるようにして横たわります。
 Lの脚の上げ方、片手つきのブリッジでの背のそらせ方、習ったばかりの作法のはずですが、体を張った表現に達しています。立ち上がり際で腰を落として身を乗り出して、らせんを描くように手を差し伸べたまま体をよじります。積極的に作った表情が、ひとりだちしたようで輝かしく見えました。


[7856] 浅草+川崎 5結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/06/01(Thu) 02:36

浅草5下から

敬称略です。



1.森川いづみ

 和装でザルを手に7人が横一線、仲睦まじいやら、かしましいやら。
 のどかな光景から一転して、森川さんは登場すると黒いベッド着を広げて翻して、シックでアダルトに迫ります。スリムな体で腕を返すようにして、黒いベッド着を翼のように翻し、伸ばした腕で大きな半径を描きます。指先から手首を柔らかくしならせて、構えの大きな動きをこなします。
 花道戻りで立居振舞はさらに大きく大胆に、誘惑してやまない目つきで、拒絶し難い雰囲気を醸し出します。スケールの大きさを見せつけて、堂々としたエンディングを築きます。



2.東一美・東美保

 白いチャイナ服の東美保さんと一美さん、両脇のスリットから脚を覗かせて、赤い扇子を手にしてキリキリと踊ります。ベッドはふたりとも白っぽいベッド着で順に、個性豊かなベッドを演じます。
 美保さんは、さりげなく打ちとけた感じで自然体。Lの脚をすっと上げてつぶらな瞳をこちらに向けます。ふっと力を抜いた感じで腰を上げ、片膝を立ててふわりと反り返りました。はだけた胸に光のシャワーを浴びるようにして、気持ちよさそうな表情に。曲も吐息を漏らすようなサキソフォーンから、アコースティックにピアノの弾き語りへ。柔らかい身のこなしで穏やかな世界を作ります。
 一美さんは、脱ぐ前から素肌が透けて見えるベッド着で、腕を差し上げれば脇からバストの輪郭がうっすらと覗えます。盆の上で前をはだけたまま垂直にLの脚を上げ、踵から太腿へかけて滴をたらすように指先を撫でおろします。穏やかな表情から、立ち上がりへかけ一瞬にして毅然とした表情に転じます。間合いと呼吸がかみ合って、迫力もそなわります。



3.沙羅

 大きな敷布のような布を、バックダンサーが左右から剥ぐと、沙羅さんが身を翻して躍り出ます。
 錯綜したリズムの序奏から、序々にボルテージを上げるようにして曲が盛り上がり、上下、左右にと激しく体を揺すぶってリズムに身を引裂かれるようにアクティブに、アドリブっぽく踊ります。腕も脚もしなやかに伸びて、自由奔放な振舞いです。
 勢いを留めることなく、2曲目を一人で躍り切って盆へ。素肌に白いシャツを羽織った姿がごく自然に似合います。照明を浴びてイキイキとして泳ぐように漂ってから、はだけたシャツから胸元を覗かせて、片膝立ちで腰を浮かせてえびぞりに。足の先から腰、背を伝って後ろ手についた指先までが、放物線のきれいなカーブを描きます。
 花道戻りではくつろぐように、盆の端からはみ出した脚を宙に泳がせます。



4.三代目東八千代

 白いドレスの三代目東八千代さんを中央に、男女ふたりのペアを左右に従えます。緩急自在でジャジーな曲ですが、アドリブを殺して振りも立ち位置も完全なシンメトリーに。5人の足が床の上を舐めるように滑っていき、踏み込むタイミングをピタッと揃えてみせました。
 華やかなダンスパートをクールにやり過ごして、三代目東八千代さんはレースで透けるような薄手の柔らかい生地を、ふわりと素肌に纏います。多声で和してあたたかく空気を包むゴスペル風の旋律で、浸るようなベッドです。
 針のように細いヒール、踵からふくらはぎまでをクロスしながら巻きつけた紐が、ほっそりとした脚を引き立てます。
 男性が声を合わせて力強く歌うロック・バラードで、花道を戻ります。ストラップが肩からはずれ、すっと衣装がはずれたところで、くるりと向き直って迎え入れるかのように両腕を大きく広げて引き込むような構え。ミラーボールから差す光の帯に身を包み、穏やかにやすらう幕切れです。



5.黒崎優

 白いレースのロングドレスで豪華に5人が揃い踏み。裾を翻してターンして、互いに前後左右にすり抜けます。横一線に並んで、黒崎さんが左右の方の肩に手を添えて、順に一回り。さっと4人に去られて、ぽつんとひとりきり、純白のベッド着で盆に向かいます。
表情を消して体をこわばらせるようにして、移動盆の上に立ってすましたお人形のよう。立姿でゆっくりと前をはだけて、グラマーな肢体に目をひきつけます。
 戻りの盆では、覆いかぶさるように寝そべって、ボディラインを一望させた後、片膝をついたまま、ぴんと猫の尻尾のようにもう片足を宙に浮かせて伸ばします。反り返った背中から、尻、脚へとつながるラインが波打つように見えて、広い舞台に映えました。



6.白沢きらり

 シンプルに黒いパンツ姿で、胸元は金色の生地が覆います。
 怒涛のリズムに気持ちよく流れるアコースティック・ギター、乾いたウエストコーストサウンドが洗礼します。両翼のバックダンサーに挟まれて、白沢さんは舞台上を縦横にすり抜けるように巡って、アクティブなダンスです。
 目の覚めるようなスカーレッドのベッド着に着替えて盆へ。ベッド着をふわりとシーツ代わりに広げて敷いて、寝そべります。仰向けで背を浮かせて、反らした胸の上でバストが形よく収まります。
 連続してポーズを切って、立ち上がりへ。再び袖を通したベッド着を、大きくマントのように翻して、エメラルドの光の海の中へ吸い込まれていきました。



7.雅麗華

 雨にけぶるは三浦の岬、遠く、帆影もかすんで消えました。消してはならない心の灯… センチメンタルな歌謡曲に思い入れたっぷりの表情で、情感込めて独りさみしい女を演じてみせました。
 和服の男女2組を並ばせて対比して、雅さんが肩にショールを掛けるのを手伝う者もない侘しさ、か。そこからの展開は急でした。
 轟音に劫火のような真っ赤な照明の中、和服から解き放たれて白い襦袢姿になりました。背後一面が照明でサファイヤ・ブルーに染まるなかを、水底に向かう白い襦袢姿、ひたひたと潮の満ちるように盆へと向かいます。
 引き締めた表情で、着崩してはだけさせて、裸身をさらして品よく横たわります。体を反らして股を引き裂くように、深々と腰つきのL。盆での立ち上がりには、背景にガーネット・レッドの光線が輝いて、原色で溢れかえります。



8.由梨亜

 ピンクのダンス着で身をよじり、腰を左右、足元は小刻みに踏み換えます。
 2曲目から薄手の赤いベッド着でアンニュイに。由梨亜さんは長い脚をさらして踏み込んで、舞台上手の脇の壇を上がり、物憂げな風情で佇みます。
 ベッドに移ると曲は一途な愛を訴えて、スリットを通したほのかな光の下に沈みます。
 曲が替わって荘厳な響きに、モスクの中の反響を思わせるアラビヤ風の音階を奏でます。脚を、続いて腕を、抜き身を放つようにすっと宙に串刺します。
 にぎやかに繰り出すリズムのうねりに合わせて体を揺らし、場内を盛り上げながらの立ち上がり。音の伽藍に威圧されました。



9.成瀬美穂

 ロマン派風にピアノが激しくかき鳴らされ、オーケストラが柔らかくいさめるように受け止めます。4人が身を寄せ合って白い羽根扇の下に隠れるようにして移動し、さっと四方に散ってあたかもヴィーナスの誕生を迎えるよう。成瀬さんを舞台中央に押しやります。
 長いスカートの下の脚の動きをコントロールして、5人揃ってゆったりと左へ右へと流れます。曲はアダージョ楽章から軽快なジャズへ、スカートを脱いだ下からすらっとした脚線美を見せて、舞台で銀のヒールを氷上のように滑らせます。
 柔和な表情を純白のベッド着が引き立てて、息の長い動きで静止したスワンの状態で頂点を築きます。高々と浮かせた腰から遠く高く放つように、Lの脚を掲げます。戻りの花道の根元で深くのけぞって低い姿勢を貫いて、大詰めを印象深く作り上げます。




そして川崎5結



1.奥菜つばさ

 うら若き剣士が真一文字にキッと口を結んでダンビラかざして、今にも振り回さんと仁王立ち。斬り捨て御免と刀のツカに手をかけます。殺伐とした世相を成敗せんとする気負いが、凛々しい袴姿に滲んで現れます。はやりの歌を組み合わせて、軽妙で肩のこらないお芝居風に展開してみせました。
 盆での衣装は、背負い紐をたすき掛けのように胸元でクロスさせて、片乳ずつを隠します。紐を丁寧にほどいて立派なバストを見せつけて、伸びをするように背を反らせば、張りのある形が目の前にせり出します。
 あくまで軽い口当たりに仕上げて、客席をリラックスさせながら去りました。



2.桜澤まみ

 宵の空に花火を咲かせて夏祭り。ねじり鉢巻きに地下足袋履いて、わっせわっせと神輿をかついで練り歩きます。
 熱気を払って活気を煽る、大ウチワ。ちょうちんには江戸文字で染め抜く「御祭禮」の三文字が。どうです、わくわくと血がたぎりませんか。
 風物、道具立てから、豊かな物語を纏綿と紡ぎます。
 ベッドはポーズを威勢良く繰り出して、江戸の火消しが梯子のてっぺんで繰り広げるパーフォーマンスを思わせます。すっと伸ばした脚に、反らした背、きりりと引き締まった凛々しい表情に、艶っぽさもほんのりと宿します。



3.長谷川凛

 白い衣装のスカートの裾をふわりと広げて、二段重ねの裾がその下から覗いて色鮮やかなレモンイエロー。明るい色どうしの取り合わせで、非常に軽やかな印象を与えます。
 マラカスのように手にした鈴も明るい音色をたてます。薫風に吹かれ、その先に結わえたリボンをたなびかせます。新体操のようにリボンを操って、宙を流す、両手で握って引き合う、そして振り回して波打たせる等、戯れるようにして自由自在な境地に遊びます。
 着替えたベッド着はすがすがしい水色で透けて見え、表面の光沢がキラキラと反射して、舞台奥から照らすイエローの光に隈取られていっそう映えました。
 盆を逆行してひと回り、差し伸ばす腕の先に吊った、鈴2つ。闇で導く光のように、わずかばかりの囁くような音が、神経を高ぶらせ意識を覚醒させ、集中したベッドに光明をもたらします。慈しみに満ちた表情は穏やかな動きにマッチして、そのまま全身でのけぞるようにして、研ぎ澄まされた体の線を見せつけます。



4.香坂ゆかり

 冒頭は盆でうずくまって始めます。立ち上がった姿は赤いベールに金色の装飾と装身具をちりばめた、アラアビヤンでした。
 バランスを気にしながら、デリケートな動きで通して、足を滑らせて音もなく忍び寄るように踊ります。寄せては返し、押したら引く…
 ムダを廃して切り詰めた動きを見せて、チョッと古武道を思わせます。
 椅子を伴って登場して、ベッドへ。白いベッド着で唐草のうねる縫い取りが、衣装の上で踊ります。椅子にすがってポーズを切ってから、いよいよ盆へ。
 パープルからピンクがかった光が冴え冴えと、冷ややかに素肌を照らします。指の先までコントロールして、人形が操られるようにひそやかに動きます。丁寧な指先の動きを目で追いながら、表情を隠した顔に見とれて心を奪われます。潔癖なポーズを貫いて、一瞬、時間が止まったよう。最後にはL、自分の脚を抱きかかえるように深々と折り曲げます。



5.矢崎茜

 白いスーツ姿にハットの男装で、うつむき加減でピタッとキメてくれました。気まぐれに揺れ動くリズムの間を、メリハリをつけて跳ねるように踊ります。
 手にしたステッキを生き物のように遊ばせて、チャップリンを見習ったのでしょうか。かかとを浮かして腰を不安定に突き出して、流れるようにムーンウォーク、遊び心一杯で踊ります。ニヤリとした笑みをハットの下に隠して、心にくい演出です。帽子をはらってスーツをパッと放り投げ、潔いところも見せてくれました。
 心地よいバラードで穏やかにベッドへ入ります。白いYシャツ姿がすがすがしく、まぶしそうに細めた目をして、穏やかな表情を浮かべます。
 後半からはひねりを入れて曲調を一変、サンプリングされた音をコラージュにちりばめてノイズの中から、祝祭的な曲、スター・アンド・ストライプスの象徴的な響きも浮かんでは消えていきました。克明にリズムを刻むなかで、カウントを取りながら流れるようにポーズへ。
 生真面目な表情でブリッジを無防備に見せて、かえって飾り気なく素直で、好印象を抱きました。



6.水野美香

 長身でスラッとした脚。あわただしさもコミカルな感じも含む振付けで、初舞台のちょうどいい試金石となりました。
 勇んで浮き足立つのは抑えて、ローラースケートを履くように、着地した足の裏を滑らせます。振りをなぞろうとして先へ先へと急ぐのはご愛嬌ですが、リズムがゆれる範囲に踏みとどまっていて、バランスも崩しません。
 2曲目は色鮮やかなベールに身を隠しながらのアラビヤン。無数の飾りを装身具のようにぶらさげて、顔を伏せ腕を水平に泳がせて、そのたびにキラキラと金色の飾りを輝かせます。ゆったりとしたテンポで、自らに言い聞かせるように踊ります。
 白いレース編みのベッド着は短めで、長い脚がはみ出ています。股関節を柔らかく使って、浮かせた腰がゆらゆら揺らぎます。半身をべったりと床につけたまま、左足を素直に垂直に立てました。長身を揺るがすようにして作るポーズのひとつひとつが、盆をはみだすほどで見栄えがします。


[7855] SNA 5中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/05/22(Mon) 01:27


敬称略です。


1.平山加奈

 整った顔ではっきりとした目鼻立ち、一文字に口を結んで真剣味のある表情が、いかにも初々しく感じます。アラビア装束を思わせる赤い衣装で、いたるところに縫いつけた1円玉大の飾りが揺れてさざめいて、振付を懸命になぞろうとする動きに彩りを添えます。
 1曲目で素直に音にのり、2曲目でセクシーな動きでヒップもバストも強調して視線を集めます。ちょっと振ってみせただけでもわしづかみにしたくなるバスト、足を踏みしめて高く突き出したヒップは頬ずりしたくなるような…
 3曲目でパンティ以外は脱ぎ去って、白い大きなふさふさのモール裸体にすり込むように巻きつけて、しずしずと盆へ。キツめの固い表情で冷たい視線を配るのが、愛想よさげに振舞うのとは違って、これもまた「じらし」の効果がありました。
 せわしく動かずじっとして、曲に合わせて間合いをはかりポーズ。スワンでは、手首をひねり指先をしならせた姿がきれいにまとまって、器用な一面を見せました。しゃちほこも、力を込めてこらえている様子はなく、体のバランスをとって静止する瞬間を作ろうと努力しています。



2.小池まりえ

 軽やかなダンスも浮ついたヒットチューンも避け、演劇寄りに演出された舞台です。
 時代がかった髪かんざし、あでやかな着物に前帯締めて、花魁姿。のたりのたりと道中を裸足でにじります。
 地獄に引きずり込むように不気味な音楽に、不安を駆り立てられて逃げ惑うよう。内掛けを剥ぐ、結び目を解いて帯を投げつける、はらりと脱いで赤い襦袢姿となりました。
 盆に上がり束の間の憩い、長きせるをふかします。はだけた襟元が次第に広がって、さするように指先を左の乳房に這わせます。放心した表情でせつなげで、回想にふけっているのかもしれません。
 往年の日本映画の情景を彷彿とさせるように、オーケストラが流れてきました。絹織物を敷き詰めたような弦楽器群のしなやかな響き、デリケートにハープがその上を滑ります。ホルンにオーボエに、フルートも囀って、いったんオーケストラの音あわせをした後に、おしゃみが一音一音をぽつりぽつりと弾いて現れます。表情のせつなげなこと。はかなげな風情に拍車がかかります。
 盆の後方に闇が広がり、それを遮るように光のスクリーンを張りめぐらします。緑のスクリーンに真っ赤な襦袢姿が、提灯を燈すように鮮やかに映えました。
 纏綿とした日本情緒を蔓延させた暁に、なだれるようにポーズを切ります。しゃちほこ、L字、片膝をついたまま仰向けから腰を浮かせて、ゆっくりと立ち上がります。



3.小野今日子

 特大の羽根扇を広げて、やすやすと翻します。背筋を伸ばして軸にして、大きなアーチで肘を返します。グランド・ステージのマナーで颯爽と踊ります。
 着物に範をとったデザインの衣装は、腕を振れば長い袖がきれいに翻ります。桃色の生地に花模様がうっすらと浮かんで、羽根扇が戯れるように触れたり離れたり。夜空に花火を打ち上げるように威勢良く派手な音、さざめくように羽根扇を震わせれば、ミルキィウェイの流れた跡をなぞるようにも見えました。
 さっぱりと白いYシャツ1枚を素肌にまとい、長い脚を見せつけながら盆へ。パンティの紐をほどけるに任せて、盆の縁に腰を下ろしてフィンのように脚をゆらめかします。
 小鳥を両手でつかんで握るように頭上に手を掲げて、華麗なスワン。
 喉の奥から搾り出すようなロックボーカル、破れんばかり叩きつける乾いたドラム、音も光もこの空間を満たして飽和します。
 しゃちほこで脚を宙に突き刺して、伴奏が一瞬抜けたしじまを衝いて、体の表裏を返して大胆なLへ。壮麗な立ち上がりを見せました。



4.浜野蘭

 細身の体にぴったりとした、セパレートのゴールドの衣装をまといます。黒い縁取りが引き締めて、しなやかな体に揺れる髪、軽快な曲で歯切れよく踊ります。君が1番だよと、目の前に突き立てた指1本を、左右に振ってみせました。
 颯爽と踊った後、柔らかく包み込むような身のこなしで、ゆっくりと花道をたどります。薄手で黒く透けるベッド着に、ローズピンク色の花びらを、点々と散らして飾っています。すくい取るようにして花びらを振り撒くと、香りさえパッと拡散したような錯覚に陥りました。
 表情付けをさりげなく入って、濃厚な演技を積み重ねてゆき、集中力を持続したままポーズを開花させました。後転、しゃちほこ、そしてL。立ち上がりでは、歌詞に合わせて「もう1度だけ」のサインを送ります。吸い込まれそうな瞳をして、名残惜しく後ずさりして幕を引きました。



 もう一作は、オリエンタリズムを感じさせる作品です。歌いやすそうな節回しのテーマ曲が、冒頭と最後に登場して、物語の底流を押し動かします。
 黒い紋付を羽織って正座して、いわくありげな経文をおしいただく場面から始めます。
「知は力なり」〜「力をもって力を制す」とばかりに、印を結んで経文の「破壊力」を封印します。その後、ページをめくって驚いて取り落とす場面がありましたが、封印の効果が解かれたことになるのかどうか、気がかりです。
 淡く桃色がかった白の宮廷服風の衣装の裾を捌いて、ゆったりと踊った後に、3曲目あたりで軽い太鼓の音をモールス信号のように扱って、リズムボックスのように聞こえる曲が出てきます。胴着も短いスカートも黒で、その上にカラフルなピンクの細いラインを入れて、お洒落です。膝に余裕を持たせて跳ねるようにして、肩を揺すりながら軽いノリに仕立てます。漆黒のベッド着に着替えてからは、ぐっとアダルトなムード。黒い緞帳の間を割って、舞台奥で身を横たえながら徐々に盆へと移ります。
 シェラザードの口からアラビアン・ナイトの広大無辺な宇宙が紡ぎだされるように、瞑想的で奥行きのある楽曲に浸りきった後、冒頭の力強いテーマ曲が回帰します。
 若い息吹をほとばしらせるようにしなやかに四肢を操り、はじかれるようにポーズを切ります。真摯な表情は求道者のイメージにダブります。



5.平松ケイ

 コートに深々と帽子をかぶり、遊び心をくすぐるステッキ、石突にミニライトを仕込んだものを、手にします。
 颯爽とステップ踏んで踵を返し、着替えて出てきたときは白い襦袢姿、オレンジ色の帯をするりと解いて襦袢を担げば、その下は丈の短い黒いスカート、黒いブーツ、上半身は数珠を真似たような細身のネックレスが十重二十重に素肌を覆って、ぴかぴかと金色に輝きます。イスラム風の旋律や朗唱が途絶えて、重苦しくじっとりとした曲に呪文を唱えてつぶやくような声をかぶせ、忍び寄るように盆へと進みます。
気が滅入るような雰囲気で、力なく盆に横たわった姿から、DJの掛け声をフューチャーしたロックが怒涛のように押し寄せて、カンフルを打ったようによみがえりました。
 髪を振り乱せば、天井の回転灯が呼応して、警告を発するように黄色い光を走らせます。額から後頭部へかけて、乱れた髪を引きちぎるようにして撫でつけ、糸のように細めた目で虚空をにらみ、目を見開いたときはLをはじめとしたポーズを切ります。鬱屈したエネルギーを解放するように果敢にブリッジから立ち上がり、舞台上に十字を切るように前後左右に踵を返して、立姿で幕となりました。



6.加瀬あゆむ

 ‘そこに居るのは誰?’
 懐中電灯で照らして探れば、闇に浮かぶ顔、顔、顔…
 舞台正面のフラッシュライトを背負って、光線を浴びせてアタック。振り絞るように体をくねらせて、振り乱した髪の隙間から熱っぽい視線を覗かせます。
 歯切れよく力強い1曲目、アニメのテーマもかっこよく響き、2曲目はちょっとファンキーに隙間の多い音で、肩の力を抜いてバネのはじけるように、自ら楽しみながらダンス。
 せつないバラードには白い薄手のベッド着で登場して、長い裾をつまみながら激情的に引きちぎれんばかりに振り回します。細身の体で首や背筋を反らして、肩、肘、指先へと、面白いようにしならせます。音に溺れるように荒々しいベッド。水をかくように掌を泳がせて、見えない相手を愛撫するように掌を返します。
 ベッド着をはだけさせたままつま先立ちで伸び上がるように、彎曲の激しいブリッジへ。最後にベッド着の裾をさっと翻して、まとめます。


[7854] SNA 5頭 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/05/12(Fri) 02:03

盛り場に背を向けて、地下への階段を下ります。



敬称略です。


1.上原舞

 白装束に赤の重ね着が意味ありげです。力を込めやすいように匕首を逆手に握って、喉元からみぞおちにかけ、ひとおもいにぐさり。
 続いて、忍者風の黒装束に。匕首の切っ先は依然として生き血を求め、地べたを掘りおこすように突き立てるしぐさを繰り返し、執念で凝り固まったかのように演じます。
赤い襦袢1枚の姿になってからは、意味ありげな演技から、自然な流れに沿った演舞へ。慣れたいつもの動きを取り戻したように、肩の力を抜いた軽やかな動きが見え隠れします。
リラックスして盆へ乗り込んで、立板に水を流すようにポーズを連ねます。奔放自在な動きのひとつひとつが、思いのままに操られます。
床に吸いつくように身を沈めてから、すっと起き上がるブリッジが、とりわけ見事に映えました。



2.空まこと

 ききなじみのない珍しい2曲で、タメを生かして体をたわまして、ストリート・ダンス風に踊りまくります。
 迷彩色のパンツ、真新しい白のスニーカー、頭上には赤いスカーフを巻きつけます。無国籍でエスニック風に仕立てられた曲でごつごつした癖のある響き、リズムと旋律の海に漕ぎいだします
 足音を忍ばせて軽いフットワークで駆け抜けて、ボクシングのスパーリングのように俊敏な身のこなし。
 ベッドに臨むときはマリアに捧ぐ敬虔な歌声に守られて、純白のドレスの胸を割ってみせました。きれいに丸みを帯びた胸が現れた瞬間には、先ほどまでのアクティブなダンスの印象とのギャップが大きくて、見る喜びがついこみ上げてきます。
最後には、勢いのあるゴスペル調。リラックスして語りかけるような歌いぶりに、しなやかに体を反らせ、柔軟なポーズもやさしく収まります。



3.葉山小姫

 戦場に進軍ラッパが、蜂起にジャンヌ・ダルクが要るように、民衆のこころをひとつにより合わせるのは、葉山さんが握りしめる白い叛旗。勇気を奮って大きく翻します。
 勇猛で悲壮な曲の表情がのり移ったように攻撃的な振りから、やがて瀟洒なバレエの振付けへ、落ち着いたムードのなかで踊ります。
 ベトナム郊外の農村地帯ののどかな生活を思わせて、普段着に身をやつし、ひっつめにした髪をといてみせます。ここは舞台女優のように演技力を発揮できる場面です。口に含んだ葡萄の実ですっぱさを実感させて、ボトルをささげ持つ手つきに自然の恵みへの感謝を表わします。
 ベッドへの曲のつながりは、エスニックに思わせて、古風な、そして南洋風な要素をふんだんに音に盛り込んで、なごませます。
 最後は興奮の渦に巻き込むようなベッドで、見る者を鼓舞して終わります。



4.浜野蘭

 畏まって盆に座したまま、闇から姿を現します。有り難く経文を押し頂く間にも、ぎらぎらとした曲が高らかに、印象的に鳴り響きます。
 薄桃色の中国風の衣装で、細い腕を振るたびに、楚々として袖も揺れています。宮廷風にしとやかに振った後、黒い羽織を着て、両手で印を結びます。術をかけるように神秘的。
 厳かなムードを連れ去って、ローズピンクに黒いアクセントをほどこす衣装で出直して、喜悦にあふれたスケルツォで、幻惑するように踊ります。
 黒いベッド着でアダージョの流れる間に、ゆったりと花道から盆へ。寝つけない長い夜に、数々の思い出が次から次へと浮かんでは沈んで流れます。オーボエが、チェロが囁いて、瞑想するようなムードから、冒頭のテーマが蘇ります。
 Lではねあげるように脚を上げ、しゃちほこでは身を投げ出して捧げるよう。
 颯爽と身を翻して切り上げる終わり方に、一点のくもりも無いピュアな印象を感じます。



5.さいとう真央

 はしゃいだ様子も見せず、丁寧に振付けをなぞるデビュー作1曲目です。左右に重心を振り替えながら、正面から見て斜め対角線に沿って腕を動かして、特徴的な動きを見せました。スカーレットの鮮やかなセパレート、銀色の鎖がその上で揺れて輝きます。
 おとなしい2曲目で、しずしずと歩み寄って翳りのある表情で客席を引きつけて、時折微笑めば雪解けを迎えたように効果的。あたたかい気持ちに浸れます。
 白いパンティ1枚で盆にぺたんと座り、最後となった1枚を剥ぎ取ります。張りのあるヒップから腰のくびれにかけて、やわらかく描くラインがあらわになりました。
細い腰に薄い腹は、なにを着ても似合いそうで、女性らしいたおやかな体つきをいっそう強調しています。ポーズで若干斜めに倒した脚を一直線に延ばして、しばらく静止します。去り際にまじまじと見せるスタイルは、ヴィオラのように優美なカーブを描きます。



6.灘ジュン

 傘の花咲く、雨模様。
 4つの掌編を並べるように、趣を異にする4曲で情感こめて踊ります。
 1曲目から、あじさいの花を思わせる細かい模様をちりばめた水色の衣装、冷たく濡れそぼる肩を自ら抱いて、哀しみを紛らわせます。
 2曲目でセパレートの水着スタイルにスニーカー、少しおどけてチャーミングな振り付けで、どんよりしていた空も少しは明るくなったでしょう。小雨模様にけぶる街角です。
 はきはきとした歌いぶりが耳に残る3曲目でこぬか雨に。しっとりと癒してから、どしゃぶりをいとわずに浴びる4曲目へ。折り目正しく抑制きかせた演技でつとめて冷静に演じてみせて、多彩な表情を紡ぎだします。
ラフに羽織ったYシャツを身にまとわりつかせ、胸のすくポーズをきって整然とまとめます。


[7853] 池袋ミカド 5頭 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/05/08(Mon) 00:45

パチンコの出玉の音が背後に消えて、暗い場内に入ります。



敬称略です。


1.HIKARU

 腰の周りを絞った真紅のフラメンコ衣装、スカートの裾がくるぶしまでスッと流れて、激しくかかとで床を打ち鳴らすたびに乱れて揺れてから、さざなみが引くように収まります。
メリハリをつけ、強拍で打ち抜くようにはっきりしたストロークでした。鈴を転がすように短く刻むカスタネットは、ここにはありません。哀愁を帯びて手垢のついた旋律を、ギターも今日は奏でません。弦の音はジャッ、ジャッ、と、乾いた響き。
ダンスの極北、フラメンコ。情熱は、憤怒するように直情的に噴き出して、観る者、聴く耳を圧倒します。
2曲目で着替えた黒いダンス着は膝下までの丈で、赤いヒールと合わせて足の運びがよく見通せます。2曲目からはリズム進行を崩して、やや牧歌的な雰囲気も覗かせました。端正に楷書で振付けた長い2曲が、こうして終わります。
黒いベッド着をシックに纏い、緊張感を途切れさせずに硬質なタッチでベッドの演技。狭い盆からはみ出すように横たわり、仰向いていったん腰を上げて体を支えるようにして、高々とLの脚を上げました。尖ったヒールの先が天を指し、闇を切り裂いた瞬間を見届けます。



