慢性疾患とうまく付き合うために
「検査の数値が気になる」「毎日薬を飲み続けるのが不安」——そんな気持ち、自然なことです。
このガイドでは、心理学のエッセンスを使って、あなた自身が日常でできる工夫をご紹介します。難しいことはありません。まず気になるところから読んでみてください。
「血糖値が高い=一生悪化していくだけ」「もう手遅れだ」——こうした考えが浮かぶことがあります。でも、それは心が疲れているときに起きやすいパターンで、必ずしも事実ではありません。
その考えが浮かんだら、心の中で「本当にそうかな?」と一度だけ問いかけてみてください。たとえば、「昨日より少し歩けた」「今日は薬を忘れなかった」など、小さなプラスの事実を一つ探してみましょう。
「最悪だ」と思う前に、「今日できたこと」を一つ書き留める習慣が、気持ちを少し楽にしてくれます。
「完璧に食事制限しなきゃ」と思いすぎると、少しでもできないとやる気がなくなってしまいます。心理学では、小さな成功体験の積み重ねが「自分にもできる」という感覚を育てると言われています。
今よりほんの少しだけ良くなる目標を一つ決める
(例:「夜の間食を週3回やめる」)
できた日は自分を褒める。カレンダーに○をつけるだけでもOK
1週間続いたら、次の小さな目標へ進む
「完璧にやらなければ」ではなく「昨日より少しだけ良く」が長続きの秘訣です。
ストレスへの対処には、大きく2つのタイプがあります。
「何か行動できることがある」状況に向いています。
例:通院の予約を早める、医師に質問リストを作る、食事の記録をつけ始める
「今は自分でどうにもできない」状況に向いています。
例:好きな音楽を聴く、散歩する、深呼吸する、信頼できる人に話す
検査結果を待っているときなど、どうにもできない場面では、気持ちを整えることに集中しましょう。それは「逃げ」ではなく、賢い対処法です。
不安や痛みは、意識を向けるほど大きく感じやすくなります。これは脳のしくみで、あなたが弱いわけではありません。
5-4-3-2-1法:目の前の環境を使って、「今・ここ」に意識を向けます。
👁 見えるもの5つ
👂 聞こえるもの4つ
✋ 触れているもの3つ
👃 においがするもの2つ
👅 味がするもの1つ
数えることで自然と気持ちが落ち着いてきます。
緊張したり、不安が強いときは、話の内容が頭に入りにくくなります。これは脳の自然な反応です。忘れてしまっても自分を責めないでください。
受診前:聞きたいことを箇条書きでメモしていく
受診中:「大事なことを書いてもいいですか?」と一言聞いてメモする
受診後:帰宅してから落ち着いた状態でメモを読み返す
「今日先生に言われたこと:○○を気をつけること。次回は△△日。薬は□□を続ける。」
「次の検査でどんな結果が出るか」「症状が悪くなったらどうしよう」——わからない状態は、それだけで不安を大きくします。
次の受診日: 月 日
それまでに気をつけること:
①
②
もしこうなったら電話する:
例)血圧が160を超えた、めまいが続く など
「こうなったらこうする」が決まっていると、なんとなくの不安が減りやすくなります。
「こんなこと言ったら迷惑かな」と思って、不安や疑問を飲み込んでいませんか?あなたの気持ちや疑問を伝えることは、治療の大切な一部です。
「ちょっと聞いてもいいですか?」
「もう一度説明してもらえますか?」
「最近、少し心配なことがあって…」
「これは続けるのが難しいんですが…」
遠慮しなくて大丈夫です。医療スタッフは「聞いてくれてよかった」と思っています。
できたことにチェックを入れてみましょう。小さなことでも、十分です。
💚 このガイドは、あなたが自分自身の味方になれるように作られています。
つらいときは一人で抱え込まず、担当の医療スタッフや信頼できる人に話しかけてみてください。