コミックマーーケット76にて私が運営する「はまあんクラブ」は3回連続当選は無いのジンクス通り落選となりました。

 いつもの私でしたら、そういう時はひたすら好きなサークル様の本を買ったり、面白いサークル様の本を新たに発掘したりに専念するのですが、自分の中での創作活動が95年以来14年振りに「
やる気モード」になってるらしく(とは言え熱意に関しては当時には全く及びませんが...)この機会を逃すとまたいつこんな状態になるか判らないですから、私の作品に少なからず好意を持って下さる方々に作品を見て欲しいという事で、ブースはおろか会場での委託販売先すら無い中での新刊制作となりました。

 そして、会場にいる数多くの同人サークル様の中から私の活動に好意を示して下さった方(それまでの活動で縁があった方々です)をメインに新作を配布させて頂きました。受け取って下さった皆様、本当にありがとうございました。受け取って下さった方の中にはガンダムを見てない人もいるかとは思うのですが、本を通して私の(作品に込める想い)だけでも感じ取って頂ければ...と思ってます。

 さて、私の「同人誌として面白い作品」の根元は、
1980年代の晴海コミケでして、あの新館1階、2階で売っていた本だったりするんです。あの頃、私はまだ買い手側でしたし、そこで売ってる方々への輪に入る訳にもいきませんでしたから、それなら自分でも作ってみようという思いを結晶にしたのが平成2年に作った「はまあんかあん必勝攻略本」でした。

 私は就職の関係で関東へ上京しましたし、その時回りに同人をやってる仲間は一人もいませんでした。(同人以外の人生を語れる仲間ならいるのですが...要するに俺だけがこっちの世界に足突っ込んだという訳です)そんな感じでしたので、今ならネット上や書店にいくらでも転がっている「
サークル活動の仕方」のイロハやら、同人誌制作のノウハウやら同人仲間との交友関係の全てを全く情報が無いゼロの状態から、一つずつ自分だけで築き上げていかなければなりませんでした。当時は交友の手段は、ほぼ手紙だけでしたから、感想を書いて(運が良くて)返事が来るまで数ヶ月とか当たり前の世界でしたよ。でも、そんな感じだったからこそ、同人活動への思いが今の人よりは多少強いのかも知れませんね。

 私がそんな感じなので、メインで購入する同人誌も、そういう描き手の(楽しい)思いが伝わってくる様なものが好きだったりします。(同人誌で)絵や話も大事ですが、人に何かを伝えたいと思う時に一番大切なのは「心」だとは思いませんか?いくら綺麗に描いてあっても、心がこもってない作品はすぐ判ります。

 今の同人誌界は、風俗産業と同じように「その場限りのあとくされ無し」という事が主流になってますし、そういうのが好まれる状況になったのかもしれませんね。だからこそ表紙がもの凄く上手く出来ていても、中身がラフ画のマンガだったり、ペン入れのみのマンガだったという18禁同人誌が多いのかもしれません。(一回抜いたら終わりで即売却の作品に必要以上の作業労力を費やしても、それなりの力で書いたとしても、結果的には売れ方は変わらないかもしれません。だったら楽をしようと思うのはある種納得してしまう事でもあります)

 私はその手の同人誌は殆ど買わないのですが、色々な楽しみ方がありますから、それはそれでいいんじゃないかなと思う一人です。でも、私が好きなのはそれ以前の時代の同人誌ですし、描きたいのも同じです。ですから、出来上がった本は80年代当時の雰囲気を残した懐かしくもあり古くさくもある本が今の時代に出来上がってしまうのだと思います。

 あ、でも私は18禁モノだけが同人誌だとは思ってませんよ。旅行本や評論、メカ・ミリタリー等の濃い内容の本もとっても大好きだったりします。むしろそっちの方が本当の意味での同人誌だと思ってますし、私の好きだった頃のコミケ色を色濃く残してるとも思いますね。(でも私はハマーンが好きで本を作ってる人間ですから、そっち系のジャンルで参加する事が出来ない...でも、向いてるベクトルは同じだと思ってます)

 そんな訳で、私は作り手として楽しい内容を第一に置いて、更に他の人もそれなりに楽しめて、数年後に何かのきっかけで元ネタが判った時に更に楽しめるという、何年経っても楽しめる本を目標にこれからも作り続けて行きたいと思ってます。


 で、今回の「戦慄の空間」について...。

 今回の作品は「アムロとハマーンを戦わせたい」という思いから始まってます。前作「背徳な戯れ」でハードなエロシーンばかり書いてましたらページが多すぎて入れる事が出来ず、折角二人が会う機会を設けたのですから、その設定を使ってもう一つ話を作ろう!...という事で出来たのが前作のサイドストーリーである「
戦慄の空間」な訳ですね。