2.秋元みり

 落ち着き払ってアイドル風のキュートなダンスを1曲。足取り軽く、膝上のスカートを翻して、ターンにまたターンで、逆回りも。
 投光室をにらみつけるようで、なかなか真正面から視線をはずせませんが、けなげな表情がまた可愛い、という効果ももたらします。
 肩の力を抜いて遊ばせるように舞う、掌、指の先。上手に肘を抜いて体の回転に沿ってたなびかせ、見た目もスムーズ、ここは無難に切り抜けます。
 2曲目はゆったりした曲に合わせて感情をこめながら、表情によって‘歌わせる’ところでしょうか。端正な顔立ちで沈みがちに見せて、袖に、花道にと移って客席をうかがい、親しみやすさを演出します。舵をとるようによく動く右掌は、それはそれで雄弁ですが、表情づけがいまひとつお留守になりがちです。
 光沢がある純白の衣装をまとい、ベッドは儀式のようにしめやかに。バストのボリュームで目を奪っておいて、もみしだくようにして柔らかく指先を股間に沈ませます。体を入れ替えて、よく見えるようにと上げた脚は、つけ根からくっと折れ、ひょっとしたら関節は柔軟な方かもしれません。



3.松本ひなつ

 ピンクのセパレートの胸元、バストの頂では、バタフライが羽根を休めています。
カウボーイハットとくればアメリカン・ハードロック、熱い思いをストレートに噴き出すように、サディスティックにドラムを轟かせ、スリリングにギターも疾走します。
轟音に揺さぶられるままに、ダンスもシンプルでストレートに。こま切れに輪切りにした振付けの‘語尾’を短く切り上げるように、クイックなモーションを挟むなど、いろいろ工夫してみせます。
ノリノリで押し切った後は、しおらしくなびいてみせる優しげなベッド。髪にかざした赤い花飾りが印象的で、エキゾチックな顔立ちをいっそう引き立てます。くりんとした瞳をより目がちにして宙を見つめ、健康的な色気を漂わせます。
音を待って狙いすまして放つポーズは、めいっぱい伸ばした背筋や腕をしゃきっとさせて、おおらかに開放的です。打てば響くようなイキのよさでした。



4.朝倉希

 セーラー服の色の組み合わせは、見慣れた白の代わりに地色がライトグレー、ネイビーブルーのシングルラインでアクセント。ネイビーブルーのスカートといい対照で、すっきりと落ち着いた感じに見えました。
 振り返ってみれば学園生活って、たしかに天国同様ですが、過ぎ去ったいにしえのことを薔薇色に塗り替えるのは常のこと。そんな醒めた意識で見られるのを嫌ったのか、体を張っての大熱演で、ドタバタ劇を歌のせりふのとおりに演じ、客席をいっぺんにつかみます。
 再び登場したときは、露出度を高くして煽情的に迫ります。ガンメタ・シルバーのブラにパンティ、腰ミノ代わりに透ける布をふわっと巻いています。腰をくねらせたり、反り返って喉もとを無防備に見せつけたりと、客席を煽ります。
アダルトなイメージの歌が、いつしかキュートなモータウンのヒット曲に転じ、そのなかで縦長の盆に仰向けに横たわります。
 身を起こして細身の体をしならせて、前後左右、自在に上体を旋回させて、形のよい乳房がねじれるままに任せます。
 ベッドはポーズをふんだんに繰り出します。前後開脚から片脚を抜いて腰あげのLへ、続いて本舞台からこちらへ向けてしゃちほこで大胆に見せつけます。キメは深いブリッジから片足上げ、爪先立ちの片足を強く自分の頭の方へと引き寄せます。



5.氷高沙織

 エアロビのウェアはすがすがしく純白で揃え、映画のワン・シーンを彷彿とさせるフラッシュ・ダンスで、激しく踊ります。酸素呼吸によって意識が高揚して、軽快に動きまわって性能限界を軽々と跳び越えます。
 長身、スリム、スラッとしたカモシカのような脚で舞台を広く使い、ところ狭しと駆け巡ります。2曲目はごく穏やかな曲ですが、体が自然に反応して、指の先まで使ってなめらかにレガートに舞います。体を大きく開いて一歩踏み出したかと思えば、するすると身を引いてちぢこまったり。例えれば奔流が、木の葉をさらって舞い上げたり沈めたりするよう。全体を、研ぎすまされたシャープな感じにまとめます。
 ベッドは本を片手に登場して、趣向をこらしたリリカルなもの。
 イタリア・オペラのアリアが浪々と響くなか、開いた本のテキストにのめりこむ様子がありありと。栞をはさんで本を閉じたらば、テキストは空想の扉を開いて、バーチャルな恋の世界へと羽ばたきます。
 前後開脚、3点ブリッジ、そして端正なLでは水平に開いた腕が、短針のようにぴったり3時を指しました。汗びっしょりで上気した顔に、達成感を浮かべてイキイキとしたまなざしを見るのが、また格別です。



6.新庄愛

 お得意のハードなダンス1曲に、海辺の光景を彷彿とさせるしっとりしたベッドへつなげます。
 キリキリするようなロックの響き、押し寄せる音のうねりを押し戻すように、革ジャンに黒のパンツで粋がって、革手袋を巻いた右の拳を突きたてて、バイオレンスもチョッとまぶします。ハイ&ローに、トゥーキック。側転から踵を返して、黒いジャンパーを翻せば、うまい具合に赤い裏地が視界をよぎります。派手なリアクションを通して、好調なキレのよさをアピールします。
 ワイルドから一転してナイーブへ。
 ミカド劇場の舞台背景を白紙のスクリーンに見立て、コバルトブルーの照明のなか、淡いアクアブルーのベール状の衣装を羽衣のようにひらひらさせて、ピンスポットの真ん中に自らの影を投影します。袖口にかけて翼のように大きく広がる袖をなびかせて、全身を使って煽れば、波打ち際に寄せては返す波のよう。貝殻を呑み込んでは磨いて吐き出し、砂の上に書いた相思相愛の文字をあとかたもなく消し去ってゆきます。
 覆いかぶさるようにたっぷりした衣装を吊り上げるようにして、片膝立ちで浮かせたバランスのポーズ。ブリッジはわざわざ手足をつく位置を斜めにずらして、見易さに配慮します。最後は肩幅に開いて斜め45度の後姿で踏ん張って、のけぞって顔を見せながら両腕を翼のように大きく広げるポーズ。
 有無を言わせぬ力技で、ミカドの舞台をねじ伏せます。


[7852] 若松+渋谷 4結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/04/30(Sun) 02:20

東奔西走、まずは東の、船橋若松から



敬称略です。


1.片瀬叶愛

 端整なマスクは目を残してベールに包み、つつましく素肌を隠すアラビヤ衣装で現れます。身にまとう薄手の生地はすべてスカーレット、頭のアクセサリーはガーネット、耳たぶに大振りなイヤリングが揺れて銀色に輝きます。
 素直に伸ばした手足でおおらかに舞って、広い劇場空間を支配します。
 シーツ大のベールを背中の位置で反転させ、体の正面で左右に交差させて、もう一度首のつけ根で蝶結び。チラリとバストをこぼしながら、優しげな表情でのびやかに盆で身を返します。スワン、反り身、そして均整のとれた体をさらして横たわり、惜しげもなく股を開いて仰向いて、水に漂うかのように浮かべた脚を流します。
 薄目をあけて半ば閉じられたまぶたが、かすかにメタリック色に輝いて、息苦しそうにうっすらと開く唇が、つやつやとみずみずしく光ります。



2.真壁みゅう/AGEHA

 白地に赤の水玉模様のスカート姿、シンプルな振り付けで舞って右へ左へと動いて、次々と脱ぎ捨てるうちに赤地にかすりがかったブラとパンティになりました。着やせするタイプだったんですね。
 盆をまたいで、顔にかかる髪を払うように首を振っただけで、ふくよかな胸がぶるぶると震えます。戸惑いがちの表情のまま、豊かな体で押し寄せて、ふんだんにポーズをつなぎます。
 Lに、しゃちほこにブリッジに…。
 彫像のように堂々とした立ち姿を残像に残して、闇に消えていきます。

***************************

 後半はAGEHAさんが登板して、濃厚なベッドを見せつけます。
 曲の中でイヤらしく囁く声、地を這うようにうなるサキソフォーン、たぎるように音が高まります。浮かせた腰を左右に振りながら舌を這わせ、乳房をわしづかみにして、いとおしむような目を宙にさまよわせます。
 ヒトのサガ、弱さ、脆さをむきだしにされて、やるせない気がしながら、それでも興奮します。


3.春乃はなみ

 羽根より軽い桜の花びらが、垂直落下傘降下で暗い空間にひっそりと散ってゆきました。その軌跡がスロー再生のように克明に、脳裏に刻まれます。
 周年でお披露目した、桜の精にちなんだ作品は、曲の並び方に、舞台の展開のしかたを依存して、言葉少なで象徴性の強い作品です。

***************************

 白い羽飾りで頭巾のように髪を覆い、白い羽根扇を揺らして微笑んで、一幅の絵のようです。ゆったりとしたデザインの桜色の着物で筒袖は末広がり、レース風の黒い縁取りをシックに施します。
 おや、下界から聞こえるのは、笛に太鼓のお囃子の音でしょうか。興味津々、身を乗り出して居ても立ってもいられず、花に嵐の柄の衣装を肌脱ぎにして、威勢良く太刀回りのように踊ります。
 再登場して淡い桜色の襦袢姿、散りゆく運命のはかない身で、するりとほどいた帯を舞台に置き去りに、琴の音に揺さぶられるように花道を上ります。おとなしめのベッドで手堅くポーズを整えて、余韻を活かした終わり方。静かに盆を去りました。



4.友坂麗

 昨夜の酒が残っていますか、いえそれとも低血圧気味ですか。分刻みの朝の出掛けのOLの生態を、ユーモラスに捉えます。
 モーニング・コーヒーの香りに歯磨きのミント、デオドランドの匂いまで感じ取れそうな修羅場の一幕。通勤電車の座席に揺られること1時間、重いまぶたは開かずに、ぴっちり閉じたはずの膝と膝の間がじわり、開きます。

***************************

 彼のお部屋で過ごす1時間、くつろぐ姿に、借り物のまっさらなYシャツを羽織ります。
言葉を交わしづらく、よそよそしく振舞う2人の間の冷めた空気。うつむき加減で、髪に隠れる表情。
 見上げよう、手をつなごうと、センチメンタルな曲が流れて、空を見上げて涙をこらえます。温かみのある歌に癒されて、顔に生気も取り戻し、今日のことは今日、明日は明日、印象深いスマイルを残してあわただしいOLの1日が、いま、やっと終わります。



5.翔田真央

 スタイルのいい長身を活かした、バランスのよい振付けです。
 ラメ様の虹色をマーブルで流したような衣装が、腰にぴったり張りつきます。2曲目でシルバー一色の上下に。脚の付け根からすぅーっと流れる脚線美、小刻みに揺らしてセクシーです。この劇場の広い花道を前後に動いてよどみなく使いきります。見ていてさっぱりした気分になってきます。
 盆では、折りたたんだ脚をゆさゆさと揺らし、人形のようにすましていた顔をくずして歪めながらのオナベッド、濃厚な別世界に浸りきります。
 立ち上がりは、ふと我に返るといった風情で面を上げて、すぐには定まらない目線が流れ、ゾクッとくる瞬間を味わいます。



6.清水愛

 短い曲で助走をつけるようにして踊った後で、仕切りなおすように曲を替え、猛然とボルテージを上げて、小気味よいリズムにノリノリで踊ります。コントロールの利いた振付けに忘我の状態で、切り込むようなフットワーク、せわしなく交わす手と手、加速して一気呵成に突き進みます。
 その曲を終えると舞台へ倒れこんで横たわり、暗転して再びその場に姿を見せたときは、着替えを済ませています。白いレース地のひらひらしたスカートが取り去られて、ところどころ透けて見える黒一色のアダルトなコスチューム。ブーツの下に履く黒いストッキングが悩ましげです。
 舞台中央の花道のつけ根で横たわり、伸びやかにベッドへの入りへ。スリムな体を振り絞るようにして、ポーズへとつなぎます。
 気持ちの入った表情で、けなげだとばかり思っていた姿が、一瞬にして凛々しく変わるのを目の当たりにします。



続いて西走、渋谷道劇。百軒店のすぐ近く。


1.本庄恵梨果

 燃えるように真っ赤なロングドレスで、冒頭から軽快なノリの曲で流した後、カウボーイハットでピンナップ・ガールのようにスイートなスマイル、丈の短いスカートの下の網タイにロングブーツが似合います。
 発火点の低い女は「危険物」、すぐにも火がつくからヤケドにご用心。客席にパンティを預けて、開口部の大きなボディタイツ姿、ガーターベルトがちぎれるほど伸ばして、上体を折り曲げて、アメリカン・バックの姿勢で盆から迫ります。
 熱い視線が股間に突き刺さって痛いほど、ささくれたロック・バラードが終曲の雰囲気にふさわしく。自ら平手でスパンキング、投げキッスして、グッド・バイ!



2.高原リカ

 白、黒を取り合わせたロリ色の濃い衣装に、赤いバラの花をそこここに配色よく添えて、そのままケースにしまっておきたくなるような、仏蘭西人形のかわいらしさ。正統ブリブリダンスでひきつけます。
 掌を開いて、片膝を跳ね上げて、基本は体から遠く離さずにコンパクトに振付けて、あどけなさを全面に出して、単純に。
 しどけなく這いずりながら花道から盆へ。表情に翳りと憂いを足して、どろどろした情念さえ噴出しかけて、ストンと、落差の大きい落とし穴へ。観客の好奇心を一挙に手の内に。3曲目の半ばですでに、オナニーのピークで迎える嬌声が。
 濡れた瞳のまま、ポーズを軽くあしらってお洒落にまとめます。



3.羽月澪

 まとめた髪の左右に大輪の造花、八重のボタンが匂いたつようにほころびます。ガウンのようにゆったりと仕立てた薄手の衣、音と合わせて大陸風の印象を添えています。
 美白顔に、目や口を化粧で引き立てて、遠目にもそれとわかる笑み、キネマのスクリーンから抜け出たアクトレスを間近で見るようで、期待に胸もふくらみます。
 せくことなく朗々と、分厚い音で流れるオーケストラが、モノラル風に重たく響きます。時代がかったティンパニのロールが消えて、中華風にゆったりと袖を翻し、恥じらいつつもしなを作るような表情を浮かべる名演技です。
 羽衣のような半透明のショール、お腰を巻いて、盆にしなだれて一深二浅と揺らす腰使い。寝物語の一部始終をお目にかけました。
 立ち上がりでは舞台正面を意識して、目を潤ませるような細かい表情づけで、品があって、かつリアルです。結果を知っておきながら、また何度も見直す映画のように、やみつきになりそうです。



4.西園寺瞳

 幕を開けずにテーマ曲を流して、二幕もののお芝居を、さあ、始めましょう。大きめの衣装箱のふたを中からこじ開けて、お人形さんのように可愛い、赤い頭巾に赤い衣装で登場します。少女歌劇風のメロディアスな曲で、手にした赤いバラをぽぉんと抛って、一幕めを閉じました。
 ねじを巻きなおしたお人形さんは、むっくりと息を吹き返すようにして起き上がり、登場した衣装箱の周りをぐるぐると回って、タネもシカケもありません、ちちんぷいぷい、とでも言いたげです。
 盆に上がって、ちょっとだらしなくベッド着を肩からずらして羽織り、片足に体重を寄せた立姿でベッドへ。伊オペラのデュエットが高貴な愛をたかめ合って、音楽が盛り上がったところで華々しく最後の幕へ、喝采を浴びました。



5.山野すみれ

 姿勢正してすっと立ってすまし顔、やわらかくしならせる肘から指先までの関節の動かし方がスムースで、独創的でした。ごつごつしたリズムがはねるなか、ボーカルの音色が七変化。その音の隙間を狙撃するように、微妙なタイミングで、身をくねらせたり、肩や腰を払ったり。
 ストンと衣装を脱ぎ去って、足元に落ちた音を自分に言い聞かせるように聞きました。身を横たえて、ていねいにヒールを片足づつ脱ぐしぐさで、盆にあがるまでのわずかな時を、いいつけを守る子供のように丁寧に振舞います。
 ベッドは侘びしい感じを際立たせる往年の和製フォークソング。いそいそとよぎるオーボエ、はかなげにさまようピアノ。初舞台への思いを胸に秘めて、ソフトながらもリアルなオナベッド。舞台の空気を吸い込んで、踊り子として生まれ変わった一歩を刻みます。



6.琴葉鈴

 釣鐘状に広がるスカートで、白い大きな羽根扇を片手一本で優雅に振り回します。品よく微笑んで、扇を返す手もしなやかに。ゆるやかにターンして、銀色のヒールの踵やつま先をていねいにコンパスのようにして、一歩一歩を刻みます。
 静まり返った場内をあたたかく包み込むシンセサイザーの音。“恋なんてしていないさ、恋なんて…、恋なんて……”
 囁くように、つぶやくように、30年が過ぎてもこの曲は、生々しく響きます。人工的な技術でもぬくもりを感じさせる音作りで、気がねするかのように低く静かに刻むドラムの音は、胸の鼓動を模倣しているかのようです。
 鼓動が高鳴るようなロマンティックな濡れ場をひとくさり。多重録音された音が観客の背後に回りこんで、場内全体をシャワーのように包みます。引き潮が去って、あえぎ声のみが虚空を突き抜けます。
 舞台に戻ってから片脚立ちのブリッジで、反らせた背中のアーチを抜けて、まぶしく照明が瞬きます。



7.冴木里江

 串刺す簪に桜色の襦袢、踵を浮かせて歩幅を詰めるようにして、軽やかに舞ってみせます。和傘に添えた左手の指が柄を撫で回し、伸ばした右手はたなごころを上へ下へと返してみせて、移り気なおんなごころのゆくえを占います。
 典型的な日舞には近寄りすぎずに、口当たりよく舞ってみせます。滞りなく2曲目へ。白いお腰姿で、盆に上がります。
 もやもやとした気の乱れを、三味線のバチが引っかくようにかき鳴らします。髪から引き抜いた簪が黒光り、感触を確かめるように口にくわえます。
 腰のゆらぎが声のあえぎに変わるまで、わずかの間。したたる汗に上気した顔で、立ち上がりへ。振り返りながらアトを引く視線が、記憶に刻まれました。



8.星野あかり

 ブリブリダンスで始めて、ベッドはタレントの魅力で守ります。チア・アップする2曲目で、努めて陽気に振舞って、表情豊かに笑みをこぼします。大人びた理知的な容貌に、無垢なあどけなさが同居して、見とれるうちに親しみがわいてきます。
 春の花が咲きこぼれるような花柄のベッド着、アクセントに造花のバラが2、3輪。ベッド着の裾をつまんで広げて練り歩き、酔いしれるように盆へたどり着きます。
 イギリス古謡の素朴な旋律を、オーケストラの透明な響きで包む静かな曲で、蕾をむしるように白い肌を現わしました。跪いて肩を揺らし、胸を盆へ押しつけながら不埒な腰使いで上下動。
 5曲目の激しい音の嵐に巻き込まれて翻弄されるよう、腕をしならせ、細くくびれた腰をくねらせます。


[7851] 4結SNA 及び 4後半浅草ナイト  観光地めぐり   投稿者:めざにゅ〜 [関東] 投稿日:2006/04/22(Sat) 10:38

八卦さんのレポを読んで行ってきました。

歌舞伎町…イケメンが歩いてますね〜。飲み疲れた表情で、これからお客さんと食事でしょうか。お客さんはもうべったり。手には夜の情報冊子。一夜の夢のあとです。
おや?渋道のアキラさんが歩いてたような…そかそか、ふれ愛学園もありますし、さすが観光地。

SNAの香盤は以下の通りです(敬称略)。

1.ほしのひかる(祝2周年)
2.西野結花(デビュー)
3.五木麗菜
4.雨宮衣織
5.新山愛里
6.大空あすか

2周年 ほしのさん
デビュー時にTSの○瀬さんに似てる!と思ったのですが、経験をつんでファンもいてなかなか魅力的な踊り子さんになりました。
1回目は白のドレスのだしものでした。1曲目は白い羽根扇を使いマリア様のようです。2曲目でなんといったらよいか、ピンクレディのような感じです。ベットでは重ねた2枚の薄布を使い、見せ方を工夫しています。その布をとめていた白い花一輪を髪にさして大人っぽいベット。ステージとしてまとまっていて、トップにふさわしい感じです。
2回目は、新作でした。
幻想的な作品にしあげようとしているのでしょうか。印象的なのはまさに出だしの後姿です。
衣装の色、柄、着こなし、そういったものに気合を感じ、ちょっと感動しました。
両手にあるものを持ち、髪の毛の感じも普段と違います。コスプレのような…。
踊りの方は、お客さんをとりこむのか、自分の世界に入り込むのかどちらの路線か微妙でしたが、
イベント週だし、他の方々のだしものを見ると、お客さんを引き込む人が多いから、そういった中でどうするか?という感じでしょうか。
ポラの時間は言葉遣いも丁寧で、先週はひどい人もいたようですが、綺麗なお姉さんといった感じ。
いただいた周年記念のポストカードにはメッセージ入りのものと、「マリア様」のベットのときの姿での立ち姿のものがあり、名刺サイズのカードもありました。ファンの方には良い記念ですね。
アクセサリーが可愛い感じで、あるところに蝶がとまっています。さて、どこでしょう?見つけてみてください。

そもそも、SNA(新宿ニューアート)は地下にありますが、トイレが改装され(もう随分前のことかもしれませんが)狭いながらも踊り子さんの通るところも見れテレビや飲みものもあり、それなりに楽しめる劇場。満足満足でした。

さて続いて浅草ロック座です。移動時間は、JRでも地下鉄でもどちらでも、40分ちょっとでしょうか。

こちらはインターナショナルな観光客も多く、仲見世や名店の前をぶらりと歩くことになりました。あげまんじゅう、人形焼、おせんべい、雷おこしといった定番な土産ものを楽しめる観光スポットです。
箸で切れるやわらかとんかつ・丼からはみ出る海老天には、グルメごころも刺激されました。
電気ブランなんてのも時にはどうでしょうか。

大勝館にたどり着くまでには花屋を2軒見つけました。頼むと劇場に花束をとどけてくれるようです。各景のメインの踊り子さんの立ち上がりの一瞬に花束を渡すお客さん、なかなか粋ですね。

浅草ロック座の香盤は以下の通りです。(敬称略)
金曜と土曜は、ナイトといい、二つの景で1曲(ベットの曲が)増えます。今回は2階ロビーの香盤表で確認したところ、1景と3景です。
○リトニーの曲もいいですし、今回は「冬のソナタ」を知っていると少し余計に楽しめます。ヨン様はチェジウとどんな出会いをし、事故によって引き離された後、どんな再会をはたすのか。目が見えなくなったヨン様とチェジウの恋はどんな結末になるのか。そんな恋模様をしっかりと?演じてくれます。

1景.若林美保(佐藤,由梨亜,白沢,美保)
2景.東美保(雅,一美)
3景.大友輝(佐藤)
4景.由梨亜(杏野)
5景.佐藤美砂(若林,大友,白沢)
-休憩-
6景.きりしまひな(大友,雅,美保)
7景.東一美(由梨亜,白沢)
8景.雅麗華(杏野,きりしま)
9景.白沢きらり
10景.杏野るり(若林,きりしま,雅,由梨亜,美保)
フィナーレ(全員)


[7850] SNA 4中 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/04/19(Wed) 23:46


敬称略です。



1.豊田せりか(11〜20日)

 疾走感がある2曲を、メリハリをつけてときにやわらかく、手狭な舞台をいっぱいに使って踊ります。
ぱぁっと乳白色の光が散乱するなかを縦横無尽。黄金色のブラの素材が輝きを反射して、舞台背景の暗い闇が光のかけらを吸収します。シンプルな動きのなかにも思いがけない変化を添えました。
椅子の上で脱ぎ、椅子を伴い花道から盆へ。
腰掛けて天井を仰げば、羽織ったYシャツの前がはだけます。椅子に片膝をついて、バランスの難しそうなポーズを2度、3度。もやもやしたけだるいムードを振り払って最後に断ち切るように、Y字バランス、椅子をおりてしゃきっと立ち上がります。



2.藤堂つかさ(11〜20日)

 朱塗りの傘の陰から、狐の面をかぶったまま現れて始め、最後のシーンも心細げな表情を狐の面の下に隠します。執着心が幻想的な舞台を産み落としました。
 和服の地は紺碧で、模様を散らして裾に金色の紐飾り、錦鯉のようにあでやかに装います。頭巾を取って立ち上がり、デスメタル調の曲にのって踊りだします。ゆくも帰るもとおりゃんせ、とおしゃせぬ。心細げな歌詞をロック調の荒れ狂う音に包んで、独楽のようにターン。
 上手にはけて、全裸で出直して下手へ。ふわりと襦袢を羽織り、軽く締めた帯がだらりと、狐の尾のよう。着崩して濃いめのアイシャドウで、妖艶な表情がにじみ出ます。
 うなじ、二の腕、胸のはざまのペンダント。ひとつひとつさらされて、光のシャワーを浴びていきます。やるせなく萎れた横顔に、あだな風情を漂わせて、仕上げは一気に腰を浮き上がらせるブリッジで。素肌の上に九尾が、なぜか、なつかしさをかきたてます。



3.羽流(1〜15日)

 木の葉のように金色の襞がスカートを覆います。背を向けて座った姿から立ち上がると、上背高く、衣装の切れ目からスラッと長い脚が覗きます。
メランコリックな旋律に合わせ、木の葉が風に揺れるように、柔らかく腕を振り、腰をゆすります。たっぷりとしたスカートを脱ぎ捨てて、その下から短いスカートとブラ、色鮮やかなサファイヤ・ブルー。軽いノリで、リラックスして。
 ベッドは、ショートケーキのデコレーションが盛り上がったようなフリルに身を包みます。光のシャワーをくぐって盆の上で、あちこちに体を逃がします。無理なく膝を伸ばしたりたたんだり、ナチュラルに動かして固さも次第にほぐれるよう。
 瞳を濡らして、指の腹で胸や股ぐらを撫でまわすと、その感触をまざまざと思い出され、せつない気分をあおります。



4.林泉水(1〜15日)

 萌え系のキャラクターを逆手に取り、かわいらしさにチョッともどかしさが交わるところに目をつけましたか。ストリップが持つ露骨であけすけなおおらかさを、匙で計って加減します。ドールのように幼い衣装で1曲目は、ぎくしゃくした振り付けで挑発してきます。2曲目で派手な下着姿を見つかると、ばつが悪そうな表情であわただしく舞台から引っ込みます。
 表情豊かに、ベッドはごくオーソドックスに。甘味な声でアイドル風歌謡がこの場のムードを引っ張って、独りでこもりきる居心地のよい時間を過ごします。



5.雨宮琴(1〜15日)

 シャツの裾から突き出した大きなおなかが、どっぷりとして何だかユーモラスですね。どんぐりまなこのぬいぐるみがデンと座り込んで、その後ろから、雨宮さんが躍り出て、派手なダンスへ。メアリーポピンズも、マジシャンも登場して、とりとめのないファンタジー、幼い夢を描きます。
 マジックに使ったステッキが、今度は敏感な部分におまじないをかけたようですね。椅子を伴いハットを相方にして、擬人化した小道具と掛け合いながら、スリムな体を見せつけてポーズの数々。悩むことなく自然に開花するように、次から次へと所作を繰り出すところは圧巻です。



6.白鳥あきら(1〜15日)

 ドラゴンの絵柄をしょって、黒い襦袢にショッキングピンクの帯をたなびかせます。
 天空を稲妻型に舞い降りるまさにドラゴンの奔放さ、鍵爪で引き裂くように、手にした武器が空を切ります。鱗を逆立てるように荒々しく開いた扇子はうなりを立てて、近寄る者を容赦なく斬って捨てるほどの勢いです。
 しめやかに雅楽が響いて、白い襦袢にしだれた桜の枝をふたふり肩にしょい、一歩一歩、足元を確かめるようにして進みます。
 開ききった桜に埋もれて溺れる表情のまま、迎えた終曲はエキセントリックでハードなまま疾走します。躍動するボディを猛り狂わせて、荒々しく野性味を存分に振りまきます。



7.ほしのひかる(16〜20 〜30日)

 高貴な白鳥を印象づける、清楚な白いドレスに羽根扇、讃えるように女性コーラスが声を揃えた後、ハメをはずします。野卑ながらチャールストンばりの派手な動きで、セ、セ、セクシー! ノリのよさと底抜けの明るさで、賑やかにハジけます。
 照明に透けるシーツ大の白い布を羽織って、ゆったりと登場したときは、高原を吹き抜ける風のように曲調が一変していました。朗々と胡弓、サキソフォーンが交互にフレーズをつないで、最後には目の覚める和声でハリのある歌唱。
雲間から光が射すように晴れ晴れと、無垢な表情をさらしてグラマラスな肢体をさらします。



8.雨宮衣織(16〜20 〜30日)

 学校の机に足枷で拘束されたのも同然な学園生活、優等生でもテキスト握る手はゆるみがち。うたたねから淫夢が広がって、体の奥のうずきを必死に押さえます。
 タータンチェックのスカート姿で、胸元に派手なネクタイをゆるめたとたん、自我は消しとんで、ヴァーチャルな逸楽の波に襲われます。動き自体は流麗ですが、ダンスも音楽もきしみを立てながら、いびつさを増して日常的な感覚からどんどん離れていく一方です。
 白いYシャツを羽織った下で、ブラがぴっちりと胸に巻きついています。黒い下着姿はアダルトで、ブラからはみ出た乳首が悩ましげ。ほつれっぱなしの感情を抑えきれないように激しく狂おしく、乱れた果てに見せるしどけない姿を、つい、いとおしく感じます。



9.新山愛理(16〜20 〜30日)

 つややかな弦、晴れやかなブラス、ニュールンベルグのマイスタージンガー風からブランデンブルグ風ときて、クラシックの名曲選。見よう見まねでトランペットやシンバルを奏でます。曲想から喜怒哀楽の表情を拾ったりと、古式ゆかしく格調高く。
バタフライの羽根を背負ってオペラの間奏曲風な調べにのせて、しとやかに舞ってみせます。
着替えた後に、ベッドも白いロングドレスで折り目正しいポーズをつなぐまで、ブラスの響きを取り込んだロックバンドの曲を使います。
一瞬の静寂の後に流れるアカペラのゴスペル歌唱、真摯な表情で曲想を引き寄せて、しゃちほこにブリッジをきっちり立てました。あどけない表情のまま整然とまとめます。



10.大空あすか(16〜20 〜30日)

 永い冬、解ける雪、やっと春が来る。
懐かしいヒット・ソングのなかに、そわそわと浮き立つ心を解放するような、気恥ずかしいくらい素直な歌詞が登場してきて、今さらながら感心してしまいます。
菜の花のように黄色い衣装に、散らばって広がる紐飾り、かいなを柔らかく返して寄せて、きびきびした動きを緩和するように、晴れがましく踊ります。
春よ、いとしい君よ。思い出にふければ懐かしい声をきいた気がしますが、気のせいでしょうか。けだるい霞を振り払うように、猛烈なスピンにY字バランスで舞台を引き締めます。
声を振り絞るようなボーカルで動きの多いベッドの後は、のびのびとした歌唱に大きなポーズを繰り出します。反らした背、しなやかに伸ばす指先、静止状態でよく抑えをきかせて、美しいシェイプをつむぎます。


[7849] 浅草 4下 投稿者:めざにゅ〜 [関東] 投稿日:2006/04/16(Sun) 22:33

八卦さんのレポを読んで早速、いってみました。

0.開演のアナウンスは杏野さん。うまいです。特に
ラ行のカツゼツがいい。

1.若林さん
金、銀、白といった色を使うドレスで華やかなステージ。
ステップも数多くバックは4人。時に入れ替わり、足元のステップもひねりがあり、見ていて心地よい。
長谷川さんの丁寧で清楚な雰囲気とはちょっと違い、スケールの大きい存在感のあるポーズをきっちり決めます。
一瞬照明のもと、人気女優チェジウに見えたような…、
あの曲を選曲したところが若林さんらしい。
金曜土曜の3〜4回目は1曲増えるんでしょうか?

