2001年8月13日(月)濱劇
by Fu-maさん
〜濱劇「十三ミュージック大会」雑感〜
1. 小雪
2. 日野沙織
3. 渡辺理緒
4. ヨーコ
5. 綾瀬ナナ
6. 相沢かれん
「十三ミュージック」。この名前を初めて知ったのは、ナナさんのポラのシールでだった。「そんな劇場あったかなあ?」ふと、香盤サイトに目をやるも、記載はない。今は更新を止められてしまったが、短期間ながらとてもお世話になったサイトの過去履歴を探る。2000年の正月興行を最後に踊り子名の列記はない。微かに事情を窺わせるのがその前後に並ぶ、「素人○○大会」の表記…。あえて深くは詮索しない。踊り子さん、劇場、ファン、それぞれに思うところはあろう。ただ一つだけ言えること、それは何の縁でか、ここ関東は横浜の地で行われた「十三大会」の香盤は、まったく穴がないということだ。そして私が目にしたこの日の四回目のステージは、一見さんも応援さんも一体となって皆がステージに集中し、手拍子を合わせ、歓声を上げ、惜しみない拍手を送るという、心温まる雰囲気に包まれていた。「素晴らしいステージ」はたびたび目にするが、こんな理想的な「劇場空間」は久々に味わった気がする。
小雪さん。二回目の観劇になる。ホワイトのロングドレスで登場。スカートの裾はブルーのフリル状になっている。登場したときからフワッとした優しい空気が場内に充満する。センスのいい二曲目の洋楽は、ピンクのぶりぶりのミニドレスで舞う。曲のスピードからちょっと遅れるシーンもあったが、そこも一つの魅力として取り込んでしまうところに、彼女の強みがあるのだと私は思う。「頑張りなさいよ」と、一見と思われる初老の男性から高額のおひねりが飛ぶ。誰もが「支えてあげたくなる」彼女の魅力。実は彼女自身が一番よくわかっているのかなと、キュートな左肩のタトゥーを見惚れながら、物思いに耽ったりする。
日野沙織さん。渡辺理緒さん。お二人とも初めてお会いする。ステージ構成としては日野さんはシルバーとホワイトのダイヤ模様の衣装で繰り広げるストレートな感じのもの、渡辺さんはピンクマーメードからスタートする前衛的なものと好対照だが、実力派のステージ巧者だという点は共通する。雰囲気としてはお二人とも日焼けした肌が魅惑的な姐御風な方なのかなという印象を抱いたが、どうだろうか。両者とも凄く熱心なファンがついておられるようで、個人的には微笑ましく感じた。
ヨーコさんとお会いするのも二回目になる。この日は深紅の衣装で登場。同色の大きな羽扇子を両手に持ち、羽ばたかせ、ダイナミックなダンスパートを構成する。後半はお楽しみの花電車。ヨーコさん一流の観察眼で常連さんはもちろん、うまーく乗ってくる一見さんを見つけ、大爆笑のステージとなった。職人芸の数々はいうに及ばず、口上も見事。「ファイヤー」の連呼はやっぱり楽しい。
そしてお目当てさんのナナさん。6月頭の渋谷道劇から続く、サンバステージをこの日も披露。もともと早い曲をさらに高速に編曲してあるようで、さすがに足元がちょっと辛そうに見える。というかこちらの手拍子のがついていってませんな(涙)。ベットパートでは一転、さわやかでキュートな少女から、妖艶な「大人のオンナ」への転身が見られる。そしてポラではまた「不思議ワールド」の住人たる(笑)ナナさんを目にすることができる。
トリは相沢カレンさん。極めて美形の踊り子さん。小さく端正な顔立ち、美しいプロポーションに加え、確かな実力、キャリアも感じられ、トリにふさわしい人だったと思う。以前、沖縄舞踊のステージを観たが、今回はまったく趣向を異にしたもので、芸幅を感じさせられた。ラストでは気風の良い人柄も窺え、興味深かった。
個々の踊り子さんのステージの魅力はこれではとても伝えたとはいえないが、総体での穴のなさ、クオリティの高さは本当に特筆に値すると思う。彼女らが次に集えるのはいつか、そしてどこでだろうか。やはり、今となっては伝え聞くしかない「十三ミュージック」の素晴らしい舞台での華やかな競演を、夢見ずにはいられない。
(このレポートは、Fu-maさんのご好意により、掲示板から転載させていただきました。)