 そんで本当は戦闘シーンだけ書きたかったのですが、話を進めている内に、
ハマーンがアムロともう一回やりたくなってしまって(笑)急遽トイレでの行為が追加されたという訳です。あのシーンは売る為に追加した訳でなく、ハマーンが望んでそれにアムロが応えたので生まれました。...二人とも本当に淫乱だなぁ...シャアが物陰で嫉妬してますよ(笑)

 戦闘シーンでは、もう「
アムロを(初期型)ガンダムに乗せたい!」という気持ちだけで書きました。時期的にもお台場に初期ガンダムがありますし、丁度良かったのではないでしょうか?(笑)それと限定モニターや警報、グフ、セイラさんのCGやらムサイ艦爆破はもう話の中に入れたくて仕方が無かったです。そんで、その雰囲気の中に、ハマーンを登場させたかったんです。そうそう、その際のBGMはZやZZのBGMではなくて初代のBGMか哀戦士のBGMを是非脳内で流してお読み下さいませ。

 あと余談ですが、グフにセンサーの死角があるかや、ガンダムの肩が実際に外れるのかは、
公式設定を見てないので判りません(笑)でも私が書く世界のグフは死角が存在しますし、ガンダムの肩はダグラムの様に操縦者が外す事が出来る...そういう事です。

 二次創作で、
公式設定に囚われ過ぎて作品本来の面白さや可能性、楽しさを狭めるという事は、私としてはつまらない事だなぁ...と思ってます。でも、私の作中のアムロのように「時代だから...仕方が無いか...」とも思ってるんですけどね。

 それでは、これからも私にしか描けない(書けない)ぶっ飛んだ作品を世に出していきますので、応援して下さる皆様、どうかよろしくお願いします。

2009年8月17日(一部文書修正9月21日)

 コミックマーーケット75にて、12月28日「東館モ−30a はまあんクラブ」を覗いて下さった皆様、そして本を買って下さった皆様、本当にありがとうございました。

 「
ガンダム」という作品の中で、「ハマーン・カーン」というキャラは、幸運にもそれなりには知られているキャラです。ただ、それは流行とは程遠いレベルの話ですし、知っている方は多くても、同人誌までは買う程では無いというのが大半の人ですしそれが現状です。また、私の場合は、ストレートに描く事を事実上放棄してますので、更に購買層が絞られ、誰も買う人がいなくても不思議では無かったりもする訳です。

 さて、今回新刊としてブースに置いた
「ハマーン様Book2008冬 背徳な戯れ」の事を話しますが、まともに作業を始めたのが12月に入ってからでした。漠然と「アムロとハマーンで話が作りたいなぁ・・・」とは10年程前から思ってましたし、次の新刊は小説と決めていましたので、今回はそれを話のネタにと採用した訳ですが、「二人を違和感無く会わせるにはどうすればいいか?」「どんな展開にすればいいか?」というのが上手くいかず、なかなか話が進まなかったというのが現状でした。

 その為、
24時間暇さえあれば常に話の展開を何通りも頭の中で組み立てて、試行錯誤してみた結果、ZZでハマーンが再び宇宙に昇った後という時期と、アムロが初代ガンダムでサイド6に行ったというエピソードを舞台背景の為に使用する事にしました。(これは「話をもっともらしく作る」という事で、私の中ではとても重要な事だったりします)

 そして、ハマーンとアムロがそれぞれサイド6に行く為の理由を考え、それに同行する人間まで考えた時に浮かんだのが「
ナナイ・ミゲル」という「逆襲のシャア」に登場するキャラでした。これは皆様知っての通り声がハマーンと同じ榊原さんなので、このキャストを逆手にとって「ナナイはハマーンが彼女の全ての知識、技術を教えた上でシャアの元へ送り込んだ」という設定を考えてみました。ハマーン自身、自分の失敗を踏まえた上で、自分に近い雰囲気、性格を持ったナナイを教育して、シャア好みの女性に仕立て上げる...。この設定が頭の中に浮かんだ時、私の心の中で「あ、この話...何とかなりそう」と思いましたよ。その時点での確証は無かったのですが、話としてはまとまるかも...みたいな...。

 次に公園でハマーンとアムロが出会うシーンですが、最初は
公園のトイレ内で彼女が一人で自慰行為をしてるのを目撃して...というのを考えてみましたが、アムロが覗きをするというのも今一つ納得がいかなくて(私の中でのアムロという存在は文中で「一年戦争の英雄」という称号をあえて用いてる事からも判るように、かなり高いです)、なら公園のトイレで体を吊っていて身動きが取れなくなった時に助けを求めた人がアムロだった...というのもナナイという存在があるので無理に助けを求める必要もないし...と考えまくった末に浮かんだのが「公園を露出散歩していた時に見付かる」というエピソードでした。それが頭の中に浮かべばそこに持っていく為の理由付けを考えて、その後の展開に関してはキャラに演じて貰えればそれで終わるか、場所を変えて再び行為を続けるかを、キャラ達が勝手に決めてくれるだろうという考えで執筆していました。