2.東美保さん
美保さんのあとに、美保ちゃん。
バックは雅さんと一美さん。
「テッキーラ!」の掛け声がいい。
美保ちゃんの新しい一面を見せることの出来るステージ構成で、コルセットを使ったベットもなかなかお似合いです。

3.大友さん
水玉をあしらった可愛らしい系の衣装で佐藤さんとダンス。
浅草にのった回数はまだ少ないはず。これからが楽しみ。吉川さんの神妙な顔つき、開脚の柔らかさとは違ったよさがあるでしょう。

4.由梨亜さん
杏野さんとふたりでショパンの調べのような1曲目。
青いきらきらのロングドレスでアダルトな雰囲気。
2曲目の桜にちなんだ歌で前盆に舞い散ります。
桃色のベッド着で見栄えのするポーズを放っていました。
トリノでの金メダルの舞、イナバウ○ーのような一瞬が
なかなかです。

5.佐藤さん
広瀬さんの持っていた雰囲気を自分なりに表現していこう
という佐藤さん。バックにひきたてられながら、ダンス。
また見たくなる様な、そんな良さがありますね。
中トリの大役です。

6.きりしまさん
三代目の後を受け、西遊記の三蔵法師です。
渋道の西遊記も良かったけど、ロック座の西遊記も素晴らしい。きりしまさんは存在感も表現力もあり素敵な踊り子さんになりました。
同じブリト○ーの曲を使っていた篠○ひめさんと比べてしまったときからものすごく成長しました。今回その曲は大友さんが使っています。吉川さんの使っていたミュージッ○ボックスの曲もそうですが浅草になんとなく合う曲ってありますね。以前に聞いた「○分 雪」もよかったな。
曲の話はここまで。


7.東一美さん
鎖につながれ、白沢さんに足蹴にされ、由梨亜さんに鞭打たれ、髪の毛をつかまれてり、ひきまわされたり。
そのあとの、前盆でのベットが今までとは、ひとあじ違いましたね。

8.雅さん
3人の景で、バックも引き立たせてしまいます。甘いムードにチャーミングな仕草。
舞台下手での着替えの場面からベット、そして立ち上がりまで一貫したステージ。雅さんファンにはたまらないでしょう。

9.白沢さん
ダンスはともかく、いつまでたっても初々しい感じで
永遠の新人みたいな…

10.杏野さん
しばらく見ないうちにいろいろあったのでしょうか。
出るとこが出てひっこむところがひっこんだような、余裕のあるステージです。小野さんのようにステージをこなし、ベットのポーズもよく研究していくと、息の長い、個性を生かした踊り子さんになるでしょうね。

11.フィナーレ
一人ひとりの踊り子さんをよく見ることが出来る優雅なフィナーレ。雅さんのマイク紹介がなかなか。

以上です。ふぅ。八卦さんのおかげで、劇場初心者なりに
後半もとても楽しめました。


[7848] 浅草 4上 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/04/16(Sun) 00:48

敬称略です。



1.長谷川凛

 ゴールドをあしらった衣装に、すぅっと伸びた脚の先にシルバーのヒール。神経質そうに刻むリズムに物憂げな歌いまわし、長谷川さんは曲に合わせて身をくねらせます。
 白一色のレース地を涼しげに着たバックダンサー達は、入り組んで癖の強いステップを、膝からねじ込むように踏み込みます。4人が長谷川さんを取り囲む、通り抜ける…端のひとりは舞台の袖に隠れるほど、思い切って横方向に流れます。
 左右バランスよく、かっちり固めて1曲目を踊りきって、素朴でポップなボーカルにのせて花道を移動盆で抜けていきます。かげろうの羽根のように薄いベッド着をまとって、足元には白いエナメルのサンダル。
 照明が濃いピンクから夕張メロンの果肉の色に変わる間に、やがてスリムな体は剥き出しに。鋭利な刃物で突くような、海老反りにしなるポーズを放ちます。



2.東美保

 軽いノリではしゃいでマンボ! ‘テキーラ!’の掛け声も賑やかに、東美保さんが伊達男を演じてみせて、女性二人がツッこんだりと、いかにも楽しげです。にやついて、ふきだして、じゃれつかれて、ついでに尻をなであげるのも怠りなく。
 てんやわんやのドタバタぶりから、気分を一掃して、コルセット姿で花道を上ります。
 素っ気ないポーカーフェイスから、表情に憂いや翳りを含ませて、玉虫色に変化させます。親しみやすい表情は、遠目勝ちに視線をさまよわせた瞬間に、途端に大人びて艶っぽく感じさせました。



3.吉川くらら

 ローティーン風に水玉模様をあしらった赤や黄の衣装。もともとの3人景をひとり欠いたまま、片肺飛行で切り抜けます。それでも細かい技巧を駆使した濃密な時間は、日を追うごとにヒートアップしていくようです。
 ひとりにもうひとりの動きを模倣させたり、時間を置いて追いかけさせたり。とぼけた味のユーモアを感じさせます
 花道に再登場した吉川さんは、ピュアなホワイトのドレスで、長い脚をちらりと覗かせます。神妙な顔つきで、おそるおそるはずす前のボタン。最後の1枚を取り去るまで、動きを抑制することで、かえって視線をひきつけます。
 脚を伸ばしてやわらかく前後開脚、そのままスワンへ移行します。幕間に吸い込まれるころには落ち着いた笑みもこぼれます。



4.由梨亜

 メランコリックなピアノの旋律にのせて、ロングスカートのふたりが対等なバランスで振りを揃えます。左右に対置させて双子のように踊り、向き合う姿は鏡を見るようです。
 氷上をすべるように駆け抜ける足捌きは優雅、シャープな軌跡を描きます。
 由梨亜さんのベッド着は薄桃色の生地の上に、襟元からぐるりと濃いピンク色。さくらにちなんだ歌詞とともに盆に舞い降りて、はかない風情で訴えます。
 横たえた長い脚を払うように持ち上げて、見栄えのするポーズを放ちます。
昂ぶった気持ちを放出するかのように、幕の間が割れて、光の氾濫が眼前に現れます。オーケストラに混声合唱が重なる中を、天国の門をくぐり抜けるようにして退きました。



5.広瀬あいみ

 陽気なヤンキー魂を捉えてやまないオールディーズ。キュートでチープでスリリングなこの雰囲気を、広瀬さんは技巧をこらしたステップで受けとめます。
 差し込むように鋭く踏み込んで、重力が途切れたかのようして、上体を自在に操ります。サッと頭をひと振りして長い髪をなびかせて、溌剌としたティーンらしくはじけます。
 ブラックコンテンポラリーでムードを変えたところで、花道では白いドレスに白い帽子。左右の肩から胸へと、序々にはだけてゆきました。
 帽子をかぶったまま、つば越しに視線を配ります。ちょこんと乗せたコサージュ風の髪飾りが、可愛らしくアクセントを築きます。
 戻りの花道で、豊満な胸に帽子をかぶせたまま、のめり込むように肩を深くまで入れるブリッジへ。2曲目以降も一貫した雰囲気を貫いて、好ましく感じます。



6.三代目東八千代

 身支度整えて旅姿、悟空に八戒ら引き連れて、四神相応ガードはがっちりと、目指すは西の果て天竺へ。
 小砂利に足元をとられて躓き、土ぼこり蹴立てて幾千里、向かい風には顔そむけても、僧侶玄蔵からは目をそむけるな。
 待ち受けるは魑魅魍魎、妖怪跋扈して、オッと待ったそこはおいらに任してくんな、と、悟空らは一撃で敵を蹴散らします。
 苦難の道行きにも挫けることなく、泰然自若とした僧侶を演じる三代目東八千代さん、白い袈裟着て慈悲深い表情浮かべて、有難い経文を得るまで幾歳月。悠然とした楽曲の流れに身を委ねます。
 花道を抜けるときは、粒立ちのよいピアノが波紋を広げ、盆ではリズムボックスが無機質なリズムを重ねて雌伏、立ち上がりでは壮麗に開放的に鳴らすオーケストラで雄飛します。ハープにシンバルが明るく響き、朗々とオーボエのパッセージが駆け抜けます。
 感謝の気持ちをこめて手を合わせ頭を垂れ、まばゆい背景のなかに、厳かに消えてゆきました。



7.小池菜奈

 鎖に吊り下げられた囚われ人の女がひとり、看守に小突かれて手荒に扱われます。手枷に鎖、逃れようと最後の力を振り絞って小池さんは抵抗します。ムチがしなり、張り手がうなり、抗うのも空しく服をむしられて、とうとう盆に送り出されてしまいます。
 花道へ押し出されて背景の幕を閉じて、場内を暗くすれば、そこは朦朧とした被害者の意識下の世界、ドーパミンあふれる妄想の世界へと入ります。
 悶々ともだえる生身の体、まとった薄布を序々に剥ぐように、真っ赤な照明に白い肌を染めました。理性をかき乱されて快楽に溺れてのけぞって、伸ばした腕から指先までが、すがるように空をつかみます。
 立ち上がりで広げた赤い薄布をマントのように羽織り、羽ばたくように広げては、じらすようにじっくりと裸身をさらしつつ、視線を引きつけます。


11日からは田丸愛さんに替わり、ベッドを変えて、自分の思い通りにポーズをキメる演目に仕立て直します。



8.雅麗華

 腰から膝上にかけてキュッと絞った、古風な淑女風のロングドレス、雅さんはピンクのドレスの胸元を、黄色やすみれ色のアクセントで飾って色鮮やかに引き立てます。
 ソフィスケートされた洒脱な曲で、都会のネオンを見下ろすような甘いムードに浸ります。チャーミングなしぐさで、ねぇおやすみなさい。舞台下手で着替えて白い下着ひとつに、春らしい花柄をプリントしたベッド着に袖を通します。
 リリカルなバラードに合わせるように、ベッドは身のこなしも、しなやかに。引き絞るように身を寄りあわせる華麗なスワン、感情のたかまりを押し出すようにして終曲へ。華麗にポーズをキメて、花道を戻ります。



9.白沢きらり

 黒のスーツをいなせに着こなして、ハットを目深にかぶります。キーボードの音階が忍び寄るように響き、呼応してトランペットがむせびます。
 輪を描くように舞台を所狭しと動き回ってアクティブに、音楽のうねりに同調します。変拍子でごつごつした響きに対しては、流れにのるように心持ち早めに振りを切り出します。胃もたれしないサラリとした見せ方で、難所を越えてみせました。
 水色のベッド着の襞はカスケード状で、裾を割って長い脚を突き出して、スマートな肢体をさらします。腕を伸びやかに動かして、ぎくしゃくとしたところを残しながらも、風格を備えたたおやかなベッドです。
のけぞって彎曲させた背筋から、後ろへと投げ出すようにして脚を上げ、そのままアーチを描きながら足先を後ろ手でつかみ、大胆なポーズを見せました。



10.小野今日子

 スゥイン、スゥイン、スゥイン、スゥイン… 
 くぐもった声、ひずんだ音。鉱石ラジオが拾う舶来の新しい音楽。けだるいサックス、ドスをきかせたドラムス、揺れる音色にラメのドレスの裾を翻します。小気味よいリズムに物憂げな唄。
 ノリやすく軽やかなステップで、めまぐるしく位置を入れ替えます。バックダンサーが蜘蛛の子を散らすようにしてメインの小野今日子さんひとり残して去った後、のびやかなステップを堪能させてくれます。ひとり、2人、3人と、バックダンサーを加えてシンメトリーに保った陣型ごと、右に左に振り回します。きらびやかな群舞を見せてから、純白のドレスでしっとりと、小野さんがひとり花道を渡ります。
 しとやかに盆に立ちつくしてから、横たえた体をダイナミックにうねらせます。腰を浮かせてこじ開けるように揺らす姿が、なまめかしく。
 脚をLに開いて、膝から先をピンと立てます。返してからそのまま伸び上がるようにしてスワンへ。高い位置に置いた手が、雄弁に語りかけました。


[7847] 2006年4月1日(土)上野 投稿者:一見さん [北海道] 投稿日:2006/04/05(Wed) 00:04

2回目まで観劇しました。開演前から立ち見客も出るほどでした。初日でなおかつ、出し物が新作の踊り子さんも多く、そのせいか自分の思い通りのステージが出来なかった踊り子さんもいたようです。曲が違ったり、いきなりベットが終了してしまったり、初日ならではのハプニングもありましたが、いつもより楽しく観劇できました。

LULUさん
踊るマハラジャでした。緑色のスケスケの衣を身にまとい、下のパンツには金色のコインのような飾りをいっぱいぶら下げた衣装で登場しました。時々、小走りするような振りも面白く、ターンもスムーズで、軽やかに踊っていました。常に明るい笑顔で踊られていたのもよかった。なぜか、インドであることを強調してましたね。

天羽夏月さん
先週の大暴れのド○ゴンボールから、一転し、この日は白い鮮やかなロングスカートのドレスに、白いツバの広い帽子という、ファッショナブルな衣装で登場。貴婦人を連想させらような優雅な舞を披露されました。ベットでは体にピッタリとフィットしたボディスーツが夏月さんのグラマラスな体のラインを強調して悩ましい。黒い網のガータストッキング姿もお色気満点ですね。極太のバイブを取り出し、フェラから大胆に根元まで突っ込んでのオナニーでは、観客の目を釘付けにし、変形のスワンではたくましく躍動する上半身の筋肉も良かった。3点ブリッチからゆっくりと起き上がる途中で静止し、再び4点ブリッチへと戻し、片足を真上に上げるポーズは完璧で筋力の強さを感じた。天羽さんはよほど1回目の出来が納得できなかったらしく、「1回目は本当に自分でも恥ずかしいです。」とコメントされていました。常に、少しでもいいステージを見せようと向上心を持ち続けていますね。これからが楽しみな踊り子さんです。

宝生恋さん
2回目のバナナと唇の出し物は面白かったですね。最初は皮をむく前のバナナの状態で登場、バナナの皮をむくと、今度は大きな赤い唇の口に呑み込まれてしまう・・・という趣向でしょうが、大きな唇のクッションから、ユーモラスな表情での顔をのぞかせたりするステージは、観客を和ませていました。

青井りんごさん
青いチャイナドレスに黄緑色の傘をまわしながら踊られました。大きなやわらかい曲線を描いたおしりを真上に上げる、しゃちほこのポーズが綺麗でした。りんごさんはやっぱり魅惑のビップラインですね。

綾瀬夏樹さん
黒いジーパンでかかとが高いロングブーツ姿で登場。去年見た時よりもふっくらしたように見えました。ベットでは定番ポーズをゆっくりと取り、じっくりと見せてくれました。片膝立ちで真横になるポーズからしゃちほこへの移行もきっちりと決めてくれました。

千堂あやかさん
白い着物に白、ピンク、金といったサクラの花がちりばめられた衣装で、髪にもサクラの花の冠をかぶる徹底ぶり。見た目にも鮮やかで視覚的にも楽しめる衣装でした。両手にサクラの木を持ち、しとやかに踊られるあやかさんは美しいですね。また、灯篭を持って踊る時は、照明を暗くする演出がにくいっ!!。夜桜見物の雰囲気ですねぇ。ほろ酔い気分で、頭の上から下までサクラの花に包まれた美しいあやかさんの舞を見るのは至福の時間でした。ストファンにとっては最高のお花見ですねぇ。サインポラにもサクラが咲いてました。


[7845] 川崎 3結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/04/02(Sun) 04:02


敬称略です。


1.豊田せりか

 ゴールドのパンツにブラが、若々しい体をぴったりと包みます。軽快なフットワークで曲にノリまくる活発なダンス。力で押し切るように見せていて、ときおり肩透かしを食わせるように1小節だけいなしてみせてと、なんとなくセンスのよさを感じさせます。
 白いYシャツ1枚を羽織って裸足で、パパドゥにその場ターンは、軽やかに。椅子を伴って盆へと進みます。
 みずみすしい肌の上をYシャツの生地がすべる、きぬずれの音。椅子の背をかき抱くようにして跨って、肩を揺すればやわらかく髪がふりかかります。肩に手を回すように背もたれをつかみ、そのまま立ち上がってY字バランス、続いて上体を前に倒して後ろに片足を跳ね上げて、そのまま静止。収まりのよい舞台を滞りなく務めます。



2.水月涼

 イキイキとした表情で初々しいブリブリのダンス、背負った天使の翼のおかげで、今にも軽やかに羽ばたきそうです。
一転、ナース、娼婦と早替わりのコスプレで、フランス歌謡の崩した雰囲気で、なまめかしく振る舞います。コルセットは黒のビニール・レザー、前側を紐で結わえて胴を締めつけます。黒い網タイツ、ガーターの上から赤いパンティが締め付けて、むしられるまで、いずれ、あとわずか…
椅子に腰をすり寄せて、くねくねと揺すると、膝、もも、尻へとうねりが伝わります。終曲はしっとりと、スタンダード・ポップス。花道戻りでたっぷりと引きつけて、にっこりとウインクで別れとなりました。



3.平松ケイ

 横縞のファーのコートを羽織って、その下にタイトなピンク色のボンデージ風衣装、黒いベルトが色合いを引き締めます。ステッキ1本で、身をかわしながら軽くステップして、腰をすり寄せるような動きをセクシーに強調します。
 ニューヨークヤンキースのユニフォーム姿もイキでした。続いて白い襦袢に金色の襟、耳たぶから金色のリングを揺らし、髪をまとめます。秀でた額、鼻梁へかけてののラインがアーリア風、こころもち顎を引いた姿が、ノーブルな印象を与えます。
襦袢の下は短い黒のスカート、細かい金属片のようなパーツがスカートの裾を、波打つように二重三重に取り巻いて、腰を揺らすたびにさざなみを立てました。むきだしの上半身をびっしりとチェーンが覆い、あたたかく金色の輝きを放って、肌の色になじみます。
入念な細工を施したスキタイの装身具を思わせる、アクセサリーの動きを目で追うか、アクセサリーに覆われたその下でうねる裸身を感じとるか、両者がせめぎあってイメージが錯綜していきます。そして、それを振り切るかのようにダイナミックなブリッジからの立ち上がり、さっそうと花道を引きてゆきました。



4.葉山小姫

 ハミングで優しげに女性の声が重なる冒頭は、白い和物に袖を通し、白い羽根扇に身を隠します。透き通る声に促されるように、ゆるゆるとなだらかな動きで優雅な舞、かんざし飾りを揺らします。
 突如、音楽が変わって硬質なサウンドへ。どこを切っても血の吹き出そうな、イキのいい演目であることがわかりました。白いアラビア装束に金色のオブジェ風の飾りをコントラストにして、身につけます。躍動する動きで派手なアクションをキメました。メカニカルなリズムを縫って甘味な女性ボーカルが流れるのに身を任せ、アドレナリンを分泌して陶酔するようなダンスです。
 モスグリーンのベッド着に着替え軽やかに舞って、浅草でのように、舞台両翼を動き回って使い切ります。流れるような動きで盆へ至って身を崩し、のけぞり、もがき、衣装を振りほどいてと、果敢なベッドです。
 立ち上がりから、ブリッジまで、間歇的に場内を刺激し続けて、エネルギッシュに高揚する舞台になりました。



5.チーム アンサンブル・ローズ(渡辺理緒・新庄愛)

 渡辺さんは、被告席に立たされるアサッシン。最後の抗弁も虚しく1898.9.10.レマン湖のほとりで皇后エリザベートを暗殺した動機は、明かされそうにありません。朽ちおちるハプスブルグ家を題材に、暗殺の謎を問うモノローグで始めた舞台劇、フラッシュバックして時代を朔行し、あたかも死者を蘇らせるようにして、死者自らの口から心情を語らせます。
 宝塚にならった歌劇で、せりふを歌う節回し。口ぱくでも、真剣なまなざしに豊かな表情づけで、いきいきとストーリーが泳ぎだしました。肩をいからせてチョッと猫背で、前のめりで語りかけるような男役、背筋を伸ばしてスッと首立てて顎を引いたら、高貴な身分の女役。劇中の役柄に気持ちが入り込むと、型までぴしり、キマリます。
 話をつむぎだして動かすのは暗殺者の渡辺さんの役、新庄さんはエリザベートも皇太子もと、操り人形のようにとって替えてと2役、3役を演じます。書割のない最小限の舞台構成にもかかわらず、入り組んだ人間関係をほぐしてみせました。
 死後の邂逅を暗示する、純白の衣装に、神々しい照明の効果。…最後のダンスは、聞き覚えのある旋律がライト・モティーフのように訪れて、ほこらしげに響きわたります。感情移入もここに極まって、凄烈な印象を刻んでポーズを放って目を奪い、そのあと着替えて再登場、お揃い黒の軍服で颯爽と、スタイリスティックなデュェット・ダンスを捧げて幕となりました。


[7844] 浅草 3下 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/03/28(Tue) 02:10


続きです。敬称略。


1.小室りりか

 黒の人工レザーのジャケットにパンツ、ブーツのつま先が小気味よく床を蹴って、たたみかけるような振付けで群舞を繰り広げます。肩の力が抜けきれて、踵を浮かせて膝で支えて、にじり寄るようにして前後にウォーク。
小室りりかさんはひとりだけ赤のレザー、黒一色の4人に護衛されるかのように取り囲まれて、陣形を崩さないまま前後左右、詰む手に迷うチェスの盤面のように、手堅い守り。
ベッド着は鮮やかなスカーレット、袖と裾を広げて、たっぷりと生地を使った薄手のものでした。轟音響かせるロックの下で、平然と横たわりながら盆にたどり着きます。着衣のまま襟や裾を揺らしながら、奥ゆかしく隠すように思わせて、どうしてどうして、実は堂々と肢体を覗かせています。
ポールにすがって片足上げの静止ポーズ。再び盆の上に立ち、光のシャワーに洗い流されたよう、一糸纏わぬ姿で立ちつくします。花道戻りでは、ダイナミックなポーズで静止したまま、舞台奥に吸い込まれて消えてゆきました。



2.東美保・山内憂

 舞台の上は深海のブルー、花道と盆の上は万華鏡を覗くように七色が、ちりぢりになって揺れて神秘的です。ほの暗い舞台で東美保さん、山内憂さんの二人を戯れさせるように自在に扱います。
 二人が2曲づつを、盆への行き帰りで使います。美保さんは時間を惜しむように早足で花道から盆へと詰め、山内さんは背筋を伸ばした折り目正しい姿勢で花道をまっしぐら。
 見せ場を作るタイミングもそれぞれで、美保さんは折り返した2曲目の入りでL字に脚を上げてピークを作り、一方で山内さんは花道戻りの最後の最後に、切り札のポーズを見せつけます。
 丁寧に積み重ねた末に、勢いをそいで整えた山内さんのポーズ。しゃちほこでは、力を込めて支えなくとも、バランスだけですっと立てた脚が崩れません。舞台に吸い込まれていく直前で、静止した姿が遠めにも際立ちます。



3.聖京香

 微妙に遠い間隔をあけて3人を配した群舞では、メリハリのあるリズムに合わせて、膝を深く曲げ腰をすり寄せて、挑発するように踊ります。
スカートの裾からむき出しであらわになったヒップと脚で、とりわけ注目を浴びる聖京香さん。着替えたベッド着は透けやすい白地に、襟や裾を黒いボアや羽根で縁取ったものです。胸の鼓動を感じさせる、ノリのいい黒人の曲で、盆では胸を、膝を波打たせます。
 ボンデージ風のエナメル黒の下着が、巻きつけた太ももにしっかりと食い込みます。
 抑えきれないように体を揺り動かして、花道を戻りきったところで、待ちかねたのをじらすように、張りのあるボディをさらします。かきたてられた興奮と喧騒がさめやらぬまま、次の4景へと続きます。



4.TAKAKO

 曲がそれほど暗いわけではありません。若々しい声で男性ボーカルがしなやかに歌うと、
さわやかな気持ちに浸れます。ぐっと抑えた表情、アンニュイな雰囲気ではやる心を抑えます。
 気取りは、臆病さを隠す仮面。
 しっとりと翳りを帯びた顔に、男への募る思い、陰影を掘り下げます。
 盆の上をさまようようにして立ちつくす姿は、透かし模様をあしらったベルベットのような生地で、ワインカラー。細かいビーズで飾り立てた衣装が、照明の加減で控えめにキラキラと反射します。
 追憶も感傷も、突如肉体を襲う悦びの深さには替えがたく…
 サイドテーブルのほの暗い明かりが、男女のなりゆきをじっと見守るような感じに、照明を絞り気味にしてみせます。
 やがて舞台奥のミラーボールが、刺すように鋭い光の筋を放ちます。
 明け方の別れを惜しむように、名残惜しそうにゆっくりと立ち上がります。するりと脱ぎ捨ててコルセット姿。低いウェットな歌声が、包み込んだ魂を震わせるようにヴィヴラート。オーケストラにハープの音色が溶け込んで、引き潮のように静かに引いてゆきました。



