ロックマン8のボスキャラ公募はそれまでのものとはやや異なり、一部のボスは骨格のみ最初から用意された「未完成ロボット」に肉付けをして完成させるという変則的なものでした。ソードマンは「大剣を装備した胴体分離型ロボット」を基にしています。
有賀さんも旧メガミックスの巻末で書いていらっしゃるのですが、剣を装備していることで西洋の騎士=ナイトマンと被ることは避けたかったため、分離している胴体に説得力を持たせつつ既存のデザインからは外す方向に。
「上半身と下半身を繋ぐ球体は飛行石のようなもので、古代文明(例えばサンゴッド絡みだとか)が遺したガーディアンロボット」というオレ設定を思い付いた時に、おおよそのビジュアルは見えてきました。
主なモチーフは「ヴァンパイア」のフォボス(胸部の土偶顔はその名残り)、はに丸王子、大魔人。怪しげなオーパーツのごった煮ですね。また、ゲーム内で重要なポイントとなる武器は「コマンド入力式でコンボが繋がる」という当世風のものを想定しました。応募時の名前は「ANCIENTMAN(エンシャントマン)」。ハガキ上の設定は、当時純粋なワイリー製ロボが少なかったことを逆手にとって狙ってみたつもりでしたが…
実際は単に「炎をまとった剣を使うロボ」であり(そこはオーバーテクノロジーというか『魔剣』であってほしかった)、剣が重すぎるため浮いている(下半身の存在理由は…)というあまりにも無難な設定に落ち着き、正々堂々すぎたのかシリーズ最弱級のボスになってしまいました。
はじめから骨格が用意されているという難易度の低い題材で(出来レースっぽいですよね)おそらく応募もそれほど多くはなかったとは思いますが、小さい頃から憧れていたワイリー賞を取れたことは嬉しかったですし、拙い絵をリファインしてくださったデザイナーさんにも感謝しています。
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