●用意シュ〜ト〜・サッカー11
「 攻撃総論」
今回は攻撃について考える。
ここでの攻撃はオフェンスを指すのではなく
広義の攻撃、つまり自分たちチームが
ボールを保持している状態を想定している。
サッカーにおいて攻撃とは
どういう理論で成り立っているのか。
大原則から考える。
サッカーで勝利を得るためには、
自己のチームが、失点よりも多くの得点をすることである。
そして、得点を取るためにはどうしたらよいか。
それには、まず、得点を容易に取れる状況を
極端に考えることが有益であろう。
そこで考えると、
得点を取るための必要かつ十分条件としては、
@できる限り1対0(フリー)の場面で
Aより相手ゴールに近い位置へ行き(ゴールライン)
B可能な限りゴールの枠内へ行き(ゴール中央)
C可能な限り静止した状態で
D可能な限り静止したボールを
Eシュートする
といえる。
そして、攻撃とは、
以上の状態に近付ける行為と言える。
では、そのような攻撃を行うために
必要な技術は何か。
一般に、攻撃に必要な技術には、
シュート、パス、ドリブル、トラップ等
が考えられる。
これらの技術は、攻撃に関する理論において
どのような位置付けをするべきか。
以下、論じる。
まず、T.攻撃をするにあたり、
できるだけ
@できる限り1対0(フリー)の場面
Aより相手ゴールに近い位置
B可能な限りゴールの枠内
少なくとも
@できる限り1対0(フリー)の場面
の位置に自分を置く、
よい状態での「ポジショニング」を
取ることが必要となる。
次に、U.そのようなポジション取りを
するために「フリーランニング」を
することが必要となる。
特に、サッカーにおいては
ほとんどの時間は自分が
ボールを持っていない状態にあるから
そのような状況下での動きが大切となる。
さて、そのようなフリーランニングにより
良いポジショニングを取った場合、
自然とボールが集まる。
そしてそのポジショニングが良ければ良いほど
@できる限り1対0(フリー)の場面
Aより相手ゴールに近い位置
B可能な限りゴールの枠内
C可能な限り静止した状態
でボールをうけることができる。
そこで、V.そのようなボールを
自分の支配下に置くという
「トラップ」が必要となる。
D可能な限りボールを静止した
状態に置くことができる。
さらに、より良いトラップによって
@できる限り1対0(フリー)の場面
Aより相手ゴールに近い位置
B可能な限りゴールの枠内
C可能な限り静止した状態で
D可能な限りボールを静止した
状態におくことができる。
さらに、W.ボールが自分の支配下に置けた場合
先述の大原則から、「シュート」を打つことを
考えなければならない。
これが大原則のEシュートするにあたる。
しかし、X.点を得るためにシュートを打つことが
できない場合、ボールを自分の支配下に置くことを
維持する「ボールキープ」が必要となる。
これは、@〜Eの大原則と
矛盾する行為であるが
ボールキープがなされなければ
先述の広義の攻撃自体が終了してしまうのである。
したがって、このX.は
攻撃を維持する上で必要なプレーである。
さらに、Y.先述のフリーの状態を築き上げるために
ボールを運ぶという「ドリブル」が必要となる。
このドリブルもより良いプレーといえるためには、
@〜Bの大原則、少なくとも@を作り、
C〜Eの手段のためになされることが必要である.
そして、Z.自分よりも@〜Eの大原則に近い状態の者に
ボールをつなげるという「パス」が必要となる。
以上のようにサッカーにおいて必要な技術は、
その重要性の順毎に挙げると、
T.ポジショニング(含む、読み)
U.フリーランニング(含む、プランニング)
V.トラップ(含む、球際の強さ)
W.シュート(キック)
X.ボールキープ(ボールの扱い)
Y.ドリブル(ルックアップ)
Z.パス
となる。
ただし、以上の順は私見の原則であり、
下位の技術が上位のそれよりも
高い能力を持っている者は
先の順位を変更することも考えられる。
例えば、VトラップよりもWシュートの技術に
長けたものはダイレクトシュートを打てば良い。
また、この点、
一般のサッカー教科書においては
その記述順から
ボールをキックすることが
最も重要視されている感がある。
しかし、これはあくまで
練習のプログラム順序であるか、
または、サッカーがボールを蹴ることに
その存在意義があるからである。
一定のレベルにあるサッカーを
想定して理論的考えれば、
サッカーの攻撃技術は、
上記の優先順位を意識して観戦するなり、
自らプレーするべきである。
したがって、
以上の順によって以下論じる。