5.(旧7.)沙羅

 単調なリズムの連なりが、うねりを重ねてカノンのよう。くぐもった電子音に、下腹に響くドラム、その場での足踏みで無駄な動きをカットして、足の踏み場ひとつもクールに選ぶ、デリケートな振付けです。
 シルクのようになめらかな衣装をはねるように翻すと、白い生地が多彩な照明を浴びてもみくちゃにされるようでした。
 3人が互いに干渉しづらい微妙な間をあけて、シンクロしていたはずの動きを切り離すと、自分を綺麗に見せたい気持ちが勝るのでしょうか、ぴりぴりした緊張感が見る者にも伝わります。
 一直線に陶酔を迎えたところで曲が途切れて、ゆるやかな曲を迎え、沙羅さんは心を落ち着けるように瀟洒なベッド着に着替えます。常に処女航海は勇敢なもの、大海に漕ぎ出す若々しい声が響き、清涼な風を運んでくるように唱和します。ゆったりとした時間は思ったより早く過ぎて、水を得て泳ぎまわる華麗なベッドへ。
 捧げるように反らせた胸、浮かせた腰、天にさし伸ばした両腕が、風にそよぐようになびいて裏表を返します。長い静止ポーズに見とれるうちに、回っていた盆が名残惜しそうに動きを止めました。
 感傷的なオーケストラ曲で、荒波を乗り越えるようにした戻りの盆、燃え上がるような立ち上がりをまぶしく眺めます。



6.かんな

 鏡に映したように姿、背格好の同じ二人が、左右仲良く並びます。淡いピンクのふわふわの衣装にくるまれて、軽いノリでとらえどころのないステップで右往左往します。二人で息を合わせて対話のように掛け合って、顔を見合わせては悪戯っぽく笑います。
 影から光へ、燦燦と照明を浴びてかんなさんのローズピンクのベッド着が色鮮やかです。花道をゆっくりと移動する台の上で、衣装の裾をつまんで孔雀の羽根のように広げます。
ベッドでは、曲の歌詞に心を込めて感情移入。“会いたい、せつない、やるせない…”
引きちぎれるくらい存分に、手首や股間を回しきって、伸び上がったり体をねじったり、体というものを楽器のように歌わせます。翼を広げて上昇気流に乗って大空を翔るよう、若々しく飛翔します。



7.(旧5.)永井美樹

 琉球民謡のおくゆかしい響き、素手を押したり返したり、のどかなムードから始めます。永井美樹さんはくりくりした目、結んだ口元からアルカイックな笑みをこぼします。
 恋のさや当て、二人の娘がひとりを争う場面では、ユーモラスなマンボを効果的に使います。にぎやかな場面が去ると、かげろうのように薄く透けた白いドレスへ。振り上げた腕から下がる白い袖を通して、舞台で点滅する光が見え隠れします。着衣がふわりと体にまとわりついて、泡立てたシャボンに埋もれるように横たわります。
 中低域でやわらかく歌うブラックコンテンポラリー、表情で持たせて雰囲気で引きつけて、宙を突き刺すように脚を上げてキメ、胴を返して腹這いでしゃちほこの姿勢へ。
 落ち着き払った風情で頼もしく感じられます。花道戻りでやっと自分に気を許したように笑顔をほころばせて、ハッとさせました。



8.(旧8.を入れ替えて新演出)由梨亜

 黒い水玉を散らした赤いロングスカート、裾のフリフリを煽って振り動かして、足元を蹴散らしてはしゃぎます。由梨亜さんは赤黒の派手なツートンカラーで、やたら陽気な乱痴気騒ぎ、ミュートのトランペットは西の空を向いて甲高くむせび、トロンボーンはとぼけた味を出してうなります。
 着替えた衣装は裾をかぎ裂きにした淡いパーマネントグリーン、春の息吹を思わせます。
盆に振り注ぐ光は冷え冷えとブルーやグリーンといった寒色系、リリカルな歌声が響いて、ここはナイーブにまとめます。
 終曲を告げる素朴なドーブローの弦の響き、雪を降り積もらせるようにピアノの鍵盤が沈みます。天使のソプラノが降りてきて、穏やかに古謡を口ずさみます。ワッと広がる混声合唱の中にその声が埋もれると、閉じていた幕がサッと開いて、幕の向こうにコメットのように帯状の光が広がって、ほのかに揺れています。
 ひきつけてためた後に続けてダイナミックなポーズの数々が、エンディングの景色の中に素直に溶け込んでいきました。



9.加瀬あゆむ

 おっとりとラストダンスから始めて、凝りに凝ったステップを積み重ねます。上品ぶって履いていたスカートをかなぐり捨てて、輪郭もあらわにしたヒップを揺らします。
 ジャズのウッド・ベースが弾くしなやかなリズムに、膝を上下動させてカウントを取って、4人が互いに左右のバランスを気にしながら、散り散りに、そして花道に沿って一列へと。互いに保つ間隔がゴム紐のように伸び縮みして、チェスの盤上を眺めて刻々と移ろいゆく戦況を見守るような、そんな楽しみを覚えます。
 薄手の白いベッド着をひらめかせて、いたいけな幼鳥が無心に力の限りはばたくよう。尾羽根で飾り立てた虚飾がないだけに、ピュアなひたむきさがなおさら伝わります。
 盆上で体をとめて横たわれば、肘、手首、指のしなやかで大胆な動きに拍車がかかります。反り返らせて振りかぶるように大きなモーションで指先が空間をリリースすれば、フォークやナックルの球筋が、空圧に押し戻されて微妙に揺れるよう。
 ブリッジで浮かせた腰の薄くスリムなこと、堂々と落ち着きはらって思いのままに身体を操ってみせました。限界に達するまで柔軟にしなって耐える若竹のようでした。


[7843] 浅草 3上 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2006/03/14(Tue) 00:44

敬称略です。


1.相馬ルイ

 黒のジャケットに黒のタイトなスカート、腰まわりから太腿にかけてをぴっちりと締め付けます。黒いショートブーツでソルジャーのように足踏み揃えるダンサー4人、相馬さんの四方をぐるりと取り囲み、ギミックな振りで小刻みに前後左右、碁盤の上をなぞるように動きます。相馬さんひとり、真っ赤なラバー製の衣装も色鮮やかに、幕開けから明るい表情で場内をひきつけます。
 薄手のベッド着に着替えてから、盆には落ち着いて前後開脚から入り、ゆったりとしたペースへ。両膝で支える反り身、はだけた胸元から白い肌を覗かせて、L字に脚をやわらかく上げては下ろします。微笑みを絶やさずに、すぅっと立ち上がって、盆の脇にそそり立つ鉄のポールに身をすり寄せます。さするように手でしごいて、片脚立ちで揚げた脚を前に、背後にと倒して静止します。
戻り盆では頂点で、正面向いた高いブリッジで、場内沸かせて幕間に消えていきました。



2.東美保・東一美

 薄暗く照明を落として、3、4色の光が木洩れ日のように、背中合わせにかがんだ東美保さん、東一美さんを照らします。けだるく物憂い風情から、シーツのような布の端を二人でつまんで引っ張り合って、空中になびかせます。自らターンして体を芯にして、長い布を巻き取ったり。
 東一美さんが腰を揺らめかせて、舞台センターで視線を引きつけるうちに、東美保さんがオフホワイトの長いベッド着に着替えて、ひとり花道をさっそうと登場します。
 胸元を広くあけた衣装で視線を奪い、リラックスして打ち解けたムードで、高々と跳ね上げた左右の脚を2度、3度と交錯させ、裾がはだけたまま脚をなびかせて、盆の縁に身を乗り出して見る者を誘い出します。さばさばした表情で、戻りの盆でゆったりと連続してポーズ。よどみない流れが心地よいですね。
 替わって東一美さんはローズピンクのレース織のベッド着のまま、すっと盆へ歩み寄ります。曲の盛り上がりに合わせてベッドを慎重に折り目正しく演じると、顔から表情を消していても、曲のイメージに引き出されて豊かな表情が浮かんできます。華奢な腕、引き締まった足首で、ポーズひとつにも奥ゆかしい印象が生まれます。



3.相沢夏海

 濃厚なピンクのラメに輝く衣装は、スカートの襞が短冊状に細かく割れて、活発に動こうとするたびに、膝が、太腿が、その隙間から覗きます。3人が互いに距離を置いたまま、大胆に大きな身振りで見せながら、入り組んだステップをすっきりとたやすく見せる足捌きも要求されています。
 相沢さんは着替えて、コーラルピンクの薄手のベッド着へ。頭の脇に留めた髪飾りの花とくるぶしに付けた小さな花飾りが、同じ色合いで呼応しています。四つ這いの姿勢で背後に片足を伸ばして反り返らせたところで、後ろ手に足の甲をつかんで引き上げます。きれいに背中側にできたダイヤの形を、そのまま体を正面に返して、いつの間にやらL字に持ち込みます。
 戻りの花道は息をつく暇もなく、ダイナミックなポーズでつないで間を持たせます。スワンもブリッジも器用にこなせる方ですが、ポーズのコンビネーションにも光るものがありますね。



4.TAKAKO

 ジャズのスタンダードボーカルの名曲選で、小粋なひとときを過ごしませんか。
 ボディをぴったり包み込むラメのドレスは、白い肌も染まりそうなワインレッド、赤い長手袋をつけて、TAKAKOさんが本日のパーティーのホステス役を務めます。
 ゆったりとした振舞い、スリットから覗く左足から一歩踏み出して、しゃなりしゃなり。時折、膝を伸ばしたまま脚をすっと上げて、操り人形のように動きます。
バックダンスの3人も、舞台に腰を下ろしてTAKAKOさんのいなせな演技に見とれがち。そのまま置き去りにした後は、深い自己陶酔の世界にひとりで入り込みます。
移動盆の上に跪いて、流し目で客席に暗示をかけました。逡巡しながら盆に渡り、物思いにふける擬態で、貴兄の気を引き寄せます。ふらりと立ち上がり、盆の脇のポールにもたれてため息をひとつ。観念したように着衣を剥ぐと、心の隅のおき火がかき乱されたように、あたりはまっかな照明一色に染まり、やるせない思いがスパークしたかのようです。
ごく単純なストーリーを凝った演技でじっくり見せて、引きつけます。



5.三代目東八千代

 のどかな民謡の調べで始め、琉球の古式ゆかしい民族衣装、紫でかたどった骨太な装飾文様が、光を浴び影に隠れてと、揺れています。
 仲を裂かれて恋破れ、うちひしがれて見上げる空、一番星に希望を託すにも、心の闇は深まるばかり。人の生き様も自然の流れのうちだから、喜怒哀楽はおもてに出して、せめて心のうちにはひっそりと可憐な花を咲かせましょう。アカペラの歌の詞に癒されて、襦袢姿で盆にしなだれます。
とうとうと川の流れに身を任せるように、何のわだかまりもなく気持ちよさそうに三代目東八千代さん。髪に飾ったシトラスイエローのリボンがみずみずしく、ゆったりと弦を引くようなおおらかな脚の動きに、繭を張るような指使いが重なります。
 突然、フラッシュ浴びて凍りついたように動きをせき止めた後、ドラマチックな舞台に転じます。勇猛な曲にて転じて荒波を模倣するように、猛々しくストリングスがきしみます。毅然として盆の上に立ち、大海を暗示するような青い光のうずまく背景へ、吸い込まれるようにして戻ります。
 帆船のへさきに刻まれた女神像のように立ちはだかります。航海の守り神か妖しげなサイレーンか、謎めいた神秘的な表情で、遠のきつつある姿を目で追います。



6.羽流

 鍔が大きくせり出した帽子に、フリルに埋もれた袖や裾、ふっくらと羽毛に埋もれた雛鳥たちの、舌足らずにさえずるようなナイーブなダンスです。
サテン地のような白い薄手の生地に包まれたお尻がぷっくらと、お臍をむき出しにして、バンプ、バンプ! ちょこまかと前後左右にせわしなく動いて、ついばむように腰を上下動。二人の掛け合いを巧みに扱います。
羽流さんはピンクのベッド着に身を包んで、すらっとした立姿で盆へ。
パープルの造花を髪にワンポイントで飾り、オーソドックスなスタイルのベッドをのびのびと演じます。
脚のつけ根から旋回させたとき、すねも甲もぴんと伸ばして、脚のラインが綺麗で魅力的。大きな構えからナチュラルな動きを、湧き水のように間断なく溢れさせます。



7.沙羅

 力が抜け切った状態でちょっとクールに、サイボーグのように1曲目を踊りきります。
 アップ・アンド・ダウン、単調なリズムの繰り返しに体ごと委ねて、左に右にと振って、吸い込まれるように一歩引いてと、3人がよく動き回ります。
 電子音とパーカッションが心地よく繰り返す波に陶酔します。ベッド曲からボーカルの肉声が響くと、さきほどの夢から覚めた心地がします。
 ファンタジックな詞の内容で、とつとつと語りかける中を、沙羅さんの白い裸身が水をくぐるように揺らぎます。フィンで蹴るように脚をしならせて、見えない腕に支えられたかのように、しなやかなポーズでしばらく静止。終曲は、たっぷりと間合いを取った引きの景、悠々ゆずらぬスケールの大きさで迫ります。



8.雅麗華

 音階がめまぐるしく駆け巡り、情熱こめた激しいステップを繰り広げます。快楽のリズムの波が、次から次へと押し寄せてきます。
序盤から技巧的な動きで目を奪う雅麗華さん。バックの2人も、冴えた動きに振り切られまいと必死でして、舞台上を縦横無尽、香車や桂馬なみのはたらきをします。
途中で男装に早替わり、そして露出度の高いセクシーなコスチュームでトップレスになって、盆に至ります。関節を自在に駆使してなめらかに、なじんだ水に泳ぐようなベッドです。
やおら立ち上がってフィナーレにも匹敵する終曲が盛り上げてキレよくリズムにノリ
まくります。
 上流では細かった川の流れが、水量を集めて蛇行して、下流では大きなうねりを持って、破壊をものともしない龍のように膨れ上がります。狂気さえ帯びる情熱的な動きが、終幕へかけてピークへと、一挙に駆け上がります。



9.波風まお

 エレガントな社交ダンスでパートナーに手を差し伸べたと思えば、土俗的なリズムが響き渡って狂おしく練り歩きます。砂利道で尖った石をよけながら歩みを進めるように、デリケートに。4人が蛇行しながら、ある一瞬、縦一列に整列するようにして、4人の配置とバランスを練りに練った景です。
 波風さんは、レースをほどこしてすっきりした長いベッド着。盆に身を横たえて、伸ばした腕が柔らかく空間をかき抱きます。続いてスワンは、コンパクトに。花道戻りで、腰上げから腰つきまで3段階のL。戻りの盆から下りて花道を駆け上って、強い引きの演技でまとめます。
 躍動的な線を狙わなくとも、一点一画はねて止めてと楷書の積み重ねで、崩れたあとのない、気持ちのよい舞台となりました。



10.フィナーレ

 アニマル柄の軽装で、挑みかかるような群舞です。
三々五々に散って、いっせいに舞台中央に集めてと、奔放な個々の動きを、要所で束ねます。
はじける獣、はしゃぐ牝、思い思いの動作が、全体では大きな渦を作って、客席を巻き込みます。
野生の叫びを解放して、大音響のうちに全景の幕を閉じました。


[7842] 2結 渋道 オールポラ 投稿者:めざにゅ〜 [関東] 投稿日:2006/02/28(Tue) 21:50

荒川静香さんのこだわりがイ○バウアーであるように、
道劇チームはベットが濃厚なるオ○ベットであった。
今週は、さらに本格的なダンスもあり、マニアにも対応できるポラタイムとあわせていろんな面でストリップを堪能できた。香盤は以下の通り(敬称略)。

1.緑川 めぐみ P
2.春風 るな P
3.高瀬 美礼 P

ダンスに躍動感があり、スタイルのよい方が続いた。
一人の持ち時間が少ないとは感じさせない曲構成で、
ポラのときも、常連・一見客わけへだてなく
対応している様子が素晴らしかった。

4.若林 美保 P
5.川中 理紗子 P

着物早がわりのエッセンスあり、可愛らしさありで
ふたりともほほえましかった。
小道具の使い方も見る側に想像させる部分があって、ダンス+α の部分はさすが。
少し見ないうちに、メイクの仕方やスタイルもすっかり変わって、ファンがおっかけるのも頷けた。

6.野際 つぐみ P
7.林 泉水 P
8.フィナーレ

ウエディングドレス、エンゲージリング、そういう
ものをつかったステージであるが、このふたりは好対照であった。演歌やロックという選曲もさることながら、幸福感の
表現には違いが出ていたと思う。あどけなく見えながら、
とてもHなステージであった。


[7841] トリノ五人 投稿者:ヤキトリ [北海道] 投稿日:2006/02/21(Tue) 00:03

雅 麗華
川崎で見た、白い着物、振袖に羽がついていた。
白い鳥は、人間に恋をして、
人間に変身して、愛しあう。
五木 麗菜
ラ・ブームで見た
デビュー10周年の作品
赤い大きな羽根、白い小さな羽根
客が涙をながしていた。
鳥ではなくて、悪魔と天使だったらしい。
紫城 なつき
DX歌舞伎町で見た
大きな羽の扇を両手に持っていた。
曲を聴いて、涙が流れてしまいました。
愛川ユキ
ラ・ブームで見た
一番、白い大きな翼


[7840] 酷い話 投稿者:一遊人 はじめての投稿 おじゃまいたします [関東] 投稿日:2005/12/19(Mon) 20:47

>>7833
余計なお世話様
私も酷い話と思います。
でも自己防衛として色々な条件を総合勘案して
タッチショウへの参加を判断しております。
例えば船橋大宝の外国人の方の場合には遠慮したりします。
これが良いことなのか悪いことなのか確信はありませんが。


[7839] 12月17日(土)川崎 投稿者:一見さん [関東] 投稿日:2005/12/17(Sat) 23:08

1回目と2回目の途中まで観劇

姫野さくらさん
ピンクのジャケットにミニスカートを履いたマジシャンの衣装で登場。
ステッキを花に変えたり、取り出したリングをつなげたりするマジックも見せてくれました。からっぽのはず?の箱から取り出した衣装を着てから、ベットへ移動。片膝で体を支えもう片方の足を真っ直ぐ上に伸ばすポーズも綺麗に決めていました。

青山まゆさん
両手を鎖に繋がれてとらわれの身でしょうか?紫のチャイナドレスで椅子に座った状態で登場。チャイナドレスには竜の飾りが付けられいました。鎖を首に巻き付けたり、体に巻き付けたりしながら踊り?ました。3点ブリッジから起きあがる時は、169センチと大柄だけに迫力がありました。長い足を真上に上げるLのポーズは格好いいですね。

浅野みみさん
金色のブラとパンティに銀色のネックレスや飾りをちりばめた華やかな衣装で登場。動きは派手ではなかったものの、サックスの演奏の軽快な曲に乗り、落ち着いて踊られていたように見えました。新人ですので初めて観ましたが、まだ少女の面影が残る、可愛い女の子という印象でした。きゃしゃな体なのに、おっぱいが大きすぎるところが、気にはなりましたが、ポラタイムの時も、可愛い声でお客の要望に応えていたところには好感持てました。握手の時もなかなか手を離してくれない一生懸命さもまたいいですね。

雨宮衣織さん
白い草の模様が入った着物姿で優雅な舞で始まりました。白い着物を脱ぐと、上は着物ですが、下は黒のホットパンツに黒の網のソックスで女スパイ役でしょうか?ダンスというよりも勇ましく闘っているような動きでした。ベットは、床に赤いバラの花をまいてから始めました。赤い花魁を連想させられるような着物に、なぜが足は黒い網のソックスを履いたままという変わった取り合わせでしたが、一見ミスマッチかと思いましたが、この取り合わせでのベットショーには、意外にお色気を感じさせられたので不思議でした。ポラタイムでは明るいトークで観客をしばしば笑わせてました。

友坂麗さん
1回目の出し物は素晴らしいですね。胸に竜のかざりがついた黒いチャイナドレスで登場。黒い網のストッキングを履いた足を、椅子の上に置き、足を見せるポーズがエロティックでありました。やがて、ブラインドが下りて、シルエットで、ストッキングを脱ぐシーンが見れる演出。脱ぎ終わったところで、ブラインドが上がりました。ベットでは、白いスケスケのロングドレスで登場し、豊満なバストがなまめかしい。体の柔らかさも抜群で、3点ブリッジでは完璧なポーズ見せてくれました。高さもしなり具合も申し分なし。2回目のベットでは、しゃちほこも足のつま先まで綺麗に伸ばしたポーズで綺麗でした。さすがですね。今回の2作はこれで封印するとのことですが、特に1回目のチャイナドレスものの足の見せ方は、いいお色気を発散していた出し物だっただけに、封印はちょっともったいない気もしました。オープンショーでは、お客さんにぎりぎりまで近寄ってきてから見せてくれました。サービス精神も旺盛ですね。

風間ゆずさん
着物姿で登場。童謡に合わせて、まるで無邪気な少女が遊んでいるかのように舞われました。着物を脱ぐと、上は巫女さんのような衣装に下は黒と金色の袴姿で、日本の古典芸能のような動きで踊られました。ベットでは、長い足を伸ばしたポーズが格好よかった。バストも形が良く乳首も上を向いており、胴が短かく足が長い抜群のプロポーションの踊り子さんですね。


[7838] 渋谷道頓堀劇場 投稿者:マロンサンド [関東] 投稿日:2005/12/15(Thu) 17:09

先日久々にストリップ観に行きました。

出演者は7人だったけど、途中で出てしまったので
アキラ、
橘 未稀、
夢野 ひなた、
夏木 るか、
春風 るな、
さんのショーを観ました。

まだ二回目なんですが、前回とはまた違っておもしろかったです。
踊り子さんて本当にすばらしいエンターテイナーだな、と
いつもつくづく感心させられます。

彼女たちの笑顔で癒されに、ファンの方々は劇場へ足を
運ぶのがよくわかります。

衣装の制作や、振り付け、曲選びなど全部自分でやり、
1日3〜4回のステージを10日間こなし、
体力的にも辛そうですが、笑顔でお客さんの前で
踊っています。
ブリッジして脚を垂直に上げたり、すごいポーズを
とって汗だくになりながらも色っぽい表情。

前回、楽屋にもお邪魔させて頂きましたが、
みんな仲が良くてわきあいあいで楽しかったです。
上下関係がしっかりしていて、けっこう体育会系なんですね〜。
みなさん、めちゃくちゃ面倒見良いですよね。

ステージも人によってかなり違うのですね。
フランス人形みたいなひらひらのドレスで踊ったり、
R&B調の曲でダンサー系の服で踊ったり、
今回面白かったのは、衣装が「蜘蛛」でダークな曲で
蜘蛛のパフォーマンスをしていた人。
ゴシック系の(ヴィジュアル系って言うの?)曲で
ゴスっぽい衣装で踊っていた子、すごいかわいかったな。
見かけに反して踊りが激しかった。

この人達すごいよ。

ストリップていうとなんか、
男性向けのマイナーなエンターテイメントの感じですが、
女性が観てもおもしろいですよね。
脱いでるから男性向けな感じで。

みなさん体も鍛えていてすばらしい。
背が高くてモデルみたいな人もいるし。
健康的なきれいさで、楽しみながら踊っているのが
感じられた。
・・・無理をしてがんばっている部分もたくさんあると思うのだけど。

辛い時にも笑顔が出来る人になりたいと思いました。


[7837] 12月前半 浅草ロック座 初見の踊り子さん  投稿者:めざにゅ〜 [関東] 投稿日:2005/12/12(Mon) 17:57

ある場面で前盆がせり上がると聞いて行ってきました。
香盤は以下の通りです。(敬称略)

一景.レベッカ,マルゴー,マドンナ,カトリーヌ 〜30
二景.東美保〜30(由梨亜,白沢)
三景.カトリーヌ
四景.白沢きらり〜30(葉山,一美)
五景.木崎舞子(一美,美保)
-休憩-
六景.マドンナ
七景.東一美〜30(葉山,木崎)
八景.由梨亜〜30(白沢,美保)
九景.レベッカ,マルゴー
十景.葉山小姫(木崎,由梨亜,マドンナ,カトリーヌ)
十一景.フィナーレ

九景 白いウェディングドレスの2人。
   2本のポールを使い、楽しげにくるくるとダンス。
   やがてドレスを脱がせあい、移動盆で大胆にポーズ。
   曲が変わり、儚げに流れるピアノの音は、
   ベートーベンのピアノソナタ「月☆」のように
   聞こえます。
   赤と白の下着をまとうふたりの絡みはかなり
   エロいです。


[7836] 12月04日(日)大和 投稿者:一見さん [関東] 投稿日:2005/12/04(Sun) 22:04

1、2回目を観劇しました。

城直美さん
もぎりをつとめてなおかつ、踊り子もつとめる大和ではおなじみのおばさまです。タッチショーも行いました。

麗ちなみさん
超小柄な舞姫、小気味の良い連続ターンが得意みたいで、連続ターンの時は大きく見えました。タッチショーも行いました。ビール販売では、自分の口で、ひもを使いビールのふたを引っ張り、ふたをあける芸も見せてくれました。

舞花さん
清楚な感じの白いドレスで胸の部分にはきらびやかな銀色の飾りが鏤められており、頭と首の回りには白と赤の小さな花を身につけた衣装で登場。しとやかに踊られました。白いドレスを脱ぐと、赤いバラの柄のブラとミニスカートで、パンチラしながら軽やかに踊られました。ベットは白い肩を大胆に見せるドレスで、スカートはスリットの代わりに、足を見せる部分が、薄い生地でスケスケになっていて、チラチラ透けて見える足にはお色気を感じました。とても、形の良いバストの持ち主で、スワンで両手を真上に上げた時のウエストからバストにかけてのラインがとても綺麗でした。

神田優子さん
着物の形をした衣装で、全体に銀色の花の飾りが付けられており豪華。両手には大きな紫と白の羽を持ち、優雅に踊られました。視覚的にもたのしめる衣装ですね。着物の形をした衣装を脱ぐと、黒い網のパンツで見事なダンスを披露。小刻みなステップとハイキックを交えてダイナミックに踊られました。この神田優子さんダンスには観客も盛り上がりました。ベットでは淡いピンクの衣を身にまとい、ピンクの衣をずらしながらポーズを取り見せてくれました。しゃちほこは、2本の足が平行にそろって、真上に真っ直ぐ伸ばしており綺麗でした。

野際つぐみさん
中南米の国のお嫁さんの衣装でしょうか?ペコちゃんのような笑顔で、明るいラテンのリズムに乗って跳ね回って踊られました。ベットでは、純白のTバックのパンティをずらしながらオナニーを開始。中指を根本まで入れながらのオナニーで熱演してましたが、渋道の時みたいに汗びっしょりにはなりませんでした。盆がまわらないので、やりにくいかな?とも思えましたが、オナニーしながら、からだの方向を徐々に回転させていき、どの方向のお客にも見えるように配慮しているように動いているように思えました。気配りのある踊り子さんですね。

亜利沙さん
この日は、持ち前の明るいキャラで1人で、3人分ぐらい劇場の雰囲気を明るく盛り上げていました。2回目は全身に黄緑、橙、ピンクのひらひらがついた派手な衣装で登場。両手にマラカス?を持ちシャカシャカさせながら、サンバのリズムに乗り陽気に踊り回りました。ベットは水色のスケスケの衣を身にまとい行いました。体がとても柔らかく、ひざをついてのブリッジの曲線も鮮やかでしたし、3点ブリッチは高さもしなり具合も申し分無し、3点ブリッチも直ぐには起きあがらず、起きあがる途中で再度ブリッチに戻し頭を2回ぐらい床に付けてから、ゆっくりと起きあがるところは見事でした。


[7835] 11/23: 池袋ミカド 投稿者:chopin’ [関東] 投稿日:2005/11/24(Thu) 02:12

1.チャーミー秋
2.浜咲ルカ
3.松本ひなつ
4.翔田真央
5.一愛遥
6.朝香美穂
(四回目〜 敬称略)

1.チャーミー秋
熟女の魅力でタッチショ〜。

2.浜咲ルカ
花柄ミニと髪に赤薔薇付けて、ブリブリ系。
白下着のベットは、表情つくりも一生懸命でかわいかったり。

3.松本ひなつ
白のサンバパンツにオレンジの花。ひまわりをちりばめたキャップで、真夏気分で、南半球。
ベットは果敢のポーズの連続。

4.翔田真央
3月渋谷で観たスッチ〜。あの頃よりも脚が締まって綺麗になった。
ベットで、カルピスキャンディくれました。 オナベットがえろくってイかった。

5.一愛遥
今度は、白ドレスに色とりどりの薔薇を盛りだくさんにゆったり踊り、
脱げば、ゴールドウエスタン風セパレートで、アップテンポ。
こないだの九条のポーズベットも圧巻でしたが、戻り本舞台の連続ポーズがしなやかに。

6.朝香美穂
水色のドレスで踊ったあとは、脱いで同色ブラに黒チェーンでガンガン踊る。
ポラを撮ったら四周年のストラップをくれました。
そいえば、先週あいねちゃんも東洋でストラップくれたな・・(三周年) 流行ってんのかな?


[7834] その昔に 投稿者:ぐるぐるどっかん [東海] 投稿日:2005/11/19(Sat) 15:23

前々から過激であったであろう「つるみゃあ」にて警察の手入れに出くわした経験あり

船橋っつぁんところはそんな風だったんきゃあも???????


