環境思想を学ぶ人のために
 世界思想社 1950円 1994.11.30発行

  1. 環境をめぐる基本的諸問題
    1. 環境と人間
      1. 環境保護は何を意味するか
      2. 自然物には権利はあるか
      3. 人間と自然はどのように関るべきか
      4. どのような生態系を保全すべきか
    2. 誰がどういう自然をまもるのか
      1. 誰が
      2. どういう自然を?
      3. 情熱
    3. 技術と有用性-人間と自然を結ぶもの
      1. 「技術」とは何か(1)
      2. 「技術」とは何か(2)
      3. 技術と環境問題
  2. 環境問題の歴史と背景
    1. ギリシア思想における人間と動物
      1. 動物に対する人間の優位(1)「正義」
      2. 動物に対する人間の優位(2)知性
      3. 人間中心主義的目的論
      4. 人間と動物との親近性-テオプラストスの場合
      5. 親近性と正義
    2. 環境危機と「隠された宗教」-近代的所有観念の一素地-
      1. 自然支配と天地創造
      2. ファイエルバッハのキリスト教批判-「人間の鏡」としての神
      3. 創造神話とロックの所有権理論
      4. 結び
    3. 環境内存在とその責任-環境倫理の現象学的基礎づけの試み-
      1. 人間が「自然」と調和し、「自然」に服従していたという「自然状態」における人間の問題
      2. 自然から独立するということ
      3. このような自然観と技術をもちうる者は誰か
      4. 環境と環境内存在
      5. 環境の悪化は何に由来するか
      6. 技術の自然に対する干渉は必然的である
      7. 倫理的主体は誰か
    4. エコロジスムと環境倫理
      1. 倫理学としての環境倫理-environmental Ethicsの両義性
      2. 具体性の学としての環境倫理-エコロジーとしてのエシックス・エシックスとしてのエコロジー
      3. 環境=生の存在論-人間身体を中心として
      4. エコロジスムと倫理
    5. 風土の変容-ポストモダンと環境問題
      1. 風土と近代
      2. ポストモダンと環境
    6. 精神分析からみた環境倫理-J.ラカンによる欲望の次元
      1. 環境倫理の三つの課題
      2. 困難の源は欲望の次元にある
      3. 欲望の次元
      4. 結論
  3. 倫理学批判としての環境倫理
    1. 自然環境の価値-非人間中心主義が意味するもの-
      1. 人間中心主義批判-道徳的共同体の拡大
      2. 環境倫理を正当化するものとしての価値
      3. 「人間」への問いとしての人間中心主義へ
    2. 動物解放の理論
      1. 「動物解放」という問題提起
      2. 平等な道徳的配慮の原理-p.シンガー
      3. 動物の「固有の価値」と「権利」-リーガン
      4. 道徳理論としての動物解放の理論
    3. 環境問題と世代間倫理
      1. 世代間倫理への批判と反論
      2. 世代間倫理の正当化
    4. 内在的価値批判-内在的価値の内在的問題
      1. はじめに
      2. 内在的価値の特質と哲学的前提
      3. 全体論的文脈主義-内在的価値の立場への代案
      4. 全体論的文脈主義の擁護
  4. 環境倫理と現代社会
    1. 環境保護と法治主義-環境法の思想的一考察
      1. 「環境基本法」と生存権
      2. 法治主義と法治国家二区分論
      3. 法治主義と社会的法治国家
      4. 社会的法治主義と生存権
      5. 環境保護の生存権的基礎づけの可能性
    2. 環境問題とトラスト
      1. イギリス法史におけるトラストの歴史的沿革
      2. トラストの展開
      3. 環境問題に対するトラストの射程
    3. 環境問題と消費生活
      1. 大量消費の是正は必要か否か
      2. 環境危機克服のためには、大量消費生活の是正が不可欠である
      3. 大量消費生活の是正のために、われわれは何をなすべきか
    4. 環境問題と現代経済
      1. 現代経済の環境問題
      2. 市場経済と環境問題
      3. 環境倫理と人間福祉