 結局私の頭の中で、ハマーンは
公園以外でもアムロと体を重ねたいという選択を選びました。このエピソードが無ければもっと少ないページ数で価格もそれなりに抑えられたのですが、ハマーンの心を癒す為に、もう一回アムロと行為に及ぶエピソードは必要だなという結論になりました。これは話をエロ描写だけにしたく無いという私のこだわりです。売る為だけでしたら、そこまで考える必要も無いとは思いますが、「ハマーンの幸せ第一主義」という看板をずっと掲げていますので、この流れは当然の流れだなぁ...と思いました。また、エピローグに関しては、無くても今回の話には問題無いのですが、付け加える事で逆襲のシャアへの流れが出来るかなぁ...と思って書いてみました。

 こんな感じで出来上がった小説ですが、製本して完成したのは
28日の朝5時頃です。家からの出発が6時過ぎなので、本当にギリギリの完成でした。27日の時点では、残りは表紙だけというレベルまでは出来上がっていたのですが、例によってCGの描き方をすっかり忘れていたという有様でした。それを本を見ながら思い出しながらの作業でしたし、時間が無いにも関わらず、途中でデッサンが気に入らない部分は直しまくっていましたので、予想以上に時間がかかってしまったりと本当に大変でした。

 そんな感じで本が完成して、コミケのブースに到着してみますと...そこで初めて私の机配置が「
お誕生日席」(机配置で両端の折り返し部分の席をこう呼んでる)である事が判りました。こんな事...私のサークルでは二度と無いでしょうから、当然記念写真を撮りましたよ(笑)そして10時から13時まで私は買い出しへ行き、その後は終わりまでブースでまったりと時を過ごしていました。

これが私のサークル「はまあんクラブ」のブース画像です

おおっ!何だか普通のサークルっぽい感じがするぞ!(笑)

 本は小説という事もありますし、ページ数も多い事から身の丈に合った部数しか作らなかったのですが、2日目.3日目に同人仲間に配布する分を除くと、手元には自分の分しか残らない状況です。また、他の在庫も順調に消化してますし、今回は本当に嬉しい参加となりました。この至福の時を得る為に、確実に自分の寿命を削ったとは思うのですが、それも自分の性格的なモノだから仕方ないかなとは思ってます。これが仕事だったら絶対に割が合わない事なんですけどね。一種の恋愛みたいなもんです...ホント。

 また、今回もお隣のサークル様を含めて、沢山の知り合いとお会いする事が出来ました。その殆どの方が私とはジャンルが違う方向での活動をされている方々なのですが、私の創作活動に理解を示して下さる方々でもあります。もちろん私自身もその方々の創作活動を面白いと思って応援してますし、何よりもジャンルを越えて交流出来るというのが、実は私自身とても嬉しかったりします。だって、
私はガンダムという作品だけが好きな訳では無くて創作活動という媒体を通して出てくる作品、そしてその人が作品に込める想いを感じ取るのが好きなのですから...。

 話を今回の新刊に戻しますが、小説は18禁という描写以外にも、色々と楽しめる要素を盛り込んでますので、
公式の設定を一旦ゴミ箱に捨てて、自由に想像して楽しんで頂ければ幸いです。それとカットはどれも楽しみながら描きましたが、一番のお気に入りは中表紙の「大江戸ロケット版ハマーン」です。おソラさんとハマーンを掛け合わせたキャラを描くのは、世界中探しても私位なものでしょうけど(そんな絵ばっかりです)、別に奇を狙った訳ではなくて、気付くと自然に描いている...そんな感じです(笑)

 私にとって「ハマーン・カーン」という存在は、
様々な創作活動のネタを与えてくれる最高のキャラです。私の場合はたまたまハマーンだった訳ですが、、空気を吸うように、水を飲むように、飽きが来ないで描き続けられるキャラに出会う事はなかなか容易では無いと思います。使い尽くされ、飽きられて忘れられていくキャラの多い時代ですが、私のように好きなキャラがいて、(他にも色々描いたりはするけど)そのキャラを愛して描き続けるという人がいてもいいんじゃないかな...と思ってます。

 長々と書きましたが、創作活動だけに限定すれば、今年は最高の一年でした。こんな事はもう無いかもしれませんが、来年以降も引き続き活動を継続していきますので、応援して下さる皆様、どうかよろしくお願いします。

2008年12月29日


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