[7833] ひどい 投稿者:余計なお世話 [関東] 投稿日:2005/11/16(Wed) 15:28

今日、船橋大宝が警察の手入れにあった
埼玉も気をつけて
だから警察は嫌われる。だれも迷惑していないのに
ほかにやることがたくさんあるだろ
隠れてメール打つ奴。タッチに参加しない奴、要注意


[7832] 川崎 10月全景 その2 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2005/11/10(Thu) 08:12

8. 清水愛(10結)
 薄いピンクで毛足が逆立つふかふかの衣装から、目のさめるように鮮やかなパープルのセパレートへと、ダンスの途中で早替わり。
小気味よくリズムを刻む1曲目では振り付けを控えめにして、躊躇するようにもじもじした動きで、微妙なアクセルワーク。続いてダイナミックなダンスではじけてトップ・スピードまでアクセルを踏み込みます。
アクセントのきいたリズム・パターンに全身で体当たりするように揺さぶる、素直なダンス・スタイルですが、敏捷に体が反応していて、習った型よりもアドリブを優先させて楽しそう、見ていて痛快です。
イキのいい裸体で、ぴちぴちとはじけるようなベッド。まぶしそうに細めた目、しゃにむに泳ぎるような懸命な表情。体をよくしならせるようにして、ポーズに張りも感じられ、ケレンのない舞台を演じます。

9. 若林はるな(10結)
 盆の中央でうずくまり、着物姿に羽織をかぶって息を潜めて、気配を殺して魂を抜いたように出だしは素っ気なく振舞います。花道根元で正面きってブリッジで立ち上がるヒロイックで大胆なエンディングとは、いかにも好対照でした。

 お能の舞台のようにすっと運ぶような舞台。羽織を握り締めた両手を頭上に掲げたまま、T字型の舞台を8の字描いてすうっーと素足で歩きます。
 3曲目からは、あら懐かしや長い夜のフレーズをデフォルメしながらなぞって、その間も、うつろな目できょろきょろとあちこち見回して、何か探しものでしょうか? 気合とも掛け声ともつかぬサンプリングされた声が、こだまするように繰り返されて、足元の扇を拾い上げて、やぁ、やぁ、えぇいえい、やっとな、とばかり、スナップをきかせて打ち込むしぐさを見せました。
切りつける相手の太刀筋を見切って、脚で蹴りあげた後は、疲れを引きずるように横たわります。抜け殻から這い出すように、着物から、淡い藤色の襦袢姿に。
濡れ場は作品に亀裂が入るほど、この世のものとは思われぬほど妖艶に。解いた髪を洗い髪のように流れるままにして、うなじを見せて上目使いで見つめると、覗き見る瞳は奥に青白い炎を灯します。
差し込むように鋭利に、胸に脚を近づけるL。来世へ旅立つように退いて、残された力を振り絞るようにしてブリッジで立ち上がり、事切れたようにばったりと倒れます。

どこをとってもきめ細かく完成度の高い作品ですが、とりわけ印象深かったのは、髪を解いた後の、盆の上での形相です。背景からの照明で真っ赤に染まり、業火に焼かれるなかで、たじろぐ様子もなく観客の魂を呼び寄せるように、這いつくばりながら手を伸ばして招きます。
夢にもでてきそうな光景でした。

10.羽流(10結)
 すらりと背が高く、グラマーな体型で脚線美を誇ります。難易度の高いステップをはずして足元に気を回さないですむ、上半身主体のシンプルな振り付けです。
 黒のミニからすっと流れる長い脚、パンプスの踵を床にこするようにします。ふくよかな頬を震わして、胸も揺れて、腰も。両のつま先を開き気味にして、ふとももの内側についた肉を震わすところなど、なかなかカッコよくて、セクシーです。踊りながら振り返ったときには、ベルトのバックルがはずれていて、ギクリ。期待を膨らませます。
 パンサーの縞柄の衣装に着替えて、猫まねきのポーズはご愛嬌。演じながら照れを隠さずにこぼした笑みに、収穫がありました。
 ボリュームがあってバランスもとれた稀有な体を駆使して、ベッドは落ち着いた丁寧な動きで、あお向けで自転車のペダルをこぐようにして脚を伸ばします。伸ばした片足を斜め前方へ振り出して、もう片足の膝を胸に引き寄せて大股開き、なめらかな肌を自らの指の腹を使ってなめ上げるようになでまわすと、敏感な触覚が研ぎ澄まされるような気になります。
 体のツボを探すようにまさぐる指の先が、次第に淫靡に見えてきて、曲を口ずさみながらのびのびと演じる、表情の突き抜けた明るさと好対照でした。

11.友坂麗(10中・結)
 吉川くららさんの代演で、ちょっと出番が長くなりました。
 慣れ親しんだ歌謡曲が、ぎらぎらしたボーカルでタイトなロック調にアレンジされます。真っ赤に染める照明が、エキセントリックな効果を盛り上げます。
 金糸で刺繍したドラゴンが、チャイナ服の胸の辺りまで這いずって、すりよせる腰の動きにつられてドラゴンも身をくねらせます。網タイツが脚のつけ根まですっぽりと覆い、太ももとの境界線をチャイナ服のスリットから覗かしていて悩ましげ。流れるような所作で踊ります。
 歌ががらりと変わって激情的な熱唱スタイルへ。舞台におろしたブラインドのスリットの向こう側で、着替える姿が見え隠れします。胸元を広く開けた白いロングのベッド着で、触れれば手が朱に染まりそうな赤いバラ一輪を伴って盆に向かいます。
 歌詞にのせて切々と綴る女の心、メッセージは客席にもくまなく届いたでしょうか。
 ♪ 春夏秋冬、季節はめぐり、今まで書き連ねていた文字は、洗い流すようにさっぱりと忘れ去られてしまうのでしょうか。別れを切り出す手紙をしたためても、その肝心の最後の一行が、なかなか書けません……
 自分の心の中を覗き込むような表情を見せ、女優はだしの演技で迫ります。
 傍らにバラ一輪を置いて、回り続ける盆の上。ラスト・ソングを貴方に、と囁いて、さらりと交わす、約束なしの別れのことば。
 頬寄せてバラの花の赤い色に、表情がパッと明るく染まったように輝いて、癒しに満ちた穏やかなエンディング、気持ちの整理もついたようです。

もう一作は、ブルーの彩りが印象的な、爽やかな作品です。

 ライト・ブルーのスカートにジャケット、ネイビー・ブルーの襟を立てて颯爽とダンス。拍子を詰めてクイックに切り込むように、目にも止まらぬ速さで展開します。
 アーバンなジャズ風の粋なサウンドで、しゃなりしゃなりと盆へ寄るときは、ヴィヴィッドなブルーのドレス。ピンク色が主体の背景にひときわ色が映え、盆に青い影が伸びていきます。
 盆に横たわって寝返りうって、寝乱れた衣装から覗く肌が、見えつ隠れつして五分と五分。仰向いて上げた脚でLを切り、終曲で宙にはばたくような、歌の世界を広げます。
 歌い継がれてきたフォークソング。
♪ 悲しみのない自由な世界を希求する歌声が、大空いっぱいに響き渡って祈りとなり、天に届けと放たれます。
集中感のある舞台のピークでおおらかなブリッジを描いて、解放感を得ての立ち上がり。
ふくらはぎから足の裏までやわらかいアーチを描いて反り返るさまが、舞台に調和しています。

12.三代目東八千代(10結)
黄色の着物に灰色の文様が、細かく絞り染めのように散らし、遠目から見ると溶け合いながら引き立てあって、きれいです。一般的な日舞とは一味違って、活発な曲に合わせてダイナミックに動きます。
くるりと回って膝ではねあげた着物の裾を、指でつかまえてつまんでみせ、舞台左右の幅を動き回って使い切ります。黒地の扇をはらりと開いて、さっと閉じてみせて。こちらに背を向け身を返し、天を射抜くように扇を握った手を引き絞ること二度三度。張りのある動きを見せました。
 着物の帯をほどくのは嵐のような喧騒のなか、フラッシュ浴びせるような音の洪水です。滞ることなく袖を抜いて、鮮やかな江戸紫の腰巻の上から、白い襦袢を羽織ってしずしずと盆へ向かいます。
 よく通る男性の声の歌で、ゆったりと花道を歩き、盆へ。うつむいては自省し、目線を上げては貴方を考え、ほつれた思いをひとつひとつほどくようにして、襦袢の裾も乱して割れるままにしておきます。仰向けで脚を浮かして宙に漂わせ、すり合わせるように触れ合う足先が、弓につがえた矢のかたちに引き絞られます。
厳かに礼拝堂で歌われるような雰囲気の世俗的な古謡が、舞台のしめくくりに刻印を打つようで、気品を湛えて流れるなかを去りました。

13.香坂ゆかり(10結)
 三代目東八千代さんが浅草の振り移しで川崎を離れたので、出演が前倒しになりました。

 おとなしそうな顔ですました表情、赤い衣装を脱いだ下から、赤いボンデージ風の装いで印象的です。さりげない素振りで踊る1、2曲目は、抵抗を感じさせずサッと通り過ぎていきます。
 3曲目は冬の空のような濃いグレーの特大のマントを羽織って登場します。行く手を阻まれるように花道を右往左往して、盆への道をやっと探り当てると、パッとマントの前を払うように開ければ、下には明るい赤のコルセットを装着していて、悩ましげに洒落たデザインの黒の下着を見せつけます。抜けるような白さのバストとあいまって、下着がサディスティックな印象を与えています。
 盆では、横たえた下半身を黒い網タイツが覆い、ガーターベルトには黒いリボンの飾りがまとわります。コルセットの赤い地に、唐草紋が黒く血管のようにはりついて、妄想を視覚化したように、しつこいくらい鮮やかに目に映ります。
 ボーイ・ソプラノが響いて太陽系の惑星の讃歌を奏でると、そのまま穏やかな気分を充溢させて、無重力の中でふわりと浮き上がる三点ブリッジへ。コルセットをしめたままの胴が、見えない手で宙へたぐり寄せられるようにして持ち上がります。

14.成瀬美穂(10下)
 一音一音が琴の弦を弾くように鳴らして、和風の旋律を紡ぎます。乾いた音色が物悲しく響いて、マンドリンがすすり泣くようにトレモロを奏でると、厚く弦楽器を重ねて、万感胸に迫ります。
盆でのすべての演技を終えてエンディングで、花道をはねるようにして去りました。その腕に、淡いアクアブルーの三角形の袖をたなびかせて、引潮のように舞台を去ってゆきます。水平線に月が沈んだ後、満天に星きらめくその下で、広大無辺な海の物語が綴られました。

 序奏では、熱帯魚に藻をかぶせるように、シースルーの赤い衣装にグリーンのベールを頭からすっぽりとかぶります。続いて1曲目では、はずしたベールを手にしてなびかせたり、たたんで帯状にして振り回したりと、活発な動きで踊ります。かかと落としに、穴に差し込むような手の動き、機敏に動き回って格闘技の要素も込めた舞踊です。目前に敵がいたら、何人なぎ倒していたことでしょう。
 もう一度ベールを頭からかぶり、跪いて仰向けに身を反らすと、解いた結界を今一度張り巡らしたよう、動きを止めて魂を鎮めます。

 二部では、柔らかな素材が体に張りつくような薄手の生地を身にまとい、三角形の長い袖をゆらめかせて嬉々として舞えば、入り江に遊ぶ波の精に。ぶつかり合った波と波、白いしぶきがチャプンと散って波頭が崩れます。盆に立って腰を折り、だんだんと体の重心を沈めていって重力につき従うように、横たわります。
 波打ち際で戯れる波の動きを模倣します。はね上げるように袖をひらひらさせて片腕を上げ、急降下するようにその腕を下げ、バタフライ泳法のように両腕を掻いて、地にひれ伏します。
 歌っていた女性のハーモニーが途切れて、とつとつと語るようなサンシンの音。耳をすますと遠くから、海底で波に揺れる貝殻の、ぶつかってこすれ合う音が聞こえてくるような気がします。波打ち際で繰り返される音を飽きもせず、耳を傾けて静かな心持に。あくせく暮らす昼間のことが、つい口惜しく感じてしまいます。


[7831] 川崎 10月全景 その1 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2005/11/10(Thu) 08:12

ひとつき分たまってしまいました。敬称略です。


1. ファンタジスタ(10頭)
 朝香美穂、綾瀬夏樹、若葉さくら、東洋所属の3人によるチームショー。
 (1、3回目には、それぞれソロ作品も披露しました。)

 第一部はスパイもの仕立て、緊迫した感じを音でつむいでスピーディーな展開、群舞を中心によどみなくまとめます。
 綾瀬さんが這うように忍び寄って、トランクケースから抜き出す、むき出しのディスク1枚。舞台袖へ、客席から朝香さんと若葉さんが飛び込んできて駆け上がり、3人体を寄せて、颯爽と振りを合わせます。
 黒のつなぎに、サイドには糸のように細くシルバーライン。照明に染まって烏の濡れ羽色に輝きます。胸元で縦に亀裂を入れてジッパーを、するりと脱ぎ捨てるのも意のままです。
 綾瀬さん一人で視線を集めて、片胸をポロリ。その間に着替えた二人が、白地がまぶし過ぎるバニースタイルで、ブラックコンテンポラリーにのせられるようにして、陽気にパーティー気分ではじけます。乱痴気騒ぎに明け暮れたら、あぁ、ディスクがない! どこへ行ったぁ!!!
 姿を隠したさくらさんを追って、手柄を独り占めにはさせじとチェイスが始まって、これでようやく活劇らしくなりました。

 第二部から、いったん閉めた幕を開ければ拷問の真っ只中、責めるも責められるも双方が全裸に近い姿です。舞台奥からの逆光にさらされて、光を遮って彫刻のように立ちはだかる3人の姿は、尋常ではない迫力で、威圧するように迫ってきます。
 囚人をいためつけるように、むき出しの体に巻きつけた黒光りするチェーン。安定するはずの3人のピラミッド型の構図なのに、お互いの間に渡した鎖と鎖によって、むしろ緊張感がみなぎります。
 チェーンを引き合う、互いの体をまさぐり合う、汗を迸らせて体の柔らかい部分をこすりつけ合う。鎖を使ったプレイのまま、3人は群像のように扱われて、思い思いに各自の自主性に任せたベッドとなりました。
 ひとかたまりだった3人の群像が引き離されて、互いの体を結び合わせたチェーンが、花道沿いに引き伸ばされていきます。花道のつけ根で椅子に腰掛けて綾瀬さんが見下ろすなか、思いつく限りのエロティックでマゾヒスティックな表現へ、三者三様に向かいます。
 チェーンが素肌の上を蛇のように這い、じゃらじゃらと耳障りな音を立てて、神経を逆なでします。寝そべる若葉さんが宙に掲げた脚の先で、黒光りするハイヒールのかかとにチェーンがかかって、滑車のようにするすると動きます。そのかかとのピンのような先をステージに突き刺すようにして、足踏みを始めます。はやがねのように鳴る鼓動を模してフット・ドラムが鳴り響き、腹の底から揺すぶるようにハンドクラップの輪が広がって、魂がきしむように声を張り上げたボーカルが重なって、嵐が沸き起こるかのよう。
脳内物質があふれ出て、異様な興奮に浸った後、三人は舞台中央に自然と引き寄せられるように集まって、ピラミッド型の落ち着いたシルエットに収まって、長い興奮にピリオドを打ちます。
 本能の赴くままに、野性味溢れる舞台でした。

2. 上原舞(10頭)
 クロームイエローの柔らかい生地を、鋭いターンの度にきれいになびかせます。中国風の大振りな扇子を手にして。
 耳に懐かしい歌謡曲を、オールド・デキシーのスタイルでアレンジしつくして、いなせに、粋に、踊ります。
 流れるように浮遊させておいてスッと抜く肘の動き、水をかき分けてその抵抗に逆らわずに漂わせて、抜き身の刀を鞘に納めるようにパッとひきつける指の先の動き。繊細な表現が身について、体が自然に動いてくれるよう。
 着替えて、赤と黒とで左右に袂を分ける、和様のデザインの衣装へ。帯の結び目を彩る刺繍の模様がとりわけきれいです。赤と黒と、それぞれの旗を手にして顔を隠したり、その向こうに体を隠したりと、なにやら意味ありげな使い方をします。
 目が覚めるようなオレンジ色のベッド着で、盆に上がれば自由奔放な動きに拍車がかかります。音楽に触発されてよどみなく流れ、すべてがアドリブに見えてくる、ダイナミックな動きです。そのままくるりと体を反らせて、コンパクトなブリッジで立ち上がりへ。
 着衣のまま本舞台に戻り、パッと脱ぎ捨てて立ち姿で、見事なボディラインを誇示するように晒します。輝く笑みに澄んだ瞳から、出来映えにも自信のほどが窺えます。

3. 小池まりえ(10上)
 暗闇から浮かび上がる盆での立ち姿。あでやかな赤い和服で、袖の先を指でつまんで支えます。袂で口を覆うようにして、表情を隠すのはなぜでしょうか?
 派手な演舞もないままに、花道を右往左往して舞台上手の隅で、目だけ使ってニッと笑ってみせました。
 ガイジンには神秘的に見えるジャパニーズ・ゲイシャ・ガールの無表情さを、デフォルメしていかにもわかりやすく演じます。もの言わぬ花を手折るように、ゲイシャは摘まれることを心に念じて、待ちわびて、今宵もまた、文をしたためます。
 舞台は転じて、返り文を読みふけるのは女官風、燃え盛るような黄緑色の衣装が新鮮に目に映ります。さらりと書いた達筆を、送っていた右手をとめて、目に涙。美しかった記憶もにじんで流れ、哀しい季節は巡ります。
 ミラーボールが浴びせる金色のシャワー、満月に近いときこそ月の力はいや増します。
 仰向いて衣装の生地に埋もれて悶えるように、新たな生命を得ようとあがきます。感傷的な歌のせりふに心まで揺すぶられて、力を振り絞ってのポーズとなりました。
 終曲で迫りくる大陸風ののどかな旋律。朗々と鳴らすチェロが、目覚しく働きます。
 自然の境界の奥深くに分け入るように、笛が情緒豊かにさえずった後、パッセージの原型をとどめたまま、次から次へと楽器を移して変奏へ。
 一巡するころには、時の立つのが強く意識されて、終焉の予感がせつなく胸に迫ります。

もう一作は、曲想の変化に富んだ意欲作です。

 タムタムの心地よい響き、咆哮するような管楽器、壮大なスケールを感じさせる大地の響きで、幕を開けました。
 防止からパンツ、上着まで白で揃えて、ビニール調の光沢ある生地にシルバーの鎖や飾りがきらきらと輝いています。
 椅子に掛けた姿勢から始めて、派手なアクションでキメて、後は耳障りのよいスタンダード・ジャズを、イキにインストで奏でます。肩の力の抜けたクラリネットの響きに、体の動きを合わせて、はちきれそうなヒップをシェイクしてみせます。
 すがすがしい女性の声で、ウェットなバラードで盆に進み出ます。シンプルな黒一色のベッド着をゆったりとなびかせて、立ち止まっては虚空を見つめて、ゆっくりと肘を抜きながら手首、手の甲と、順にひねって返します。
 ちらりちらりと股間を覗かせながら、大きな動きでストレッチで体を動かすように、のびのびとポーズ。
 終曲ではたたみかけるようにして、独特な個性あるポーズで大きく体をせり上げるようにして、腕や腰を反らします。あっけらかんとしたすがすがしさが、アスリートのトレーニングを眺めるような、ほっと落ち着きを取り戻せるような瞬間を味わいます。

4. 仙葉由季(10上)
 性格の異なる4つの曲が、互いに引き合うように安定した作品を作ります。
 白い和服に映える、黄緑色の帯、紫の裏地が裾を割って下から覗きます。何を思ったか日舞はとばして、ラテンの響きにフラメンコ風ギターが流れてきました。予定演目とのミスマッチにも取り乱さずに、ええいままよ、とばかり、お着物の裾を引きずったまま、手拍子、かかとで足拍子。
 歯切れよいリズムの奔流に身をゆだね、2曲目は素朴なアフリカーナ、人声をサンプリングして壮大な大地に心地よくシンセの旋律が響きます。着付けにかけた手間隙のことは忘れて帯を解き、はらりはらり、剥がれてゆく着物。重ね着が次々と身体から離れてゆく様子が、落ち葉が川面に散って流されるようでした。
 分厚い弦楽器の旋律が抑揚をつけてゆるやかに流れて、往年の日本映画で好まれそうな厳かな曲へ。音のうねりの中に浸って潮の満ち引きを感じ、波立つ波頭がざわめくように、行者の振る鈴の音がフューチャリングされて、印象的でした。白い襦袢で肌もあらわ、引き締まった身体を撫で回し、汗を振り絞るように演じて情緒に訴えます。
やがて場末の雑踏、グラスのぶつかり合う音、陽気にはしゃぐ人の声が聞こえてきました。つややかなバイオリンの旋律が駆け上ったら、一挙にパッションを噴出させるような展開へ。ボサノバの音階を奏で、鳴り物は激しくむせび、きわめて人間くさいやり方で情熱をかきたてます。
 観客に語りかけるように向ける顔が、人なつっこくほほえみかけてまぶしいばかり。身体だけでなく心までも、裸になった瞬間です。

5.藤咲茉莉花(10中)
ぱっと華やかなピンクのドレス、スカートの裾のフリルを揺らしてしなやかに踊ります。
着替えて紫のビザール風のコスチューム、ガーターベルトの間から覗くパンティがやけに小さく見えて、アダルトな印象です。
のびのびと振舞うベッドでは、太腿に紐をまわしてパンティが、宙ぶらりんに揺れています。四つん這いで猫がのびをするように、背を反らしたり、腰を沈めたり。また浮かした腰を振り返るようにこちらを見上げる瞳が、ほの暗く濡れたように光ります。えくぼを浮かべてキュートに含み笑いをもらしながらも、どこかに理性を隠してきたような強烈なフェロモンを発して、一種の荒々しささえ感じます。
曲を残して早めに切り上げて、花道の幅いっぱいに脚を広げて片手をついて、腰を持ち上げてさらす、大胆なポーズ。スケール大きく、豪快にキメました。

6.小野今日子(10中)
 足元まで届く長い衣装をマントのように広げると、表は黒地に花模様の刺繍が一筋横切って、裏地は赤。その下に着込んだ赤のセパレートと黒のスカート、黒のブーツがコントラストを作ります。
 1曲目は激しいリズムが歯切れよく、威勢よく。流れにストレートに身を任せ、腰をくねらせて練り歩きます。大胆に脚を振り上げて、体を投げ出すような転がり方なども見せて、個性的な動きを織り交ぜます。
黒いスカートが体を離れて、羽織っていた赤い衣装もたたんで隠してと、赤と黒の色彩がバランスをとりながら、交互に視界から消えてゆきます。
 あらかた衣装を取り去って盆へ迫るとき、真っ赤なレース模様の下着が素肌を包み、ガーターの止め具がかみつく相手を失って、股間をさまよっています。黒いブーツを履いたまま、赤いパンティが脱がされて、その下から茂みが姿を現して、赤と黒のバランスを保ちます。
 掌が頭上に吸い寄せられるようにして収まって、長い静止のスワンへ。降り注ぐ青や黄の照明を浴びて、衣装の赤が鮮血のような激しい色に燃え上がります。ゆったりとした動きで視線を誘い込むようにして、悶えてうごめくウェットなベッド。ためこんだエネルギーを放電するように瞬時にきつく反り返るブリッジをかけました。

7.林泉水(10中)
 漆黒の着衣に似合う、つややかな黒髪で、エキセントリックな身振りに自己陶酔するようなしぐさで踊ります。歯切れのいいリズムにのって派手に身を翻し、カッコいいアクションで引きつけて、突き放すようにクールでちょっと近寄りがたい表情を見せつけます。
 かなり照明を落としたなかで舞台を疾走すれば、振り乱す髪に顔のいろも隠れがち、遠くからの光を反射するエナメルの黒い着衣の表面が、ぬめるように光って何やらセクシーに感じます。
 突然、停電になったかのように照明を消して動きが途切れて、断絶感を味わった後で再登場した姿は、細身のいたいけな体に革製の手錠で拘束された状態、長く重い鎖がじゃりじゃりと、金属音を立てています。
 盆にへたりこむように腰を落として、手元の鎖がじゃらんと床にたたきつけられる音、身をくねらし腰をひねり、腕をさまよわせる様子は囚人のよう、もだえてのたうつ姿にベッド着がめくれあがって、下半身はすでにむきだされた状態です。鎖を巻きつかせて自分のほうに引き寄せて、Lの細い脚が立ち上がります。
 顎を突き出してのけぞらせた首すじにさらさらと黒髪がしなだれかかって、繊細でユニセックスな印象です。その印象が、犬をつなぐような革製の首輪がほっそりした首筋を締めつける残虐な感じとは対照的で、不思議な光景を目にした気がします。


[7830] 渋谷道劇 9結・10頭 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2005/10/15(Sat) 13:04

2週分たまってしまいました。^^;(敬称略)


◆渋谷道劇 9結

1. 夕貴美保

 白雪姫の目覚めは7人の小人たちとともに。大きく伸びをして起き上がって周りを見回すと、寝相の悪い小人たちがあちらこちらにばらばらと、のどかな光景から始まります。
短い道劇の持ち時間のうちで、はたして王子様は登場できるのでしょうか。先回りをする読者(観客)をよそに、白雪姫は、あれほどこりたはずの禁断の実に、またガブリと噛みつきます。
衣装替えすれば、登場するのは「わるい」妃。若さに嫉妬して、「美」から顔をそむけます。猛烈に速い振り付けで、パントマイムを早回ししたよう。分断されたクイックな動きがこれほど早回しで連続すると、ホラ、ページの隅に描いた棒人形が踊りだす、パラパラ漫画を思い出しませんか。
 ユーモアをひと振り添えて、前菜を出し、後半のメインディッシュはしっとりと。要所をL字などのポーズで締めて、ねっとりした色気で攻めるのを、うっとりと見とれます。
 乱れる息使いに、唇を這いずる舌の先。網膜の上をなでられるように、その舌触りを、ふと、リアルに感じとりました。


2. あいあいら

手持ち無沙汰を示すのか、広げてすみずみまで読む新聞、気取って羽織ったファーのショールが、素肌にうっすら浮かぶ汗に吸い付くようにまとわるさまに、ちょっとそそられます。
ミニを履いた脚と脚の間を、椅子にかけて開いてみせて、その暗がりの奥をのぞき見させます。銀のヒールに踵を収め、素肌にぴったり張りついた下着風のベッド着。白いレースの縁取りが清楚に、豊かな体を飾ります。
ひそめた眉、細めた目、口元を歪めるほど体を大きく震わして、一瞬、絶頂を駆け抜けてから、息を潜めて穏やかにスワンへ。安定感のある優美なフォルムで、静謐な世界に浸ります。


3. 松島亜美

 かそけきガムランの響きで始めて閉じる、1曲目。
 急がずあわてず、泳ぐように振る手足。肩の力を抜いた振りが驚くほどシンプルに見えて、多彩な照明にあふれかえる舞台にたいそう映えました。
 哀愁を帯びた2曲目で、リボンのように軽そうな生地の衣装を脱いで、下着姿へ。いなすようにして、腕を伸ばしたり返したり。きれいな立姿ですが、心細そうな表情を浮かべて、網目模様の透けた白いレースの衣装に身を包みます。
 白いパンティ1枚を残して脱ぎ去って、盆の上にたたずむと、左足の親指がくるりと盆に輪を描きます。ため息をつきそうな寂しげな顔で、観念したように盆の上へ座り込みます。
 控えめに演じて、表情がよりリアルへ。抑えきれない欲情を、あられもなく痛切に写します。
 両膝を割って、中指や薬指を薄い生地の上に這わせ、くいしばった歯の間からため息を漏らします。腰骨にかかっていた片紐を、ほどいてだらりと下がるままにして、ぼう然とした表情で立ち上がるまで、大味なポーズでも派手なあえぎのオナでもない、ナチュラルで個性的なベッドに仕上げます。


4. 朝倉希

 気まぐれラビットのおしゃまなダンス。うさ耳に、たっぷりとしたモコモコのスカート。桜色に染まった上で、白い毛玉のアクセサリーが、ふわふわと腰回りにぶらさがって揺れます。
ブリブリダンスと違って、チョコチョコと不規則な跳躍の軌跡を描きます。斜め跳び、反復横跳び、片足ケンケン。缶蹴りの要領で、ぽおんと蹴り上げた足をV字バランスのように上げたまま、両手で支えて、その場でぴょこぴょこ片足跳び。おどけて戯れる、ユーモラスな着想です。
マシュマロのような乳房をさらして、じわりと見せる、ゆっくりとした動きのベッドです。胴をねじるようにして、2回横転。盆の縁から落っこちそうな位置で、後ろ手で支えて腰上げのL。
膝立ちで浮かせた腰を前後に突いて引いて、その間にも、両足の開き具合がよい加減。よくしなる背筋、柔軟な腰や脚のつけ根の関節。余りある性能を発揮する、大胆なポーズ。
ブリッジは手放しのまま、頭と首で支えます。踵を浮かせて鋭角に反り返らせて、そのまま背を伸ばして立ち上がり。伸び上がるようにして持ち上げた、ブリッジの腰の位置が高くて、爽快です。


