ストリップ初観劇の日



ホームページ開設にあたり、ちょっと初観劇の事をふりかえってみました。

初観劇は1999年の4月上旬、埼玉のショーアップ大宮劇場です。
劇場はメインの通りからちょっと横へ入った細い路地にあった。お隣はピンク映画館という、いかにも
ストリップが似合いそうな独特の雰囲気がある街だ。
「上演中」という看板が光っているのが少し遠くから見えたので、あれか..と思い周囲をちょっと気
にしながら、おそるおそる近づいてみた。
派手なハッピを着た呼び込みのお兄さんが劇場の入口のあたりで鼻歌まじりでうろうろしていたが、意外
と感じが良さそうだ。思いきって入口へ近付いてみると、とても感じ良く迎えてくれた。
もぎりで料金を払おうとしたら、後ろのテケツの窓口の方を指して、そちらでお願いしますと言われた。
窓口があるとは全然気が付かなかった。窓口で料金を払い、もぎりに入場券を渡してようやく通過すると、
そこはロビーのようになっていて、椅子に座って喫煙している人が数人ほどいて静かな雰囲気。
場内からは大音響の音楽が小さく漏れて聞こえている。

掲示されている時間表によると20:15から公演するようなので、すこし待っていたが時間を過ぎても場内
からの音楽は鳴ったままだし、変だなと思って入場してみると、ステージにははすでに踊っている方がいて、
もう始まっていたようだった。場内はお客がまばら。ずいぶん少人数なんだなぁと思った。
後ろの方にはタンバリンを持った人が数人いて、どういうわけかノリのいい音楽のときになると一生懸命
叩きはじめる。盛り上げ役の従業員かと思ったがそうではないようだし、いったい何者だろうか。
遠慮がちに3列目の空いていた席に座ると、不安な気持ちいっぱいでステージを見上げた。

初めて目にした踊り子さんは、大人っぽい感じのしっとりした雰囲気の女性だった。この人が本当に
脱ぐのだろうか、とドキドキしながらステージの様子を見つめていた。
ステージの方はゆっくりとしたとても優雅な踊り。見ているうちに次第に心地よさに誘われていく気持ちだ。
ストリッパーって意外と踊りが上手いんだな〜と妙な感心をしているうちに、ステージは終わった。
なかなか良かった。
続いて「ポラロイドコーナー」というのが始まった。外見とはイメージが違って、かわいらしい声で
「はい、よろしくお願いします」とさっきの踊り子さんが出てきたけど、そのときはいったい何の
コーナーが始まったのか訳が分からなかった(笑)
何人かがその踊り子さんの写真を撮っているのを見て、ようやく意味が分かった。でもなぜ写真なんか
撮るのだろうと不思議な気持で見ていた。

ストリップってこういうステージが続いていくわけか..

次は外国人と思われる人が出てきた。ダンスというほどでもないが、その場で音楽に合わせて1曲目を
踊った。そして終わったらすぐに引っ込んでしまった。おや?と思っていると再度登場してきて、盆の前の
方まで出てくると、一番前の席にいたお客さんがすくっと立ち上がり、なんとその女性の胸に手を当ててお触り
を始めた。おお〜、びっくり。こういうコーナーもあるのか、と驚きながらその様子を眺めていた。

次に出て来たのは、真っ赤なドレスを着た若くてかわいらしい女性。舞台の左右に移動しながら、かわいら
しい踊りをする。ちょっと無理して笑顔をつくっているようなところはあったけど、とても熱心なステー
ジをされる方だ。盆の上で強烈なオナニーを見せてくれたが、その迫力にはただもう驚くばかりだった。
最後はお客さん一人一人に丁寧にお礼を言っていた姿が忘れられない。思わず会釈していた。

それから後も何人もの踊り子さんが次から次へと登場した。それぞれにステージ衣装も華やかで綺麗だ。
そしてなにより踊りながら衣装を翻したときにふわっと漂って来る香水のいい匂いがたまらない。
迫力のある音楽や眩しいほどの照明で演出されるステージは、見ていると時間が経つのを忘れてしまうほど
楽しい。ストリップというものがこんなに綺麗だったとは全く思っていなかった。
暗転した舞台にシューズの音がコンコンと響いてきて、舞台中央に静かに立ち、ステージの始まりの瞬間を
待っている姿を見ると、なんかわくわくした気持ちになる。そしてこの娘たちはいったいどんな人たちなんだ
ろう。どんな思いでこの舞台に立っているのだろう、とふとそんなことを思った。

その日はトリの方のときに、初めてのポラを撮った。というかツーショットだから撮ってもらったというべきか。
今ではアニメ声でハイテンションなポラをされる踊り子さんだけど、その日はごく普通の丁寧な応対をしてくれて
とても感じがよかった。

ストリップ初観劇はもうとにかく好印象だった。ある程度照明・音響の設備のいい大宮の劇場にも、この日の
香盤にも恵まれたと、今になってみてすごくそう思う。
そして、どうせなら飽きるまで色んな踊り子さんを見てみようという軽い気持で、次の週から劇場へ通う日々
が始まったのだった。

[2000-7-21  NATSUKI]