5. 川村あいね

 冒頭に見せた、オフホワイトに輝くたっぷりしたドレス、胸元に大きなリボンが蝶のように羽根を広げていて、その装いに思わず目を奪われます。幸せに満たされた温かい表情。
 暗転してシックに紫と黒とでまとめた下着姿、悩ましい装いとは対照的に、ドラマチックな曲に合わせて、派手なアクションで爽快に。
 重いピアノの音色がウェットに闇を包むなか、舞台上手でパンティを脱ぎ去って、淡いラベンダーのスカートを腰に巻きつけます。盆の直径に差し渡す前後開脚で、伸びやかな肢体が盆を覆います。
 腰をおろして、付け根から脚を浮かせて、生まれたときのままの姿の下半身をさらします。スワンから徐々に足を抜いて、うつ伏せで十字型に横たわり、姿勢を入れ替えながら、やがてはフィニッシュでのえぐるようなブリッジへと持っていきました。


6.緑川めぐみ

 折り目正しい上着にパンツ、手を触れれば染まりそうに色鮮やかな赤。胸元はコルセット風なレース地の黒い下着で、カップからあふれそうにして、まあるい輪郭があらわになっています。
 スタイリスティックにダンス! きっぷよく踵を返して、よく通る熱い視線で正面を見据えて、ウーン、格好いい麗人ですね。
 ひなびた田舎楽団風の曲は、メキシカン、猥雑な場末の雰囲気を写し取っています。アンティークで杓子定規にお堅い感じの椅子を持ち出して、正面に据えてもたれかかります。
 酔いが次第に回ってぐずぐずにとろけるような展開で、堅固な椅子とは対照的。しどけない姿で乱れてセミヌードへ。
 折り曲げられた脚は、太股を裏まで見せて、むせかえるようなワインの香りに息苦しいのか、両胸をチョッと寄せ加減にして、フロントホックをはずします。
 盆へ渡るまで、硬質なピアノは、珍しいことにクラシックの有名曲を奏でます。左手で分散和音、右手でとつとつと呟くかのような旋律が、やがて肉声の吐息に変わって包み込みます。
 声が裏返ったところで、澄んだアコースティックのバラードへ。さっきとよく似たピアノの音色。巧妙に場を繋いで、男くさい声が肌に滲み入ります。
 濃密な時間をともに過ごすうち、情にほだされて肌を重ね合わせるような、熱きベッドとなりました。
 立ち上がりの表情、目線の送り方に到るまで、息の抜けない演技が続きます。


7. 丘野愛唯

 本場のように目元だけを残して、白装束で神秘のベールに包まれて、イスラム風のダンスです。
 裸足のすり足で、足捌きも乱さずに頻繁にターンを交えれば、柔らかい衣装の生地が生き物のように翻ります。でも、ところどころに芯が通ったように生硬なロボット風の振り付けがまぶしてあって、スパイスが効いています。
 音が熱くなり、振りが加速して、ストリートダンス風にアクロバティックな技も繰り出して、やがて霧が晴れるようにベールを割って肌が露出します。
 客席に身を乗り出して足を預けたり、お客さんの手を借りて伸ばした脚からパンティを引き抜かせたりと、インティメートな空間を演出します。
疲れた体を癒すように、しかし奮い立たせながらの3点ブリッジ。ねっとりとした空間に包まれて、裸身がしなってなめらかに動くのを、この眼にしかと収めます。



◆渋谷道劇 10頭

1. 愛川ユキ

 赤銅色がかってきらきら光る胴着やスカートに、触れれば指の先が染まりそうな真っ赤な生地の縁取りが目に鮮やか、耳に血をたぎらせるラテンの響き。赤い扇をさっと開いてみせて、虚空にひらりと泳がせます。
 緩やかな動きから始めて、緩急自在なターンを加え、翻ったスカートの裾で均整のとれたウエーブを描いてみせます。
 赤いベールをまとって再登場すると、曲は情熱的なタンゴの旋律へ。アコーディオンが囁き、バイオリンが軋み、ピアノのキーが不協和音の間を駆け抜けると、ベールの長い裾は水平ターンの推進力で浮き上がるように持ち上がります。飛び石を渡るように巧みに送るステップは、小刻みながらも一歩踏み込んで膝を寄せて、男女の仲をぐっと近づけるように詰め寄ります。
椅子の座板に踵をのせて、ぐっと踏みにじる仕草は努めてクールに。ほっそりとした脚のラインが踵からふくらはぎへと立ち上がります。その脚を自在に盆の上で操って、抑制された動きでシンプルにベッドはまとめます。片足を地につけたまま伸ばして、もう片足が天を指す倒立の姿勢、崩してすかさずブリッジへと、鮮やかに捌きます。


2. 翔田真央

 白い羽根扇を大きく広げて、恥ずかしげに隠す顔や胸、赤いチャイナの胸元には刺繍が、羽根を広げた鳥が梅の枝にとまります。
 上背があって見栄えがして、脇のスリットから細く長い脚が、左右に踏み込むたびに覗きます。もうチョッとのチラリズム、いっそ脱いだらと、青のセパレートスタイルへ。健康的なお色気で、シンプルな振付けをこなします。
 引き締まったしなやかな肢体のすべてをさらす、盆の上。もどかしげにすり合わせるももの内側、糸を引くような目尻に似合う声を洩らします。上気した顔で立ち上がるとき、眉の先がほっそりと消えゆくように描かれて、うっすらと開いた口元と合わせて、いわく言い難い、いい表情をこちらに向けました。


3. 寺丘早織

 白いワンピースのような衣装、生地の表面にレース模様の凹凸が浮かび上がり、清楚なイメージ。金色に輝くまっさらなヒールは、今日おろしたてで、ぴかぴかです。
 足元に眼もやらず、気にしないでもステップを踏める度胸は頼もしいかぎり。仕込まれた通りに手足を動かして、はしゃぐそぶりもなく淡々とまとめると、しっとりと大人びた様子が窺えます。
 しずしずとしおらしく花道を進み、薄手の白いパンティを剥ぐと、下からは生え揃った茂みが。指の先が這い寄って夢中で遊ぶとき、細く書いた眉が目じりからつりあがるさまがいじらしくて、見とれます。
 わずかな持ち時間を過ぎれば回っていた盆を下げて止め、ものたりなさそうで不安そうな表情を浮かべて立ち上がり、片手を上へ差し上げる独特の姿勢でお辞儀をしてエンディングです。


4. 桃乃ララ

 ブーケを手にしてゆったりとしたローズピンクのドレス、チューリップグラスを伏せたように裾の形が広がって、くるりと回れば裾の開き具合が、蕾が開きかけてかぐわしい香りを送る瞬間にも似ています。幸せそうに輝く笑顔が、次のシーンへの伏線となります。
 黒い下着で薄暗い舞台へ、独りさまよい出ます。窓を探る、扉を叩くと、マイムの仕草を続けて、うなだれてうちひしがれます。
光明が射したのは、大きなテディ・ベアの手を引いて引連れてから。抱える、捧げる、頬ずりする… かじかんだ心が融けだして、ここで見てねと、ベアを花道にぽつんと座らせて、独り芝居のはずがいつのまにやら独りあそび…
余韻で、深く吸った息を吐き出して我に返れば、また夢の中に戻るような、美しい姿勢のスワンで静止します。
いかにも少女らしいベアへの撞着は、母性の原理から男=父親に絆を求める、心理的な倒錯にも思えます。エンディングでこぼす屈託のない無垢な笑みは、あまりに謎に満ちて、かえって残酷なイメージで胸につき刺さります。


5. 川中理紗子

ジャスミン色の八重の花びらが重なり合うような可憐な衣装。濃いめに引いたルージュに金髪が映えて、フェアリーを想起させます。細かい動きの多いダンスはお手のもので、軽々と舞ったあと、広い袖に刺繍をあしらったごく薄手のベッド着を、襦袢のように羽織って盆に向かいます。
可憐とばかり思っていたにこやかな表情が、花道を渡る一瞬で変容して、なまめかしいあだっぽさを漂わせます。
アクセサリーを手首からとって首に掛けなおす間に、フェチな要素も取り入れて、ベッド着の下からは、乳房が柔らかい曲線を描くのが見え隠れして、惹かれます。匂いたつような色っぽさを、ベッドで一気に開花させたようでした。


6. 中條美華

 白一色の衣装は短いスカートで、胴に金色の縫い取りが浮かび上がります。耳障りのよい曲に心地よい笑顔をたやさず、ストレートに快適さを追求します。
 サンプリングを多用した1曲目は、フラッシュを浴びせるなか、メリハリをつけて愛嬌たっぷりに。薄手のベッド着をまとってしずしずと登場すれば、水中を歩行するようなゆったりとした動き。
 盆に立ち、薄い生地が剥がされて、さなぎを破るように白い肌が徐々にに現れます。堂々とした豊かな体を見上げて息をのみ、緩やかな流れのなかで体を反らせたりねじりあげたりと、ひとつひとつの動作を育むように安定したポーズを連ねます。
 胸の谷間を伝う汗のしずくの流れるゆくえを、固唾を呑んで見守ります。


7. 羽月澪

 長いスカートは膝の位置で絞られて、ヒップの豊かなラインをなぞるように浮かび上がらせます。白いドレスに白い日よけ帽、貴婦人のようにおっとりとしたいでたちです。
 屈託なく軽く踊って、さりげなく脱いで花道へ。たわわな胸を、ブラ替わりに両手で覆います。表情からは戸惑いの色を消して、自ら体をもみしだく度に、繊細なセンサー代わりになる生の表情へ。
乾いたブルースのようなボーカル、嘆きに心もゆだねるよう。膝立ちのままゆさゆさと胸を揺らし、くいくいと腰を震わして、せつなさそうな顔が快楽に歪むのを眺める気持ちは、なんとなくサディスティック。膝をついて上体を前に倒して、高々と腰を突き出すと、屈辱的な姿勢に。下からこちらを見上げる表情には、いかにも甘えと期待が入り混じり、刺激にビビッドな感受性がむき出しにされています。
体に正直過ぎて、かえって単純に割り切れないように、精神も錯綜していくのでしょうか。ハープシコードのクラシカルな音色にのせた立ち上がりの一瞬の表情に、狂気をはらんだ稚気とでもいうような、ぞっとするほど凄みのある表情を浮かべました。


8.冴木里江

 女性らしい可愛いコスチュームに加え、白い帽子をおつむにちょこんとのせて、ステッキついて華やかに。ミュージカル風の派手な曲目で、のっけから一挙にはじけるダンスです。蹴り上げれば白いスカートが軽くふわりと浮き上がり、脚線美で健康的な色気を発散します。
上手にかがんで脱ぎながら、「夜」の素顔を現します。跪いて背を丸めてかがんだ姿勢で、むさぼるように体を震わし、感じ入った表情へ。指の先の動きひとつで、体ごと転がされるように身を投げ出し、潤んだ瞳を閉じるころには、開いた口から言葉になる以前の「言葉」を吐き出します。
ゆっくり流れるオルゴール風の音と音の合間から、耳障りのよい声が抜け出して、響き渡ります。


[7829] 新宿ニューアート 9結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2005/09/27(Tue) 02:41

中秋の月も過ぎ、涼しさもほどほどのこのごろです。


1. 上原舞

 黒い背広の上下はたっぷりと生地を使って余し気味、目深にかぶったソフトと合わせて、ゆったりと着こなす男性のスタイルです。シャープなダンスのポキポキした印象を吸収するように、大きく踏み込んで思い切ってターンして、ちょっとイカした男っぽいステップを堪能させます。
 ヤサ男の顔立ちを努めて見せないように俯いたまま、舞台全体をくまなく使う大胆な動き。背後に垂らした栗毛の髪も、1本にまとまってなびかせば駿馬のしっぽ。野生の馬のように、鞭打たれることなく自由奔放に駆け抜けます。
 ベッドは膝まで届く黒い衣装、着衣のままで、解き放たれたように感性を頼りに泳ぎきるかのよう。音楽を引っ張るように動きのあるベッドに加えて、盆に持ち込んだ椅子の上で、しゃちほこを崩したりV字開脚をしたりと、大胆です。
 振り乱しながら肩や頬にかかる髪の、生々しい迫力に見とれます。


2. 綾瀬夏樹

迷彩色のよれたズボンに花嫁風のベールをかぶり、脚立に身を預けて何やら意味ありげな姿から始めます。闇から咆哮するようなおどろおどろしいボーカルに、挑んでつかみかかるようなシャープなダンス、甲高い声と鋭い動きがせめぎ合います。
ヒップホップ調の動きが加わる2曲目で、単調なリズムに動きだけで変化を与え、競技のようにストイックに踊りぬきます。細かいリズム進行が、イライラして机の上を指で叩くようにも聞こえ、盆に上がれば血糊を浴びたように、照明で全身が真っ赤に染まります。
野性味あふれる猛々しいベッド、しなやかな身のこなしは女豹のもの、情念に身を焦がして髪振り乱した容貌はゴルゴンのもの。反り返らした喉元に、深く食い込ませるように自分の指を差し込んで、指先をきつく締め付けるようにくわえます。想像の世界では、上下の口が入れ替わって、快楽の世界へ誘って・・・
 突如として鳴る吹奏楽、威勢よく勇気を誇示する軍楽の響きに、力のこもった連続ポーズを繰り出して応えます。

 もう一作は、夏、リゾート、ひと夏の恋を想わせて、盛り沢山の内容に、ベッドで使う2曲の歌詞が胸に刺さります。
 1曲目はハジけて楽しいタヒチかハワイか南洋のスタイル、腰みの振って生を謳歌するダンスでしょうか。2曲目のねちっこいボーカルは、肌に舌を這わせるようなエロティックな感触。レイの花輪を飾るような真っ白い花で胸も腰も飾り立て、小麦色の肌との対比が眼にまぶしい。木陰で味わうカクテルは、搾り出したジュースもフレッシュで、威勢よく口へ胸へと飛び散ります。
 ベッドは曲の折り返しで、川面に開く打ち上げ花火の効果音が響きます。片脚で倒立した姿勢で、天高くはじける花火を指すように脚を上げました。淡い思い出は一瞬で燃えさかっては、泡のように消え・・・ もの想う姿勢で座って口元をうちわで隠しても、その下から裸の胸の盛り上がりが見え隠れ、次なる恋をまた、待ち受けているのでしょう。


3.瀬能優

振り向いた姿は、白いにこ毛に覆われた翼の天使でした。フェザータッチの軽やかなダンスをひとくさり、肩の力を抜いた動きで優しげに舞って、浮遊感漂う清楚なイメージへ。
 一転してシックな黒のベッド着で、舞台背後の壁に手をついて腰を高く突き出せば、妖艶を通り越して背徳的な香り。白地の丸々とした盛り上がりにパンティの黒が映えて、盆の上にいい眺めを作ります。カクテル光線は虹の七色が溶け合うように降り注いで、衣装の黒を引き立てます。
溺れるようにうつ伏して、煽るように仰向いて、長い脚は黒いブーツを履いたままで、尖ったかかとで空を突き刺すように、L字に脚を上げました。無骨なブーツの表面を、繊細な指輪をはめた細い指でさするようになでおろすと、いとおしげな眼で彼方を見やります。
曲の隙間に割って入るように、瞬時に立ち上がりながら深いブリッジを繰り出したとき、幻想から眼が覚めました。


4. 上條蓮

 暗闇から、捧げ持った燭台のほのかな明かりに、姿勢を正して着物姿で盆にしゃがんだ姿が浮かび上がり、厳粛な気持ちにさせられます。長く伸ばす女性の歌声は、なだらかに高音へすりあがり、祈りを捧げるかのようです。
 《何が怖いの、何?・・・》
憑かれたように軽々と揺り動かす腕や首に、ドラマチックな曲が降りかかり、右往左往して雷に撃たれたようにへたるまで、摩訶不思議な空気を作ります。
意を決したのか、あるいは己を見失ったか、操り人形のように身を翻して、帯を解き前を割り、鶯色の腰巻姿に透き通るレモンイエローの襦袢を羽織り、ざぶりと水を掛けられたように倒れて盆に伏しました。
その後は幽玄としか言いようのない舞台です。人一倍大きな眼で瞬きもせず宙を仰ぎ、
下界の生々しさを捨象した、異界の営みを表す象徴的な回り舞台。ミラーボールから指す細い針のような光の束に、引き寄せられるように立ち上がって手を伸ばして、花道を戻って本舞台に引き、最後の一灯が瞬いて消えたとき、華奢なその姿は残像を残して闇に吸い込まれていきました。


5. 新山愛里

 受け継いだものを忠実に再現してみせるように、一挙一動を律儀に演じて積み上げたら、洗練された舞台に仕上がりました。
 細かい花柄のプリントが、桃色の斑点となって鮮やかに、ヒラヒラした白地のスカートを埋め尽くします。笑顔も花開いて、パッと場内をいっぺんに明るくして、腕や肘をひとつひとつ置いていくように穏やかに踊って、笑顔にも余裕が見て取れます。
 着替えた白い衣装はオリンポスの神々のように、裾までさあっと流れて、袖が自由になるままに、ゆったりとうち振ります。
 するりと脱いで豊かな胸をさらし、足先を左右に送り出しながら花道を平然とこちらに歩んでくれば、こちらの胸までドキドキしてきます。おさらいでもするようにポーズを整えて、穏やかな立ち上がりへ。反らした喉元を逆光から照明が照らし出したとき、まぶしそうに表情に細めた眼が、強く印象に残ります。


6. 加瀬あゆむ

 ピンクのカウボーイハット、衣装には細い紐がすだれのように吊り下がり、体が左に回れば右へ、右なら左へとなびきます。腕をくねらせて腰を振って、セクシーな動きを極限まで拡大して見せました。
 掌が宙をなで、細い指をしならせて、指先のつけ爪が反り返ります。ダックスタイルで蛇行する歩き方。体重を大きく左右に振って、うねりを巻き起こします。
 着替えは椅子に掛けながらしっとりと、じっくりと。客席に背を向けてブラのホックをはずし、Yシャツの前をかき合わせ、ヒールを抛りストッキングをおもむろに剥がします。
 Yシャツの下のなめらかな肌、なだらかな起伏、くびれた腰の先から下へと広がるヒップのライン。他人の手のように執拗に、じらすようにパンティを下げて、なで回します。膝まづいて腰を上下動。またがるようにペタリと床に座ると、ヒップの形が吸い付くように自重で床になじみます。
 最後のブリッジは、片手をはなして頭上に差し伸ばしながら、すうっと立ち上がって無難にまとめてみせました。


[7828] Re[7827]: DX東寺、先週・・・ 投稿者:名無し [関東] 投稿日:2005/09/25(Sun) 20:38

藤沢あきさんの公式ページの掲示板に、読み切れないほどの
レポが書かれています。
写真のページもあります。

この公式ページは今月いっぱいだそうです。


[7827] DX東寺、先週・・・ 投稿者:名無し [北海道] 投稿日:2005/09/25(Sun) 16:06

先週DX東寺で、藤沢あき嬢の最期を見取られた方はおられませんでしょうか?!

もし居られましたら、是非レポお願いします。


[7826] 9月21日DX東寺 投稿者:一見さん [北海道] 投稿日:2005/09/24(Sat) 05:18

本条さやさん
トップは元気のいいアイドル舞姫ですね。最初の衣装もアイドルっぽいですね。ベットでは、小さな白と赤のバラの花?のネックレスと飾りを付けた衣装で登場。しゃちほこのポーズは大きく股を広げて大胆に決めました。オープンショーは派手な青と白のツートンカラーの帽子とミニスカートで跳ね回っておられました。1回目のポラ時に、お客さんの反応が遅かったので「朝から泣いちゃうぞ〜」なんて言いながら、あせっていたのが可愛かったですね。

舞花さん
きらびやかな純白の花嫁衣装に、白い傘を回しながら登場。清楚な感じの衣装ながら大きな胸の膨らみが目立ちます。花嫁衣装を脱いで、白いドレスシャツと白いパンツ姿で踊り、足を綺麗に伸縮しながら横向き回転しながら盆に移動します。ベットでは黒いすけすけの衣装で足を上げてのパンチラ。衣装を脱ぐと、いかにもやわらかそうなおっぽいがあらわに。舞花さんに聞くと、最近測ってないそうですがDカップだそうです。もっとありそうだけど・・・

翔田真央さん
肩を大きく見せて、スカートに2本の深いスリットが入ったドレス。胸には孔雀の飾りがちりばめられていました。スリットスカートからチラチラ覗く長い足が綺麗。ドレスを脱ぐと、青いボディスーツでした。流れる曲は足ぶみの音も加わり、にぎやかな雰囲気の中踊られました。ベットでは、長くかっこいい足を伸ばしV字に開くとナチュラルオープンしました。その後、道劇の踊り子さんらしくオナニーへと移行しました。オープンショーでもナチュラルオープンが拝見できました。

美咲さん
赤と黒を基調にした着物に、両手に桜の花?が咲いた木の枝を持って登場。着物にも花と葉っぱがちりばめられていて、時おり花の香りを楽しむようなしぐさを見せながら、しとやかな感じで踊られました。次は一転し夜の場面、真っ赤な体のラインを強調した、体にまとわり付くような衣装で登場。腰のあたりとおっぱいの下の方の部分には大きく穴があいており、穴からのぞく美咲さんの形の良いバストがなまめかしい。ワインを飲みながら踊られました。ベットでは、バイブを取り出し、フェラからオナニーへ移行。フィナーレの4点ブリッチから、足を真上に上げるポーズも綺麗に決めていました。美咲さんは身長があり胸もボーンと出ているだけにフィナーレのポーズも格好いいですね。

園田しほりさん
カンフーの使い手のような衣装で、ハイキックを決めたり、時おりロボットのような動きをしながら踊られました。ベットでは、左足が自分の体にくっつくほど足を伸ばしながら股を大きく開脚するなど、体の柔軟さを見せてくれました。しゃちほこのポーズやブリッチは、どれも完璧なポーズを見せてくれました。さすがですね。

稲本ちえみさん
白い衣装に銀色のきらびやかな飾りがちりばめられた衣装で登場。ターンする時など、集中力が必要な時以外には、常に大きなえくぼを作って笑顔で踊る姿がキュート。手話を交えてのステージの振り付けは興味深い。斬新な試みですね。稲本さんに訪ねたところ、「手話を使う振り付けは自分で考えた。」とのこと。まだデビューしたての新人なのに、意欲的なところが好感もてますね。ベットでは、左膝をついて、右手と右足を床に水平に真っ直ぐ伸ばすポーズがとても綺麗だった。スタイルも抜群で大きなバストから細い引き締まったウエストにかけての体のラインの美しさは素晴らしい。これからの活躍が楽しみな踊り子さんですね。


[7825] 9結 上野 投稿者:るーにー [関東] 投稿日:2005/09/21(Wed) 23:54

連投すみません、再びるーにーです。

先週ミカドへ行きたかったのですが果たせず、今週船橋も気になるのですが、こちらも行ったら帰れませんので、ターゲットを絞り込み、大信田ルイさんを拝見しにうきうきと上野へ行って参りました。
最終回の2番目LULUさんという方のポラからでしたが、3番目青井さん、4番目鏡乃さん、5番目早瀬さんまで全てダンスカットと普段なら「ついてないな〜」って思うところ、三者三様のベットですっかり楽しめました。

青井さんのオナベットに至るまでの妖しい視線のやり方と続く悩ましいオナベットにすっかり悩殺され、最後は洗練されたポーズのいくつかを拝見してダンスが無かったことなんか忘却の彼方へ吹っ飛びました。

鏡乃さんのリアル系のオナベットも私にとってはけっこう新鮮で好ましい印象が残りました。

早瀬さんは、ピンクのベビードールに男性をイメージさせる風船と戯れながらのオナベットに豪快にキマるポーズで畳み掛けるエンディングが毎度ながらタメ息でますね。またそこから周囲がリラックスして楽しい雰囲気になるポラタイムと一同ノリノリへなるオープンへの流れがショーマンシップ溢れていて楽しかったですよ。

大信田さんを楽しみにやってきたのは、やはり掛け値なしに楽しめるステージをギャランティしてくれると思っていたからで、実は8月の頭に郡山で久々に彼女のステージに接し、以前よりその思いは強くなってましたが、今回はそんなものを大きく上回る満足感を得ることができました。雷鳴から始まるこのステージは、時代物ですが、衣装・メーク・照明はもとより、今まで以上に顔に浮かべる表情が重要なステージの縦糸になってます。ダンス...何時にも増してキレが鋭く、さらに大きな表現力、オナベット...その行為よりこの後に浮かべる表情の妖艶さに効果百倍、ポーズとその間を繋ぐ動きの優雅さどれをとっても、今回描かれた世界観を際立たせるものだったと思います。是非もう一回観たいと思いますが、それがもし今回ほど強く心を動かされるものでなかったらどうしよう?!そんな気にもさせるステージではあります。

篠崎さんはぬいぐるみと戯れる1曲目から持ち前のダンスを披露する2曲目まですごく個性的で大信田さんと同じ日に郡山で拝見したときより動きがず〜っとスムーズに感じました。オナベットもひとひねりあり興奮度高いです...

そんなワケで、めちゃ充実した上野、もう一回行きたいけどちょっと難しそうです。

では、
るーにー


[7824] Re[7822]: お久しぶりです。 投稿者:るーにー [関東] 投稿日:2005/09/20(Tue) 02:16

みなさん、お久しぶりです。
黒鳥さんも本当にご無沙汰してます。
雨宮琴さん、私も東京に出演される時は何とか一回くらい拝見しようと、今年もミカド(こちらは別件もあり...)・DXK・TSと観てきましたが、いずれも素晴らしくまたとてもご機嫌そうですっかり堪能させていただきました。
今回も大阪を通り過ぎたので観たかったのですが、果たせず残念でしたが、黒鳥さんのカキコでちょっと満たされました。
ありがとうございます。

では、また
るーにー


[7823] Re[7822]: お久しぶりです。 投稿者:peewee [近畿] 投稿日:2005/09/16(Fri) 02:47

こんばんは。お久しぶりですね。
その書きっぷりから推察しますと、コンスタントに観劇をなさっているのではないかと推察しています。
その人でしか味わえないステージって、やはり見ていて感動しますよね。


[7822] お久しぶりです。 投稿者:黒鳥 [地球外] 投稿日:2005/09/15(Thu) 02:15

こんばんわ。
peewee様始めご存知の方も初めての方もこんばんわ。黒鳥です。

いぇ、別に特段レポをカキコしに立ち寄らせて頂いた訳じゃないんですが今日久しぶりに「雨宮琴」嬢の舞台を拝見したんです。
約2年振りくらいでしょうか…?
以前から演し物やその舞台での素晴らしい身のこなしは私、高い評価をしており好きだったのですが今日改めて観て恥ずかしいながら涙してしまいました。
「あぁ、今でもこんなに踊れる、踊ってくれる人がまだいるんだ」と。
時間を空けて改めて出逢うのも良いものデスね。

勿論他の出演者の方も良かったですよ。
今週のメンバーはそれぞれに個性がわかりやすくとても満足いたしました。
でわ失礼いたします。
m(_)m


[7821] 9/3: DX歌舞伎町 投稿者:chopin' [関東] 投稿日:2005/09/04(Sun) 15:23

SM DXWorldに行って来ました。

1. 神田つばき、結
2. 圭子
3. 栗鳥巣、ゲスト
4. 上条早樹、みやび
5. 夏樹、タカ
6. 有末剛、若林美保
(1回目5.〜2回目4. 敬称略)

1. 神田つばき、結
制服姿の結ちゃんを母親役の神田さんがオシオキ。
こんどは、母親の一人アソビを見つけた娘が縄で母親を縛り逆ギレ。
いつもほわ〜んとした感じの結さんですが、攻めに転じたときの目がいつもと違ってびっくり。

2. 圭子
M女の圭子さんを調教する公開参加型。
2名の方が参加しましたが、2人目のお兄さんが男優さんみたいで、動きもテキパキお見事でした。
圭子さんもふらふら。

3. 栗鳥巣、ゲスト
栗鳥巣さんは、初見。マイクを持っての司会形式。とてもハッキリとした話声でテキパキしてて御上手でした。
台湾のストリッパー○○さんを迎えて、彼女をあれやこれやで盆回りのお客さんに遊ばせます。
最後のお二人の吊りで踊るショーがよかったので、これをもっと観たかったです。

4. 上条早樹、みやび
関西弁でおおらかな感じの上条女王様が、か細いM女のみやびさんを調教。
飛び入りで、お客さん参加で蝋燭とムチ。
上条さんは、優しそうな感じがしました。

5. 夏樹、タカ
夏樹女王様の黒ボンテージ姿がかっこよかったです。
タカ氏も痛さをこらえある意味嬉しそうでした。

6. 有末剛、若林美保
本格的なSMショー。白蛇が乗り移った若林さんを有末さんが退治する?というストーリーでしょうか。
藍と薄桃色の着物で舞う遊女、白装束で再登場の彼女を有末さんが縛り、吊るし、あの手、この手で…
やがて、肉体の苦しみは、悦楽の境地とかわり、最後は有末さんの胸に喜びの表情で抱かれる。


[7820] 新宿ニューアート 8結 投稿者:八卦 [関東] 投稿日:2005/09/03(Sat) 02:07



「八卦(はっけ)」といいます、どうぞよろしく。
蒸し暑さ嵐も、一手に感じられた週でした。敬称略です。



1.春風いずみ

オフホワイトのドレッシーな装いで、七色の照明の乱反射の中から、姿が浮かびあがります。つば広の帽子にレース織りの長手袋、スカートに垂らした飾りがカスケードのように何段も重なっています。エレガントにおとなしめで振ったつもりが、足を蹴り上げ、裾を翻し、スカートの中のそこいらへんが、ちらりちらりとそそる頻度が、高まります。屈託ない明るい笑みで場内を照らせば、ハリのあるボディはいっそうまぶしく感じられます。
ベッド着は薄手の生地の、深いVカットで、胸も背も広く開き、長い袖が三角形に広がります。透けるような衣装の生地に埋もれてあがくうち、さなぎから蝶がかえるように、白い肌が現れました。しっとりした曲にムードづくりをゆだねて、動きを控えめにして表情づくりで惹きつけます。力を抜いて自在に動く関節が、吸い付くような盆の上での動きを作りだします。


2.空まこと

ファンキーな曲、ソウルフルな曲から、メロウな曲へと、ブラックミュージックの流れに乗って、色白のジャパニーズガールが大はしゃぎ。ディスコ・ブーム全盛期の曲には、心の奥を突き動かす何かを感じます。粘りつくリズムにハリのあるホーンセクション、グルーブ感溢れるサウンドに、ノリまくって全身使って感情を表して、開放感に浸ります。
ベッドはしっとりと憂いを帯びる女性の歌で。音階を半音ずつ刻んで転調を繰り返すところが、何か、日本古来の音階で子守唄を奏でているような気がして、癒されます。盆に移っても気はまだ張り詰めたまま。裾が広がったレース織りのような白いベッド着を、翼に見立てて飛翔するように広げます。明るい笑顔につぶらな瞳、疲れを知らない活力に満ちた表情が、見る者を奮い立たせます。
ベッド着を割ってみずみずしい肌が現れて、膝立ちから反身へ。おおらかに、すがすがしさを感じさせて、きれいにまとめます。


3.仙葉由季

白い襦袢で伏せる姿。荘厳に曲を鳴らして幕間に消えた後、黒装束に赤い羽織。日本刀を握って勇猛果敢にダイナミックなダンスです。野武士のように刀の鞘を肩に掛け、腰を落として股を割り、肩まで深く入れる拳法の型もいくつか取り混ぜて、筋力を使う男性的な動きです。
払った鞘から光る刃、息を吹きかけぬようにと、口に咥えた可憐な白菊の花。冷酷な刃が宙を切り裂くと、掻っ切るように白菊の首がぽとりと落ちて、不吉な兆しです。
刀を捧げもって舞台に奉納し、白菊を髪に飾ってしばしの停戦に憩います。
赤い襦袢の肩口に、鶴が飛び立つところ。ゆっくり三つ指ついて深々と、たれる頭は別れを告げるためでしょうか。息をひそめて気を放つように、一糸乱れぬ脚の動きで、Lまで直角にあげました。
かんざし代わりの菊の首がぽとりと落ち、命の綱も切れました。鞘から抜いた刃がぎらり、荒ぶる刃に血を吸わせよと、冴えた切っ先が生暖かい体を貫きます、一息に。


もう一作は、和物でフラメンコやタンゴを奏でる、冒険的な作品です。

メランコリックなジプシーの旋律、乾いたパーカッションに、手拍子を重ねます。ラテンのリズムに彩られた異国情緒の下、原色が輝く世界です。裾を絞った和服で足元を取られながら、ドタバタと慌てふためくさまをユーモアこめて演じます。
白地の和服に黄緑の帯は、ほどいてからげてリボンのように宙を舞い、新体操の演目並み。ふところから取りいだしたる扇子は、掌の上ではねてとんで宙返り。しゃかりきになって脱いだその後で、白い襦袢姿で江戸紫の番傘を開き、その陰に身を潜めます。番傘の向こうに透ける白装束が、なにやら艶っぽく思わせます。
盆に乗って、柔らかく股間をもみしだきながら、自ら腰を揺らして熱い体を開くように、心を波立たせるベッドとなりました。肌脱ぎで覗かせる背に一面、飛翔する鳥の尾羽根が流れて流麗、華麗。
アコーディオンの情熱的なパッセージが、音階を一気に駆けのぼって、高音域では歓喜の嬌声に変わります。灼熱のタンゴの旋律にほだされて、沸き立つ心。火のつくような魂の、焦がれる時をかいま見せました。


4.雨宮琴

ワンス・アポン・ア・タイム、おとぎ話風に始めたイントロでは、メルヘン風にアリスを思わせるおとなしそうなサファイヤの衣装。続いて、曲とシチュエーションをくるくると変えて衣装を早替わり、スピーディーに展開します。
子供らしい3曲目、活劇風な5曲目で、振りと曲がピークを迎え、4、6曲目にリリカルなワルツやバラードを挟んで、情感に訴えて癒します。
盆の上では、小道具に白い子犬のマスコットを携えて、可愛がります。なついた子犬は安心しきって女体と戯れあい、邪心なくてサカるよう。憎めない小動物をつかまえて、ブラの内側に挟んだり、腰の上にくくりつけたり、その間にも難易度の高いポーズをやすやすと繰り出します。
奥舞台に戻って椅子に腰掛けて、くりくりした目で見上げて手は頭の上、ウサギのたれ耳を真似て、おどけます。メルヘンの残虐さを内に含みながら、ユーモアとキュートさできれいにくるんで見せました。


5.若槻舞

一見、稚拙に見せながら、快調にとばすブリブリの1曲目、アイドル風ポップスのボーカルがかぶさって、振りのたどたどしさがいかにも初々しく感じられます。ピンクの衣装でスカートから膝出して、襟元や胸元には黒のアクセント。
ビートのきいたダンサブルな2曲目は、粘りつくリズムに身を寄せるようにして動きをなぞります。曲の途中、ふっと息を抜くような音の空白があったりすると、無難に切り返して切り抜けていました。
ベッド着は白い薄手で透けるもの。曲調と歌詞の内容に依存して、心情を吐露していかに歌い上げるかに苦心します。さし伸ばす手、小指から順に折る指、心を求める心が、相手の体と重なり合い、前へ前へとにじるよう。刹那的に燃える思いを、体当たりの演技で痛々しいほど強調します。かみしめた唇から、余裕を持った吐息がもれるのが聞けるのも、いずれ近い日のような気がします。


6.成瀬美穂

ひとつは新作でした。

イスラム風の赤い民族衣装に、緑のベールを上半身全体に深くかぶり、ミステリアスな姿が幻想のように浮かびあがります。音楽につき動かされて、操られるように軽々と動く肢体、すっと水平に伸ばした腕を、左右に振り分けるように流します。関節を自在に動かすために全身から脱力しておいて、ナチュラルな動きを作ります。次第によじれてゆく体を戻すときは、突如、静から動へと、脚を高く振り上げてダイナミックなアクションへ。
着替えたベッド着は、淡い水色の衣装に三角形に広がる広い袖で、空間をかき寄せるように包みます。そのまま盆へ進むとき、背後からの照明が、衣装の生地を通してサファイヤやアメジストの色合いに染め上げ、体のラインをくっきりと浮かび上がらせます。おだやかな色が混じりあい、衣装の裾が涼しげに揺れて、ゆったりと雰囲気に浸ります。
裾をたくしあげて、その下からは白いレースのパンティ、おもむろにベッドを始めます。素もぐりの海の底のように、青い光を基調とした静かな世界、淡い黄色の光の線条が、海底に差し込む月の光を思わせます。控えめにサンシンがつまびかれて、昼間の汗を忘れる深夜の饗宴。
海草がゆらめくように、長い脚を揺り動かして、磁力に吸い寄せられるような息の長いベッドが続きます。立ち上がりの前の一瞬で、眉を寄せてこちらを見つめた憂い顔が、立ち上がってから口元に笑顔がパッと広がったかと思うと、静かに引いていきました。


もう一作は、年初に川崎で披露したものです。

裸足でかがむ盆の上、ささげ持つように浮かした手に、マフラーほどの長さの薄手の生地がからまります。印を結ぶ手つきをして、ゆっくり顔を上げ、無表情なまま静止すると、くぐもった太鼓の音がして、よどんだ空気を押し流すよう。ビロードのように柔らかく高い歌声で、ボーカルが女性らしく愛をささやきます。
瞑想を好み、宇宙の声に耳を傾け、極楽浄土に最も近い国、インド。母なるガンジスがすべてを押し流すように、気取りも邪念も拭い去って、澄んだ心で民族色豊かなダンスに打ち込みます。印を結ぶ、掌を返す、片足立ちで両手を水平に伸ばして、ヨガのポーズ。
ささげもっていたマフラーの生地が、するり逃げ水のように動き出しました。払子のように片手で振り払い、虚空に字を書くかのように、大きなジェスチャーで伸び伸びと踊ります。
背後の光はちょうど紫紅色、つつじの花の色を思わせて、やがて着替えることになるベッド着と同じ色です。薄手の衣装は裸体を白く透けて見せます。
愛、クリシュナ。
語らいが、声を潜めてささやきに変わり、いつしかあえぎに変わる夜。
秀でた額、眉間にはストーンをあしらったアクセサリーで、エキゾチックなムードを漂わせ、平静を装って穏やかなポーズで締めくくります。


[7819] 渋谷道劇・8中 投稿者:元船員 [関東] 投稿日:2005/08/17(Wed) 15:49

道劇夏の定番となった四谷怪談。前作とはテーマを変え、本を書き直した今作に力の入れようを感じます。
そしてもちろん役者としての3人の熱演も。去年と今年は似て非なるもの、比較するのは野暮と云うもの。

病弱な妻・お岩を愛する伊右衛門。その伊右衛門に横恋慕するお袖。
お袖のなり振り構わぬ誘いについ身体が反応してしまった伊右衛門。
しかし、お岩を裏切ってしまったことに後悔と自責の念に駆られる。
そのことを知りつつも、夫を満足させられない自分を憾むお岩。
互いの気持ちを伝えられぬまま、お岩は凄惨な死を遂げる。
悔恨と虚脱で心を病んでしまう伊右衛門。
お岩の霊に追い詰められたお袖は常軌を逸し、伊右衛門を殺めてしまう。
病と過ちのためこの世では添い遂げることが出来なかった伊右衛門とお岩だが
あの世でようやく静穏な日々を迎える。

気になった点は4つ
1)お岩が毒を呷るシーン。
 毒と知って覚悟のうえか、そうとは知らずお袖に騙されたのか。
 深読み。浅読み、どちらにもとれる。
2)お袖の変化が足りない。
 二人の睦まじさを覗き見るシーンやお岩の霊におびえるシーンなど
 部分的には熱演なのだが。稚拙な愛が狂気に変化していく様が演じられれば。。。
3)健康的すぎるお岩。
 病人・幽霊を上手く演じてはいるが。。。
4)お袖と伊右衛門の行為が短すぎる。
 いたした後、後悔と自責の念に駆られる伊右衛門の姿なのだが、
 あっという間に果ててしまい、男として自信喪失したようにも見える。(爆)

面白かった点はいくつもあるが、番外編としてポラキャラと役柄の対比。
 ・脱力系ポラの悠那ちゃんが凛々しく、
 ・スマイル系のつぐみちゃんは狂気に走り、
 ・あの愛唯ちゃんが耐える女。


[7818] 7/22: 仙台ロック 投稿者:chopin’ [関東] 投稿日:2005/07/24(Sun) 16:02

前訪でたべたホヤ刺しの磯の味が忘れられず…
また来てしまいました。

(3〜4回目)
1.小池まりえ
2.牧瀬茜
3.高木千花
4.森川いづみ
5.成瀬美穂

1.小池まりえさん
鮮やかなスカイブルーの衣装でラテン系。サルサ?の小気味よいステップで夏真っ盛り。
ベットはオレンジのドレスで、つばの広い帽子をかぶった貴婦人。エンディングのまとめ方がきれい。

2.牧瀬茜さん
キャンディ・ステッキを使って白とピンクのミニドレスで、ブロードウェイダンス。
丁寧なステップに満面の笑みでキモチ和らぐ。
ベットは白のガードルで烈しく喘ぐ。

3.高木千花さん
初見の方ですが、スレンダーなスタイルでスピード感ある力強い踊り。
ベットは黒下着にワイシャツはおり、烈しく大きなポーズ。

4.森川いづみさん
森川さんも表情が多彩。ダンスとベットのこのギャップがよかったです。

5.成瀬美穂さん
赤の衣装に緑の透けた布をかぶってご登場。色のコントラストが綺麗。
オリエンタルなダンスのあとは、水色の蝶のようなドレスに変身し、羽ばたくような舞い。



[7817] こりゃ〜エロイ!真夏のスーパーライブ! 投稿者:montrachet [北海道] 投稿日:2005/07/21(Thu) 17:12

「こりゃ〜エロイ!真夏のスーパーライブ!」と名付けられた札幌道劇7月結の模様をお届けしたい。

1.泉希
派手なサンバカーニバルの衣装。
踊りきった後の汗がこの演目の激しさを物語っていた。
ポラタイムの時のユーモアあふれるトークが人気の秘訣なのかな。
デビュー5周年おめでとう。

2.松島亜美
チェック柄の高校生の制服。
1枚1枚徐々に衣装をとっていき、下着姿に。
これぞストリップの真骨頂。非常にスタンダードな演技に好感がもてる。
3ヶ月前とは違う一面をみて、また満足。

3.結奈美子
ピンクの羽がついた衣装。
今日が札幌デビューだということだ。
80年代のアイドルの曲で徐々にたたみかけていく。
デビュー週らしく今できる全てを披露したというような演技。
ポラも売れていたし、新たなるスター誕生か・・・。

4.三浦しほ
青のドレスでのステージ。
音楽のジャンルはパンクかな。
札幌初上陸。もう1度見てみたいと思った。

5.愛川ユキ
金の羽の下に白い羽。豪華な衣装。
この人の、人をひきつける能力はすばらしいものがある。
一瞬一瞬目が離せない。
衣装ごとに違った表情で演じていく。

6.アキラ
異国の結婚式、または異国の宮廷のダンサーのような衣装。
客を引きつけるステージ。目に力がある。

http://montrachet.h.fc2.com/top.html


[7816] タッチ 投稿者: [関東] 投稿日:2005/07/21(Thu) 10:51

歌舞伎町のTSミュージックへ行ってきました。
タッチで胸をタッチさせてくれるのは見たことあるけど
マ○コをタッチさせたり、指入れをさせてくれる
ダンサーさんが3人もいた。
おじいちゃんたちが一生懸命に触っていた
なんか露骨すぎて引いてしまった。


[7815] れ: 投稿者:chopin’ [関東] 投稿日:2005/07/14(Thu) 02:02

>十三の某所
誰だろ…???


[7814] レゲエダンス 投稿者:peewee [近畿] 投稿日:2005/07/14(Thu) 01:41

エロエロな感じがいいですね。
十三の某所にも踊る娘、います。


[7813] 7/13: 青山THE ORBIENT 「SaKuRa Babe」 投稿者:chopin’ [関東] 投稿日:2005/07/14(Thu) 01:36

レゲエダンスってのがちょこっと興味ありまして…
でも案の定、場違いの孤独感に苛まれたところが愉しかったです。

香盤?は…

1."BURNING BEACH" なすっ子キューカンバ 、BADDY45
2."NIGHT CRUISING" Nanami with SaKuRa Babies 、DJ JUNKO
3."THAT'S SHOW" 東京キャ☆バニー、DJ 麻朝

ダンサーを観たかったのですが、ホールは踊る若者でいっぱいだったので(200名以上いたでしょうか?)、
遠くの柱の影からひそひそ眺めてました。
名前わかりませんが、野球帽をかぶったDJの女性のリズム感とノリがめちゃくちゃ
よかったので、踊ってもらいたかったです。
東京キャ☆バニーは、階上とフロアを使った(実際にはB1FとB2F)Chicag○のダンスショー
でしたので、思わず手拍子してしまいました。(ひとり)
レゲエ、R&B、ヒップホップが流れてるので、○庄さんとか○神さんがいたらおもしろそ。

束の間でしたが、「ヤング」になれた気がしました。


[7812] Re[7811]: ロックといえば・・・ 投稿者:peewee [近畿] 投稿日:2005/07/09(Sat) 17:13

> 花道の傷跡を眺めながら、三、四、五が乗ったとき観に来た頃を思い出しました。あの時は超満員で、本舞台にも座布団の架設座席作ってたなぁ。

それは、ご一緒させてもらったときの話ではなさそうですね。


[7811] ロックといえば・・・ 投稿者:chopin’ [関東] 投稿日:2005/07/09(Sat) 02:45

坂をおりていくと懐かしい匂いがぷ〜んと漂って・・・
湯畑が広がります。
ひさびさに草津ロックでした。

香盤は、
1.マリ☆ン
2.三条エリ

三条さんの花電車は脅威的でした。正直ぴっくり。
花道の傷跡を眺めながら、三、四、五が乗ったとき観に来た頃を思い出しました。あの時は超満員で、本舞台にも座布団の架設座席作ってたなぁ。

帰り、47℃くらいある温泉に入りましたが、出た後が気持ちよかったです。


[7810] ロック座といえば 投稿者:美奈美晴オ [外国] 投稿日:2005/06/10(Fri) 02:50

ロック座といえば盆で踊ったあとに舞台に戻ってポーズを決めるところが好きです.特に,今週は4系華月漣がビールのCMの曲に乗ってポーズ決めるのとみやビーが○○シーキングに乗って踊りまくるのが蝶括弧よかった.でも,おいら敵には全裸フィナーレが一番萌えたなぁ.


[7809] 6前半 浅草ロック座 新しいことへの試み 投稿者:めざにゅ〜 [関東] 投稿日:2005/06/03(Fri) 23:01

復活&プロデュース公演という5月のあとの月。
敬称略です。

一景.相沢夏海(華月,雅,白沢,東一美)
二景.安奈,白沢きらり,東一美
三景.友坂麗(水月,由梨亜)
四景.華月漣(金沢,相沢)
五景.春風いずみ(水月,桜沢,雅,由梨亜)
-休憩-
六景.水月涼(金沢,友坂)
七景.桜澤まみ(安奈)
八景.雅麗華(白沢,東)
九景.由梨亜(春風,安奈)
十景.金沢文子(春風,相沢,華月,友坂)
十一景.フィナーレ

金沢さんの声でアナウンスがあり、開演します。
1景
5人の景。隊列を組んで旗を振りながら楽しげなオープニング群舞。メインの方は緑色の薄布を巻いて前の盆に移動。滑らかな動作やポージングで魅了。
2景
3人の景。群舞のあと、前の盆に安奈さん、移動盆に白沢さん、東さんがきて、あざやかな色の下着で大胆セクシーなポージング。
3景
3人の景。小柄ながらスタイルのよいメインの方がかなり踊りこむのを、アダルトに2人の方が引き立てます。メインの方のブリッジは、可憐な花が咲き誇るようなかわいらしいものでした。
4景
オレンジ色のタキシードに身をつつむ、ダンディーなメインの方の両脇に小柄ながら存在感のある二人が舞います。かっこよく決め、メインの方はシャツ姿になり前の盆へ。超有名なロックにのり、手拍子したくなるような立ち上がりで戻っていきます。
5景
チャイナ風で、扇子を使った優雅な動き。メインの方のそこはかとなく品のよい清楚な役作りが最後まで続きます。シャドウという女性ボーカルの響きが印象に残ります。ひょっとして、エブリタイムという曲を歌っていた女性かなと思いますが、曲についてはこれ以上は書けません。

6景
休憩後の華やかな景。ライトアップされた舞台空間を
生かす動きの続く群舞。次の7景が個性的なステージなので、対照的です。メインの方のベッドは熟成されていて、多くの盆周りの客をうならせます。
7景
出だしの曲はよく聞いたことのある曲。階段の上、和装人形と人形使いのようなからみ。人形に命が吹き込まれるような感じになり、前の盆に移動。桃色の腰巻を使い、淡くしっとりとベット。
8景
本舞台で2人がダンス。突然客席後方からメインの方が前の盆に登場。情熱的に激しい舞踏です。移動盆上の舞いも素晴らしい気迫。ドレスの下にかなり大胆な衣装。ベットも濃厚でした。
9景
階段の上の方にたたずむ派手に着飾ったメインの方と牧歌的な少女二人。対照的な3人の群舞。ゆったりと深みのあるベット。
10景
5人の景。4人の悩ましい動きの中心で、キレのあるメインの方のダンス。表情もうまく作り流れる汗が、観客を引き込んでいきます。川崎でデビューステージ?を拝見したことをふと思い出しました。そういえば今週の川崎もよさげです。
11景
華やかで豪華なフィナーレです。

応援の方もいて、落ち着いてみることが出来ました。
先月に負けないほど力の入っている6前半浅草ロック座でした。


[7808] 5結 渋谷道頓堀劇場 どっちが好き? 投稿者:めざにゅ〜 [関東] 投稿日:2005/05/24(Tue) 22:39

道劇HPを見ると
「あなたは、どっちのMIHOが好き?」
「あなたは、どっちのGUMIが好き?」
と尋ねてます。
「どっちが好き?」
おおいに悩んでみましょう。

1.緑川めぐみさん
デビューのとき拝見して以来です。ダンスも上手になって、お客さんにアピールする力も相当アップ↑

2.ももさん
道劇では初めて拝見しました。以前お見かけした劇場のステージをそのまま思い出させるような、再現力。白い羽根扇をつかい見せ場を盛り上げます。

3.春風るなさん
デビューのとき拝見し、その後踊りがうまくなって一回拝見、今回はさらに磨きがかかっていました。うまくなっていくんだなーという発見がまた嬉しい。

4.野際つぐみさん
初見です。ダンスも上手ですが、ベットも噂に違わぬステージ。なんとなく影響をうけている道劇の踊り子さんがわかります。ダンスの際の印象とベットのときの大胆さのギャップに感激しました。

5.朝香美穂さん
近未来的なステージ。かっこよい衣装に元気一杯のダンスとドー娘に負けない濃厚なベット。周年でボールペンをいただいて以来ですが表情の作り方を含めてよい作品に仕上げています。

6.川中理紗子さん
ターザンのとき以来ですが、ステージの印象がだいぶかわり、やはり影響を受けている踊り子さんが分かるような気がします。金色のゴージャスな出だしがなかなかいいかもしれません。

7.若林美保さん
このあいだ新宿で拝見して以来です。どくろの首飾りが目につきました。包帯をまいてますが、看護士さんとしてではありません。戦乱の時代の救世主のような女の子を演じています。神がかった戦いは、短剣とともに終焉を迎えていました。


[7807] 五月中: ショーアップ大宮 投稿者:五臓六腑 [関東] 投稿日:2005/05/22(Sun) 11:53

1.AGEHAさん(11〜20日)
 ビートを効かし、バックに抑揚を欠いたストリングス。ディスコ・ブームが刻印されたスマートな曲の後は、バンプ、バンプ!
 入り組んだオリジナルの振り付けは、力強く道を切り拓くようで、ちょっぴりユーモラスでもありました。赤いエナメルから、黒い網タイ、黒いブーツの姿へ。
 むき出しの股間で、膝を大きく煽るように旋回させて、横たわったままのベットです。立ち上がりは、黒いベールを下半身に巻き、立姿をいっそう引き締めて見せました。


2.桐生久美子さん(11〜20日)
 足裏で床をこするようにして律儀なターン、振り上げた脚でスカートの裾をきれいに揺らします。居住まいを正すように、ターン主体のオーソドックスなダンスです。流麗な動きのつなぎ方には感心させられます。
 ベットは、手先から指の動かし方をキーにします。柔らかくつまむようにして、包み込むような掌の動き。たえず動かしてさまよわせ、目のやり場を広げていきます。


3.(タッチ)
 ブーツに黒のミニスカート、すらりとした脚をずらすようにして、立ち止まっては歩き出し、見上げる目の高さでヒップが行き来します。
 盆に腰を落ち着かせてからは、薄い生地を通して感じる、ボリュームのある胸周り。飼犬の首輪のように、鋲を打ち込んだ革ベルトを首に巻き、その下、胸元には、クロスのネックレスが谷間に包まれるようにして、ぶら下がります。
 時折、ちろりと覗かせる、したを貫くピアス。したのほうはいかがかと、ついつい覗き込んでしまいます。


4.山本咲希さん(1〜30日)
 ロングでデビュー作も2週目となりました。表情づけを工夫するフェーズに入ります。
 初々しさに無表情さ紛れさすのを改めまして、ダンス1曲目からメリハリをつけて、あたたかみのある笑顔を交えます。器用に笑えなくとも、目に輝きが備わればしめたもの、演目に立体感が出てきました。
 ベットに打ち込んでいる最中に喜怒哀楽は出さないものですが、3曲目から4曲目へかけて、表情とともに音楽もパッと明るくなるところが、鮮やかにキマッてよい印象でした。
 ただし、表情はその場をしのぎながら作るもの。ベットの緊張感や開放感は、体全体で表現するべきものですね。顔の表情をカタチから入ると、自己陶酔に流されがち。いよいよ次週のフェーズは、「心」に踏み込むのでしょうか。
 先々楽しみな方ですね。


5.結城綾音さん(11〜20日)
 はにかんだようにもみえる、しとやかな笑い方、屈託のない明るい表情に惹きつけられます。身振りを優先して動きを抑えめに、シンプルな振り付けです。
 ベットでたゆたうようにして、逸楽に身を委ねるように振舞う姿。くるんだ包装紙を1枚1枚はがすようにして、熟れた肉体を覗き見ます。


6.朝倉希さん(11〜20日)
 暗闇から浮かび上がったときは、舞台上手で立姿。終わりは下手でブリッジから立ちあがりの姿で幕となります。
メリハリをきかしたキビキビした動きで、ケレン味なくダンス。一歩一歩を深く踏み込んで、白いブーツの先をひき寄せながら進めるステップが、余韻を残します。
 腹這い、四つ這い、くねらす裸身。引き締まった体格でいながら、みずみずしい肌でやわらかそうな肉付き。威圧することのない、シュンな感じで、目を癒されます。


[7806] 5頭: 大和M 投稿者:二束三文 [関東] 投稿日:2005/05/21(Sat) 02:18

1.フラワー瞳さん
 ヒールに、真っ赤なボディコンのスタイル、いい女を気取って、しゃなりしゃなり進むダンス。フェティッシュに脚のラインを見せつけます。
 盆の近くへ進んで座り込んで、張り型を口いっぱいに頬張ります。減るもんじゃなし、とはよく言うセリフですが、れろれろ、はあはあ、ぐりんぐりん、と、張り型の扱いが、もったいぶらないでいて、しかもリアルです。

2.早乙女マリアさん
 フローラルピンクの衣装は大きく波打つフリルで覆われて、パッと開いた花弁のよう。春風を誘うようにフリルを震わして、比較的シンプルな、繰り返しの進行パターンが多い振り付けで踊ります。ループするように、腕の振りが思ったよりも大きめです。
 セパレートの下着姿で、花道沿いに進んで客席とコミュニケート。ブラのカップの中に手を突っ込んで、取り出した飴玉をひとりひとりにサービスします。ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、アレ、足りるかしら。次第にしぼんでいくブラが、チョッと心細げです。
 天板でのあしらいは、相方までも観察の対象に引き上げて、怜悧な計算の上に成り立っています。相方の反応次第では、ときにユーモラスな表情も見せました。


3.RINさん
 技巧に長けた色っぽい方ですが、楽しげにブリブリ系で1曲目を快調にとばします。
 黄色い帽子に向日葵の造花、服の色もスカートも、燦燦と注ぐ夏の日差しを思わせる黄色で揃えました。
 うるんだ瞳に艶っぽい唇で、青春を謳歌するように楽しげに踊ります。片足ケンケンで、膝から曲げたもう片方の足の甲を、手ではたくこと続けて3度。ユーモラスでほのぼのとして、妙に感心しました。
 2曲目以降はちゃんとムードのある独自の世界に引き込んで、無駄な力を込めずに闊達に動きます。
 素足で深く曲げるL、柔らかく深く沈みこむ、腰の位置を低くしたブリッジ。
 スリムな体で形よく張り出したヒップが、モンローウォークのように揺れながら、長い花道を遠ざかりゆくのを見送ります。
 

4.奈々子さん
 1月デビューの、大和所属の踊り子さんです。
 袴姿、白地に赤く矢羽根模様の図柄が新鮮です。開いた傘と戯れるように、可愛くダンス。人なつっこそうな表情で、奈々子さんは客席と視線を交わします。
 指を伸ばしたまま巻き取るように、かいぐりかいぐりと回す手つきも面白く、安心させるように微笑む笑顔は素直そうで、作られた感じがちっともしません。
 着替えてピンク色の帽子で同色のセパレートに、ブラを取って形よいバストを見せてから、椅子に掛け、白いブーツから銀のダンスシューズに履き替えます。いとおしそうに抱える銀のシューズ。残る片足は、下手から上手袖までわざわざ移動して、伸びやかな足に収めます。舞台にかける意気込みを吸い込むシューズ、静かに踏み出す花道への一歩、平板ではありませんが、いばらの道ではありますまい。
 シューズを履いた脚を振り上げて深いL、スワンの姿勢から、投げた投網をたぐって引き寄せるように、ぐるりと大きく腕を回します。背伸びするように伸ばしきった腕や腰の動きがきれいにキマり、すっきりとした立ち上がりです。


5.青井りんごさん
 コミカルに猫を演じて、ごろにゃんと、踊りながらおねだりする姿。黒猫の装束にはちきれんばかりのボディを包み、口元を緩めると、あぁ、こちらの財布の紐も緩んだのでしょう。GWですから、踊り子もバカンスへ。
 ウエストコーストへ回ってガンマン・ショー、威勢のよいストレートなロックに酔いしれて、水着に替えたらバハマあたりの海岸へ。木陰で冷えたカクテルすすり、快適、快適!
 ベットではディープなブルースにのめりこみます。太い無骨な指が弾く、ハードなギター・ワーク。野太い響きに合わせて、突き上げた腰を振るわせます。体の芯までほぐれたでしょうか。
 さて旅に飽きたら、故郷への道へ。ウエストバージニアを目指して、カントリーウエスタン風のアレンジで心地よく流れる旋律。誰もが口ずさんでいても、故郷への思いは千差万別。
 旅路の果てに、ドタバタの展開を見せて収まる、元の鞘。気を取り直して猫の姿に戻って、また次のおねだりを思案する目つきです。
 

6.ももさん
 大和所属の踊り子さんで、今週8周年を迎えました。
 尺八、暴れ太鼓、幕が開いて、威圧するような黒い大きなかたまり。大鷲のように翼で身を包み込むようにして、真正面からももさんが現れます。
 両翼で抱えるように煽る動きから、抜け出してローズピンクのロングスカートへ。めまぐるしい動きのダンスを経て、1枚1枚剥いでいく中から、白い裸身を現しました。
 真横を向いて、すらっと肘から先を伸ばしきって、背泳ぎのように肩の筋肉ごと大きく回します。せわしいダンスの中に挿入して、一服の清涼剤、ゆったりとした間合いを作ります。
 背を向けて回した手先が、スポットライトの通り道を遮って、さらに大きく描く、満ちた月。抱え込むLに、大地を抱くようにして立てるしゃちほこ。よどみなく流れるパーフォーマンスの間にも、愛想良く微笑むいつもの顔がありました。


7.中條美華さん
 レインボーカラーの縞が横切るフサフサの衣装で、サンバカーニバル。のっけからとばして、燃焼しつくします。陽気な音楽に明るい表情がお似合いで、実に楽しそうにはじけます。
 ベットはこの方のスタイルなのでしょうか、シリアスな表情で迫って、ついこちらも呑まれます。豊かなボディをお持ちですが、それに頼り切ることなく、すきのない女優の演技で集中力を途切れさせません。
微妙な表情のうつろいに気をとられ、終演間際に素に戻ったようににっこりと笑った顔には、見る側も解放されて、なぜかほっとした気持ちにさせられます。


[7805] 五月頭: ショーアップ大宮 投稿者:五臓六腑 [関東] 投稿日:2005/05/21(Sat) 02:15

1.恋にしきさん(1〜10日)
 帽子、穏やかな色合いのロングスカートに、爽やかな風に運ばれてきた瀟洒なポップス。腕をいっぱいに広げて豊かな表情で語りかけるダンスです。動きを止めていた足も、かろやかなリズムにつられて弾み、ちょっと裾をつまみあげて、軽く横走り。
 スカートを取り去って、太腿を覗かせて、ジャジーな曲に支えられて悩ましい姿態に変わります。ブラひとつまとわずに、犬の首輪と鎖のような紐が、ぴったりと胴を十文字にかかります。
 紐の脇から指を忍ばせて、吸い込まれるように引き込まれるオナベット。振り乱した髪に手をやって、寝乱れを気にしながら立ち上がる姿をすがすがしく感じます。下手にはけてから、照明を落としました。


2.花村眉子さん(1〜10日)
 青緑色のロングドレス。紋章のように図案化された柄の刺繍が黄土色に燃えています。
 足場を固めて伸びやかな腕の振り。ゆっくりと掌を差し伸ばして、上体をスウェイさせます。どきどきしたような表情が、千変万化、笑みをこぼせば目が糸を引いたようになります。
 さっと脱いで、下から光沢のある淡いピンク色の衣装へ。大胆にカットされているスカートを意識したのでしょうか、はじけるように膝を振り上げて、踵をのめりこませるようにプリプリと腰を振ります。
 ベットは桜の枝を、ふたつみっつ大事そうに抱え、おとなしそうな顔を花びらがくすぐります。丁寧に盆に並べ、衣装をたたんで、膝、腰をくの字にたたんで横たわります。ポーズはゆっくり、十分な間合いを置いてじわじわと。Lで立てた脚は、しまい方まで優雅です。片手をついたブリッジから、なめらかに柔らかく立ち上がります。


3.山本咲希さん(1〜30日)
 すっと姿勢を正して、威勢のいい直線的なダンスです。巻き込むような腕の動きに、カンフー映画のような身振りも加わって、スカッと歯切れよい機敏な動きが求められます。
 青いミニに、セパレートされた袖を手や腕につけて、元気よく翻してみせました。
 がっしりした体格を、白い清楚なベット着で包みます。ドキドキする胸の鼓動を確かめるようにして、おずおずと盆に進み出ます。
 プレゼントのリボンをほどくように、前で合わせた衣装の結び目に指がかかります。祈るように結ばれた手にも力がこもります。
 硬い殻をくだいて解き放たれるように、のびのびとしたポーズへ。片膝ついてそり身。体重をのせきって、背骨がきれいにしなります。


4.雛月弥生さん(1〜10日)
 ワインレッドの衣装に黒の長手袋がアクセント。キメのポーズをちりばめて、元気いっぱいに体全体で表現するダンスです。
 2曲目は、ウェストコーストサウンドの懐かしい曲となりました。ドライブ感溢れるボーカル、うねりを感じさせるギター。ノリノリで一気に場内の空気を盛り上げます。
 広げた扇子で顔を隠すように、手にして花道を進みます。ベットは静謐な世界へ。
 ラベンダー色、一色に染まる盆の上、わずかな動きでゆっくりと、内面に沈潜するような表情を見せて、ふわっと浮き上がるようなポーズへ。ブリッジをといて、両手を合わせて祈りと、静かな立ち上がりでまとめます。


5.美月アンナさん(1〜10日)
 マンボのリズムを取り入れた演歌で、創作着物風の衣装、白地にはばたく鶴の柄が白く浮かび上がります。袖や袂の縁に沿って、いっぱいつけたフリルが、照明を吸い込んで蛍光イエローに輝きます。
 日舞の振り付けは、型と手つきを中心にした振りが多いですが、するすると足を運んで指先を泳がせて目で追って、と、穏やかな振りでまとめます。
 ピンクとシルバー2色を左右に割って配置した襦袢、ベットでは張り型を頬張ります。
 頬をへこませて吸い付いた舌の先から、エロスのエッセンスが体内を順に下がってきて、静かに一人遊びで陶酔へ。吐き出した姿をいとおしげに見て、胸の間にはさみ、余韻を残した表情を浮かべます。表情の変化を、時間の経過に沿ってじっくり味わえます。
 着物の前をはだけたままで、腰をおろして左右の足を泳がせます。ゆらめく足の動きが繊細に足の指先まで伝わって、優雅なものに見えました。


6.宝生恋さん(1〜10日)
 入り組んだステップを、何の抵抗もなくすっぱりと裁断するように、鮮やかにこなします。社交ダンスの基本の型を見るように、腰の高さを変えず、肩口を揺らさずに、氷の上を滑るような、自信に満ちたステップです。
 ”ブギを踊れば、世界はひとつ…” Tokio発信のこの曲で、古きよき時代ののどかなムードを映し出します。
 ラップを1曲、椅子に腰掛けて息を潜め、感情が高まるのを待つ姿勢。
 カラオケで歌いやすそうな男女のデュエットをかけて、離れがたい2人の中をしっぽりと。手の流れで雄弁に語りながら、盆へと向かいます。
 終曲のポップスで、曲の盛り上がりにぴたりと照準を当てたポーズ。よくこなれた印象を残します。


[7804] 5/18 シアター上野 投稿者:りばーさいど [関東] 投稿日:2005/05/19(Thu) 22:29

システムがちょっと変わったみたいなので、様子見に行ってみました(笑)。今週は最近お会いしている人、ちょっともしくはかなりご無沙汰な人と様々です。

1.一愛遥さん
しばらく前からやってる着物でエンターテイメント&自縛ものです。と言っても一愛さんですから明るい雰囲気で進行するところが楽しいですね。

2.風間四帆さん
初めての方になります。最初はぜんまい仕掛けのからくり人形に扮して、お客様にお茶を出します。実際にはお茶の代わりにお茶碗に入れた飴玉を渡しているようです。その後は桜をテーマにした演目でした。教会音楽やバロックをトランスにアレンジした曲を使っているのが面白いですね。

3.ゆかりさん
今回はトランペットを持ってジャズナンバーに挑戦です。と言っても実際吹いている訳ではありませんが。2曲目はがらっと変わってドレスで登場です。
ゆかりさんの舞台を見たのはそう何度もありませんでしたが、今週を限りにしばらくお休みとなるようです。しばらく会えなくなりそうなので、しっかりタッチさせてもらいました(笑)

4.山咲みみさん
随分ご無沙汰してると思ったら、何と最後に拝見したのは'02年9月でした。本当に巡り合わせが悪かったんでしょうね。
それはさておいて、今回の1曲目は天女です。いかにものほほんとした雰囲気に和みます。2曲目は神の子になって元気良く。以上、衣装ポラに書いてくれたコメントより(笑)。こんな楽しい舞台をしてくれるんですから、今後はもっと見る機会を増やさないといけませんね(^_^;)

5.穂積操さん
今週の演目ですけど、これってまた新作でかねえ。渋谷で見たのとはまた違う気がするのですが。白を基調としてゴールドをあしらったロングドレスと言う、どう見ても新人とは思えない衣装です。2曲目はミニに変身します。彼女って本当に独特なステップですね。
しかしまだ新人だと言うのにトリ前だとは。あ、岩系やDXKならトリが当たり前ですか(笑)

6.早瀬みなさん
15日までは千堂あやかさんが出演していたようですね。どちらを見ようか迷ったのですが、これまた1年近くお会いして無かった早瀬さんにしました。確か最後にお会いしたのもここ上野だったような。
で、演目は2年程前にやったと言うものだそうで、確かに見たことがあるような気がします。今回も明るさ大爆発してました。

7.フィナーレ
と同時にパンプレと合同ポラがあるのは変わりないですね。2列目に座っていたのでは受け取るのは無理だと思っていたのですが、意外にもリバウンドを拾うことが出来ました。それもちょっと前まで人がいた隣の席にポトンと落ちたんですから、本当に幸運です。ちなみに一愛さんのでした(^_^)

ポラもそれなりに売れていましたが、平日なのと、TSやロック系劇場のようなバカ売れはありませんので、押したとは言え9時過ぎには3回目終了となりました。こんなに早く帰れたのは久し振りです(笑)


[7803] 投稿者:chopin’ [関東] 投稿日:2005/05/07(Sat) 02:04

◆一味さん
>企画もの的に4景の小池さんを楽しみましたが、姫野さんの脇
同意です。お二人ともにお芝居というか表情のツクリお上手ですね。
小池さんのベットの小道具も笑えます。


[7802] Re[7801]: chopin'さんへ 投稿者:一味 [関東] 投稿日:2005/05/06(Fri) 19:20

私もこの日一回目を観劇。椎名さんの初々しいMCは良かったです。
企画もの的に4景の小池さんを楽しみましたが、姫野さんの脇が4景を更にヒットさせてたと思います。
今月のステージはバラエティに溢れ、得した気分。復帰の沙羅さん,本条さんを祝福してるようにも,トリの椎名さんに声援を送ってるようにも見えました。
今月の浅草、通いになりそーだ。


[7801] 5/2: 浅草ロック座 Angels of Rock 投稿者:chopin’ [関東] 投稿日:2005/05/05(Thu) 15:09

各回開演前にトリの椎名さんの挨拶テープが流れます。
三回目を観劇。

香盤は、
一景.姫野さくら(三代目,大城,小池,由梨亜)
二景.大城楓,由梨亜
三景.早坂祐希(仙葉,本条)
四景.小池菜奈(姫野)
五景.沙羅(椎名,早坂,大城,本条,三代目,由梨亜)
-休憩-
六景.本条さや
七景.仙葉由季(沙羅,小池)
八景.三代目東八千代(姫野,椎名)
九景.椎名実果(仙葉,早坂,沙羅,大城)
十景.フィナーレ

一景
新調された紺色の緞帳にピンスポあたり、ライトブルーのミニ姿でニッコリ笑顔は姫野さくらさん。
緞帳開いて華やかなオープニング。白い帽子をかぶった先輩車掌さんたちにまざり楽しいロコモーション
ダンス。ベットはスローな曲にあわせゆったり丁寧な仕草。

二景
白、金の鶴の柄であでやかな和服姿で登場する大城楓さんと由梨亜さん。
大城さん今月は演技と踊るときの表情がよくなりました。健康的なボディも魅力的です。
暗転後由梨亜さんは赤に黒のふちのベット着で再登場。戻り盆で大きなポーズ。

三景
仙葉さん、本条さんをバックに黒のドレスでラテンダンスは早坂祐希さん。
ダイナミックな動きにダンスの巧さが発揮されて前半の魅せ場。ベットは、ガードル、網タイ、ビスチェ、
ロングブーツを黒でキメて、ボルサリーノを深めにかぶり盆回りのオトコたちを誘うポーズ。
戻りは直ったシャトル盆に椅子が置かれ、帽子を足先にひっかけての開脚ポーズ。
エンディングも洗練されたまとめ方がキレイ。

四景
ところかわって保健室。体操服姿でおなかがいたいと姫野さんがやってくる。
どれどれと生徒のシャツを上げて診るフリする白衣姿の怪しい保健士(小池菜奈さん)。
その保健士が、少女の美しい胸を見て、思わず鼻血ブー。
少女の顔を包帯グルグル巻きに目隠しで診察台に上げ、あれやこれや悪戯する。
欲情高まり自ら白衣を脱ぐとこれまた紫一色のランジェリー姿。
エロいロリ系女保健士をコミカルに描く小池さんはハマリ役でした。(笑)

五景
ブロードウェイのレビューショーのようにきらびやかに頭とシッポに白羽の飾り。
群舞の中を割って白の燕尾服で沙羅さんの登場。本舞台の盆の上で高速のタップダンスをご披露。
やがて白羽の踊り子たちが、盆上輪になってまわりだし、こんどは、パールグリーンに細かなプリーツ
のベット着での再登場。魅せるポーズと艶かしい目線は健在でした。

六景
黄色のドレスで、タンゴ?に乗って一人モダンダンスの本条さやさん。
本舞台にはマネキン胴体が7体つるされて、時折みせる不安な表情はアバンギャルドな雰囲気。
むずかしいステップを難なくこなし、胸を反ってキメのポーズでこちらも健在。
ダンス衣装のまま盆に倒れこみゆったりとしたベット、戻りはにこやか手拍子で。

七景
前盆からの登場は仙葉由季さん。
2人の女性とともに、中国宮廷の舞。赤の着物にズポンをはいて、手には長い紫の布を持ち
流れるように時が過ぎる。やがて太鼓の音ととも雰囲気がかわる。彼女たちの使命は敵の武将を暗殺
することだった。盆に敷かれた着物にかくした長い刀。ここからは、三国志のような京劇風の戦いの舞。
戦い終わり、目的を遂げた女は腰巻姿で愛するオトコの元へ。悦楽のひとときをすごした女はためらい
つつもこの地を去り、長い襦袢を羽織って本舞台に戻り、輝きながらも昇天。
・・・という風に観えました。しかし表情にも迫力があります。

八景
時空を越えて、江戸は吉原の遊郭。本舞台から花道にはそのまま吊るされた長襦袢が。
お供の侍女を従えて、盆に用意された階段を一段一段上がる花魁登場で三代目さん。
豪華な鬘とお着物の出で立ちで、派手さと一面花魁の影の部分を表現します。
ベットでは、気持ちよさそに煙管で一服。束の間のしあわせと明日から強く生きる女の生き様。

九景
船の甲板をせっせと掃除する海賊家族。働きものの姐さん方の中で、一人寝坊の椎名実果さん。
姐さん方に踊らされながらも、見よう見まねで働いてみて、「あの世界にも行ってみたい。」とさらに夢みる。
がんばんなさいと見送る姐さん。(ひとつ上の姉さんの大城さんのさびしそうな演技が巧くはまってました。)
夢いっぱいで飛び出したもののここはロック座の花道。不安でおしつぶされそうになりつつも懸命盆で
舞ういじらしさ。戻ると本舞台には眩しいミラーボールが励ますように迎えてくれました。
新たな天使の誕生でした。

十景
青の光線の中、白のスーツ姿とドレス姿のシルエット。忍び寄る感じは宝塚風。
それぞれの衣装のユニットが合わさって、ヒーロー&ヒロインたちのレビュー。
演者紹介では、着衣を脱いで裸一貫ガンバッテますって感じ。


[7800] 5頭 新宿ニューアート チームレビューショー 投稿者:めざにゅ〜 [関東] 投稿日:2005/05/03(Tue) 03:36

1960年代から80年代の洋楽ヒット曲中心の選曲だそうです。
そういえば、ビートルズやマイケルジャクソン、ジャネットジャクソン、フランキーゴーズトゥーハリウッド、プリンス
の曲だったら聴いたことあるかもしれません。

香盤は以下のとおりです(敬称略)
#TEAM REVIEW SHOW,一般\6000-,割引\5000-,回数券+\1000-

1景 小野今日子(新庄・平松・若林・広瀬・美神)
2景 鈴木 なな(新庄・平松・若林)
3景 広瀬あいみ(若林・美神)
   休憩
4景 新庄 愛・平松ケイ(小野・鈴木・美神)
5景 若林 美保(小野・鈴木・広瀬)
6景 美神 ルナ(新庄・平松・小野・鈴木・広瀬)
7景 フィナーレ
   集合ポラタイム
   単独ポラタイム(1〜3回目のみ)

順序など違っていたら訂正よろしくお願いします。
立ち見になる場合もありますから、是非いい場所をとって
ご覧になることをお奨めします。ダンスたくみな浅草経験者ぞろいでそれぞれにファンの方もついてますから、安心して各景のコンセプトに没頭出来ます。イッツショータイム!的な勢いやまったく「息もつかせぬ」流れがあって
常連の方にも、また私のような劇場初心者にも楽しめる内容です。
チアアップされますよ。各景のレポもしたかったんですが…
群舞フォーメイションの面白さとベットパート個々人の濃厚なパフォーマンスが秀逸、とだけ申し上げておきます。
15日間とセミロングなので、どう作りこんでいくのかハラハラしながら期待してます。


[7799] 4月結: ショーアップ大宮 投稿者:五臓六腑 [関東] 投稿日:2005/05/02(Mon) 08:23



1.四季野愛さん(21〜30日)
 淡いブルーのセパレートのダンス着、色白な顔にかぶさるストレートな黒い髪、糸を引いたように横一文字に結ぶ口元が、笑うと愛嬌がありますね。
 堂々としたボディでコンパクトな振り付け、すっと上げる腕の動きは、指先まで力みなくきちんと伸びて、きれいです。
 2曲目は膝や腰にツイストが入る活発な動きですが、落ち着きはらっておおらかに演じます。軸のブレがなく腰が安定していて、一種の浮揚力が感じられます。
 ベット着を着たまま奥舞台で、向こう向きに座って首を傾げ、しなを作ります。待ちわびた顔とむき出しの胸を見たときは、その分、新鮮に感じます。鳥が羽根づくろいをするように、衣装の前を割って長いスカート裾を煽るようにして抱えれば、つややかな白と淡いピンクの衣装に照明が透けて、目に優しい色合いになりました。
 盆では寝姿から起き上がって膝立ちのまま、伸び上がる姿勢で、胸のふくらみを誇示するよう。
 四つん這いから片脚を放り出すように上げたとき、その脚がぴたりと天井を指しました。


2.中嶋沙羅さん(21〜30日)
 生真面目そうな眼鏡をかけた女学生姿。腰掛けてきちんと揃えた膝の上に一冊のマガジン。
 憧れのプリマドンナの晴れ姿を、食い入るように見つめます。うつらうつら、うたたねの間も、チャイコのオーケストラが夢にまで響き、アン、ドゥ、トゥロア。崩れて割った膝を、操り人形のように動かします。
 もう少しで股間が見えるか見えないかというところで、やおら立ち上がってチェチェにターン、脚を振り上げた瞬間に、柄物の端っこをちょっと覗かせます。
 かと思えば、シャツの下から黒いビニールのブラにパンティ、フェイクを装着してワイルドに這い回ったりと、スイッチの切り替えがめまぐるしいです。
 フェチと煽情と、ふたつの表現形態のツボを押さえて、手を変え品を変え、欲情を刺激し続ける回り舞台。
 終曲には、清楚なバレエのイメージに戻して、きれいに終えて見せました。


3.白鳥レイナさん(21〜30日)
 一貫してクールダウンするような寂しい音でつなぎます。
 赤い地に金色の刺繍を施したあでやかな胴着にスカートで、こなれた振りを踊ります。
 豊かな胸をかいま見せるまで、律儀に2曲、崩したところがありません。
 ベットへ進む表情は、決意を胸に気丈な様子。恥じらいは、一途な気持ちを押しとどめることができません。掌に余る乳房が揺れて、悦楽に耽る指の先。弾力のある体に一瞬震えが走り、長い余韻を引きずります。
 薄目を開けて、去りゆく男の後ろ姿を見送ってから、立ち上がって盆を去りました。けだるく倦んだその目つきを、脳裏にしっかりと焼き付けました。


4.高瀬美礼さん(21〜30日)
 エスニックな音楽に袂を振って、天狗のうちわを手にして煽ってと、モダンな着物姿で踊ります。
 胸側で昆布巻きのように留めた帯、裾や襟の周りをぐるりと、白地にピンクのフリルが取り囲んで派手な色使い。
 虎縞のパンティにブラで、コスプレの定番のアニメのテーマ曲が、3曲目にかかります。心温まる豊かな表情で、達者にダンスをこなします。空間をおおづかみに捉えて離さない伸びやかな振り。踏み込む足、差し伸ばす腕の動きのひとつひとつが、ぐさりと深く差し込むようにキマります。
 盆では、リズムを刻んで動きのある曲を、終曲に選びます。ちょこんと座って肩を揺らすうち、気持ちよさげに歌うボーカルに逆らわず、連続的に動き回っておおらかなうねりを紡ぎます。
 颯爽と盆を去り、爽やかな後味を残します。


5.大信田ルイさん(21〜30日)
 ゴージャスに孔雀の羽根や白い羽毛、白にピンクの塗料を吹き付けたように彩った飾りつけ。大きな飾りを背負っても、正確無比なダンスは相変わらずです。
 2曲目から上手袖で、こちらに背を向けファスナーを下ろせば、解いた黒髪がはらりと振りかかり、清楚な白いセパレートに目の前で着替えます。
 腰を据えて、下半身からひねって水平回転する動きを、きちんと胴から肩、腕へと伝えます。日常生活で使う動作が舞台から締め出され、いかにも練り上げた美しい軌跡で舞台を埋め尽くします。
 淡いターコイズ・ブルーの透けるベット着をなびかせて、たおやかな印象のベット。仰向けで煽る脚の動きにつられて、激しく腰も揺れています。


[7798] Re[7797]: めざにゅ〜様 投稿者:一味 [関東] 投稿日:2005/05/01(Sun) 14:55

おそらく別の「一見さん」だと思います。浅草辺りを楽しみにしています。
> では一味さんの5月(GW)観劇レポ期待してます。
> ちらと、博多の方へ行くという書き込みを見たような…
> 渋道とロック系3館などのレポもよろしくです。


[7797] あらら申し訳ございません 投稿者:めざにゅ〜 [関東] 投稿日:2005/05/01(Sun) 03:54

では一味さんの5月(GW)観劇レポ期待してます。
ちらと、博多の方へ行くという書き込みを見たような…
渋道とロック系3館などのレポもよろしくです。


[7796] Re[7795]: レスです 投稿者:一見さん 改め 一味 [関東] 投稿日:2005/04/30(Sat) 23:19

「一見なので」さんにご迷惑をかけ恐縮です。貴殿のレポ楽しませていただいている者として、こちらがHNを改めます。
私も皆さんのように臨場感溢れるレポ、書き下ろしてみたいです。

> >>一見さん
> 一見、まぎらわしいので、
> 私のほうがHNをかえます。
>
> >>習慣慎重さん
> 4月浅草楽日レポありがとうございました。

つかもと.さん東寺の出演が変わったようで、浅草千秋楽のこともあり、体調芳しくないのか、と少々気になります。


[7795] レスです 投稿者:一見なので‥ 改め めざにゅ〜 [関東] 投稿日:2005/04/30(Sat) 21:24

>>一見さん
一見、まぎらわしいので、
私のほうがHNをかえます。

>>習慣慎重さん
4月浅草楽日レポありがとうございました。


[7794] Re[7793]: 無題 投稿者:一見さん [関東] 投稿日:2005/04/30(Sat) 18:35

「塚本」でなく「つかもと.」ですよ(笑)
某舞姫の復帰を待ち望んでるの?ということで(謎笑)
確かに9景は「眼からウロコ」で楽しかったデスネ。

> ごめんなさい,矢沢さんではありませんでした。塚本さんでした。名前をきちんと覚えておかなくっちゃ。慎重に慎重に。


[7793] 無題 投稿者:習慣慎重 [北海道] 投稿日:2005/04/30(Sat) 17:48

ごめんなさい,矢沢さんではありませんでした。塚本さんでした。名前をきちんと覚えておかなくっちゃ。慎重に慎重に。


[7792] 浅草楽日 投稿者:習慣慎重 [関東] 投稿日:2005/04/30(Sat) 17:44

今日は矢沢さん急病につき,代役は雅麗華さん,と扉に墨書。第3景と9景の雅麗華さんでした。どちらも体の動きが素晴らしいのは何時も通り,第9景は随分変った趣向でした。登場の4人は揃ってごみ収集員。踊りまわった後ごみを集めて
上手に運び,ごみは上から続いて落ちて来るのを,右から左にリレーします。最後に落ちたゴミ袋は開けるとPETボトル,皆で踏み潰して袋に入れて上手へ。そこで,動かぬ移動盆に腰掛け赤い夜着に着替えゆっくり花道を進み,パフォーマンスも流れるようで素晴らしかった。でも,彼女にとっては当たり前出来なのでしょうね。
フィナーレの呼び上げ順は、東一美,由梨亜,築地あや,吉川くらら,瀬能優,若葉あんず,三代目,雅麗華,TAKAKOでした。


[7791] 4結 池袋ミカド 御幸奈々さん 投稿者:一見なので・・ [関東] 投稿日:2005/04/29(Fri) 06:02

レポはひさっしぶりです。

白い羽根扇をもち、本舞台を右に左に。
羽根扇の動きっていうのはのどもとをくすぐられているようなここちよさと見た感じが華やかなすぐれもの小道具ですよね。
客席から見て左側で、舞台の袖に少しずつ身に着けているものをはずしてほうり込むとスポーティな水色の衣装に一瞬で変わり、露出した肩から腕、足の健康美を堪能させる感じになります。
そこから先は2回拝見しましたが、
2種類のバリエーションでベットのパートになっていきます。
衣装を変えて、出てくる様子が匠な感じでアキラかに見る側のスケベごころを期待させ、それを裏切らない演目でした。
とくに、パントマイム的な演技は、彼女のファンなら
きっと擬似的に彼女を満足させているような気持ちになるだろうし、また流れる汗や表情に感じる本気感が見る側に精神的なフィニッシュを迎えさせてくれます。


[7790] 再れ 投稿者:chopin’ [関東] 投稿日:2005/04/26(Tue) 02:00

◆二束三文さん
>市川龍昇
市川龍翔くんでは…?
今月は何度か拝見しましたが、身のこなし方とかいいですね。
まだ、キメの表情がもうすこしですが、期待してます。

>市川喜美
喜美さんは芝居も巧いけど、舞踊ショーは格別です。
踊りだけでなく、間の取り方というか雰囲気を創りますね。